新作投下します。
祠の神様に罰で女の子にされた女顔の貧乏学生。
何とかバレない様に四苦八苦します。
バレないまま終わりませんが、良い形で終わるつもりです。
レイプを入れると話が暗くなるので無いです。
エッチなシーンは中々来ませんがご容赦を。
尚関西弁な友人が出ますし、某グラビアアイドルを嫌いな方にもご容赦を。

主人公
星田亜季【19】
難波豊 【19】
七郎神 【?】
その他、誰かさん。




◇◆IMITATION GOLD◇◆

===貧乏学生===

「おーい・・・俺にもカレー食わしてんかぁ」
親友の豊が、フラフラと腹を鳴らしながら来た。
難波豊、こいつは中学時代からの付き合いになる。
高校、今の国立大学とずっと一緒だ。
大阪から中学時代に引っ越して来たが、未だに頑固一徹に関西弁が消えない。
関西人は言葉に誇りを持ってると言うことは、こいつを見てると良く分かる。
「豊の方が仕送り多いのにさ・・・まぁ良いか、御飯余計に炊いてるから食ってけよ」
「ありがたいなぁ・・・やっぱツレやなぁ」
豊はカレー作ると必ず匂いを嗅ぎつけてくる。
でも憎めない奴だ。
「ルーは少なめだよ?」
1日寝かせたカレーが・・・また諦めるのか。
ルーは少なめだし、肉は牛の細切れだが、何故か僕のカレーは豊の大好物だ。
「俺がカレー食いたい時、絶対作ってるからなぁ」
「僕は豊の嫁か!いっつもいつも言うけどさ」
「亜季が女やったら、俺絶対放っとかん!勿体ないこっちゃで・・・」
「それは止めい」
実は僕には大きいコンプレックスが有る。
顔があの、ほしだあき、に瓜二つなんだよ。
僕が女なら問題ないが、残念ながら男だ。
小さい頃は女の子みたいって多少可愛がられた様だけど、本人にとってはコンプレックスでしかない。
大学になったら少しは男っぽくなるかと思ったが、全く変わらない!
依然として女顔のまま。
ニューハーフにでもなれば良いかもしんないが、それは御免被る。
「ごちそーさん、相変わらず美味いなぁ」
豊はご飯一粒残さず綺麗に食べてくれた。
ちょっと嬉しいかな?
「こんど、お好み焼き食べさせろよ?」
「任せとけ・・・けど具は安物しか無いでぇ」
逆に豊のお好み焼きが、僕の大好物なんだから、人の事は言えない。
秘訣は関西限定のお好み焼きソースと、出し汁と言う事らしい。
僕は、豊の様にフライパンで器用に引っ繰り返せないから、こいつ任せ。
この学生寮は貧乏学生の集まりだから、皆助け合っている。
僕もたまに集りに行くから、人間相身互いだね。
しかし・・・僕の顔を待ち受けにしたがるのだけは止めて欲しいな。
特に豊!お前だ!
こいつは大のほしだあきファンだからなぁ。
僕で間に合わすなって


大学一回生も後少し。
実は・・・僕は悩み中。
僕んちは母子家庭だ。
その上、弟が居る。
弟の為にも、僕は直ぐにも働きたかった。
高校卒業したら働こうと思ったが、母が無理して大学に行かせてくれたんだ。
だから国立大学に頑張って入学した。
そして何より僕の大学の寮費は凄く安い。
仕送りも殆んど貰っていない。
とにかく、最近他に何か道が有る様な気はしている。

===七郎神===

と、そろそろバイト行かなくちゃいけないな。
甚だ不本意だけど、僕はファーストフード店の注文受けをしてる。
男は皆厨房なのに、僕だけ別・・・複雑だ。
バイトが終われば、自転車で帰寮する。
その繰り返しだ。
しかし、いつもの帰り道が、バイトに来る時は何も無かったのに、帰る時に封鎖してた。
遠回りするしかないが嫌いなんだ、この道。
坂道が有るからさぁ。
登った後は下り坂だから楽だけど。
ブレーキが甘い!
目の前に祠が!
ガンッ!とハンドルが祠をぶち抜いた。
「や、やばい」
そーっと中を見てみると、中がぐちゃぐちゃ。
・・・七郎神?
こんな名前の神様有ったかなぁ・・・。
取り敢えず倒れたのを起こしたが、割れてるよ。
「まぁ良いか・・・」
僕はペコリと頭を下げて逃げ去った。
何やら光った様な気がしたが、気のせい気のせい。
夕食は残ったカレーを出し汁で延ばして、薄いカレーラーメンにした。
風呂は・・・濡れタオルで拭けば良いや。
顔はこんなでも、貧乏学生はこんなもんだよ。
明日は大学だし、僕は寝る事にした。
ひきっぱなしの布団に潜り込む。
「ふわぁぁ・・・むにゃ・・・ZZzzz」

「許さぬ・・・」
(何を?)
「そなた、我を破壊せしめたるや!」
(破壊?え?)
「分からぬのか?」
(え、ちょ、何か分からないけどごめんなさい!)
「その上、忘却しておるとは救いがたい!」
(えっと・・・)
「我は七郎神!世の性を司る神なるぞえ」
(あ!でも・・・)
「反省も無かりしか」
(お、お許しを!)
「もう遅い!そなたに相応しき罰をしんぜよう」
(罰って何?神様?ちょっと!ねえ!・・・)

僕は飛び起きた。
「何だ、夢・・・か・・・え?え?」
声が高い・・・って言うか出たの女の子の声だった


ガバッと起きた時も違和感が有ったんだよね。
シャツの前が信じられない位盛り上がってた。
言うまでも無く、それは僕のオッパイ。
パンパン・・・股間も案の定消え失せてる。
手をトランクスの中に突っ込むと、陰毛から指が割れ目に潜り込んだ。
「夢じゃ無かったんだ」
僕は女の子に変えられてしまっていた。
小説ではこんな話聞いた事有るけどさ・・・。
「ひどい罰・・・」
電気を付け、机の上の鏡を覗くと。
そこにあの、ほしだあき、が居た!
「げ・・・同じ顔」
男の時と然程変化はしていなかったが、女と男は顔の造りが違うのだろう。
より、あのグラビアアイドルに近づいている。
つうかそのもの。
「ど、どうしよ」
何とか元に戻らなくちゃならない。
七郎神って言ってたな。
大学のパソコンで検索してみれば、何か分かるかもしれない。
でも、どうやって大学まで行けば良いのやら。
顔はまだ良いとして・・・このオッパイは、隠し様が無い。
「うーん・・・何か巻いてみるかな?」
バスタオルを胸にぎゅうぎゅう巻いてみたが、結び目がピチピチ。
明日さらしを買ってこなくちゃいけないな。
「く、苦しひぃ」
オッパイが潰れてる。
形が崩れちゃう・・・って問題はそこじゃ無い。
取り敢えず大学が開くまでまだ時間が有る。
バスタオルを解いた。
「ぷはぁ」
ぶるんと巨乳が弾ける。
『でっかいなぁ・・・』
でも、どうしよう。
母さんに言おうかな。
『女になりましたぁ』
言えないよなぁ。
豊は・・・多分狂喜乱舞するだろうけど言えない。
何とか誤魔化していくしかないのか。
胸は、大学行く時だけさらしを巻いて行けば良い。
まさか女になったなんて誰も予想つかない筈だ。
まだ問題は有る。
風呂、トイレは共同。
トイレはこそこそ行くしか仕方ないとして、風呂は女風呂に行くしか仕方ないのか?
「はぁ・・・」
頭を抱えるしかない。
・・・と大事な事が!
僕は扉に飛び付く。
いつも鍵なんかかけないから、今度から気を付けないといけなくなった。
僕は、この男子寮の中に居る唯一の女の子。
それも、あのアイドル。
女子寮は有るが、何て言えば良いんだ?
『女になったから、女子寮に入れてね』
とても言えないが、万が一の時は考えないとな


