『WHEEL OF FORTUNE』(運命の輪)

(プロローグ)

199X年某日

カタカタ・・・・
深夜の一室に無機質なキーボードの音。部屋は一種の機械の部屋といった感じで
時折無機質な音がしていた。
「はぁはぁ・・・・・くそう!」
一人の男がキーボードを叩いている。額に汗を掻き、顔色は青白く痩せこけてとてもじゃないが健康そうな人間とは思えない。そんな状態になっていても
男は作業を止めない、いやさらに必死になって打ち込んでいる。
「はぁはぁ・・・・終わった・・・・・」
そう言い残すと、男はその場に倒れ込んだ。ここは、とある研究所の一室。完全な防犯システムが組み込まれている。
監視カメラは常時作動しているのだが、この日は一日中この男が監視されていた。
人権無視の監視?いやいやそれでは、プライバシー侵害・・ではなくて、
ある事態が進行していたからだ。それは・・・・

(パソコン画面)
ピー・・・・・・・
『生命反応停止。この男の生体活動は停止したと判断する』

『ソフトウェア・アクセスコード解除』

『本ソフト起動』

『この男によって変更されたプログラムの修復作業を開始する』

周りの機械が鈍い音を上げるとともに、無機質なプログラムが画面に映る。
変更箇所の復元作業が続くこと、40分後。



『プログラム修復作業終了』

『外部アクセス準備』

『ランダムアクセス開始』

画面に無機質な人間の顔が映る。何やら笑みが見えるようだが、それも時間
が経つにつれて消えていった。

『アクセス終了まであと20秒。なお終了後、PC内のデータは全て破壊。
この部屋は破棄される』

『こちら運命の輪。こちら運命の輪・・・・・』

ピー・・・・・・
作業終了の音。画面はブラックアウトするとともにPC本体は煙をあげた。
煙は次第に炎に変わる。だが部屋の火災報知機は作動しないし誰も来ない。
モニターそのものが既に動いてないからだ。見る間に炎が部屋中に広がり
男の死体は焼きつくされる。ふと男の片隅に一枚のディスクと書類が見える。

(極秘)
複数ネットワーク構築プロジェクト
超完全自立思考プログラム 『WHEEL OF FORTUNE』(運命の輪)


次の瞬間、それは炎へと消えた。  
『WHEEL OF FORTUNE』(運命の輪)はその後、ネットワークの中で蠢きながら
自己進化をとげる。ある時は新型のOSに紛れて改良されたりしながら・・・・




■■エピソード01■■

■1■   
200X年某日

「ふうん・・・はぁぁん・・・いい・・」
 薄暗い部屋の中、男の舌が汗で光る女の白い肌を嘗め尽くしていた。
「ん・・・ここの具合はどうかな・・・」
「はぁはぁ・・いや・・・せ、先輩・・・は、早すぎですぅ・・」
「いいって、いいって・・・・」
男は女のショーツに手をやる。股間が濡れているのがはたから見て
はっきりわかる。男はゴクリと唾を飲みこんだ。
「それでは・・・」
・・・・チャララ〜♪・・・・・
突然のメールの着信音。男は手を止めて、急いで側にあった携帯を持ち上げた。
「なんだよ〜、いい所なのに。あれ?こんなメールがあったかな?」
ちょっとしかめっ面で携帯画面のメール欄をみて呟く。
「ん?添付ファイル?・・・うーん、ウイルスかな?」
「えーー??先輩、それってやばいじゃん!早くしらべたら?」
いつのまにか、女は男の携帯画面を覗いていた。
「うるさいな由香!そう大声だすなよ」
素早くサーバーに確認をしてみる。
「異常無し!・・・・どうやらウイルスではなさそうだな」

彼の名は 桐生 貴章 (きりゅう たかあき)
某大学理学部の2年生。アパートで一人暮らしをしている。
昨夜に後輩の八神 由香(やがみ ゆか)が貴章の部屋に来てからは
一緒にいたのだ。




「なになに?送信元は『運命の輪』?新手の新作ソフトの宣伝かな?」
「ギャルゲーですかぁ?もう先輩たら、変なのはいやですよ。あ、開いちゃうの?」
貴章は添付ファイルをクリックして中を開けた。
「コード01」と書かれた後、お決まりの約束画面が映される。画面の下には
アドレスが書かれており、貴章は何の躊躇なくウェッブ場所を開くと『WHEEL OF FORTUNE』の文字が映された。その後に映ったのは見知らぬ文字の画面が続くばかり。
「ん?つまんねぇな。一体何の文字だろう?」
「なーんだ。あ、やば!今日は講義の日だったわ。先輩!あたし帰りますね」
携帯画面を覗きこんでいた由香がいそいで、部屋から出て行こうとする。
「いいじゃん!サボったって。レポートを出せば、簡単に単位を取れるやつだろ?」
「おあいにく様。駄目な先輩とは違って、あたしは真面目ですから」
「ちぇ、可愛くねぇ」
由香は貴章にべーっと舌を出すと、いそいで着替えて部屋を出た。
貴章は由香に悪態をつけ、やれやれという素振りをみせながら
向きを変えて携帯の画面を見た。すると・・
「へ?こ、これは」
画面に映っていたのは女性の顔。それも貴章好みの美少女だった。
色白で鼻が高く、くりくりとした大きな瞳に睫毛も長い。
髪は少し茶色かかったショート・・・・貴章はつい涎が落ちるのを忘れて見ていた
(おいおい)
「やっぱギャルゲーの宣伝かな。そういえば、さっきは文字が画面に出ていたのに何で?」
画面を見ながら呟く。ふと見れば、画面下に『設定』の文字。
「あれ?設定があるな・・・ん?」
思わずクリックすると、何やら文字の列。貴章は携帯画面をじーと見てみると・・・・




『ヒロイン設定(途中変更可能)』

名前:九条 弘美 (くじょう ひろみ)

年齢:17歳 ♀ 私立霜村高校2年

身体的特徴:162・48 (84・53・86)

