強制女性化小説ない?スレ保管庫 - 避妊薬
「頼む、このとおりだっ!! お願いだから赦してくれっ!!」
俺は目の前の女に深々と頭を下げた。

3ヶ月前、俺は度重なるアタックの末に製薬会社の研究員をしている薫理(かおり)という女と結婚した。
理知的だが感情豊かで、バストとヒップも豊かな肢体が俺の好みとバッチリと合ったのだ。
薫理は俺との結婚に際し、一つの条件を出してきた。
「あたし、今の研究を途中で中断したくないの。だから最低3年は避妊に協力してもらうわ」
俺はその条件を受け入れた。……だが先日、情欲に負けた俺は薫理との約束を破り危険日にもかかわらずコンドームを使わずにセックスをしてしまった。
当然のごとく薫理は激怒し、ここ数日は口もきいてくれない。
俺は何とか薫理の機嫌を直そうと謝り続けているのだった。


「…………本当に反省している?」
しばらくぶりに薫理が口を開いた。
俺は激しく首を縦に振る。内心でホッと胸を撫で下ろしたのは事実だが、ある程度予想された展開だった。
昨日、俺は薫理が生理用ナプキンを取り出すのを見た。妊娠という事態が回避されたのだからこうなるのは時間の問題だ思っていたのだ。
だが、安心するにはちょっとだけ早かった。
薫理は微笑み……というよりはニヤリといった感じで笑みを浮かべると俺に言った。
「許してあげてもいいけど、条件があるわ」
「な、なんだよ条件って? 俺にできることはなんでもするよ」
俺がそう言うと薫理はショルダーバッグから褐色の瓶を取り出した。
受け取って瓶の蓋を開けると中に大量のカプセル錠が入っていた。
「今日から朝と晩にその中の薬を一つずつ飲んでもらうわ」
「なんの薬だ、これ?」
「避妊薬よ」
俺の問いに薫理が簡潔に答える。
「避妊薬を男が飲むのか? 珍しいな」
「効果が出るまで、しばらくは飲み続けないといけないけど。……どうするの? 飲む?」
「飲むさ。それが許してくれる条件なんだろ?」
そう言って俺は中に入っていたカプセル錠を一つ取り出して口の中に入れた。

一週間後――

「なあ薫理、この避妊薬、ちゃんと効いてるのかな?」
俺は薬を飲み込みながら妻の薫理に聞いてみた。
あれからずっと飲み続けているが、特に変化らしいものは感じられない。
「ちゃんと効いてるわよ。安心して」
薫理がパソコンに映し出された検査結果を見ながら俺に言った。薫理は俺とのセックスが終わった後、コンドームを回収して中の精液を検査しているようだ。……もっとも俺には映し出された数値を見てもさっぱり訳がわからないが。
「もう十分に効果が出ているわ。もっとも服用を止めればすぐに元に戻るでしょうけど」
「ということはつまり……中出しOKってことか?」
俺は椅子に座った薫理の肩に手を置きながら訊ねる。
「そういうことに……なるわね」
薫理はそう言ってゆっくりと立ち上がった。
ブラウスのボタンを上から順番に外していく。全て外し終わると次はスカートのホックを外しファスナーを下ろす。ブラウスとスカートがほぼ同時に薫理の足元へと落ちる。

クチュッ、クチュッ――

二人の唇と舌が絡み合う。
キスをしながら俺は薫理を抱き上げ、ベッドルームへと移動する。
薫理の背中へと手を回し、ブラジャーのホックを外す。
ベッドの上へ薫理を下ろし、ブラジャーを剥ぎ取る。膨らみの頂の蕾は既にカチカチに硬くなっていた。
俺は薫理の柔らかな乳房をゆっくりと揉みながら、硬くなった乳首に唇で触れて舌で転がす。

「あ……あっ」

薫理の口から声が漏れる。
続いて俺は薫理の股間に張り付いたショーツへと手を伸ばし、足元へと下ろす。
股間の溝の間の突起物に中指を触れさせ軽く往復させる。

「はっ……はあ……はあんっ!!」

薫理の発する声が艶かしさを増していき、股間がぐっしょりと濡れていく。
俺は薫理の両脚を開き、その間で腰をグイッと押し出す。
硬くなった逸物が熱い蜜壷の中へと沈んでいく。
先端が薫理の子宮口に触れる。俺は小刻みに腰を動かし薫理の子宮を突き続ける。

