駅前のコンビニのATMで、封筒に入っていたキャッシュカードを入れ、封筒に記されていた暗証番号を入力する。

残高金額 20,000,000円

 一瞬思考が止まった後、ゼロの数を右から数えて確認する。ゼロは7つ。つい、誰かに見られてないかと備えつきの鏡越しに後ろをチェックする。
毎週どころか、一年かかっても使いきれそうにない額だ。だが、人生を歪められた対価にしては、むしろ安過ぎるとすら感じた。当然といえば当然だが。
そう思いながら10万円を引き出し、お茶を一本買ってコンビニを後にした。

 電車に揺られて、10分くらいで目的の駅についた。まず向かったのは下着屋だった。よく考えれば、ショーツを2、3着持っているだけだった。
サイズを測ってもらうとき、メジャーが胸に擦れて…甘い刺激が一瞬広がる。そして知らされた、Dカップというサイズに驚きながら、
自分の持っているショーツに合う柄のブラジャーをいくつか買い、一つをそのまま身につけて店を出た。当然ながらはじめて身につけたブラジャーは…何というか、
そっと包んでいるような…そんな安心感を感じた。
「いや…待てって…」
 ふと、悪くないと思った自分に驚く。一瞬脱ぎ捨てようかとも思ったが、電車の中で(女性専用車両だが)乳首の透けた胸に
視線が集中するのが恥ずかしかったのを思い出し、「ブラジャーをしない」という選択肢は思いとどまる。
 そのまま別の店でTシャツとハーフパンツを買い、試着室で着たまま町を歩く。そんなに目立つのか、周囲の(特に男性の)視線が
あたしに集中しているのがわかる。中には下心が顔に浮き出たような顔で俺を見てくる奴もいる。逃げ込むように、荷物を抱えて電車に飛び乗った。

 駅を降り、改札への階段を上がろうとして、途端に尿意がこみ上げてくる。少し気持ちを落ち着かせて、俺は人生で初めて女子トイレに入った。
下着を便座に座り、体の力を抜くと…溜まっていたものが流れ始めた。少しずつ気持ちが落ち着くのを感じながら、ペーパーで軽く拭いて水を流した、その時だった。
 ぴちゃっ…
「ふぁっ!?」
 飛び散った水が当たり、不意に甘い声が出てしまう。その途端に立ち上がろうとしていた体の力は抜け、再び便座に座り込んでしまう。
あたしは少し戸惑いながら、水が散ったあたりに軽く触れてみる。
「んっ…」
 いつからだったのだろう、俺のクリトリスは勃起していた。男の性器に比べれば可愛いものだが、それでもそこはしっかりと主張していた。
弄り倒して快感に溺れたいと思いながら、さすがに思いとどまる。こんなところで喘ぎ声を聞かれたら、どんな事態になるかわかりきっている。
どうするかほんの一瞬考えた後、クリトリスを剥き出しのまま下着を穿きなおしてトイレを後にする。あたしの胸は、どうしようもないほど高鳴っていた。


「んっ…んぅ…」
 アパートまでの帰り道を歩きながら、あたしの剥き出しのクリトリスはショ
ーツと擦れあい、俺の脳に甘い快感を送り込む。それに時々ふらつきそうにな
りながら、小さな荷物が一つ増えたときの事を思い出す。
 駅を出てすぐ、あたしは駅のそばのレンタルビデオ店に行った。着くと迷う
ことなくAVコーナーに入り、ローターを二つ、そしてローションの子瓶一つを
選んでレジに置いた。その時店員が驚いていたのは、一体どんな理由だったのだろうか…
それを考えるだけで、あたしの興奮の度合いはさらに増していく。
 アパートに着くと、郵便受けにはあたしを女にした『機関』からの封筒が届
いていた。普段の俺ならすぐ開けるところだが、たたんだ布団の上にそっと置いた。
今の俺には、それ以上に優先してやりたい事がある。
 バスタオルを床に二枚並べて敷き、そこに裸になって座る。包みから取り出したローターは、
まるで今俺の股間に見えるクリトリスを、そのまま大きくしたような形をしていた。
そして、リモコンで繋がったもう片方には、一般的な形のやや小ぶりのローターが。
もう一つも同じようになっているのを確認して、長いほうのローターにローションをたらし、そのままあたしの割れ目に、ゆっくりと挿入する。
「ふぁ…ぁぁ」
 ローションが潤滑油の役目を果たしたからなのか、ローターはスムーズに俺の膣内に納まった。
ただ入れているだけでこんなに気持ちいいんだ、スイッチを入れたら…そう思うだけで、ローターのコードがのびている割れ目から、
ローションと違う液体が流れ出す。心音がはっきり聞こえるほど大きくなった胸の鼓動を深呼吸で落ち着けて、
あたしは長いほうのローターのスイッチを入れた。