===四苦八苦===

そーっと部屋を出る。
オッパイは今にもはち切れそうだ。
大学構内に恐る恐る入ったが、皆こちらを見ている様な気がする。
友人の一人が話し掛けに来た!
「よう星田、講義か?」
「・・・」
喋る訳にはいかない。
声が出ない。
そうジェスチャーする。
「風邪か?注意しろよ?じゃな」
『ふぅ、ばれなかった』
何とか顔は誤魔化せるみたいだ。
大学の講義の前に、パソコン室に検索しにいった。
七郎神・・・。
中国の禅宗の神様。
水滸伝にその記述が有るらしいが、勿論女にされた解決法など載っていない。
『無駄足かぁ・・・』
外に出て重い足取りで歩いていると、豊に遭遇!
「亜季・・・ん?お前、今日何か一段とあきちゃんに似てないかぁ?」
「・・・!・・・?」
風邪、声が出ず
「気のせいかなぁ・・・しかし急な風邪やな、まぁ気ぃつけや。薬有るか?」
「・・・っ」
こっくりこっくり
うんうんと頷く。
さすが豊だ・・・何か腑に落ちない風だったが、首をかしげで去っていった。
しかし・・・講義中オッパイが苦しい!
トイレでたまに解放してやらないと息が詰まる。
こんな日が続くのかと、僕は憂鬱だった。
そして何時までも黙りでいる訳にもいかない。
「あー・・・こほん・・・あ、あ、あー」
声を低くして何とか誤魔化せるかな。
「亜季ぃ、飯食いに行かへんか?」
「食欲無いんだ」
声を低くして喋ってみる。
「さっきまで喋れなかったのに・・・どないした?声変わりでもしたんか?」
「風邪で喉がね」
「変わった風邪やな!声が高くなる風邪かいな」
「そうみたい」
「・・・・・・」
やばい!豊の奴が僕の顔をじっと見てる。
「ど、どうした?」
「変や・・・なんやドキドキするのは気のせい?」
「僕に惚れるなよ」
「アホ、惚れるかいな!まぁええわ、またな」
豊、するどい。
奴を誤魔化し切れるか自信が無くなってきた。
講義がもうひとつ有る。
僕はそれに出た後、一直線で寮に帰った。
そしてトイレが又困る。
つい立ち小便しようとして、スカッと手が空振り。
無いんだよね・・・。
仕方なく座り小便する。
男と違って尿が高い土手にまとわり着く。
一々拭かなくちゃならないのが面倒


「くはぁ!苦しいっ」
バスタオルを解くと、まろび出る巨乳。
今日一日で、身も心も乳もどっと疲れた・・・。
一応さらしを買ってきたから、明日からこれを巻かなくちゃだ。
巻き方が難しいな。
オッパイが可哀想な気もするが、他に方法は無い。
僕はさらしを巻いた後、祠に謝罪しに行った。
ついでにワンカップ酒を捧げて頭を下げる。
はたしてその夜、神様が再び夢に出てきた。
「お主、反省しておる様では有るな」
(お許し下さい!)
「女としての喜びを知れば考えてやろうぞえ」
(喜び?)
「気をやる・・・つまり絶頂を得よ」
(ぜ、絶頂!?誰と?)
「それは知らぬわいな」
(あ、神様?ちょっと)

僕は飛び起き考え込む。
『エッチしろって事?誰とだよー・・・』
一瞬浮かんだ豊の顔を慌てて振り払った。
次の日も講義に出ては、トイレでオッパイ解放。
声を誤魔化し、豊をあしらい、と三倍疲れる。
『風呂、どうするかな』
股間から微妙な匂いが漂ってきてる。
クンクン・・・
『変な匂い・・・』
まだ女風呂に入る勇気は無いからタオルで拭いた。

次の日。
今日は朝からバイトだけど、風邪と報告して休みを取った。
だってさ、オッパイが苦しいんだよ。
もう今日一日オッパイ解放デーにしてやる。
何か色々疲れた・・・僕はついそのまま二度寝してしまった。

うつらうつらとしてる時、扉が開いて豊が飄々と入ってきた。
『鍵忘れた!』
慌てて布団を被り、うつ伏せになる。
オッパイで若干上半身が浮き上がってる。
「なんや、寝てるのんか?お好み焼き持ってきてやったでぇ」
「ありがと。後で食べるからそこに置いといて」
『オッパイ潰れるぅ』
「分かった・・・ん?んん?なんやこの匂い」
ギクッ
「な、何?」
「なんか、ええ匂いやぁ・・・息子が激しくオッキしそうな甘い匂いや」
「気のせいじゃない?」
「匂いで気のせいって有るのんか?まぁええわ、じゃあな」
豊が首をかしげながら出ていった。
匂い?そんなに良い匂いしてるのかなぁ・・・。
自分じゃこの女の体臭ってのは今一分からない。
でも豊なら、僕に変な事しないんじゃないかな。
奴を信じて言うべきか。
僕は悩んだ。
お好み焼きに噛り付きながら・・・


===女風呂===

確かに・・・ちょっと汗臭いかもしんない。
「風呂かぁ・・・」
入りに行くとして、このまま出るのは危険だ。
さらしを巻いて出て、何処かでさらしを解いて、風呂屋に飛び込む。
男が皆女風呂に喜んで入ると思ったら大間違い。
元来恥ずかしがりの僕だから、とても喜んでなど入れない。
でも、さすがに石鹸で洗わないと・・・そろそろあそこの匂いが。
女の子が綺麗好きだなんて嘘な気がする。
僕は意を決して入りに行く事にした。
・・・ちょっと待った!
僕は未だにトランクスだし、ブラジャーなど無い。
まさか女風呂で、トランクス一丁になる訳にはいかないだろう。
「はぁ・・・買わなくちゃいけないなぁ」
さらしをぎゅむと巻いて、デパートに出かけた。
トイレでさらしを解いて、上は粗末なシャツのみ。
「わ、何か卑猥」
ノーブラの胸がたっぷんたっぷん揺れ、シャツには二つのぽっちが。
しかし僕は油断してた。
顔はあのグラビアアイドルそのもの。
何度か聞かれた。
「あのー、ほしだあきさん、ですか?」
「ち、違いますよ!」
慌てて否定して、俯いて下着売場に直行する。
恥ずい!何でこんな苦労しなくちゃいけないんだよ・・・って自業自得か。
店員さんがじーっとこちらを見てる。
「ブ、ブ、ブラジャーと、パンツを・・・その・・・ゴニョゴニョゴニョ」
「はい、サイズはおいくつですか?」
「あの、分からないんですが・・・」
「では、お測りしますので、こちらへ」
余計な事は聞かないんだな・・・安心した。
「お客様、上をお脱ぎ下さい」
「は、はぁ」
当然脱がなくちゃ測れない訳で。
「す、凄い」
目を見張る店員さん。
「97センチのIカップでございますね」
Iカップ!聞くと本当に大きいと思い知る。
ブラジャーと安いパンツを数セット購入したが、日頃節約していて良かったかもしれない。
ブラジャーを装着し、シャツを着る。
何か凄く引き締まる気がして、女の子になったんだと改めて思うなぁ。
でも・・・凄い胸。
目を引きまくるので、デパートを駆け抜けた。
第一ハードルは突破したが、次が問題。
風呂屋の前で立ち尽くす訳にもいかない。
チャリと入浴料を払う。
目の前の裸体の集団に僕はクラクラしていた


拷問に近い!皆僕の事を疑いの目で見ている気がして仕方ない。
あの女、元男よ?なんて言われてる訳は無いとは思うけど。
楽しむなんてとんでもない話だよ。
でも、しっかり洗う所は洗わないと・・・。
えっと・・・ここってどう洗うんだろう。
股間を見下ろすが、何も見えないと言うのは凄く不思議な光景だ。
チラチラと他の女性を見ると、平気で手で股間を泡で洗っている。
『指で洗うのかな』
手の平に泡をたて、指でビラビラの間を前後。
『何これ!変な感覚・・・って言うか形状がさっぱり分からないよ』
僕は未だに自分の性器を見ていない。
だから、恥ずかしいんだってば!
下側に穴らしきものが有るのは何となく分かる。
『ここに入れるの?第一入るのかな、こんな小さい穴に・・・』
股間に手を突っ込んで固まっているのに気付いた。
はっと周りを見渡す。
自意識過剰だ。
何時の間にか、隣に高校生位の女の子が居た。
『わ!裸の女の子!』
当たり前だって。
服を着て洗っている方が変だ。
隣の女の子がチラチラ僕を見てる。
自分のオッパイと僕のオッパイを見比べ、心なしか凹んでるみたい。
僕としては隣の女の子のサイズの方が好み。
でかいだけって肩は凝るし、何一つ良い事など無いよ?って言ってあげたい。
余計なお世話だけどさ。
シャンプーで髪を洗い、僕は股間を隠しながら湯に浸かる。
暫くして先程の女子高生らしき子が隣に来た。
「ほしだあきさんじゃ無いですよね?」
「違うよ?そんなに似てるかなぁ」
やっぱり似すぎているのは弊害しか無いよ・・・。
「似てるなんてもんじゃ無いですよ?良く見ると本人よりお若いですけどね」
「あの人って何才?」
「三十才ですって」
「三十!見えない」
あの人、そんな年齢だったのか・・・凄いなぁ。
一度、この顔で逢ってみたい気はする。
びっくりするかな?
瓜二つな妹って言っても誰も疑わないだろなぁ。
女の子に挨拶をした後、僕は風呂屋を後にした。
あ・・・さらしを巻かないといけないんだった。
『はぁ、めんどくさい』
何時ものトイレに向かう為公園に入ると、目の前に・・・豊が居た!
「あ・・・しまった」
粗末なシャツとスエットパンツな何時もの僕。
呆然と固まる二人