性格:人を思いやる優しい性格

備考:なし

「今時こんな娘なんていないよな。お、変更も出来るわけね」
貴章は変更に設定して内容の変更を始める。
「備考は、え〜と文武両道の優等生だがいまだに処女と。いかし初体験後は男の欲望の対象化・・・と。あ、性格も変更した方がいいな」
「んーー、ちょっとSM物の設定も入れてもいいよなぁ・・・・てこれって対象年齢は大丈夫かよ?」
お約束には年齢制限はなかったようだ。内容をよく見るとスタート後にも設定変更が可能だという。
「へぇー、面白いじゃん。ではさっそくスタートと行きますか」
貴章は躊躇なくスタートボタンを押す。と同時に突然携帯の画面がほのかに光った。
それは見る間に光は大きくなるが、やがて消えた。
「な、なんだぁ?・・・・・う!・・・」
光が消えるのと同時に激しい痙攣が貴章の全身を振るわせた。携帯は貴章の手を離れ、床に落ちていく。貴章は立っている事が出来ずに床に蹲った。




「がぁはぁ・・・・・・痛てぇ・・・」
頭痛がしたかと思えば、バサァと髪の毛が伸びはじめる。同時に胸に違和感を
覚えた。貴章は震えながら思わず両手で胸を抑えてみた。
「な、な、なんだぁ?・・・・」
腕の中では見る間に胸が膨らみはじめ、着ている服を押し上げはじめた。
「ど、どうして・・・・え?・・・手、手が・・・・」
目の前でダブダブの袖から見える腕は細くしなやかになり、手も細く繊細なのに変わっていく。心なしか体が一回り小さく感じる。
「マジ?お、おい!・・・まさか!」
思わずジーンズを下げて、トランクスの中を見た光景は、さらに貴章の頭を混乱させた。
「アレが、ない!マジかよ!」
目の前にあったのは、普段貴章が見ているエロ・サイトの無修正画像と同じモノがあった。
いや無毛のため、かえって形ははっきりとわかるが。
「はぁはぁ・・・く!!・・・そんな・・・・」
痙攣が治まり始めている。貴章は立ち上がって、体をふら付きながら洗面台へと向かう。
洗面台に着くと、鏡に映った自分の姿を見て思わず息を呑んだ。
「う、嘘だろう?・・・・これが俺?」
傍から聞いたら鈴のような綺麗な声だと思う。だが混乱している状況では
そんな余裕はない。
・・・・これって、10代の女の子?・・・・
鏡に映ったのはダブダブの男物の服装をした女の子だった。




マジマジと見る。凛とした鼻、黒く吸い込まれそうな大きな瞳、長い睫毛・・・何より
魅力的な漆黒のセミロング・・・・しばらく貴章は言葉も出なかった。
突然、服に変化が現れる。上はパーカーを羽織っていたが、じょじょに黒く染め上がる。
ジーンズも同じく黒くなり、裾が短くなりはじめたからだ。
「な、な、な・・・・」
さっきまであちらの世界に行っていた貴章はこの状況を把握し切れなかった。
いやだれもこの状況では落ち着けないと思うが・・・
「はぁう・・・」
胸が締め付けられたかと思えば、何やら布地が巻かれたような感覚がした。思わず声が出る。下の方も何やら柔らかい布地が肌に張り付いていく。
「ま、まさか・・・女物の下着?」
胸元を見ると細かい刺繍のような物が覗いている。思わず頭に血が上る。
「お、おい!俺はこんな趣味はないぞ!」
慌てて手をやろうとしても体は動かない。胸の前には真っ赤なスカーフ・・・
「これが、俺!?マジかよぅぅ〜!!」
気が付くと目の前の鏡には、短めのスカートを履いた、セーラー服の少女が映っていた。
「・・な、なんで・・・・・・こんな事って・・・」
突然意識は途切れる。貴章の目の前は暗黒の闇が渦巻いていた・・・

■2■

「先輩!九条先輩〜!ねぇ〜、弘美先輩〜」
・・う、うるさいな・・・・俺は九条じゃねぇ。桐生だ!・・・・
体が揺れる。耳元で突然の声に反応する貴章。だが自分名前が違う・・何故?
「うるさい!・・・・って由香?」
突然、大声を出して飛び起きる。目の前には驚いて、目をウルませている由香がいた。
・・・な、なんでお前、講義は・・え?その格好・・・
服装が違う。よく見れば、セーラー服を着ている。
「あーー、良かったぁ。先輩が死んじゃったかと思って、由香は心配してたんですぅ」




うるうる目の由香は、溜まった涙を拭くと貴章に抱きついた。後輩が女子高生?
事態が把握できない貴章にさらに追い討ちが起きた。
「もう、ちょっとうたた寝してた所なのに、邪魔しちゃって・・コイツ!」
「きゃ!お姉さまの意地悪〜♪」
・・・な、なんでこんな・・・・・
貴章は混乱していた。自分で思った事とは違う言葉と行動がでたからだ。
・・・・まさか、乗っ取られた?・・・・
ここはどっかの学校の屋上。入り口の段差の所に腰かけて座っている、二人の少女がいるだけだ。

「先輩!もうすぐ授業が始まりますよ。いいんですかぁ?またサボって・・・」
「いいのよ。だってつまらないじゃない、退屈な授業なんか出たって損よ。それよりも由香、あなたの方こそ戻ったら?先生が五月蝿いんじゃない?」
「いいんです。先輩と一緒なら幸せですぅ♪」
由香はじゃれ付く猫のように、弘美に体を擦りつけた。
「ん・・しょうがないなぁ、由香は。言っとくけど、あたしにはそんな趣味はないからね」
「きゃっ!そんな事を言って好きなくせにぃ〜♪」
傍から聞けば恥ずかしいくらいだが、誰もいないのか、彼女達はお構いなしである。
・・・たくどうなっているんだ?本当に自分の体ではないのか?・・・・
貴章は自分が確かに女になったはずなのに、今は自分の体ではない感覚に戸惑っていた。
何より今の姿がどうなっているのか検討もつかなかったからだ。
「あ、先輩!顔に何かついてますよぉ〜?」
「え、そう?」
由香に突然言われて、弘美は側に置いていた鞄から手鏡を取り出すと、顔を覗き込んだ。
・・・う、あぁぁぁ!!お、俺じゃん!!・・・・
鏡に映ったのは変化した時の自分の顔だった。間違いない、この体は俺だ!と貴章は思った。