ヴィィィィィィィィィィィィィィィ…

「……っ!!!」
 一瞬、頭の中で星が光った。まだ目盛りは一つ目なのに、俺の体は凄まじいほどの快感の奔流をまともに食らった。
あまりの快感に、仰向けになったまま体が硬直し、小刻みに痙攣を繰り返す。どうやら今の一瞬でイッてしまったらしい。
しかし絶頂を迎えた後の体にも、ローターは機械的に快楽を送り続ける。…機械だから当たり前か。
 あたしは体を起こすと、いったんローターのスイッチを切り、容器の中に残るローションを全部乳房に垂らした。
そのまま両手で、首筋に、おなかに、オ●ンコに…ローションを塗り広げていく。
「あ…あぁ…いい…ふぁあ…」
 狂おしいほどの快楽が、あたしの体を包んでいく。手の届く限りのところにローションを
塗り広げ終えたところで、あたしは再びローターのスイッチを、今度は一気に最大に合わせて入れた。
「…っくはぁぁぁああっ!!!」
 また一瞬でイッてしまった。でも、さっきとは違う刺激が…ローションを通して、
快感が全身に広げられたような、そんな感じだった。
「も…もぉ…いっ…こぉ…」
 もう一つのローターの、長いほうに胸に溜まったローションを塗りたくり、
ヒクついている俺のアナルに挿入する。オマ●コに甘い震えを受けながらの作業に、
口の端から涎が溢れ出す。奥まで入りきったところで、すぐさまローターのスイッチを入れる。
「ぅふぁぁ…おれ…すごく…きもちいぃ…」
 そのままよろめいて前に倒れた瞬間…小さいほうのローターが二つとも、
タオルとあたしのクリトリスに挟まれる形になる。それだけで、痺れるほどの快楽が届く。もし、今スイッチを入れたら…




 迷いは、なかった。
「ぁはぁああっ!!!」
 体中をローションでぬるぬるにして、あたしは4個のローターで下半身に集中砲火を浴びせた。腰は痙攣するどころか、クリトリスをローターにこすり付けていく。あたしの脳からの信号は受け付けず、快楽だけを一方通行で届けてくれる。
「あ、あはぁっ☆おれ…こんなぁっ…からだじゅうローションまみれで…ああんっ☆オマ●コとアナルにぃっ☆ロー、ターいれて…お、な、に、い、してるぅぅぅっ☆」
 だんだん気持ちが昂ぶり、僅かに残ったローションを顔に浴びせ、髪もリンスをするようにローションまみれにする。
体を激しく揺さぶったからか、小さなローターにあたしのクリトリスが挟まれる形になってしまった。
「…んひゃああっ☆まらイッたぁ☆これイイッ☆もっと…おれのクリトリス、ローターれビリビリひてぇぇっ☆」
 あたしは意識がスパークするのを感じながら、この上ない幸福感を得ていた。
「…ふぁっ!あ、あ、あ、あ、あ…!!!」
 愛液を撒き散らせて、あたしは盛大にイッた。
「あひゃっ☆ふぁっ…あへぁぁぁぁぁああああああああっ☆」
 倒れたままで見る鏡に映っているのは、涙と涎とローションにまみれた、淫乱なアヘ顔を見せる俺の姿だった。

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