===ばれた?===

とうとうバレたか。
「あの」
「ほしだあきさんですよね!?こんなとこで撮影ですか?」
・・・おまえ・・・。
「へ?」
「ごめんなさい!プライベートでしたか?」
「えーっと」
こいつ・・・もしかしてオッパイで判断してる?
自分の親友が、まさか女の子になってるとは思わないだろうけどさ。
「あのー、サインして頂けませんか?」
『サ、サイン?』
何か面白くなってきた。
「良いですよ?」
どうせこいつには言おうと思っていたから、いつバレるか遊んでみよう。
豊はノートと万年筆を出してきた。
サラサラサラ・・・
【星田亜季】・・・っと
これで分かるだろう。
「え?漢字の名前も有ったんですか?」
「そうなんですよー」
馬鹿だ・・・こいつ。
「あきさん!俺大ファンなんですよ」
「これからも、亜季、を応援してね?難波豊さん」
「はいー!・・・え?何で名前知ってるんですか?」
まだ分からないのか?
「中学生の時から知ってますよ?」
「んん?同級生だった?でも年齢が違うしなぁ」
「カレーとお好み焼き」
豊が僕を二度見した。
「え?・・・いやまさか!でも、あいつは男や・・・実は女の子やった?そんな訳無いわなぁ」
黙って僕を指差したから、頷いてみた。

・・・・・・

ベンチに並んで腰掛け、頭を抱える豊。
「嘘みたいな話やな」
「本当なんだよねぇ」
「まぁ、現実にお前変わってしもてるからなぁ」
「ごめん・・・遊んでる余裕は無いんだけどさ」
散々説明し、豊は漸く納得してくれた。
「それは気にすんな。でも亜季、これからどないするんや?」
「分からないよ・・・エッチなんて出来ないし」
「お、俺は無理やでぇ!親友となんて出来んわ」
少しガッカリした様な複雑な気分。
「だ、誰もやってくれなんて言ってないってば」
「その七何とかって神様に頼み込むしか無いんちゃうかなぁ」
「何度も謝るしか無いかもしんないね」
見知らぬ男とエッチしてなんて考えられない。
「それまで隠し通すしか仕方無いやろ・・・俺も協力したるわ」
「助かるよ」
僕達は取り敢えず、晒しを巻いて帰る事にした


「で、お前、身体全て女の子かいな」
「うん、完璧に」
「そら難儀やなぁ」
「み、見たいの?」
胸を押さえて後退り。
「ア、アホ言え!そりゃ見たいけどやな・・・」
「見るだけなら・・・良いけど・・・」
「男の悲しさやな。嘘は言えん!」
まぁ豊なら襲われる事も無いとは思う。
胸くらいなら良いかな。
「見せるけど、襲っちゃいやだよ?」
「俺は人でなしちゃう」
つつっとシャツをたくし上げ、ブラジャーのホックを外すと、ブルンとオッパイが弾け出た。
「ほら・・・」
「ご、ごっついなぁ」
オッパイに穴が開きそうなくらい視線が痛い。
「重いんだよこれがさ」
「肩凝るやろなぁ・・・あ、オッパイ風邪ひくで?服着てもええで」
「これが一番隠し通すのに困るんだよ」
僕はブラジャーをはめながら溜め息をつく。
「そうやろなぁ・・・他の学生に見せたら、お前の身が危ないなぁ」
「うん、男には戻りたいけど、犯されるのはイヤ」
「俺が守ったる!何か有ったら叫んだらええがな」
やっぱり良い奴だな。

「おーい、星田ぁ、カップラーメン持って無い?」
寮生の一人が突然入ってきた!
そいつに背を向けてる僕を、豊が突然抱き締めた。
「わぷっ」
「お、おぅ、亜季はバイト中やで?ラーメン俺の部屋に有るからやるわ」
「難波、星田の部屋で何やってんだ?」
「見て分かるやろ?俺の部屋汚いよって、逢引に使わしてもろてんのや!早く出ていき」
「すまん、すまん。貰って行くぜ、邪魔したな」
慌てて扉の鍵をかけた。
「「ふうぅ」」
同時に溜息をが出た。
「び、びっくりした」
僕の頬が赤い気が・・・
「ごめんやで、咄嗟に身体が動いた・・・って何で顔が赤いんや?」
「僕に急に抱き付いてくるんだもん・・・」
「俺に抱き付かれただけやのに?変な奴やなぁ」
何で心臓がドキドキしてるんだろう・・・僕は脳も女になってるのかな。
「うーん・・・豊とするしか無いないかなぁ」
「アホ言いな、親友とエッチ出来るかいな!有難い申し出やけど」
「まぁ神様に頼んでみるよ・・・そりゃそうと、何か食べる物有る?食料買ってないんだけどさ」
「ん?俺が焼そば作ってきたろか?」
僕はそれを有り難く受ける事にした


==情緒不安定な僕==

「うん!豊は焼そばも天下一品だねぇ」
こいつのソース物は本当に美味しい。
良いお婿さんになると僕は思う・・・婿・・・。
ボッ!と再び、僕の顔は絶対赤くなった。
「ホンマに変な奴やなぁ。赤うなったりならんかったり」
「だ、だって・・・婿、いやいや何でも無い!」
「お前、脳ミソオッパイに取られたんちゃうか?」
オッパイに取られたって、何て失礼な事を。
「ば、馬鹿!折角恥ずかしいのを我慢して生乳見せてやったのに」
「そうか!お前俺にオッパイ見られたんが恥ずかしいんやな?それで赤うなったんや」
そうなのかな・・・確かにさっきから恥ずかしい。
「そうかも・・・何か恥ずかしい」
駄目だ・・・顔中真っ赤になってきた気がする。
胸を見せ抱き締められたのを、僕の女の子の部分が豊を男として意識してる。
これって本能に近く、自分では抑えようも無い。
「そないに恥ずかしかったんなら、見せいでも良かったのに」
「あ、あの・・・でも・・・う、ううぅ」
俯いた瞳から涙までポロポロ零れ落ちる。
「亜季!どないした?ごめん!俺が見たいって言ったんが悪いわな!」
ふるふると首を振る。
「分からない・・・自分が自分じゃ無いみたい」
何でもない事なのに、凄く情緒不安定だ。
「まぁ、今日はゆっくりしとき。夕飯持ってきてやるさかい、な?」
「うん・・・」
「じゃ、扉の鍵しっかりかけとくんやで?」
豊は僕の頭をポンポンと叩き、出ていった。
『はぁ・・・なーんかカップルの痴話喧嘩みたい』
何で急に情緒不安定になったのか
何かがスイッチになったんだろうか。
扉の鍵をかけながら、自分の事を考える。
『まぁ良いや、深く考えないでおこうっと』
僕は少し身体が火照るのを寝て誤魔化す事にした。

「そなた順調に女子になっておるのう」
(もう男に戻して頂けませんか?)
「駄目じゃ!これだけは伝えておくが、厳密に言えば罰では無い」
(罰じゃ、無い??どういう意味?)
「そのうち感謝と共に分かる・・・我は遠くも見ゆる神なる故に」
消える前に、手をかざして遠くを見る七郎神。

ふと目が覚めると夕方。
しかし「罰じゃ無い」ってのが意味が分からない


僕は目が覚めた後、ずっと鏡を見つめていた。
コンプレックスだった顔が、今は抵抗無く受け入れられている。
そっと手で、青磁の陶器の様に滑らかになった肌を撫でてみた。
顔を斜めにして自分の顔を覗いてみる。
『お化粧したいなぁ』
なんて思ったりした。
それにしても、今の顔は全く違和感が無い。
罰では無い?
本当の自分って何?
少しずつパズルのピースが埋まっていく。
舌をぺろっと出したり、歯をいーっと剥いたり。
鏡に写る歯の一つ一つから唾液まで、女の子としての自分の物。
細いしなやかな指も、自分でもまだ見た事が無いあそこも・・・。
『なんか・・・嫌じゃないんだよね・・・今の僕』
仕草のちょっとした所が妙に女の子っぽい。
『染まってきちゃってるのかなぁ』
戻りたい様な戻りたくない様な・・・。
自分の道・・・この言葉も大事なパズルのピースの一つな様な気がする。
思い悩んでも仕方ない。
寮生達には絶対バレたくないけど、何か良い方向に進む気はしているから。
鏡にニコッと微笑む。
『わ!僕って可愛い?』
豊はよくこの顔を見ていて平穏で居られるな。
持ち主の僕でもドキッとするのに。
親友だからか?だとしたら得難い友人だ。

===実家にて===

「亜季、お前家族にも言っておいた方が良いんとちゃうか?」
焼そばをぱくつきながら返事をする。
「言った方が良いかな」
「俺も一緒に行ってやるさかい」
「母さんと正人、びっくりするだろうなぁ」