「あっ、あっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ!!」

薫理のよがり声を聞きながら俺の方も昇り詰めていく。

「「ああああぁぁぁ―――っ!!」」

絶頂を迎え、俺たちは同時に叫び声を上げた。

二週間後――

「……今日はしないの?」
ベッドで寝ていた俺に妻の薫理が囁く。
なんのことだろう? と、一瞬首を傾げたが、すぐに夜の営みのことだと気づく。
「今日は……仕事が忙しかったからいいや」
俺は振り返らずに薫理にそう答えた。
「あら、今まではどんなに疲れても毎晩私を抱いていたのに」
「……最近は薫理が俺を満足させてくれているから……かな?」
「もう、中出しってそんなにいいものなの?」
「ああそうだよ……おやすみ」
「おやすみなさい」
そう言って薫理がベッドに入り込む。
薫理の匂いが鼻をくすぐる。いつもならこの匂いで興奮して薫理に抱きつくのに……と考えながら俺の意識は眠りの中に落ちた。

三週間後――

「あら、どうしたの?」
顔をしかめて胸に手をあてていた俺に妻の薫理が訊ねる。
「いや、どうも強く擦ったみたいでさ」
「ちょっと見せて……あらら、乳首が腫れあがってるじゃない」
シャツを捲り上げた薫理が呟く。
「両方とも腫れちゃうなんて下着の布地が合わなかったのかしら?」
「いつも着ているやつなんだけど……まいったな、このままじゃ悪化するばかりだ」
「うーん……あっ、ちょっと待って」
薫理が引き出しから小さな箱を取り出すと、中に入っていた丸型の絆創膏……のようなものを俺の乳首の上に貼り付けた。
「……これでどう?」
「うん、これなら大丈夫だ。助かったよ」
俺は薫理に礼を言いながらシャツを下ろした。

四週間後――

「ただいま」
「おかえりなさい」
会社から帰宅すると妻の薫理が先に帰っていて俺を出迎えた。
「どうだった?」
「お前の言うとおり出向を言い渡されたよ」
今朝、出社した俺は部長に呼ばれ出向を命じられた。
突然の出向辞令だったが、驚きはほとんどなかった。なぜなら……
「うちの連中、出向先がお前のいる研究所だって知って驚いていたよ」
俺は昨夜にそれを聞いていたが、うちの会社は薫理のいる製薬会社と取引はあった(知り合ったきっかけも仕事絡みだった)が、そこへの出向など今まで例がなかった。
同僚はみな一様に驚き、中には「これで奥さんといつでもイチャイチャできるな」という奴もいたが……そういえば前に香里を抱いてから一週間以上経ってるな。
「だって……これ以上進んでバレちゃったら困るでしょう?」
そう言うと薫理がすまなそうに上目遣いになる。
「ごめんなさいね、私の薬のせいで」
薫理が俺に飲ませた避妊薬は市販のものではなく、薫理が研究所で研究中のものだった。動物実験の結果から避妊薬に使えると思って俺に飲ませたらしい。
「引継ぎと挨拶回りで動き回ったんでちょっと剥がれかけてるんだ。……頼む」
俺がそう言うと薫理は寝室へと向かい、俺は上着とシャツを脱いで上半身裸になった。
胸の上で剥がれかけた物体を慎重に取り除く。ピンク色になった乳輪と小指の先ほどの大きさの乳頭が姿を現した。
薫理の薬による効果は精巣での精子生産機能の停止は予想どうり、性欲と性衝動の減退は予想以上、そして……乳腺の活性化は予想外だった。
「はい、持ってきたわよ」
薫理がやって来て先ほど剥がした物体と同じ物を俺に渡す。
乳首の内側あたりにはしこりができていて、触ると結構痛い。俺はしこりに触らないように慎重に貼り付ける。
「残り少ないから明日にでも新しいのを買ってこなきゃ。まさかあなたに二プレスを全部使われることになるとはねえ」
「……誰のせいだよ」
薫理の言葉に俺は思わず呟いた。
絆創膏だと思っていた物体は女性がブラジャーを着けられない時に乳首を目立たせないようにするための品物だった。それを常用している事実を意識すると身体の内側から恥ずかしさが込み上げてきた。
指で二プレスの周りを押してみる。胸の部分が1センチほど沈み、指を離すとポヨンッという感じで押し返してくる。
最近、乳首の周りが少しずつ盛り上がってきているのだ。
それを知った薫理が製薬会社に働きかけて俺を研究所に出向させると言った。そこで俺の体を詳しく調べて治すつもりらしい。

