薄暗い部屋には、天井に窓がある以外、パイプ椅子と簡易ベッドがあるだけ。
そう・・・・あの部屋だ。ベッドには腰掛けている二人の人物がいた。
一人はショートカットの謎の少女。彼女ともう一方の人物は携帯の画像に
貴章の姿を映して見ている。
「ふふふっ。結構仲がいいんじゃない?あの二人」
「おやおや、それにしても弘美は淫乱になったものだ。この男も可哀想に・・・」
その人物は呆れた声でショートカットの少女に言う。
「くすっ、そうかしら?そろそろ次の段階にいった方がいいようね」
「え、もう次にいくの?もう少しこの男を見ていた方がいいと思うけど」
「無理よ。プログラム通り、この男に弘美の意識と性質を融合させるわ。ゆっくり観察している時間はないのよ」
「そうだな、早く『九条弘美』を本当の姿に戻さないとね。この男はどう思うかな・・ふふふふ♪」
部屋には笑い声が響いている。弘美の真の姿・・・・それを謎としながら。


■10■

ガタンゴトン・・・・
早朝の車内は満員でなくても息苦しい。特に夏場は車内クーラーをつけても不快指数は
全く減らない。
「くそ・・・やっぱ場所を変えるべきだったか」
後悔してもはじまらない、今の貴章がいる場所は最悪の入り口近くなのである。
ここは特に痴漢が出やすく人物の特定は難しい。流れによって逃げられてしまうからである。
たとえ特定出来たとしても本人かどうかも怪しくなる。貴章は自分が女である事に油断していたのだ。
しかも今の貴章の制服は夏服。
私立霜村高校の制服はフリル付きのスカートとかわいいリボンで評判の制服だし、しかも相当のレベルの美少女が着ているとくれば注目されない方がおかしい。
事実、電車に乗る前は様々な視線を全身に浴びていた。嫉妬・羨望
・欲情・・・あらゆる視線が突き刺さるのには貴章自身反吐が出る思いだった。
・・・・プシュー
近くのドアが開くと人の入れ替えが起こる。貴章はこの間をぬって反対のドアの方へ行き取っ手に捕まった。
ここなら外が見えるし、なにより学校への最寄りの駅はこのドアから降りなければならなかったから都合がよかった。
車内は更に混雑して体が動けない状態になった。
「・・・ぐぅ・・・苦しい・・」
車内は身動きがとれなくなと、いつのまにか貴章の体はドアに押し付けられる形になっていた。
貴章はとっさに鞄を前に向けていたが、それが危険だとわかったのはすぐ後だった。
「・・・・え?」
貴章の尻を撫で回す感触に思わず悪寒が走る。男の時では絶対にありえない感覚に戸惑うがこれも女になった所以か。
・・・マジ?痴漢かよ
思わず手を掴む。ゴツゴツとした男の手に一瞬身震いがして、思わず手を離してしまった。
・・・え?なんで?痴漢の手だぞ。
体から離してしまった手は再び尻を撫で回そうとする。
貴章はその度に払おうとしたが、痴漢の手はしつこくくる。
その時電車が大きく揺れたため、今度は痴漢が体を密着しはじめた。


・・・・クッ。離れろよ
痴漢は貴章をなにも言わないと認識しているようだ。
密着すると先程より大胆に体を触れてくる。
・・・うへ・・・なんとかしてくれ。キモイ!
痴漢は貴章の尻ばかりでなく腰・背中と触ってくる。
男の時なら半殺しにしたい所だが、身動きが取れない状態なので体を捻るくらいしか抵抗できない。
大声で叫びたいと思っていても男のプライドが許さない・・・貴章が心の葛藤をしても痴漢の手は緩むことはない。
「ひゃぁ!」
痴漢の手が脇から胸を触ったのだ。
ここまで大胆にくる痴漢に頭にくる貴章だったが、思わず声を上げたため顔を真っ赤にして俯いてしまった。
・・・なんで?俺は男なのに。
いつもなら由香と一緒にいる所だが、彼女は体調を崩していて今日は休み。
女性が二人いれば痴漢に襲われる事も少ないのだが、今は孤立無援の状態。
・・・・くそ!離れろ、変態が!
体を揺らしながら必死に抵抗するも、痴漢の荒い息が聞こえてくる。
いつのまにか痴漢の手はスカートの中にも侵入し、ショーツ越しに秘部を触れていた。
・・・くっ、ふぁ。やば・・・何感じているんだよ!
割れ目を沿うように指を走らせてくる。
脇から胸を揉みながらの二重攻撃なので、体がだんだん感じはじめていた。
・・・くふ。んん・・・はぁ・・・・・声が出ちまう。やばい。
じんじんと痺れるような快感が溢れてくる。ブラのカップの中では桃色の乳首が勃起し、堅く尖りはじめていた。
貴章の体は快感に包まれ力が抜けはじめた時、再び大きく車内が揺れ出す。痴漢の体が一瞬離れた時・・・
クっ、この!」
貴章は痴漢の手を捻る。と同時に脚を踏みつける連続コンボを仕掛けると、さすがに痴漢は観念したのか沈黙した。
「・・・・変態!!」
吐き捨てる言葉を言うと、次の駅で駅員に突き出してやろうと考え始めた。痴漢は沈黙したままだ。