僕は今豊と一緒に母と弟の前に居る。
さすが母親・・・びっくりはしたが、我が子だと言う事を疑いはしなかった。
「母さんは亜季だと分かるよ?別に無理に戻る必要は無いんじゃないかしら」
「え?何で?」
戻ら無くても良い?
「その為だけに、男性と交わって欲しく無いのよ」
「でも、このままだと大学がさ・・・」
「大学だけが亜季の人生じゃ無いわ・・・慌てないで考えなさい」
大学にだけは行けと母は言ってくれてたから、この答えは意外だった。
「うん・・・暫くよく考えてみる」
自分の道なんてまだ全く見えないけどね。
問題は弟の正人なのかもしれない


正人は未だ口をポカンと開けたまま。
「正人?」
「・・・・・・」
豊が助け船を出した。
「兄貴が姉貴になったんや。そら仕方ないで」
「ごめんな?正人・・・兄ちゃんこんなになっちゃってさ」
兄貴が女の子になった。
そりゃショックだよね。
ニューハーフになって戻ってきた処じゃ無いし。
「兄ちゃん・・・すげえ可愛いなぁ」
「へ?か、可愛い?」
「うん、可愛い」
僕はこう見えても兄貴だ・・・弟に可愛いって言われるのは複雑。
「顔はそんなに変化してないだろ?」
「いや、何か違うよ」
「やっぱり変わっちゃってるんだなぁ」
「まぁ、兄貴は兄貴だし、弟は弟だけどね?それは変わらないから安心して」
この言葉は何より嬉しい。
実際の話、弟は僕より頭一つ大きいから、少し怖い気がしていた。
女の子として意識されたら兄貴として大いに困る。
信じていない訳じゃ無いけど、襲われでもしたら洒落にならないから。
後は・・・大学に残るのかどうかだな・・・。
二回生になったら学費を入れなくてはならない。
それまでに考えないと。

僕は豊と一緒に実家を後にした。
バレない様に後三年過ごすのはやはり無理が有る。
自由に出歩きたいし、自分を隠し通すのも辛い。
実家からの帰り、バイト先で仕事しながら僕はそう考えていた。
何となく注文受付の人数が僕に偏ってる気が・・・
悪い気はしないけど。
同じ受付の女の子達の視線が非常に痛い。
『そんなに見ないでよ。好きでなった訳じゃ無いんだからさぁ』
休憩中女の子達が話し掛けに来た。
相変わらず晒しに胸が締め付けられ、あまり休憩になっていない気もする。
「星田君、あなた可愛いすぎ・・・何か悔しいわ」
「そんな事言われても」
「それにその鼻にかかった甘い声!ずるーい」
「ご、ごめんなさい」
謝る必要は全く無いが、雰囲気がそうさせる。
まさか本当に女の子とは思ってはいないだろう。
もうバイトを変えた方が良いかもしれないなぁ。
端から女の子として通った方が身も心も楽だ。
でも女の子らしい服なんか持っていない。
改めて女の子の服を買うお金もあまり無いし。
「いらっしゃいませ!お持ち帰りですか?」
顔で笑って、心で悩む僕


===続四苦八苦===

爺さん教授がボソボソ喋るから眠たいのなんの。
『晒しがくたびれて来た気がするなぁ』
シャツのサイズは少し大きめだから、締まった腰の括れは隠せている。
ズボンはお尻が大きいせいかピチピチだけど。
母さんのズボン、送って貰おうかな?
母さんのヒップサイズなら僕に丁度良いかも。
「うー・・・ん」
伸びをした時だった。
結び目が脆くなっていたのか、晒しが急に解けてブルンとオッパイが零れた!
『わ!ヤバい!』
幸い誰にも見られていなかったけど・・・。
前屈みになって、腕で必死に押さえつける。
『なんでこんなに無駄に大きいんだよぉ』
「星田、どうした?気分悪いのか?」
「わひ・・・いや大丈夫、大丈夫だよ」
「無理すんなよ?」
「あぁ、ありがとな」
突然声をかけられて、心臓が飛び出るかと思った。
『うぅ、後少しだ』
おかげで眠気も吹っ飛んだが、その代わり冷や汗が出まくり。
腕では隠しきれないオッパイが、ムニムニと隙間から零れてくる。
漸く講義が終わった!
カバンで胸をカバーし、脱兎の如くトイレに直行。
『ふぅ、危なかったぁ』
晒しを巻き直す為、シャツを脱いだ。
『何か又大きくなった気がするんだけどなぁ』
多分百の大台越えてる。
押さえつけたり、解放したりしてるからか分からないが、確実にバストのサイズが増してた。
『僕はもっと小ぶりの方が好きなんだけど』
今日はまだ講義が後二つも有る。
女の子になった事、公表しちゃおうか。
いや駄目だ!そんな事したら身の危険が増すだけ。
そして思い切り好奇の目で見られるだろう。
【衝撃の事実!男の子から女の子に変わった!?】
なんて絶対書かれる。
やはり隠すしかないか。
晒しをぎゅうぎゅう巻きながら深く溜め息。

「亜季、なんか疲れてるみたいやなぁ」
「大変だよ、本当に」
「俺、これからコンパ行くけど、行かへんわなぁ」
「うん、こんな身体じゃお持ち帰りも出来ないし」
豊はコンパか・・・気楽で良いなお前は。
「何か食うもんでも買って帰るわな」
「浮気しちゃイヤよん」
「ア、アホか!そんな軽口叩けるなら大丈夫やな」
コンパかぁ、行きたい。
でもそろそろオッパイ解放してやらないと、血が止まりそうだ


「うふーぃ」
湯に浸かり、おっさんの様な呻き声を出す僕。
こうして風呂に居る間は落ち着く。
女風呂だからって躊躇する事も今は無い。
第一ここなら男子学生に会わなくて済む。
心身共に解放されるのが最優先だからね。
周りの女性を見てもドギマギしなくなってるし。
まるで男の時に男風呂に入っている様な感覚。
そういえば、ふとした時に出る仕草が女の子になってる時が有る。
女の子なんだけどさ。
多分脳ミソも女の子脳に変えられているみたい。
だとしたら、七郎神って凄い神様?。
でも仕草は気を付けなくちゃ、オカマに見られるのは甚だ不本意だ。
『何か・・・思い切り女の子を解放したい気分』
綺麗な服を着て、お化粧したらあいつ喜ぶかな?
デートぐらいしてやる。
コンパか・・・お持ち帰りしてくるのかな。
それは嫌だと、胸が嫉妬で疼く。
『僕は豊にヤキモチ焼いてる?なんで?』
分からない・・・全く自分で自分が理解不能だ。
駄目・・・また泣いてしまいそう。
冷静沈着な男だったのに、又情緒不安定気味だ。
バシャッと手で湯を掬い、顔にかけた。

その夜、豊はお持ち帰りする事も無く、お土産を持って訪れた。
その事実にパッと嬉しくなる反面、放って行かれた事に拗ねる僕が居る。
そうなんだ・・・僕は又豊の前で泣いた。
でも鈍感男で助かった。
鋭い奴なら僕の態度は見え見えだろうな。
正直言うよ・・・
僕は豊を男として意識しだしてた。
いつもこんな粗末な服だし、お化粧もしていない。
可愛い女の子として接してみたいんだ。
でも豊は僕を親友として尊重してくれている。
その気持ちを裏切りたくないから・・・。
何でそんなに優しい?
泣いて困らせたのに、ポンポンと頭を叩いてそっと出ていく。
これ以上気持ちが膨らむのが心底怖い!
そして豊に抱かれたくなってるのを、抑えるのが辛くなりそう。
勿論それを彼に言うつもりは今は無い。
壊す方が怖いから。
それが彼の為・・・っていつしか奴やあいつから彼って言ってるね。
『色々考えて疲れた・・・もう寝よ・・・』
切ないばかりに立ち上る女の香りを感じながら、眠りに入っていった


「おい!亜季!」
ドンドンドン!
豊が慌てた様子で扉を叩いたので、僕はびっくりして目が覚めた。
「何だい?僕講義昼からなんだけどさぁ」
「あのな、ここらでほしだあきが居るらしいって噂になってんのや」
眠気がぶっ飛ぶ。
「それって僕の事か?」
「それしか考えられんやろ!気ぃつけや?帽子やるさかい何時も被っとけ」
「あぁ、サンキュ」
朝から講義が有るからと豊は出ていったが・・・噂にまでなってたか。
『こりゃ外に居る間ずっと晒しの世話かぁ?』
まさかその噂の本人が僕だとは思わないだろう。
しかし声でもかけられたら面倒だ。
昨日豊が買ってきてくれたカツサンドと牛乳をほうばりながら考えた。
そろそろ決める時が来ているのかもしれない。
母は優しく僕を迎え入れてくれるだろうけど。
女として生きて行くのか、戻るのか。
決断しなくちゃ・・・。