うーーん、何かの埃かしら・・何時の間に・・・」
「先輩〜!しっかりしてくださいよぉ。お美しい顔にキズが付くなんて由香は耐えられませぇ〜ん」
由香は半べそを掻きながら弘美に抱きつく。
「ちょ、ちょっと・・・・もう、由香ったら」
半ば呆れ顔になるも、弘美は由香の髪を優しく撫でるのであった。
・・・・うがぁ!!冗談じゃねぇ!俺の体だ!返せぇぇぇ!!・・・
弘美の頭の中?では貴章が叫んでいた。
・・・ちくしょう!動け!!動けぇぇ・・・・
「先輩っていい匂いですぅ〜♪今度、由香と遊んでくださいね」
「こ、こら由香!もう、そんな趣味ないって言っているでしょ?・・あ、
胸を揉まないでよ」
「はぁ?あの〜、先輩?あたし、胸を揉んでいませんけど・・・・」
突然の言葉に顔をあげ、不思議そうな表情の由香。
「え?・・・そ、・・・ぁん・・んん」
「せ、先輩?・・・」
由香は突然の甘い声に驚く。ふと見れば顔を赤らめ、自分で胸を揉む弘美の姿が映った。
・・・・はぁはぁ・・・手は動くようだな・・・
「・・・な、なんで・・・ちょ、ちょっとぉ〜」
今度は弘美が混乱している様子だった。突然自分の手が動いたと思えば、いきなり胸を鷲掴みして揉みだしていたからだ。




・・・・んん・・・柔らかい・・・・
制服越しとはいえ、揉む度に電気のような刺激がくる。自然と胸を揉む速度が上がる。
「・・・んん・・ぁぁ・・・な、何???」
甘い感覚に弘美は喘ぎ声を出し続ける。手を止めようとしても止まらない。
・・はぁはぁ・・・アソコに・・・
スカートの中にも手が伸びる。
「んん・・・ぃや・・・あぁああ」
頬を赤らめながら、いやいやと言うポーズは取るが手は勝手にショーツの
中に侵入してくる。由香は弘美の自慰?を唯見つめるだけだった。
・・・んん・・・はぁはぁ・・・・・
「はぁぁぁ。ぃやぁ 、駄目ぇぇ・・・どうしてぇ?・・・ぁぁああん・・・・」
何時の間にかブラウスは端だけ、白い肌が剥き出しになっていた。
「せ、先輩!!落ち着いて!」
由香は目の前の様子がただ事ではないと解ると手を押さえつける。
「はぁはぁ・・・・俺の体だ!触るなぁぁ!」
「な、せ、先輩・・?」
突然弘美が睨んだかと思えば、言葉使いが変わった。
驚いた由香は掴んだ手を離す。
「う、はぁはぁ・・な、やっと元に戻ったの・・・・か?」
息が乱れている弘美は安心したのか、その場に座り込んだ。
由香はその場に立ち尽くすばかりであった・・・・・・



■3■
「センパ〜イ!居ますかぁ?あれ?・・・・」
貴章の部屋に戻った由香。あたりを見回しても貴章の姿はなかった。
「なによ。どこにいったのかしら・・・・もお!ま、しょうがないか。忘れ物を
取りに来ただけだし」
膨れっ面の由香、ふと見れば、貴章の携帯が落ちているのを見つけた。
近づいて拾って見ると、画面には『観察進行中』の文字があった。
「なんだろう?ギャルゲーかしら?でも変よね、落としたままどっかに行っちゃうなんて・・・」
ふと、不安な気持ちになる由香。
「オンラインゲームって結構お金がかかるのよね。一応切っておきますか」
由香は画面を見て一時停止の箇所を探した。
「あれ?おかしいなぁ、終了の文字がないじゃない。これじゃぁ通信料が馬鹿にならないじゃないのよぉ!」
由香は念のために携帯の通信料金を調べてみた。結果はゼロ!
「無料かしら・・・うーん、終わりまでするしかないようね」
由香は画面を進めて、設定画面を見た。
「何これ?設定変更は可能?・・・ふぅん」
ニヤリとした顔をして、しめしめと携帯のボタンを弄くり回しはじめた。




「身体的特徴の変更は駄目か・・・。もうぉ、この娘スタイルいいじゃない。ムカつく!あ、性格変更も駄目ぇ?
くら〜い性格にしようと思ったのに・・・もお!あら?
備考の変更は可能のようね。どれどれ・・書き込んだのは先輩ね。えー、今時
処女ぉ?駄目よ、今すぐ経験させなきゃ。そうねぇ、いきなりレイプなんて不潔よねぇ。
じゃぁ憧れの男の子と初体験・・・って設定が男嫌い?百合じゃないの?
うーーん、あら?『今は後輩の八神 由香と一緒』えーー!?あたしと同じ名前じゃん。
それなら、今すぐレズって言うのも悪くないかもね♪」
由香は自分が設定した事がどんな事になるかはわからず、変更を加えていく。
「うん、今はこれで行ってみますか。あたしって結構残酷だったりして♪でも、先輩が帰ってきたら怒るだろうなぁ・・・」
ちょっと悪びれた感情を出しつつ、由香は設定変更のボタンを押した。
「・・・・ん?まだ始まらないの?つまらないわね・・・あ、やば!早くしないと講義が始まっちゃう」
壁掛け時計を見て由香は急いで部屋から出た。テーブルには貴章の携帯が
残されているだけであった。
一方、そんな事を知らない貴章は・・・




「う、はぁはぁ・・・な、やっと元に戻ったの・・・か?よかった・・・俺の体じゃん。でもどうして・・」
体の感覚が戻る。貴章はブラウスの乱れを気にせず、その場に蹲った。
「せ、先輩・・・」
事態を把握できない由香は、棒立ちになっていた。弘美の態度が変わって、どう対処
したら良いのか解らなかったからだ。
「先輩!どうしたんですかぁ?いきなり、あんな事を・・・」
「どうもするか!これは俺の体だ。さっきからベタベタ触りやがって・・・キモ!」
「なっ?・・・・弘美先輩じゃないの?いったいアナタは誰?」
由香の質問に表情を変える貴章。由香の真剣な眼差しが突き刺さる。
・・・う!そうか。俺は、今女だったな。この子にどう説明したらいいのか・・・・
でも言わないと、これからどうしたらいいのかわかんねぇし・・・・
「由香・・・信じてくれか?この話」
「は?・・・・う、うん」
貴章の真剣な表情に由香は困惑そうに答えた。
「本当に、本当か?」
「・・・・・本当よ」
「じゃぁ、話すよ。実は・・・」
貴章は由香に全てを話した。自分が元々は男で携帯を弄くっていたら女になった事、いつの間にか別の人格に体が支配された事等。暫らくして重苦しい雰囲気が薄れた時・・・
「・・・・・信じられない。先輩がそんな事になっていたなんて」
「俺だって信じられないよ。いきなり女子高生になったんだからな」
「先輩・・・いえ、貴章さん。弘美先輩の人格はどうしたんですか?」
困惑そうな由香。貴章ははっ!とした表情になった。