「早く治してくれよ」

俺は下ろしたシャツの上から胸に手を当てながら小さく呟いた。

五週間後――

「あらまあ」
「おいおい、言うことはそれだけかよ?」
俺の胸を見つめる妻の薫理の言葉に俺は少々呆れながら言った。
薬の服用はとっくに中止しているというのに、俺の胸は元に戻る気配が見えない。
それどころか乳首の周りの盛り上がりはさらに増大している気がする。
さらには……
「昨日からさ……髭が伸びてこないんだが」
「へえ、本当?」
薫理がそう言いながら俺の顎を撫でる。昨日今日と髭を剃っていないのに、薫理の手が抵抗無く俺の顎の上を滑っていく。
「これも例の薬のせいなのか?」
「さあ、どうかしら?」
そう言って薫理が首を傾げる。まったく、のんきなものだ。
「薬の成分が体内に残留しているのかしら?」
「早く何とかしてくれよ」
俺が内心不安を抱えつつ薫理に頼むと、薫理は「はいはい」と軽く言いながら俺の顎から手を離した。

六週間後――

「か、薫理っ!!」
「んー、どうしたのよお?」
早朝、俺が妻の薫理を揺り起こすと、薫理は眠そうな声で俺に訊ねた。
「お、俺の……俺の……玉が……」
「玉がどうしたのよお」
「な……無いんだ。『袋』の中のどこにも」
「…………ええーっ!?」
薫理が仰天して飛び起きた。
「なくなったって本当なの?」
俺は顔を青ざめたまま頷いた。こんなこと冗談で言える訳がない。
「ちょっとベッドの上で横になって」
言われるまま俺はベッドの上に身を横たえた。
薫理が俺のズボンとブリーフを下ろす。夫婦なので裸をさらすのは珍しくはない筈だが、股間を覗き込まれて恥ずかしさが強烈に込み上げてきた。
「本当にないわね」
股間の袋を触りながら薫理が呟く。さらに周囲の部分を撫でたり押したりして……
「痛っ!!」
股間から少し上の部分を押された時に痛みを感じて声を上げた。
「あったわ。こんなところに移動してたのね」
「なんでそんなところに……俺、どうなっちまうんだよ?」
「わからないわ」
俺の言葉に薫理は目を伏せながら首を横に振った。

七週間後――

「はい、声を出して」
「……あ、あーっ」
俺はちょっと躊躇ったものの妻の薫理の言葉に従い声を出した。
「すっかり声変わりしちゃったわねえ」
「声変わりって……」
普通、声変わりというのは中学生の頃に声が低くなることの筈だ。それが俺の場合は全く逆で、薫理と同じくらいの高さまで声が高くなってしまった。
「喉仏が完全になくなってるわね」
俺の喉を撫でながら薫理が呟く。
例の薬を飲まなくなってからかなり経つが、俺の身体の変化さらに進行している。薫理がいくつか薬を作ってそれを飲んでみたが効果は全く見られない。
「胸だけじゃなく身体全体が丸みを帯び始めているわね」
胸はあれからさらに膨らみ続けている。それだけじゃない。身体全体を脂肪が覆い、肌がきめ細かく滑らかになっていた。
太ったわけではない。身体全体が細くなって体重はむしろ減っているのだ。特に腹回りの減少が著しい。
「服が身体に合わなくなってきてるから新しいのを買わなくちゃ」
今まで着ていた服は変化した体型に合わなくなってきていた。それだけじゃない、肌との相性が良くないみたいで着ると硬い感じがして長時間着ていると服と擦れた部分の肌が赤くなってヒリヒリするのだ。
股間の袋にあった玉は、あれからさらに腹の奥へと移動していった。
そして俺が今、最も恐怖していること。それは……股間の逸物が日に日に小さくなっていっていることだった!!