===運命の日===

今日は一日中晒しを巻きっぱなしだった。
『血が止まるぅ!』
『息が止まるぅ!』
『オッパイ苦しいぃ!』
夕方漸く寮で晒しを解くと、オッパイがジンジン痺れていた。
血を通わす為に揉んでいると、豊が部屋に来た。
服を戻して、豊を中に招き入れる。
「あのな、お前に頼みが有るんやけど」
「何?何でも言ってよ」
それは正直言って嬉しい申し出では有った。
豊が入部している天体研究会の、四回生追い出し旅行が来週有る。
参加不参加は自由だが、参加する学生はカップルで参加が望ましいとの事。
なんと無茶な事を言う部なんだろうと呆れる。
で、豊は不参加は悔しいし、独り身で参加するのはもっと悔しい。
妹に頼んだが、二言で拒否されたらしい。
「いやっ!」と。
そりゃそうだろう。
何でカップル旅行で兄貴と行かなければならないのか、分かりそうなもんだ。
で、僕と一緒に行って欲しいとの申し出。
行くのは凄く嬉しいけど、色々問題が・・・。
「化粧して、綺麗な服着て、髪をセットしたら絶対お前やと分からへん!」
それは絶対分からないと僕も思う。
僕みたいな世界で唯一無二なケースは想像も出来ないだろうし。
「服とか、お化粧はどうするのさ」
「妹に頼むから、なっ?どうや?金は勿論俺が全部持つよって」
当然、僕は受けた


四苦八苦する一週間が過ぎ、旅行の二日前。
僕達は豊の実家に居る。
散々説明し、漸く納得してはくれた。
豊の妹の瞳ちゃんとは何度も会っているから、理解出来たのかも。
「亜季兄ちゃん・・・嫉ましい程可愛いなぁ」
「ははは・・・」
頭を掻くしかない。
「ええよ?服貸したげるわ!化粧もしたげる」
「ありがとうね」
「なぁ馬鹿兄!こんな可愛い彼女二度と現れんで?大事にせんとなぁ」
この瞳ちゃん、可愛いのに口がすこぶる悪い。
馬鹿兄と来た。
「アホんだら!亜季は親友やで」
「ふーん・・・親友ねぇ・・・やっぱり馬鹿兄や。鈍感な奴で大変やなぁ、亜季兄ちゃん」
ギクッ!
瞳ちゃんが僕をじろりと横目で見つめてる。
お見通しって事?
「鈍感って何の事や?」
僕と瞳ちゃんを交互に見る豊。
「馬鹿兄は知らんでええ」
「ぼ、僕も分からないから聞かないで!」
「じゃ亜季兄ちゃん、出掛ける前日に家に来てや?うちの家に泊まっていき」
それの方が助かる。
まさか寮まで来てもらう訳にも行かないだろうし。

旅行前日、今日漸く女の子に成れる・・・心が凄く踊ってた。
夕方豊の家に行く事になっている。
豊は寮から出掛けるらしいから、僕一人だ。
良い機会、瞳ちゃんとも色々話をしたい。
ヨレヨレシャツにピチピチズボン、髪はボサボサ。
勿論晒しを巻いてるからにはブラジャー持参しなければならない訳で。
浮かれて寮生にバレない様に注意はしないとね。
家に行くと、瞳ちゃんが今か今かと待ち構えてた。
「亜季兄ちゃん、待ってたで?早速着せ替えするから早よ脱いで」
パンツ一枚になると、瞳ちゃんが硬直した。
「うわっ・・・ええ身体やなぁ・・・うち純粋女やのに何か悔しいわぁ」
「そ、そうかなぁ」
「うん、自信持ちや?さ、これ着て」
白いフリルの付いた膝上のミニスカート。
胸が大きく開いた黒いシャツにボアの付いたカーディガンを羽織る。
靴は真っ赤なパンプスを用意してくれてるらしい。
「亜季兄ちゃん、自分の姿見て。ほらどうや!」
「わぁ、凄い・・・」
姿見の前に立ち、身体を捻ってみる僕。
大きく開いた襟からオッパイが零れそう。
やっと本当の自分に出会えた・・・僕は泣きたくなるくらい嬉しかった


「化粧は明日やな。風呂で髪の毛洗ったげるよ」
「え?一緒に入るの?」
いや、もう女の子と入るのは抵抗は無いけど、仮にも親友の妹だし。
「当り前やん!以前の男の亜季兄ちゃんやったら無理やけど、今は女の子やで?うちは気にせん」
「よ、宜しく」
さすがお洒落には気を使う瞳ちゃんだ。
シャンプーやトリートメントも良い物らしい。
僕なんか、昔からの安いリンスインシャンプーだけしか使っていない。
洗い方も有るんだな。
でも、人に洗ってもらうって良い気持ち。
女の子ってお風呂一つでも色々大変だった。
風呂から上がると、自然化粧水で肌を整える。
イオンドライヤーでの髪の乾かし方。
髪の毛が信じられない位艶やかで綺麗になった!
セミロングの細い髪がサラサラと揺れる。
僕は感動していた。
これが女の子としての本来の姿なんだ。
瞳ちゃんのパジャマを借り、ベッドに二人で座る。
「亜季兄ちゃん、もう男には戻る気は無いんやろ?正直に言いや」
「瞳ちゃんにはかなわないね・・・実はそう思いつつあるんだよ」
僕はもう殆んど男に戻る気は消えつつある。
そこまでお見通しとは、恐れ入った。
「それは、兄貴を好きになっちゃったから?」
答えの代わりに一回だけコクりと頷いた。
「でも・・・」
「でも、馬鹿兄は鈍感やし、親友関係を崩しとうも無いっ!ちゃうか?」
「瞳ちゃん凄いね・・・何でもお見通しか」
瞳ちゃんが僕の肩を抱いて抱き寄せた。
「亜季兄ちゃん?辛いなぁ・・・うち分かるよ?馬鹿兄は自分の気持ちに気付いて無いだけや」
言葉が心に染みる。
涙がポロポロと零れて止まらない。
「うちが手助けする訳にはいかん!きっとそのうち良い方に進むよ?」
「うん・・・ぐすっ」
「亜季兄ちゃん、うちの義理の姉になるかもしれんのやから頑張りや」
そう・・・瞳ちゃんのお姉ちゃんにって、え?
「ぎ、義理の姉?って豊と?そこまでまだ・・・考えて無いよ」
「そうなんか?うちはてっきり嫁に成るのかと」
嫁?豊の?それはちょっと先走り過ぎな気もする。
でもお付き合いしたら、考えられない話でも無い。
明日、豊の顔正面から見れるかなぁ・・・凄く意識しそうだよ




僕は鏡を見ながらただただ驚いていた。
自分の顔が徐々に綺麗になっていくじゃないの!
女は化けるってのは本当の話だったんだね。
「化粧でこんなに変わるんだぁ・・・」
「あの馬鹿兄には勿体ないなぁ」
鏡に映る自分の顔から目が離せない。
だって・・・信じられないくらい凄く可愛い。
ナルシストになりそう。
「さ、そろそろ待ち合わせ場所に行かんとね」
「瞳ちゃん、何から何までありがとうね」
「ええって。その服やバッグプレゼントや!悔しいけど、うちより亜季兄ちゃんの方が似合う」
ここまでしてくれて瞳ちゃんには申し訳ない。
プレゼントとは有難い。
「良いの?今度お返しするからね」
瞳ちゃんが何げに寂しそうだったのが気がかり。
「亜希兄ちゃん・・・兄貴を宜しく・・・」
瞳ちゃんはそれだけじゃ寒いと、真っ赤なダウンコートまで貸してくれた。
さすがにこれは貰う訳にはいかない。

今の僕は別人。
今から女の子を解放する気持ちで溢れている。
駅近くの時計台の下に、豊がラフな姿で居た。
こちらをチラチラ見てるが、全く気付かない。
「豊、お待たせ」
「・・・・・・わぁ!ええ?あ、亜季かいな」
「似合う?」
「すまん、まいった!想像を宇宙程越えてるで!」
これって癖になりそう。
もっと良い気分にさせてやるとするかな。
「僕は豊の彼女だろ?きちんと紹介してよねぇ」
豊の腕に絡み付く。
「は・・・はは・・・あかん、ごっつ緊張するわ」
カチカチなのが僕にも伝わってくる。
って言うか、いざとなれば女の方が強いのかな。
僕は案外と楽しんでた。
「僕って可愛い?」
「そ、そんな段階超越してるって」
「で、他の人居るの?」
「あ?あ、あぁ、十四組皆カップルらしいで?」
駅のコンコースにそれらしき団体が居た。
僕を見てどよめきが騒々と起きる。
豊が、僕をあのアイドルと間違われる前に紹介した。
「紹介するわ、星田マキちゃん!似てるけど別人やからな」
『マキちゃん?案外と安易な名前だな』
「宜しく、マキです」
『見知った顔が沢山居るけど、バレてないみたい』
豊が先輩達に妬みでこづかれている。
「お前、あんなの何処で見つけた!」
「スタイル良いなぁ」
『うんうん、先輩達、僕はあの星田亜季なんだよ』
なんか楽しいな