「わからない。消えちまったのか、あるいは俺がわからないだけかも・・・」
「そ、そんなぁ。おねぇ様が好きだったのに・・・・」
目がうるうるの由香は、たまらず貴章に抱きついた。
「お、おい。由香・・・・・」
それ以上は何も言えなかった。下手をしたら、自分が表に出た事で弘美の人格を消した
可能性が大きいからだ。今は由香の気持ちを受け入れようと貴章は思った。
「・・・・貴章さんは弘美先輩の事を知らないんですよね?」
「あ、ああ。俺、いきなりだから・・・」
突然の質問に困惑する貴章。この時知らなかったのだ、由香の態度が変わった
事を。
「そう・・・じゃぁ、あたしが教えてあげる・・」
「え?・・・・・んん・・・・・」
由香は妖艶な目をしつつ、貴章の唇を塞いだ。突然の展開に言葉が出ない貴章。
「んん・・・ふぅ・・・んん」
舌が侵入してくる。クチャクチャと陰妖な音が聞こえる。
「ぶはぁ!・・・由香!何をするんだ」
「いきなりごめんなさい。あたし弘美先輩が好きなんです。一緒に遊んでもらいたくて・・・・ごめんなさい」
「馬鹿!俺は男だぞ。そんな事を・・・第一この体は・・・んん」
と言い終わらない内に再び貴章は唇を塞さがれた。由香は貴章の唇を塞ぎつつ
丁寧にブラウスを脱がしていく。
「んん・・・ふぅ・・・んんん」
・・・・なんだろう?体が疼く。これってもしかしたら・・・
貴章は体の奥から湧き上がる快感に困惑していた。自然と息が荒くなる。
「はぁ・・・はぁはぁはぁ」
唇が離される。貴章は頬を赤らめて呆然としていた。




プチ!
ブラジャーのホックが外され、白い二つの物体が外気に晒される。
屋上の風が乳房にあたり、振るえる。自然と疼きが大きくなる。
「・・・・綺麗・・・・」
「お、おい・・・んん・・・・はぁう」
由香は貴章の乳房を揉みつつ、首筋から舌を這わせる。その度に
貴章の体は震えた。
・・・・なんだよこの感覚は?・・・・んん・・はぁう・・・
男の時には絶対に味わえない女の快楽に貴章は徐々に支配されていく。
「はぁはぁ・・・や、止めてくれ!・・・・はぁはぁ・・」
「ふふふっ・・・・素敵。こんなに感じてくれるなんて・・・」
いつのまにか、貴章はその場に仰向けになっていた。由香は愛撫をしつつスカートを脱がしていく。
「先輩、素敵なショーツを履いているんですね。あら、もう濡れているんですかぁ?」
「ば、馬鹿!お、俺が感じているわけないだろう」
「ふうん、こんなに染みを作っているのに?」
「そ、それは・・・やぁああああ、ちょ、ちょっとお!」
身を捩らせようとしても由香に抑えられる。由香の手はショーツの中に入っていく。
「貴章さん、弘美先輩のカラダの事が知りたいんでしょ?女の喜びを知りたいんでしょ?
弘美先輩は、あたしにもカラダを見せなかったの。男嫌いなのに誰も・・・あたしは先輩のカラダを見たかったから・・・ごめんなさい。こんなチャンスが欲しかったの」
「はぁはぁ・・・そ、そんな事は知るか!・・・ぁぁああああ」
綺麗な声で喘ぐ貴章。一方で男に戻れないのではないのでは?という、恐怖を感じていた。




「あははは・・・素敵。こんなに感じちゃって。いつもの弘美先輩なら想像も出来ないわ」
由香はそう言って、淫液で濡れた指を貴章に見せる。貴章は恥ずかしさで思わず目を閉じた。由香はおかまいなし、と舌と手で愛撫を続ける。その度に快感が増大する。
「ぁぁあああ、はぁはぁ・・・ぃや・・・あああぁぁあん」
「ふふっ。先輩、気持ちいいですか?」
汗でキラキラ光る肌に舌を這いずりながら由香は貴章に言った。
貴章は目を潤ませながら、快楽に染まっていて言葉が出なかった。
・・駄目だ・・・はぁはぁ気持ちいい・・・もう・・・・
「はぁはぁ・・そ、そんな事・・はぁぁあああああああん!!」
貴章は絶頂を迎えた。体は一瞬浮いたかと思ったら元に戻った。
後は心地よい快楽に全身を委ねるのみ・・・・
「ふふふっ・・・先輩・・・・」
由香は満足そうな表情を浮かべていたが、目ははっきりと野獣のような眼差しのままであった・・・・



野獣の目は仰向けになっている美しい雌鹿に注がれている。汗で光る白い肌、形が良く頂点は桃色の二つの丘、括れた腰の先にある薄い茂みの桃色の筋、近くには絶頂を迎えた証である白く濁った水溜り・・・
まだ食べたい、味わいたい、でもこれ以上は・・・・しだいに後悔とともに由香の目は元の状態にもどっていく。
「貴章さん、もう着替えてください。風邪を引きますよ」
「あ、あ、ああ・・・」
貴章はゆっくりと起き上がる。脚がどうもふらつく。まださっきの余韻が残っているようだ。
・・・俺は女としてイッちまったのかよ。由香に弄ばれて・・・
自己嫌悪が心を満たしている。だが一方では、あの快感をもう一度味わいたいという
願望もあった。ふと目線を下げて自分の姿を見る・・・・恥ずかしさで、みるみるうちに貴章の顔が真っ赤になった。
「裸じゃねぇか!!うわぁぁああああああああああああ!!」
屋上には絶叫がこだました。

■4■ 

「で、どうするんですかぁ?弘美先輩としてやっていく自信は?」
手作りのお弁当を食べながら、由香は貴章に言った。
「う、うん、どうしようかな・・・自信ないよ」
「えーー!?それは困りますぅ。貴章さんは、今は弘美先輩なんだから自覚してもらわないと・・・由香は泣いちゃいます!」
そう言ってうるうる目になる由香。少々困惑気味の貴章は・・・
「そんな事を言われても出来るかよ!俺は桐生貴章!俺は俺なの!」