「あたしの作った薬でここまでの変化が起きるなんて。このまま変化が進行したら……」

薫理がこちらをチラリと見ながら言葉を濁した。

八週間後――

「ううっ」
朝起きた俺は股間に尿意と痛みを感じながらトイレへと向かっていた。
便器の前に立ちパジャマの中から……
「ちっ」
俺は小さく舌打ちをすると上げた便座を下ろしてその上に腰を下ろした。
昨日から俺の股間の逸物はつまむことすら困難な大きさになっていたのだ。
「くそっ、なんで俺が女みたいに座って小便を……」
そういう声もすっかり高くなって女みたいな声だった。
「ん?」
さっさと用を済ませようとしたのだが、尿は身体から出ようとしない。俺は腹のあたりに力を入れてみた。

バッ!! 「……ふうっ」

軽い抵抗感の後に尿が勢いよく飛び出し、俺は軽く安堵の息を吐いた。
尿の勢いが弱まると一部が滴となって尻の方へと……
「ん?」
おかしい。なんだか尿が逸物の先から出ていないような気がする。
確かめようと思ったのだが、パジャマの胸の部分が邪魔で股間が良く見えない。
「薫理、薫理っ!!」
俺はトイレットペーパーで急いで股間を拭くと寝室へと駆け込んだ。
寝ていた妻の薫理は俺の話を聞くと飛び起きて、この前のように俺をベッドに寝かせて股間を確認した。

「…………信じられない」

顔を上げた薫理が呆然となって呟く。
「いったいどうなってるんだよ?」
不安になった俺は恐る恐る訊ねてみる。
「ペニスの下に穴ができていて、尿はそこから出てきたみたい。逆にペニスの先の方は癒着して塞がっているわ」
「そんな……」
薫理の言葉に俺は絶句した。

「それと……袋が裂けて中にもう一つ穴ができてるわ」
「…………え?」

その日の午後――

「…………」
「…………」
俺と妻の薫理は病院の診察室から薫理が働く研究所に戻るまで終始無言だった。
研究室に入った俺たちは二人とも無言のまま椅子に腰掛ける。
薫理が病院で渡された封筒を開き、中に入っていた画像と報告書を机の上に広げながら小さく呟く。
「まさか……こんなことになるなんて」
俺たちが病院へ行ったのは俺の身体の内部がどうなっているかを調べるためだった。
……研究所で他の実験動物のように解剖して調べるわけにはいかないからな。
以前から血液検査により俺の体内で女性ホルモンが増えていたのは知っていた。
だから俺の身体の変化、乳腺の発達や体型の変化などは女性ホルモンのせいだと思っていた。しかし……
「俺の身体に……『膣』が……」
股間の袋が避けて裂け目から姿を現した新たな穴。
製薬会社の提携病院の一つを訪れ、詳しい事情を伝えずに診察を受けると、診察した医師はそれを「膣」だと断言した。
「股間の形状がちょっと変わっていますが、膣も卵巣も子宮もスキャンや超音波診断では特に問題は見られませんねえ」
身体の中に潜り込んだ玉……睾丸は臍のすぐ下の位置にまで移動していた。さらには穴の奥には袋のようなものも存在するらしい。
「クリトリスやヴァギナの形を整えたいというのでしたら、うちのような内科ではなく整形外科の方に行かれては……」
医師は俺のことを女性だと思い込み微塵も疑っていなかった。
俺と薫理は医師の説明をそこそこに聞き流すと急いで研究所へと戻ってきたのだった。
「どうすんだよっ!?」
「落ち着いてよ」
「これが落ち着いていられるかっ!!」
俺が叫ぶと薫理は大きく溜息を吐きながらいった。
「実はね、研究中の薬は二種類あるの。一つは雄に避妊効果を与えたものであなたに飲ませた薬。もう一つはほぼ同じ理論で雌に避妊効果を与えるけど雄には影響がなかった」
「…………」
「でも、今のあなたの状態なら……」
「効果がある……元に戻れる可能性がある……と?」
俺の言葉に薫理は小さく頷いた。
「たぶん……ただ、最低でも四週間は飲み続けないと効果が出ないと思うからすぐに薬を作るわ」
「頼む」