行き先は群馬県のみなかみ温泉で、秋は紅葉が見事らしい。
星空を見ながらのラフティングが有名で、宿泊先は旅館たむらとの事。
駅弁を買い、先輩カップルと、指定席に向かい合わせで座る。
僕は腕を絡ませたまま、頭をこてんと豊の肩に乗せてやった。
楽しみ半分、そうしたいのが半分でしてる。
豊がドギマギしてるのが面白いったらありゃしない。
前に座る先輩の目が僕の胸を盗み見してる。
だから・・・豊にオッパイを擦り付けてみた。
逞しい腕が、僕の胸の先を刺激し、乳首が痛いくらい起ってくる。
『気持ち良い・・・』
つい腕にしがみ付く。
さすがの鈍感も、乳首の感触には気付いている筈。
僕が興奮しつつある事も気付いていると思う
トロリ・・・
『あ、やばい!濡れてきちゃった!』
非常に残念だが、乳首を擦り付けるのは中止。
ふと見ると、先輩カップルは駅弁を食べる所だ。
「駅弁食べよう?」
「あぁ、そうしよか」
駅弁を談笑しながら食べ、景色を見て・・・。
旅も久しぶりだ。
母さんと正人にも見せてやりたいと、胸が痛む。
『そのうち絶対連れていってあげよう』
家族への愛も、僕は忘れていない。
比べる事なんか出来ないからね。

旅館は綺麗な和風。
洋風じゃ無いのが良い。
部屋は勿論豊と二人。
春の新緑が生え、窓からの空気が気持ち良い。
お茶を煎れて一服。
「亜季もずっと心安まらんかったからなぁ・・・ゆっくりしいや」
「うん、ありがと」
「俺、部会有るさかい行ってくるけど、亜季どないする?」
「じゃあここら散策してくるよ」
僕は鍵を持って、付近を散策する事にした。
手持ちぶさたなカップルの片割れが沢山居る。
コーヒーを飲む人、早くも土産物を物色中の人、華やいだ雰囲気だ。
裏に続く木々に囲まれた道をそぞろ歩く。
『空気が美味しいな』
突然木々の静寂を切り裂き、僕の名前が呼ばれた。
「あきちゃーん!何してるのこんなとこで」
ドキッ!!
文字通り飛び上がった。
「な、何?なんなの?」
振り替えると、見知らぬ女性が走ってきた。
亜季ちゃん?僕の事か?
周りを見渡しても、僕しか居ないし・・・。
「何キョロキョロしてるのよ!さ、行くわよ」
「あの!ちょっと!」
僕は有無を言わさず連れ去られた


引っ張って行かれた先は、和風の会議室っぽい所。
撮影機材やら、ラフ板やら、ライトやらが沢山。
大人の男性も沢山居るから・・・何か怖い。
「えーっと・・・僕に何か用ですか?」
「僕?いつから僕って言う様になったのよ」
「あのぅ、僕、星田亜季ですが、人違い?」
「ぷっ!何当り前の事言ってるの?」
えーん、何が何だか分からないよぉ。
「あきちゃん何か変よ」
「え?え?お姉さん僕の事知ってるの?」
「知ってるも何も思いっっ切り知ってるけど?」
僕はこの人は知らないが、この人は僕の事を知ってると言う。
ここの人皆知ってるみたいだけど。
頭が混乱してパニック状態になりそう。
目がウルウルしてきた。
又、泣いちゃいそう。
と、その時一人の可愛い女性が飛び込んできた。
「マネージャー!何処に行ってたのよ!待ち合わせ場所に・・・も・・・居ない・・・???」
その人は僕も良く知っている。
誰有ろう、ほしだあきその人だった!
部屋の人達全員口を開けたまま茫然自失。
あきさんは僕の前に立って肩に手を置いた。
「ねえ、立って?あきに顔良く見せて!?」
「あき・・・さん?」
「漸く会えた・・・夢で何度も見た!小さい頃から貴方の事何回見たか」
不思議な事に、初めて会った気がしない。
自分の顔を見ていたからじゃなくて、昔から多分僕も夢で見た記憶が有る。
「逢いたかった・・・もう一人の私」
あきさんは僕を強く抱き締めて泣き出した。
僕も涙が止まらない。
「貴方名前は?私は本名星田亜紀。紀元の紀」
「星田亜希、希望の希」
マネージャーと言われた人が口を挟んだ。
「ちょ、ちょっと待って!姉妹、じゃ無いよね?」
「うん・・・あきに妹は居ないよ?」
「僕は弟が一人」
今度はマネージャーがパニくってる。
「ど、どういう事?双子にしか見えないよ!」
僕も、そして多分あきさんも意味は分からない。
でも、深いところで繋がりが有る様な気がする。
あきさんは言った。
「そんな事、どうでも良いじゃない・・・マネージャー、社長呼んで」
あきさんは依然として僕を抱き締めていた。
何か物事が劇的に動きそうな予感がして仕方がない


===あきと亜希===
「ねえ亜希?私と一緒に東京に行かない?」
普通なら悩む所だけど、僕は行く事になるだろうと思っていた。
「僕は・・・行く様な気がしてます」
「家族の方には私も話してあげる!ね?」
「はい・・・」
わりと小さな事務所だった故に、社長も付いてきていた様だ。
社長とおぼしき人が、おっとり刀で入ってきた。
スーツをビシッと着こなした初老の男性。
「なんだい?あきちゃん、何か・・・用・・・」
僕とあきさんを見比べ、興奮を隠せない様子でぶるぶる震えだした。
「社長、この子は赤の他人なんだけど、あきと同じ顔で、スタイルも抜群」
「凄い・・・こんな奇跡が有るのか・・・間違いなく事務所の起爆剤になる」
社長らしき人に必死な形相でスカウトされた。
実を言うと、答えは決まっていたんだよね。
でも、豊が・・・。
僕は明日朝一番に返事をする事にした。
あきさんはそれでも、まるで返事は分かっているかの様に落ち着いている。

部屋に戻り、浴衣に着替え、七郎神に会うため、椅子に座って目を瞑る、

「漸く出会えたか」
(あの人は?)
「本当は双子として生まれる運命で有った」
(でも年齢が・・・)
「何やら手違いが有ったらしいの。場所、時間、性別が違ってしまったみたいじゃぞえ」
(そうですか・・・)
「で、そなたは男に戻りたいか?」
(いえ、僕は女のまま新しい道に挑戦したい!)
「心残りは豊か?」
(はい・・・)
「大丈夫じゃ!我は先が見ゆる。豊にはすぐ傍らに待ち人が居る」
(え!じゃ、あの子?)
「後はそなた次第じゃ。そなたが残るので有れば、豊と結ばれようがの」
(いえ・・・あの子に託します)
「うむ・・・今夜は女として思いを刻むが良い」
(はい)
「まぁ、性の神としては、今後も契るのは構わぬぞ・・・ではな」

最後の言葉は何となく引っ掛かるがまあ良いや。
『そうかー、あの子が』
僕は事情を知ってるから、あり得ない話じゃない。
豊が戻ってきた。
取り敢えず、東京行きは夜に話すとしよう。
それまでは・・・二人の思い出を刻みたい。
「さ、デートしよ」
僕は豊の腕を取った


「亜希!ほしだあきちゃんが来てるらしいで?」
「みたいだね」
「なんや、知ってたんか」
新緑の山道を散策し、草むらに腰掛け、男と女として語り合う僕達。
特に僕は男の親友であったのを忘れ、一時の彼女として豊に接した。
僕は普通の女性としての幸せを捨てようとしてる。
迷いが無いと言えば嘘になるけどね・・・。

夜が来て、星空ラフティングに参加した。
都会では考えられない満天の星。
さすが天文部の豊。
星の話が尽きない・・・ちょっとオタク気味では有ったけど。
僕は、豊に知られぬ様に別離の涙を零していた。
あの神様は先が見えるらしいから、豊もきっと幸せになるだろうな。
僕もきっと幸せになる。
その確信は有るけど、今はやはり辛い。
だって、隣の逞しい男性が今は大好きだから。

楽しい1日が過ぎ、二つ敷かれた布団に入る。
「僕、ほしだあきさんの事務所にスカウトされたんだよ」
「え!ほ、ほんまか?」
「うん、だから学校止めて、東京に行こうと思う」
「そうかぁ・・・そやから1日変やったんやな」
「分かってたの?」
「俺ら親友やで?分からいでか」
はは・・・さすがだ。
僕の事良く分かってる。
「行っても良いか?」
「お前の選んだ道やないか!俺は応援するで」
豊はそう言うだろうとは思っていた。
心の何処かに止めてほしい思いも有るのは事実。
「でもさ!でも、僕・・・豊の事、す」
「その先言うな!俺も言わんから」
「うん・・・ごめん」
そっと布団の中で浴衣とパンツを脱いだ。
今から僕は女になる。