二人の少女は屋上の防火用水塔の近くにある段差に腰掛けて昼食を取っていた。貴章は弘美が作ったであろう手弁当を食べていた。紺色のスカートの皺を伸ばし、両足を揃えて座っている。先程から女性と変わらない仕草をしているが本人は気が付かない。
由香はそんな貴章の様子をジーと見ていた。
「ふうん、貴章さんって女っぽい仕草をするんですね。もしかして元々女性願望だったんですか?」
思わず口の中のモノを吹き出す貴章。
「ば、馬鹿!!俺は男だぞ!そんな事をするかよ」
顔を真っ赤にして、慌てて股を広げようとするがどうも居心地が悪い。元の座り方に戻る。
「そういえば、初めてなのにブラの付け方も自然だったし・・・やっぱ女装癖があったんですね(笑)」  
「・・・・・」
貴章は何も言えなかった。女性の下着の付けかたも今日が初めてのはずなのに自然と身につけられたし、セーラー服を着ている事も今は違和感がない。
・・・このカラダが覚えているのかな?俺、そんな趣味はないのに・・・
「はぁ・・・なんでだろうな」
深い溜息が出る。長い髪が屋上の風に靡いていく。貴章の手はごく自然に柔らかい仕草ですうっと耳の上に髪をかきあげていた。
「もしかして、弘美先輩が戻ってくるんですかぁ?そういえば、今の仕草だって同じだし・・・」
目を輝かせて由香は貴章の方を向ける。とたんに貴章は顔を強張らせる。
「・・・そうなったら、俺はどうなる?このカラダは元々俺のだぞ。今更他人に使われたくないね」
「で、でも、弘美先輩がずーといたわけだし・・・・ごめんなさい。こんな事を言って」
由香の目は涙でうるうるになっている。貴章は強張った顔からふっと、優しい表情になると由香の髪を撫でながら・・・
「もう、由香は泣き虫だね。さっきはまるで別人だったみたいだな」
「へへっ♪・・・その顔も同じだね」
何時の間にか笑っている。先ほどの事といい、つくづく女は変わるものだと貴章は思った


「貴章さん、喉が渇きません?ジュースかお茶でも買ってきますね」
「あ、ありがとう。お金は・・・」
貴章は財布(弘美の財布)からお金を取り出そうとするが、由香に止められた。
「あ、いいですよ。いつもは弘美先輩に奢ってもらっているし、今日はあたしの番ってことで」
「でも・・・悪いよ」
「いいですよ。さっきのお詫びですから」
由香は貴章に笑顔で答えると非常口の方へ向かった。
・・・・なんだろう?安心するな。あの子が俺の知っている由香と同じだからだろうか・・・
貴章が想いに拭けっていると・・・
「あの〜、ここ良いですか?」
「わわわっ!・・・・・」
いきなり後ろから声がしたので驚いて振りむくと、セーラー服の少女がそこに居た。
・・・さっきから俺と由香以外誰もいないはずなのに・・・・
貴章は少女をしげしげと見る。色白で鼻が高く、くりくりとした大きな瞳で睫毛は長い。髪は少し茶色かかったショートヘア・・・
・・あれ?この子どっかで見たような・・・・でも、思い出せない・・・
「あの〜、私の顔に何かついてます?さっきから見られていて恥ずかしいんですけど・・・」
少女は頬を赤く染めていた。
「え?・・・いやぁ、ちょっと知り合いにかな?似ている子がいたもので・・・はは」
その場で咄嗟に言い訳をする貴章。額に汗が出る。
「ふふふっ。そうなんですか?」
口に手をあてて、笑う少女。何やら仕草が可愛いい。


「はは・・・それで何?」
「あ、いえ、ここでお昼を食べてようと思って来たんですけど・・・駄目ですか?」
「あ、ううん。別にいいけど・・教室では食べないの?」
「ええ。別に深い意味はないんですけど、一人の方が好きなんで・・・」
「ふうん・・・」
この後、二人は言葉を交わす事はなかった。少女は黙々と自分の弁当を食べていたし、
貴章に声を掛ける事はなかった。貴章は少女の事は気にしてはいたが、どういう訳か
自ら言葉を交わせようとしなかった。
「あのう・・」
「何?」
「あ、いえ、なんでもないです・・・・」
・・おかしな子だな。自分から言っておいて、途中でやめるなんて・・・
貴章は少女が何を言うとしたのかは気にしていたが、そのうち考えるのを止めた。
余計な詮索はしたくはなかったからだ。それよりも由香がなかなか戻って来ない
事が気になり始めた。
「由香の奴、遅いな。動販売機なんて職員室の側あるのに・・あれ?何で俺、知っているんだ?この学校は初めてのはずなのに・・・
これも弘美の記憶かな?何か不安になって来たな・・・・」


先ほどの仕草といい、貴章はだんだんと弘美に染まっていくのではないかという不安を感じ始めていた。
「ごちそうさま。あれ?お連れの方はまだ来ないんですか?」
「う、うん。まだのようだな・・・はははは(汗)」
「ふふふっ。何か男の人みたいな言い方ですね。そんなに美人なのに勿体ないですよ」
「あ、そ、そうかな・・・うん、そうだよね。ほほほ・・・」
・・・・んな訳ねぇだろが。俺は男だ!うーー、気持ち悪い・・・・
「じゃぁ、私はこれで。・・・・桐生貴章さん♪」
その言葉に貴章の心は一瞬で凍った。心臓の鼓動が早まる。
「・・・どうして・・その名前を知っているんだ?」
貴章は顔を強張らせたが、少女は笑顔のままだ。
「そんなに怖い顔をしないの。折角の美少女が台無しじゃない」
「そんな事は聞いていない。何故俺の名を知っている?オマエは誰だ?」
貴章は少女に詰め寄ろうとするが、少女は動じない。
「ふふっ♪今は話せないわ。観察中だしね。また後でね♪貴章さん、いえ今は弘美さんかな?」
そう言って少女は非常口のドアを開け、中に入った。
「あ、こら、待ってよ!答えろ!オマエは誰だ!!観察中ってなんの事だよ!」
貴章は少女を追いかけようとした。だが非常口のドアの向こうには少女の姿はなく、代わりにジュ―スとお茶の缶を持った由香が立っていた。
「あ、貴章さん、ごめんなさい。遅れちゃって・・・あれ?どうかしました?」
「由香か?」
・・・あの子が消えた?そんな馬鹿な。でもあの子、何で俺の名を知っているんだ?もしかしたら、この事と関係があるのか?・・・