・・・なんか不気味だな。
身動きは取れないが無理に体を捻りドアを背にするように向きを変えた時、目の前には一人の女性が立っていた。
・・・え?女の人?嘘、いやそんな馬鹿な。
背後にいたのは確かに男だったはず。だが目の前にいるのは女性・・混乱するのも無理もない。
そんな様子を察していたのか目の前の女性はちょっとはにかむような微笑を讃えていた。
・・・俺の見間違いかな。
女性の方から化粧の匂いだろうか、甘い匂いがくる。同性だというのが安心したのか
貴章が向きを変えようとした時。
「ふふっ・・・何も向きを変えなくてもいいじゃない」
目の前の女性が耳元で囁く。歳は二十代後半なのだろうか、落ち着いた物腰の声だ。
「ここは痴漢がよく出る所なの。キミのような魅力的な女の子だと、すぐ襲われちゃうわよ」
「・・・・・どうも」
男なのに魅力的な女の子と言われても嬉しくないが、たしかに場所は最悪のようである。
目の前の女性は俯いている貴章の顔を覗き込む。まじかでは化粧の匂いがキツイ。
「へぇ・・・何も付けていないんだ。でもすごく可愛いじゃない♪」
「・・・ジロジロ見ないでくれよ。恥ずかしいんだけど」
貴章は俯いていた顔をあげ、その女性を見る。身長は175cmくらいありそうだ。
規正のとれた鼻立ち、すっきりとした目元。胸元には90以上はあるであろう、ふくよかなバスト。
たしかに男だったら思わず唾を飲み込む程の美人である。
顔立ちから見ると、アジア系というより北欧系に近いような気がする。


「ふふっ。キミは女の子なのに、女性に興味があるのかな?」
「な、なんでそんな事を聞く?」
「だって私を見る目が憧れというより、男の子が女の子に向けている目に似ているもの」
「・・・」
「それとも、キミはレズかな?ふふふっ・・・」
「な、そんな事は・・・うふ!んん・・・」
胸元を触る手の感触・・・目の前の、女の肩が僅かに動いている。
・・・・ま、まさか。
「ふふふっ。女の子にしてはあまりにも無防備だから、ムラムラってきたのよね。
キミって本当は男の子でしょ?女の体は気持ちよかった?」
「・・・そ、そんな事」
突然の言葉に顔を赤らめ俯く。
たしかに体は弘美だが、中身は男の貴章。女性の指摘が当っているだけに貴章は反論する事が出来ない。
「ふふっ・・・そうみたいね。じゃぁ、気持ちよくさせてあげようかな。さっきは痛い目にあったからね」
「さっきって・・・あの痴漢はあんたか?」
「あら、わかった?もう痛かったわよぉ、イキナリ肘打ちに足の踏みつけ。ま、男の姿だからしょうがないけどね」
そう言って目の前の女は顔を近づけると、貴章の唇を塞いだ。
「んん・・・・ふうん・・んん」
女の舌が強引に割ってくる。舌は貴章の歯茎を嘗め回し、舌に絡めようとする。
貴章は歯を閉じ、これ以上の侵入を拒もうとしたが胸を揉まれる事で快感が増したのか、思わず舌を絡めてしまった。
軟体動物のようになまめかしい舌が絡み合う姿は満員電車の中での行為とは思えない。
互いの口から唾液が漏れ出すたびに耳には淫嫉な音が聞こえてくる。


「んん・・・・ふん・・んん・・」
唇を繋いだまま、貴章は女に体をもたれ掛かかっていた。すーっと二人の唇が離れる。
唇の間には唾液が糸を引く。
「ふふっ・・・馴れているのね。もしかして経験ずみなの?」
「止めてくれ。俺にはそんな趣味はないし、第一痴漢される覚えも無い」
「ふふっ。そうは言っても、体は正直なのね」
女の指摘している通り、貴章は先程の余韻が残っていたのだろうか、頬は上気し体は再び疼きが出始めていた。
「はぁはぁ・・・アンタは痴女か?タチ悪いじゃねぇか」
「あらあら、侵害ねぇ・・・可愛い顔して汚い言葉は吐かないの。もう本当は嬉しいくせに」
「ひゃぁ!・・・」
スカートには既に手が侵入し、股間を優しく撫でながらショーツを脱がしはじめていた。
「くすっ!ここも濡れてきているじゃない。本当にイヤラシイ子ね」
「はぁはぁ・・・これ以上は止めて・・・」
手で退けようとしてもガッチリと押さえつけられてしまう。
女はショーツを太腿の下までおろすと、愛液が涌き始めている秘部へ手を伸ばした。
・・・はぁはぁ・・・おかしい、何故周りは気が付かないんだ?まるで壁に囲まれているような・・・・
「ふふっ・・・・驚いているようね。大丈夫、私達の事は周りの人間には気が付かないから」
心を見透かされたような、女の言葉に貴章は驚く。
何を馬鹿な、と声を出しそうになるが、既に上気している体は言う事が出来なかった。
「ふふ・・・キミはまだバージンのようね。こんなに可愛いのに、男を知らないなんて勿体ないなぁ」
女は舌なめずりしながら、貴章の割れ目に沿って指を動かす。
その度に貴章は体を震わせながら身を委ねていた。
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