===女の喜び===

「豊、こっちに来て」
「な、なんや?」
「良いから、来て!」
「おう・・・」
豊がにじり寄ってきた。
ガバッと布団を剥いで裸体を曝し、腕を掴んで強引に引き寄せる。
「抱いてよ」
「男に戻るんか?」
「もう戻らない!僕の初めてを、豊に奪って貰って思い出にしたいんだ」
「ええんやな?」
「滅茶苦茶にして!何回もして!」
僕は豊の首に手を回し、唇に吸い付いた。
「ん・・・む・・・」
まさか親友と舌を絡ませるとは思わなかった。
僕の女芯に火が灯る。
全てを忘れてセックスをしたい。
何回も中に出されて、いかされたい


上にかぶさる重みで、潰れる胸さえ心地良い。
「豊、童貞じゃ無かったよね?」
「経験は有るで?」
「よかった・・・僕、処女だから任せるよ」
「任せとけ」
僕の唇から首筋に向かって舌が這っていく。
耳を甘噛みされて息を吹き掛けられる。
「ん・・・ぁぁ・・・」
男の時とは違い、全身が敏感になってた。
膣の奥からトロトロと愛液が溢れてくる。
耳元で熱く囁かれ、興奮が高まってきた。
「亜希、お前、反応ええんやな・・・可愛い声で鳴きだしたで?」
「自然と出ちゃう」
胸をやわやわと揉まれ、乳首が勃起してる。
まだ始まったばかりなのに、凄く気持ちが良い。
身体が熱く火照り、トロトロが止まらない。
「オッパイ舐めてぇ」
豊の頭が下がり、僕の敏感になった乳首が舌でくりくり転がされる。
「あぁ、気持ち良いぃ」
僕の太股に豊の勃起しきったのが当たってる。
「亜希のあそこ見てもええか?」
「良いよ・・・見て」
身体を逆向きにし、豊が僕の陰部を見てる。
「もうぐっしょりや」
「ああ、僕のが見られてるよぉ・・・」
「あうぐっ」
突然粘膜に舌が這った。
ぬるぬると膣を這い回る舌が良い気持ち。
「い、良いよぉ!凄く気持ち良いよぉ」
性器の奥が熱い!
そこをあれで掻き回して欲しい。
「豊!入れて!豊の硬いの早くちょうだい!」
もっと色々して欲しくも有ったが、それ以上に膣にぶち込んで欲しかった。
豊が胡坐を組み、僕をその上から下ろしていく。
つぷっ
穴に先が埋まり、僕の尻を一気に下まで下ろした。
ズプッ!
処女膜が破れ、膣の奥に突き当たる。
「あ、ひぃ・・・痛い」
豊の背中に爪を立ててしがみ付く。
「亜希、大丈夫か?我慢出来るか?」
「大丈夫、かな・・・」
繋がった・・・僕は親友と今下半身で繋がってる。
「ごっつ締まるっ」
「良いから、僕を滅茶苦茶にして!突いて、お願い、突き上げて!」
激痛って程じゃない。
それどころか、快感が勝ってる。
ぐんぐんと突き上げられ、熱い何かが喉をこみあげてきた。
「んっんぐ・・・んぁ」
身体が上下に揺れる。
信じられない位の気持ち良さだよ。
僕の膣穴がじゅぽじゅぽ音を奏でていた


多分豊とは身体の相性が合うのかもしれない。
僕は処女喪失したばかりなのに、快感を感じてた。
胡坐の上に座り、身体を密着させ豊の背中を爪で掻き毟る。
だってそうでもしないと狂いそうな程気持ち良い。
突き上げられ、軽い身体ががくんがくん揺れる。
喉に熱い物が・・・ぐんぐんこみあげる。
そして遂に僕は大声で喘ぎ叫びだしていた。
「あああぁっ!良いよ!ああ、あっ、んっあっ」
頭を反らして、天井に快楽の雄叫びをぶつける。
この気持ち良さを知ってしまうと、男になんか絶対戻りたく無くなる。
膨大な快感が身体中を暴れ回ってた。
ふっと身体が軽くなり、何処かに飛びそうになったり、落ちそうになったり。
『凄い!これが絶頂?』
「豊!い、いく・・・もっと、もっと突いて!」
「分かったで!存分にいったらええ!」
下から逆杭打ちの如く突き上げられる。
身体の中で風船が膨らみ、それが一気に爆発したような感覚が襲った。
「いく、いくいく、いくうう!んあっ、ああっ」
快感が膣から脳に突き抜け、身体から力が抜けた。
「あ・・・はあぁ・・・んん・・・はぁ、はぁ」
「亜希、次は俺や!出すで、外か?中か?」
「お願い、中で出して!・・・分かるよ?出そうになってるの分かる」
中で、豊の太い茎が膨らむのがはっきり分かる。
「出る!!ぐうっ」
ぶわっと膨らんだかと思うと、膣奥に精液がビシャビシャと当たった。
「ああ、出てるよぉ!中で沢山出てるぅ!」
精をほとばしらせた豊は、がっくりと僕の肩に頭を乗せた。
優しく髪を撫で、肩口にキスをしてみる。
「亜希・・・ごっつぅ気持ちよかった・・・せやけど中出しええんか?」
「ふふ・・・大丈夫だよ?僕まだ生理来てないよ」
「そうか、安心したで」
しかし気持ち良かった。
女って良いね。
この、中で出される満足感は、妊娠の危険性さえ無ければ得難い快楽だ。
じゅぽっと豊が抜いたら、穴からどろりと精液が流れ出てきた。
「豊、あんなに気持ち良かったの生まれて初めて」
「もう男には戻りたく無くなったか?」
「よく分かるね・・・女の快感って凄すぎるよ」
その快感を与えてくれた親友に何度もキスをした


「なぁ亜希、いっぺん口でやってくれんか?」
「良いよ?さ、立って」
半起ちの性器を僕は目の前にしてる。
まさか親友のをくわえるとはね・・・
右手で握ると、再びぐぐっと起ち上がってきた。
「す、凄いよ?豊・・・もうカチカチになってる」
その天を向いて屹立する性器に、僕はゴクリと思わず唾を飲み込んでいた。
「どうや?亜希」
「はぁ・・・良いよ、豊・・・美味しそう・・・」
そうなんだ・・・凄く美味しそうに見えて、舌で舐め回したくなるんだよ。
玉から茎に沿って、舌を這わしていく。
亀頭を舌でペロペロと舐め、透明な液体を味わう。
「うふぅ・・・美味しいよ?凄く美味しいぃ」
舐めるって、実は舐める方も強い快感が有る。
初めて知ったよ。
口中に、僕の唾液で濡れ光る熱い鉄の棒を含む。
強い男の香りに、熱っぽく興奮する。
強く吸い上げ、口の中で舌を茎に絡ませる。
左手を豊の尻を抱き、右手で玉袋をやんわりと揉みあげていく。
こうして奉仕しているだけで、精神的にいきそう。
僕は我を忘れて夢中で味わっていた。
先程より愛液がどろどろに溢れてくる。
最早下は僕のぬるぬるの液体で泉の様だ。
男の香りと僕の強い女の性臭にぼうっとなる。
「もう駄目、出そう!」
「出して!僕の顔に思い切りかけて!」
右手で強く扱き、先っぽを顔に向けた。
手の平に有る茎の中を精液が昇ってくる。
「出るう!」
それを顔で受けた。
顔中に降り掛かる豊の精のシャワー。
「あぁ、いきそう・・・僕もいきそうだよ」
僕は・・・それだけでいっていた。
ポタポタと滴る精液を舐め取り、顔中に降り掛かった精液を指で集めて口の中に収めていく。
それを舌で転がして、喉の奥に流し込む。
ゴクリ・・・
「はぁ、はぁ、豊の美味しかったよぉ」
「はぁふぅ・・・亜希、お前ごっつぅいやらしい顔してるで」
「いやらしくしたのは、ゆ・た・か、だよ」
変になるのって精神的に気持ち良いんだね。
でも、僕はまだ満足していないんだよ。
もっといかせて欲しい。
「ねえ、豊ぁ・・・もっと僕をいかせて?舌とか指とかさぁ」
「よっしゃ!嫌っちゅう程いかせたる!」
僕はその後、数えきれない位、いかせて貰った


僕の身体は愛液と精液でべっとべと。
そこには親友同士と言うのは存在していなかった。
爛れた濃厚な男と女のセックス。
でも僕は、心から女に成れて満足。
いかされまくられて、腰が抜けちゃったよ。
多分、僕の喘ぎ声は部屋の外にまで響いていた。
豊は今、僕の身体を濡れタオルで拭いている。
「豊・・・ありがとう・・・これで東京に行ける」
「あぁ・・・お前なら頑張れるで?俺がファン第一号になったるわな」
これ以上余計な事はお互い言わない方が良い。
でなきゃ号泣してる。
お互い入れ替わりで温泉に入り、心地良い疲れの中眠りについた。