「それと……効果が出るまでは今の状態のままだと思うから……」

夕方――

「…………」
「ほら、早くしなさいよ」
固まっていた俺に妻の薫理が声をかける。
「そんなこと言ってもなあ……これ……着けなきゃだめか?」
俺は薫理に渡された白い布切れ……ブラジャーを見ながら小さく呟く。
「気持ちは分かるけど……結構前からかなり目立っていたのよ。今まではあなたの気持ちを考えて遠慮してたんだけど……」
「……できれば遠慮したままでいて欲しかったんだが」
「そうもいかないでしょう……そのサイズじゃあ」
渡されたブラジャーのサイズはDカップだった。
……いつの間にこんなに育ってたんだ? どうりで歩く時にバランス悪くて苦労するはずだ。
「元の身体に戻るまでの我慢だから……ね?」
耳元で囁く薫理の言葉に俺は大きく溜息を吐き出した。
ブラジャーの凹みの部分を俺の胸の膨らみに合わせる。少し緩いかな? と思っていたら、
「周りの部分の脂肪をカップの中に入れて形を整えるのよ」
「おわっ!?」
薫理の手により周りの肉がカップの中に寄せられる。
「ま、こんなとこかな?」
「薫理、いつもこんなことしてるのかよ?」
「女性なら当然のことよ。アジャスターは胸の先が少し上を向く感じでね。次からは自分でできるようになってね」
「次からはって……俺が『寄せて上げる』のか?」
俺は小さく呟きながら目の前の姿見をチラリと見る。

……白のレースに包まれて誇らしげにそびえている、なかなかナイスなバストだ。…………って、俺自身のバストじゃ全然嬉しくねえっ!!

十週間後――

「……はあっ」
研究所から自宅に帰り着いた俺は安堵の溜息を吐きながら履いていた靴を脱ぐ。
「踵の高い靴なんて歩きにくいだけだぜ」
俺は膝をそろえてしゃがむと脱いだハイヒールをきれいにそろえる。
最近、妻の薫理は調べものがあるということで夜遅くまで残ることが多く、今日も俺の方が一足先に帰ることになった。
クローゼットの前で腰に手をあててホックを外してファスナーを下ろすとスカートがストンッという感じて足元に落ちる。
続いてストッキングを伝線させないように慎重に脱ぐ。
以前俺が着ていた男物の服はすっかり今の体型に合わなくなってしまった。
幸か不幸か今の俺のサイズは薫理とほぼ同じだった。ブラジャーも今は薫理と同じFカップだった。
だから外出する時は薫理の物を使わせてもらっている。その方が経済的だったからだ。
だが、問題は薫理の服のほとんどがスカートだったことだ。そうなると当然……俺もスカートを穿くしかなかった。
「早く元の身体に戻らねえかなあ」
残念ながら薫理の新しい薬は飲み始めて2週間で、効果が現れるまではもう少しかかるらしい。
俺はスカートと上着をハンガーに掛け、ストッキングを折り畳んでしまうと浴室へと向かった。
なれないハイヒールのせいか華奢になった身体のせいか、帰宅するころにはそれなりに汗をかいている。
「帰宅したらすぐにシャワーを浴びなさい。でないと服や靴を貸してあげないわよ」と、薫理にきつく言われている。
ブラウスを脱ぎ、ブラジャーを外し、クレンジングクリームで化粧を落とし、ショーツを脱いで浴室に入る。この間約3分、ほとんどよどみなくできるほど慣れてしまっている事にちょっとげんなりする。
シャワーの温度を調節してから身体にかける。水滴が身体の上を流れ落ちていく感触が心地いい。
しばらく浴び続けていると……胸の膨らみの先端がチクチクし始める。
「……またか」
昨日から乳首……胸の先端あたりが敏感になっていた。ちょっとした刺激ですぐに勃起……硬くなってしまう。
俺はシャワーを止めるとボディーソープで身体を洗い……
「ああぁ」
胸を洗っていた手に力が入ってしまい、ゾクッとした感触に思わず声を上げてしまう。声を上げたことで指先にさらに力が入り……
「ああ……はあ……」
俺の口から声が漏れ続ける。
「ふう……なにこれ……んん……き、気持ち……いいっ」
いつの間にか俺は右手で胸の膨らみを揉んでいた。胸から生じた感覚は身体を駆け巡り、別の箇所が疼き始める。
「こ……ここが……」
左手が股間へと伸びていく。
あれから俺の股間は袋だった部分の左右が盛り上がり、逸物だったものは左右の盛り上がりでできた縦溝の中に埋もれてしまった。
俺の左手は股間の縦溝を開き、中の突起物を指の腹で擦った。
「はうぅっ!!」
衝撃が身体を貫いた。
「はっ、あっ、んんっ」
その後も俺の右手は胸を揉み続け、左手は股間を撫で……
「うううっ」
ひときわ大きな衝撃と共に身体の力が抜けてようやく終わった。
「…………あ……あれが……女の……絶頂?」
朦朧となった頭でそんなことを呟いた俺はゆっくりと首を左右に振った。
(男の俺が見かけは女みたいになったからといって女として絶頂を感じるなんてあるはずが……)
しばらくしてようやく身体に力が入り始めた俺はよろよろとなりながら立ち上がる。
「ん?」
股間に違和感を感じて俺は視線を下に向けた。
「こ……こっ、これは……」