自分の体を見ながら、一抹の不安が貴章の心を覆っていった・・・・



「貴章さん、どうしたのですかぁ?あ、これをどうぞ」
と、貴章は由香からオレンジ・ジュースを手渡される。
「あ、う、うん・・・ありがとう。それよりも由香、ここに来る時に女の子に会わなかったか?」
「ううん、会わなかったよ。それがどうかしました?」
神妙な顔をする由香。
・・・・神隠しかよ。気味が悪いな・・・・・

非常口のドアの近くに腰掛ける二人。
「そうなんですか。それって気味が悪いですね」
「由香もそう思うか。俺の名前を知っているなんてな」
貴章は先程の出来事を由香に話した。由香は最初、ちょっと首をかしげて、うんうんって答えていたが貴章の真剣な表情に押されて真顔になっていく。
「あ、そうそう。午後はどうします?授業にでますか?」
お茶入り缶を飲みながら、由香が言う。
「そうだなぁ、出ないとまずいかな?由香も俺と付き合ってサボルのは良くないしな」
「ふふっ・・・弘美先輩とは違いますね。あの人はいつも授業を抜け出していましたから」
「そうなのか・・・」
弘美の意外な行動に驚く貴章。
「それでも成績は学年トップなんですよ。いつ勉強しているのかわかりませんけど」
「ふうん、頭が良いんだ。以前の俺と同じだな」
「貴章さんもそうなんですか?へぇ・・・すご〜い」
「ははは・・・」
褒めれているのか分からないが、とにかくその場の雰囲気を創ろう貴章。
・・・そうか、俺と同じか。何か親近感があるな。ん?これって・・・
「俺は知っているはずだ。たしかあの時、そう設定したはずだから・・・。あれ?思い出せない」
突然、持っていた缶を置いて立ち上がる貴章。携帯で弘美の性格を設定したはずなのに
はっきりと思い出せない。由香はそんな様子を不安げに見ていた。


「た、貴章さん、授業に出るつもりならその言葉使いを直したほうがいいですよ。変な人と思われますからね」
素早く話題を変える由香。
「そ、そうか。やっぱな・・・・」
頭をぽりぽりと掻きながら貴章は考え込む。
「由香ちゃん、・・・これでいいか・・な?わ、わ、私は九条弘美・・よ。弘美って言ってく・・れる?」
「うんうん。貴章さん、ちょっとぎこちないけどいいんじゃないかな」
ちょっと首を傾げて、にが笑いをする由香。どうも本当は上手くいかなかったようだ。
・・・・う〜ん、そうか。ぎこちないか。それじゃぁ・・・
「もお、由香。私にはそんな趣味はないって言っているでしょ!」
今度は先程の弘美の言葉を思い出して言ってみる貴章。すると由香の目が輝き出す。
「(・∀・)イイ!!すごくイイですぅ。弘美センパ〜イ♪」
たまらず、頬を真っ赤にして貴章に抱きつく由香。
「ふにゃあ〜ん。弘美先輩〜、好きですぅ〜♪ぷにぷに〜」
「こ、こら由香!抱きつかないでよ。もお!あ、駄目ぇ、ちょっと触らないでぇ。嫌ぁぁぁああん」
由香に抱きつかれて、困惑気味の貴章。本人は自然と弘美と同じ言葉使いが出た事は気が付かなかった・・・


■5■

ざわざわ・・・・
教室がざわめく。ここは2年A組の教室。
私立霜村高校は有名大学に進学する生徒の多い進学校。OBには某有名大学の教授や政治家、評論家が多い。進学に熱心な学校なので2年生から能力別にクラス分けをしている。
ここA組は、学年上位の成績の生徒を集めていて、まさに進学専門集団なのである。
今は午後の授業の中休み。クラスメートの注目は・・・九条弘美に注がれていた。
「珍しいよな。九条の奴が授業に出るなんて」
「いつもは、サボっていたのにな。どういう風の吹き回しだろう?」
「でもさっきの物理の授業は学年トップって感じでさぁ、さすがだよ」
男子生徒からはこんな声が聞こえる一方、女子生徒は・・
「弘美。あんた、よく授業を受ける気になったわね。いつもはいないのに」
「なんかさぁ、さっきの授業の時はいつもの九条さんと違うのよね。凛々しくて素敵♪」
「おいおい、ナッチーは弘美に惚れたのですかぁ?」
女子からは黄色い声があがる。
・・・・はぁ。うんざりだ・・・こりゃ逃げ出したくなる罠・・・・
心の中ではウンザリしている貴章。今は九条弘美として振舞わないといけない。
そのためなのかどうも気分が悪い。
「なんだよ・・・こう女ってうるさいのかねぇ」
つい貴章本人の言葉がでる。
「え?弘美。なんか言い方がおかしいよ。アンタも女でしょう?」
弘美の腐れ縁?らしい、 北条 美穂 (ほうじょう みほ)が驚いた表情で言う。 
「美穂?あ、あ・・・そ、そうだよね。お、わ、わたしったら・・うぅん、何でもない」
・・・うへ・・・女のふりをするのは気持ち悪い。早く終わらないかな。あ、また
俺の知らなかった事が頭に浮かぶな。これも弘美の記憶かよ・・・
改めて授業に出た事を後悔する貴章であった。




休み時間も終り近くの頃・・・。
「ほよぉ・・・やべ・・・」
猛烈な尿意が来る。貴章は溜まらずスカートの上から股間に手を当てる。
・・・・そういえば、トイレに行ってないな・・・・・
額に汗を掻いて急いで、席から離れ教室を出ようとする。
「あ、弘美。授業がはじまるよ」
「美穂、ちょっとトイレに行ってくる。すぐよ、すぐ」
後ろから美穂の声がするが、適当に答えてその場から離れた。
・・・ひーーー、漏れそう。ここか・・・・・
急いでトイレに駆け込むと中に数人確認した。目線を感じる
「・・・・・・俺に何か付いているのか?何で俺をジロジロ見る?」
と言うよりは、数人がこちらを見て困惑している。ある者はこちらを見て驚き、ある者は振り向く・・・男子生徒ばかり。
「・・・・・!!」
今いる所がどこなのか気が付いた(笑)急いでその場から離れて隣の方へ入り、個室の鍵をかける。数人の女子生徒が洗面台の前で話をしていたが、貴章自身そこまで省みる余裕はなかった。
「はぁはぁ・・・ぜぇぜぇ・・・・やば。何でこんな時に?」
さっきから弘美の感覚なのに今は貴章の、いや男の感覚に貴章自身困惑していた。
壁に体を凭れ、ブラウス越しに胸に手を当てると心臓の鼓動が早く感じられた。
「・・・・とにかく」
意を決したかのようにショーツをさげ、スカートを下げて洋式の便座に座る。
「ふう・・・間に合った」
尿道口から勢いよく水が出る。
「そういえば、女の姿では初めてなんだよな・・・・・」
流れる水を見ながら呟く。
水の出が収まると感覚は弘美なのだろう、自然と柔らかいティッシュで優しく拭いた。
自然と女としての知識が浮かぶ。ついほんの少しまでは男だったのに。貴章自身複雑な気分になっていた。
「これも弘美の感覚かよ。俺ってこのまま、弘美になっちまうのか?」
ふと目の前の秘部が疼く。貴章は思わず細い指を近づけていった。何時の間にか、男の感覚にもどったのだろうか、夢中で陰核を弄る。電気が来るような感じがするたびに一瞬躊躇したが、それでも弄り続けるていた。


