−神様のいたずら−

僕の名前は、結城夏樹 《ゆうきなつき》
年17才でちょっと女っぽい名前だけど、れっきとした男だ。
身長も160と小さく顔もよく女の子に間違えられるけど、れっきとした男だ。
くどいようだけど僕は男だ、喧嘩はしないけど強い自信はある。
ボクシングをしててジムのプロの人のパンチも見える、一般の人には負ける気はしない、喧嘩はしないけど。
とりあえずここで自己紹介は終わり。
今、僕はジムでトレーニングし終わって帰り道を歩いている。
時間は9時を過ぎていて、おまけにこの辺りは街灯が少なくかなり道が暗い。
変出者が出るそうだが、僕には関係ない。
普段通り歩いていると、見るからに変わっている女の子が僕の前に現れた。
ヒラヒラしてる服を着てアニメとかに出てきそうな……そう、魔法少女ってやつの格好。
へーんなの…まぁ関わらない方がよさそうだな…と僕が思って通り過ぎようとすると、
「ちょっと待ってください」
と声を掛けられ引き留められた。

「あのー、何か僕に用?」関わりたくないんだけど無視するのも悪いから、とりあえず僕はその娘に何の用なのか聞いてみた。


すると、
「あのですね、今日神様が間違えをしちゃったのであなたにお伝えにきました。」
「はあ……?」

全く意味の分からない事を言ってきた。
これは新手の宗教勧誘かな…?
そんな僕の考えをよそに、その子は話を続けてくる。
「えっと、神様が地上の皆様を眺めていたらあなたを見て…そのぉ、あなたは男の性ですよね?」

その言葉に、どっから見てもそうだろ!とは言わず、
「男だけど、どうしたの?」
と答えた。
女の子は困った顔をし、何か言いにくそうにしながら話してくる。
「あのー、実は神様の間違いというか、イタズラであなたには女の性が似合うという事で今日の日付変更から性別を変えてしまうという事をしてしまったのです」

なんという妄想をしてるんだろうか、この子は。とりあえずはっきり言ってやろう、そんな事が起こる訳がないと。
「僕が?…明日から女?冗談はよしてくれよ、初めてあった名前も知らない人に神様だなんだ言われても、ワケわかんないし…そんな事起こるワケがないだろ?」


「可哀想な、夏樹さん」

あれ…?

「なんで君…初めて会ったのに、僕の名前知ってるの?」
僕が不思議に思っていると、目の前の子はにっこりと笑って、
「天界からいつも見てましたから♪」

……????…天界?…
「私、メリッサって言います♪あなたとか言わずに初めから夏樹さんって呼んでおけば良かったんですね♪」
……そんな問題じゃないんだけど、意味不明な話に言葉がでない。
メリッサって子はお構いなしに一人で喋り続ける。
「はぁー、その中性的なマスクに私ファンだったんですよー」
……要するに、天界とかワケがわからない事の前にはっきりわかった事があった。

このメリッサって子はストーカーって奴だ。

そう考えれば、僕の名前を会った事がないのに知っているのもうなずける。
だから僕はその子から走って逃げる事にした。
「あっ、ちょ、ちょっとー!?」
彼女の言葉を無視して、僕は全速力で自宅まで帰った。

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