股間の縦溝から赤黒い液体が流れ落ちていた。

十六週間後――

ドアの開く音がしたかと思うと妻の薫理が入ってきた。
「お帰り、薫理」
俺は玄関まで薫理を出迎える。
「二週間も泊まり込みなんてずいぶん長かったな。俺の身体を早く元に戻す方法が見つかったのか?」
二週間前、突然薫理が「今日からしばらく泊り込む。集中したいからその間は研究所に来ないで」と言った。
出向中の命令者である薫理に形ばかりの自宅作業を与えられ、俺は家で薫理が帰ってくるのを待っていたのだ。
「…………」
俺の問いに対し薫理は無言だった。どうやら俺の望む成果は出なかったらしい。
「お前が泊り込みを始めた次の日にさ、始まったんだよ。……2回目の生理」
一ヶ月と少し前、シャワーを浴びていた俺の身体に思いもかけない現象が起きた。それはいわゆる「月経」というやつで……つまり俺に「初潮」が訪れたのだ!!
ショックで俺は身体中の力が再び抜けていった。2時間後に薫理が帰ってくるまでその場に呆然としていたらしい。
とうとう俺の体内にできた袋は「子宮」として、睾丸は「卵巣」として活動を始めてしまったらしい。
「あれから1日1カプセルだった薬をその日から朝晩の2回飲むようにしてるのに……」
胸の膨らみはGカップでストップした。しかし男に戻る兆候いまだに現れず、再び女としての生理を迎えてしまったのである。
「あの薬、本当に効果があるのかな?」
残り物でも暖めてやろうかとキッチンへ向かいながら俺は首を傾げて呟いた。すると……
「効果は……あったわ」
躊躇いがちな薫理の言葉に俺はぎょっとなった。
「どうしたんだ、その声」
さっき聞いた薫理の声は普段と比べると数段低くなっていた。
「実は……あの薬の効果を比較検討するためにあたしも飲んでいたの。そうしたら……」
そう言いながら薫理が着ていたコートを脱ぎ始める。コートを着込む程にはまだ寒くないとは思ってはいたが……
「お前……その胸」
ブラウスを脱いだ薫理の胸の膨らみは以前と比べると……というか、ほとんど盛り上がってないくらいに小さくなっていた。
「今までは胸パッドで誤魔化していたのよ。泊り込みを始める頃には声変わりも始まったし……」
そう言って薫理は着ているものを次々と脱いでいく。
「そして……二日前……とうとう……」
「ん?……げげぇぇ―――っ!!」
全裸になった薫理の股間を見た俺は思わず叫んでしまった。なぜならそこに肉棒がそそり立っていたからだ。