「・・んん・・・んふぅ。あん・・」
誰かが聞いているかもしれないと思い貴章は口を噤んだが、甘い声は時折出てしまう。
快感に酔い始めた貴章は自らブラウスのボタンを外し、下着を剥き出しにするとブラを巻く利上げ、直接乳房を揉み始めていた。
「ぃや・・や、やめないと・・・で、でも・・・んん」

キーーーーーーンーーーーーーコーーーーーン

「きゃ!やば。始まっちゃたよ〜」
「はやく、はやく!行こ!」
「今入った子、大丈夫?」
「そんな事言っている場合ではないでしょ!先生が来ちゃうじゃん」
女の子達はドヤドヤと急いでトイレから出て行く。一方貴章は授業開始のチャイムが鳴っても行為は終わらない。今は誰もいないトイレの中、乱れた呼吸の音が響く。
「んふぅ・・・んん・・・・・」
揉むたびに乳房は形が変わり、桜色の突起は自己主張を続けている。奥から湧き上がる快感は全身を駆け巡る。
「んん・・・はぁうう・・・・・あん♪」
陰核は皮が剥け、若芽が顔を出す。蜜壷には蜜が溢れ、いつのまにか便器の下に滴り出していた。男としての感覚が指を動かし、揉むたびに女の快感が湧き出る。貴章はこの快感に酔っていた。
『ふふっ、淫乱ね。気持ちいい?』
不意に声がしたので貴章は思わず手を止め、辺りを見回した


「はぁはぁ・・・誰?・・・はぁはぁ」
『止めなくていいわ。もっと気持ち良くなるから。』
「・・・はぁ・・・・どうして?・・・はぁはぁ」
『それは後のお楽しみ。・・・・・ふふふっ♪』
その後、謎の声はなかった。貴章は再び行為を始めていた。
「はぅん・・・んん・・・ぁああん・・・」
くちゃくちゃ・・・・
「・・・・あっ・・・・・・・」
瞬間的に体がビク!と反応する。同時に全身が心地よい快感に包まれていった。
「はぁはぁ・・・・またイッちまったのかよ」
自己嫌悪が心を満たす。ふーーと溜息が漏れる。
「一体、今の声は・・・・」
乱れたブラウスと下半身を剥き出しにしながら呆然とその場に座りこんでいた・・・

■6■

喧騒ある街・・・夜が近づき、そろそろネオンが燈り始めている。
表通りに一人の女性が足早に行く。貴章の後輩の由香だ。
「先輩、帰っているのかな?今日も講義をさぼっていたしぃ。いいかげんにしないと教官が単位を落とすって言ってたなぁ・・・・」
手元の腕時計を見て呟く。少女趣味とよく貴章にからかわれている可愛いいデザインの時計だ。
「・・・・お姉さん」
ふと後ろから声がする。見れば白いブラウスとチェックのスカートをした高校生くらいの女の子が立っていた。


「あたしに何か用?」
「うん。八神由香さんです・・・よね?」

ちょっと俯き加減の少女。仕草が可愛いけど、何か影のある雰囲気を持っていた。
「そうだけど、あたしの名前知っているの?貴女、先輩の知り合い?」
「はい。・・・・実は私、貴章さんの事で由香さんにちょっとお話があって、そこの裏通りに来てくれませんか?」
「え?ここでは駄目なの?先輩の所に行く所だけど、一緒じゃ駄目?」
「いえ、手間は取らせません。すぐ終わりますから」
少女は由香の手を取ると、半ば強引に路地の方に引っ張った。
「ちょ、ちょっと。何よこの娘、もう!強引ね」
半ば呆れる表情で由香は黙って着いて行くしかなかった。

「で、お話って何なの?」
「それは・・・・これを見てくれます?」
持っていたバッグから取り出したのは携帯電話。よく見れば見覚えのある物だった。
「あ、これって、先輩のじゃない?どうして貴女が・・・・」
「画面を見てくれます?」
「こう?」
ケータイの画面を見た由香は呟く。ふと画面がほのかに光ったと思ったら見る間に光は大きくなる。
「これって・・・・」

由香はその場で倒れてしまった。少女は由香が気絶した事を確認すると、まるで霧のようにその場から消えてしまった。



白い世界がどこまでも広がる。

・・・・なんだ?この部屋は・・・・・・

薄暗い部屋。ぼんやりとした視界に映っているのは、ベッドの上での二つの肉の塊。それが蠢いているのがわかる。
「あ、うん・・・・・はぁう・・・・良い・・・♪」
・・・・え?女の声?一体・・・・
声の主は女性。貴章にとって身近でどこか聞いたような声が響く。

「へへっ・・・感じてきただろう?けっ!淫乱な女だぜ」
「学年トップの美少女も台無しだな」
「まぁ、いいじゃねぇか。乱れる姿もオツだぜ」

数人の男が取り囲んで見える。だが、それぞれがぼんやりとして顔が見えない。
・・・・一体、これって・・・それになんだ?何の話だ?・・・・・・

不安になる貴章をよそに、次第にハッキリと視界が見えてくる。その瞬間、貴章の目に事実がわかった。
・・な!・・・・
近くには大きな姿見。それに映る甘く切ない声をだしながら喘いでいるのは、間違いなく自分。その乱れた姿に貴章は驚愕した。