===ほしだまき===

次の日の朝食後、僕は返事をする為会議室に居た。
勿論返事はオーケー。
「はい、これからお世話になります」
「そうですか!君ならすぐ売れっ子になれるよ?あきちゃんとユニットで売り出すからね!」
社長は僕の身の安全と、肉体外交なんか決して無い事を保証してくれた。
唯一それだけを、僕は心配していたから。
芸名も決ってた。
名前は【ほしだまき】
ほしだあきさんが決めていたらしい。
あ、それと僕が元男の子だと言う事は伝え済み。
突拍子も無い話だけど、信用はしてくれた。
東京での暮らしは、あきさんの部屋に入居予定だ。
契約等は、僕が大学を止めた後東京で改めてするとの事だった。
不安はやはり有ったし、豊の事はチクチク胸が痛むけど、僕は夢が膨らむ。
絶対に成功して、家族を東京に呼び寄せる。
それにしても、何か凄い旅行になっちゃった。
迷いは無かったけどね。

===旅立ち===

旅行から帰り、社長も同行して家族に事の顛末を伝えた。
母親ってありがたい!
僕が、女としての幸せを放棄する事を快く許してくれたから。
そして、瞳ちゃんにとある大事な話をし、約束も取り付けた。
大学も辞めてきた。
これで心残りは無い。
後は東京で、グラビアタレントになり、トークを研いてあきさんに相応しいユニット相手になるだけ。
一応、大学には晒しを巻いて行ったよ?
女の子の姿で行く訳にはいかないしね。
部屋を引き払い、豊に食材やカレーのレシピを渡し、最後に別れのキス。

湿っぽいのは嫌だから、見送りはお断り。
僕はもう泣かないと心に決めたから


==タレント亜希==
東京って大きい!
人が沢山居るんだね。
僕は契約を済ませ、契約金で服やら下着やら小物、バッグ、装飾品をあきさんと買いに行った。
あきさんの喜びようは尋常じゃ無く、失われていた時を取り戻すかの如く僕達は一緒に居た。
瓜二つな僕達はやはり目を引きまくる。
初日に凄い人に逢った!
小田真弓さん。
実は僕大ファンなんだ。
綺麗だったなぁ。
業界の方々に挨拶をして廻る日々。
あきさんは言った。
「この子に何か有ったら、命をかけて守る」
「変な事したら一切契約はしないし許さない」
「あきの妹だからね」と
僕が少しでも寂しがれば、必ず傍に居てくれた。
元気で面白く、僕なんかより格段に色っぽい。
テレビでのほしだあきそのままの女性。
僕はあき姉さんと言う様になっていった。
どうすれば目の中に入れられるか真剣に悩む程、僕を可愛がってくれる。
時間が合えば、一緒に食べて一緒に寝て・・・。
僕がひかれていくのは時間の問題だった。
そして、僕があき姉さんにひかれた最大の理由は別に有る。
身体が燃え、疼きだすと必ずあき姉さんが慰めてくれたから・・・。
誤解が無い様に言うが、あき姉さんは百合な人じゃなかったんだよ?
あくまでも僕だけ。
僕が居れば、彼氏なんざ必要無し!らしい。
最初、あき姉さんに抱かれた夜を思い出す。
あの時の言葉が僕を決定づけたと言っていい。
「亜希、寂しいの?お姉ちゃんが抱いたげる!いっぱい慰めてあげる!いっぱい可愛がってあげる!」
初めて裸で抱き合い、身体を繋げた夜。
双子の運命を持っていたあき姉さんは、僕がこうして欲しいと言う事を言わなくてもしてくれた。
僕も、あき姉さんがここを攻めて欲しいと言うのが言われなくても分かる。
そうなったら、もうお互い無くてはならない存在に成るのは必然な訳で。
僕達はいつしか愛し合う様になっていった。
僕の最後のパズルのピースはあき姉さんだった。
豊もパズルのピースだったけど、道を開く為の存在だったんだね。
彼とはもう男と女には戻れない。
それが証拠に、豊とは以前の親友の関係に戻り、電話で馬鹿話をする様になっていたから。
勿論、豊にも劇的な変化は有ったんだけどね。
ある意味僕より衝撃の展開なんだよね


もうすぐユニットでの写真集が出る。
ビキニを最初着た時、恥ずかしかったなぁ。
DVDも予定してる。
最初のテレビはやっぱり緊張した。
だって見たことの有る芸能人がいっぱいなんだよ。
出しゃばらない、話の腰を折らない、空気を読む。
あき姉さんの注意だ。
天職かもしれないね。
毎日が凄く楽しいんだ!
瓜二つで同じ声。
僕は瞬く間に売れっ子になっていった。
ファンレターはあき姉さんにはかなわないけど、沢山来てる。
勿論、豊からも来る。
クイズ番組、関西ローカルのレギュラー、コメンテーター。
芸人から誘惑は来るけど、誘いには乗らない。
誘いをうまくかわすコツも覚えた。
後、サインって本当に難しい。
納得のいくサインを未だに練習中。
歌を出さないかとも言われたが、これは勘弁。
音痴だもん・・・
番組対抗の歌合戦で思い切り笑われた。
「あき姉さん、笑われたよぉ〜」
「よしよし」
演技で、番組内で泣き付いてみる。
まぁこれもおいしいと思わなくちゃね。
有名になると、僕の過去を探る奴も出てくる。
元男だってのもすぐバレたが、怖くなんか無い。
下手に言い訳すると余計に騒ぎ立てるだけだし。
そのおかげで七郎神も有名になっちゃった。
何人か男から女に変化した人も居るらしい。
成らない人も居るのは、やはりそれがその人の良い道では無いからだろう。
それにしても、サインって本当に難しいね。
納得のいくサインを未だに練習中。
今一番快感なのは、僕の写真集で欲情してくれる事だったりする。
写真を見ながらオナニーもしてくれてるのかな?
抱いてみたいとも思ってくれてるんだろうね。
僕の裸が見たいよね?
でもごめんなさい。
裸は売りたく無いから。
僕の身体が男性の性欲を刺激する・・・これって女冥利に尽きる。
元男だから、そう思えるのかもしれないけどさ。
まぁ、好みの問題だけは如何ともしがたいが。
僕は芸能界を頑張って生き抜いてみるつもり。
その内、俳優にもチャレンジしたいと考え中。
僕は、女の・・・そしてほしだあきの模造金で良い。
光り輝く恋人が居るからこそ僕も輝けると信じてる


==トップアイドル==

パタン・・・
【IMITATION GOLD】

「お前、随分思い切った事書きよったなぁ」
「本当の事だもん」
「俺が難波?逢坂豊とそないに変わらんけど」
あき姉さんと頑張って生き抜いて早五年目。
僕は豊の新居に居る。
豊こと逢坂豊は、瞳ちゃんと結婚したんだよ。
瞳ちゃんは養女だったから、養子縁組を解消して、豊と結婚した。
僕は分かってた。
瞳ちゃんって豊の事を大好きだったって事がさ。
だから、東京に行く時にアドバイスと、豊を頼むと言ってきたんだ。
結婚はびっくりだけど。
僕は、自分記を書いた。
それを豊に送付し、見て貰っておいた訳。
「お前が、こないに超有名人に成るとはなぁ」
「信じてたんだろ?」
豊がくれた昔の帽子と、サングラスを外す。
「ここまでごっつくなるとは思わなかったで」
「豊の・・・おかげなんだよ?僕を女にしてくれたから道を開けたんだ」
「うん・・・そう言ってくれると俺も嬉しいで」
「一番嬉しいのは、豊と親友で今も居れる事・・・それが嬉しい」
「俺もそうやで?」
豊の前でだけは、昔の僕のままで居られる。
僕の生きる糧になってるのは間違いない。
でも・・・豊、良い男になったなぁ。
言ってやらないけどね。
「さて、撮影有るからそろそろ帰らなきゃ」
「おぅ、産院の瞳にも会って行ってや?」
「分かった、じゃね」
今、瞳ちゃんのお腹には豊の子供が居る。
幸せいっぱいだね。
勿論僕もあき姉さん無しじゃ居られない身体。
幸せいっぱいだよ?
母さんも正人も、東京にマンションを購入して呼び寄せた。
行く行くは正人を大学に行かせて独立させる。
僕が家族を支える決意は変わっていない。
そして七郎神には大きな社を寄進した。
今や僕の氏神様だもの。

もっともっと頑張る。
辛くなんか無い。
毎日が楽しいのが一番。
僕は、ほしだまき・・・グラビアアイドルで今頑張ってます!

===END===




ENDまで投下完了。
バレたく無いシチュエーションから、こんな感じになりました。
実は以前、今は無いサイトで、ほし○あきに瓜二つな男子高校生を見たもんで、それがヒントに。
うまくまとまったか少し自信有りませんが。

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