学校への道すがら、変わった表紙のノートが落ちているのを見つけた。
同じ学校に通っている奴の落とし物だろうか?
落ちてから間もないと見える綺麗なノートを拾い上げると、
表紙には「SEX NOTE」と書かれていた。
おいおい、デス○ートを真似したいたずらか?
そう思いながら表紙をめくると、
見たことも無い奇妙な文字でびっちりと文章が書かれている。
「その1.SEX NOTEに名前を書かれると、男は女に、女は男になる」
なんだ。SEXって、性別って意味のSEXか。
てっきり誰かを性奴隷に出来るとかそういうのかと思ったのに。
「その2.一旦、性転換した者は二度と元の性別に戻ることは出来ない」
「その3.対象の名前を書いた後、年齢、容姿、性格、名前などを追記することで、
     対象は、その記載に沿って変化する。
     なお、記載されなかった事項についても、必要に応じて変化する場合がある」
他にも様々なルールが書かれている。
全く……中二病乙って奴だな。
落とし主の妄想に付き合っている時間がもったいない。
落ちていた場所へ戻しておくか……そう思って、ノートを閉じた。
……って、待てよ!?
再度ノートを開く。
やはり、見たこともない奇妙な文字でルールが書かれている。
そして、どこの国の文字かも分からないその文字を見ると、
何故かその文字が表す文章の意味が頭に入ってくるのだ。
「もしかして……本物か!?」
学校の席につき、ノートを広げる。
「その4.特別の記載がない限り、
     対象の記憶および周囲の認識は変化後の性別にあわせて変化する」
特別の記載がない限り、って事は、
性転換させる奴の記憶だけを残すってことも可能なんだろうな。
そんなことを考えながらルールを読み進めていると、
「おはよう!何真剣な顔して読んでるんだ?」
と、声をかけられた。数少ない友人の茂木洋一だ。
「何だ。白紙のノートじゃないか」
えっ?こいつには、このノートの文字が見えていない?
「お前には、この文字が見えないのか?」
「おいおい、大丈夫か?まだ、寝ぼけてるのか?」
茂木には、ただの白紙のノートに見えるらしい。
やっぱり、俺の頭がおかしくなっただけなのだろうか?
ただの白紙のノートにありもしない文字が見えているだけなのだろうか?
まぁいい。試してみれば分かることだ。
「あ、ああ。悪い。お前の言うとおり、寝ぼけていたみたいだ」
「ったく、しっかりしろよ」
どうやらうまく誤魔化せたみたいだ。
俺をケラケラと笑う茂木。その顔が突然曇る。
「それじゃぁ、また、休み時間にな」
そう言って逃げるように自分の席に戻っていく。
そして、茂木と入れ替わるようにして剛山が俺の隣の席に座る。
剛山は、教師には従順に振舞う一方で、
後輩や俺たちのような非力な同級生には平気で暴力を振るう卑劣な奴だ。
茂木も剛山からパシリの様な扱いを受けている。
そうだ、コイツを女にしてやろう。
俺は試しにノートに剛山武明と書いてみる。
どうせなら、いっそのこと小学生にして、涙もろい性格に変えてしまって……
ノートを書き終え、女になった剛山を思い浮かべていると、
俺の視線に気がついた剛山はガタッと音を立てて立ち上がり、
「何、俺を見てにやにやしてるんだっ!」
怒鳴り声を上げながら、俺に殴りかかってくる。
それと同時に変化が始まった。
振り上げた拳が、腕が、急激に縮み、拳が空を切る。
「い、一体、何が……」
そう呟く間にも、背が縮み、制服がぶかぶかになっていく。
顔が可愛らしいものに変わっていく。
髪が伸び、女児特有のつやつやしたものに変わっていく。
ズルッとズボンとトランクスがずり落ちる。
シャツの隙間から見える男としてあるべきものが徐々に小さくなり、体内に吸収されていく。
その一方で、乳首の周辺が僅かではあるが膨らんでいきシャツを押し上げる。
「……っ!」
男物のシャツに、思春期に入ったばかりの敏感なさくらんぼ色の突起がこすれ、苦痛で顔をゆがめる。
そして、そのブカブカなシャツの前合わせが融合していき、
袖の部分が可愛らしいパフスリーブに変わっていく。
服が真っ白いワンピースに変わってしまった次の瞬間、剛山の表情が変化した。
パチクリと瞬きした後で、
「あれぇ?」
と惚けたような声を上げる。
「ここ、どこぉ?」
どうやら記憶や人格の書き換えも終了したらしい。
「ふぇぇ、こわいよぉ……ママぁ……」
周囲がざわめき出す。
「なんで小学生がこんな所にいるんだよ?」
「誰かの妹か?」
「先生か警察に連絡した方が……」
そんな声が聞こえる。
騒ぎにするのもまずいな……
そうだ!良い考えが浮かんだので、さっとノートに追記する。
すると……
「あれ?武美、なんでこんな所に……」
教室の前の方の席に座っていた茂木が剛山だった少女に声をかける。
「ふぇぇ、ごめんなさい。洋一お兄ちゃん。
 お兄ちゃんの後をついて行ったら道が分からなくなっちゃって……」
「ったく、しょうがないな……」
茂木はケータイを取り出して、母親に「妹」を迎えにくるように連絡をし始めた。
そう。剛山の名字を茂木に変えて、
「茂木洋一お兄ちゃんが大好き」という性格を追加したのだ。
茂木もこんな可愛い妹が出来て嬉しいに違いない。
「帰ったらお尻ペンペンだからな」
そう言う声もどこか嬉しそうだ。
しかし……すごいなこのSEX NOTE。これさえあれば、友達も先輩も教師も思いのままだ。
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