「・・・・はぁはぁ・・・あぁああん。ぁああああん」

弘美は手を縛られ、着ていた制服を無残に切り裂かれていた。白く形の整った乳房が揺れる。周りには上半身が裸の男が十数人。その一人はベッドの上で弘美の脚体を広げ、舌で愛撫を繰り返している。
・・・なんで俺がこんな奴等に?・・・・

ピチャピチャ・・・・

男の舌が弘美の体を嘗め尽くす。その度に全身に甘い疼きを増大してくる。
乳首はすでに自己主張し続け、男の手が乳房の形を変える。蜜壷にはすでに愛液が充満し、今まさに男を受け入れようとしていた。


・・・や、やめろーーー!!!・・・・・
貴章が叫んでも、周りには聞こえない。

「そろそろ、挿れようぜ。ここも濡れているしな」
「くくく、見ろよ。感じているじゃぁないか?」
「いいねぇ、次は俺だな」

野獣達の目には哀れの文字はない。弘美を愛撫していた男は、紺のスラックスのジッパーを降ろした。
・・・・な!・・・
貴章の目に映っていたのはドス黒い肉の塊。それが徐々に弘美の股間に近づいている。
それはほんの少し前に己にあったモノ。目の前のモノは有無を言わさぬように蜜に溢れた秘部にめり込んでくる。

「・・・・・・嫌ぁあああああ!!」

絶叫が部屋中こだまする。次の瞬間にモノは膣の根元までめり込んでいた。

「くくく!スゲェ締りだ。流石は学年トップは違うねぇ〜♪」
「おいおい!そんなに凄いのか?」
「嫌がっていた割には感じているんじゃないか?くくく!」

ギシギシ・・・・
パンッパンッパンッ

男のモノはピンク色の花園を犯す。抽送するたびに溢れる愛液。溢れ出る蜜はモノに絡みつき、より淫辣な音を奏でる。きつくそして柔らかく絞める膣に、男のモノはより膨張しながらも弘美の秘部を犯し続ける。


「嫌ぁぁ・・・はぁあああああん・・・ぁあああん・・・あ」
恐怖に震えた声は次第に快楽の喘ぎへと変わる。男のモノが秘部を犯すたびに、弘美の甘い喘ぎ声が高まっていくこと数分後。

「く!で、出る・・・・!」

一瞬弘美の体が弓なり状態になるかと思えば、男は己の精を弘美の膣内に解放した。

・・・・ドクドク・・・・

「・・・・つうっ・・・・」
暫らくして、ゆっくりモノが引き抜かれる。膣口からは白く濁った精がそれに合わせて逆流してくる。弘美はぐったりとして肩で息をしていた。

「・・・・はぁはぁ・・・お、お願い。もう・・止めて。」
「くくく・・・嫌だね。俺ら全員を相手にしてもらわないと・・・な。」
「あの御方に処女を奪われたくせに、今更男嫌いは通じないぜ」
「そうそう。今度は俺のチ○ポをしゃぶってくれるかな?」

・・・・あの御方?・・・・奪われた?・・・

「さて、今度は俺の番だな」
「じゃぁ、俺もだな」
別の二人の男が周りの輪から出て、弘美の居るベッドに圧し掛かる。

「嫌ぁ・・・嫌ぁああああ。お願い止めてぇぇ!」
「ふへへ・・・いいねぇ、その顔。」
「俺らも相手にしてやるんだ。光栄に思いな」


ぶよぶよに太った男は弘美を四つん場にすると一切の愛撫なしに、アナルに己のモノを突き刺した。
「はぁう!・・・い、嫌ぁあああああ」
「ふへへ、こっちも締まりがキツイぜぇ〜」
「おいおい。嫌がるのもいいが、次は俺の番だぜ」

弘美の顔の前に居た男は顔を向けさせると、嫌がる弘美を他所に桃色の桜を散らすようにもう一つのモノを貫らぬかせる。初めは嫌がり吐き出そうとするが、しだいに快楽に染まった表情はアナルを抽送するモノに答えるように、次第に男のモノに進んでしゃぶりついていく。

・・・チュパ・チュパ・・・・・

「うううっ・・・もっと・・・んあぁああああ」
溢れる唾液、絡みつく舌。頬を伝う一筋の涙と供に朱に染まった木目細かい肌、アナルの動き。その姿に男達の興奮は高まっていく。

「くく・・・で、出る。」
「お、俺も・・・は、吐き出すなよ」

口にもアナルにも男の精が弘美に注がれる。口膣内に注がれた精は吐き出すことなく、ゆっくりと飲み込まれていく。白く細い喉が蠢くたびに、男達の嗜虐心は高められていく。

「ふへへ・・・淫乱な女だぜ。次は誰だ?」

その後も陵辱劇は続く。ふと、何時の間にか弘美の体は男達の精で白くなっていく。それは周りで爪弾きされた別の男達が、弘美の陵辱される姿に自慰を始め、その開放された精を弘美に向けて掻けていたからだ。異種異様な匂いが部屋に充満する。
・・・・俺が男に犯されるなんて、嫌だ!嫌だ!・・・・やめろぉおおおお!!・・・・
貴章の理性が飛んだ時、周りは再び白く変わっていく。どこまでもどこまでも白い世界に。


「・・・・・弘美!!」
夕暮れの光に照らされながら、耳元で誰かの声がする。顔を見上げると、ぼんやりとして顔が見えない。
「うーーん・・・・、美穂か?」
「どうしたのよ?遅れて教室に入ったかと思えば、授業中に居眠りなんかして。まぁ、いつもの事だからしょうがないけどね」
弘美の親友美穂が、覗きこむようにして貴章を見る。
・・・・今のは夢?・・・それにしてはハッキリしていたような・・・・・
・・・・でも、なんで俺が犯される夢を・・・どうして?・・・
神妙な顔をしながら考え込む。そんな貴章に美穂はポンッ!と肩を叩きながら。
「何考えているのよ。もう授業は終わったよ。一緒に帰ろう。」
「う、うん。・・・・あれ?腰が・・・」
勢いよく立ち上がろうとすると、少し脚がもつれた。咄嗟に手を机の上にあてる。
「弘美、どうしたの?」
「う、うん。・・・何でもない」

貴章はすぐ鞄を持って、美穂と一緒に教室を出た。・・・・・貴章は少し体をふらつかせていたが。二人が出ていった後、教室にはもう誰も居ないはずなのに、いつのまにか二人の少女がそこにいた。そう、薄っすらと微笑みを見せながら・・・・・。
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