「クリトリスが飛び出て……ヴァギナが閉じてしまったの」

薫理がゆっくりと近づいてきた。

薫理の手が俺の腕をつかんで引き寄せる。
「あっ……ムグッ……んんんんっ」
俺の唇が薫理の唇で塞がれた。
薫理の両腕に俺の身体をがっちりと抱きしめられ逃げたくても逃げられない。
唇を吸われ、舌を絡められるうちに頭がボウッとなってきた。
「……ふふっ、今のあなたってすごく可愛い」
「お前……なにを……」
「身体がこんなになってくるにつれて、頭の中に浮かんでくるのは女になったあなたのことばかり。性的嗜好も男になったのかしら?」
「そんな……俺は……戻って……ないのに」
「わからないわ。でも嬉しい、あなたが女のままで」
そう言って薫理が再び唇を重ねてきた。
朦朧となった俺の身体を薫理が抱き上げる。そのままベッドの上まで運ばれた。
服を脱がされブラジャーが外された。
「あなたのおっぱい、大きくて柔らかくて……美味しそう」

チュッ

俺の胸の膨らみが薫理の手によって揉まれ、硬くなった膨らみの先端が薫理の口に含まれ下で転がされる。

「あ……あっ」

我慢できずに俺の口から声が漏れる。
薫理はさらに俺の身体のあちこちに手を這わせ、唇で吸い、舌で舐めた。
いつの間にか下の方も脱がされ、全裸になった俺の股間の溝の上を薫理の指が往復する。

「はっ……はあ……はあんっ!!」

漏れ出る声が大きく、そして派がしくなる。

クチュ、クチュッ

湿った音が聞こえてきた。俺の股間があふれ出した液体で「濡れて」いた。
薫理はベッドに上がると俺の両脚を開いてその中に自分の身体を入れてきた。
(この体勢って……)

「お、おい薫理……まさかお前……や、止めろ…………い、痛えぇぇぇ―――っ」

熱くなった薫理の肉棒が俺の股間を貫いた。

「か、薫理……」
股間からの激痛を堪えながら俺は薫理に声をかける。
「ふふふっ、いただいちゃった。あなたの『処女』」
「お……俺の……処女?」
処女という言葉が頭の中で反響する。
薫理の肉棒がゆっくり奥へと進んでいき……

「はうんっ!!」

薫理の肉棒が根元まで入れられたとき、腹の奥で疼いていた場所が突かれ、俺は衝撃で仰け反った。
「感じる? 感じてる? いま感じてるのが……あなたの……子宮なの」
肉棒の力が少し弱まり俺の中からゆっくり抜けていく……と思ったら再び突き上げられた。再び力が弱まったと思ったらまた突かれ、そのたびに腹の奥から全身に激しく甘い衝撃が走る。

「はあんっ……これが……俺……俺の……俺のっ、子宮っ!!」

いつの間にか痛みはなくなって……いや、痛みすらも快感へと変わっていた。
薫理が小刻みに腰を動かし俺のの子宮を突き続ける。

「あっ、あっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ!!」

俺の口から噴き出る牝のよがり声を聞きながら俺は、そして薫理もどんどん昇り詰めていく。
そして薫理の身体がブルブルッと震え、熱い液体が俺の身体の中に注ぎ込まれるのを感じて俺たちはついに頂点に達した。

「「ああああぁぁぁ―――っ!!」」

俺たちは同時に叫び声を上げ、ベッドの上で崩れ落ちた。

十八ヵ月後――

引っ越したばかりのマンションのベランダから見える景色は新鮮で見晴らしも抜群だった。
しばらく外の景色をを眺めていた俺はベランダから部屋の中に入った。すると隣の部屋の方から泣き声が聞こえてきた。
「おおっと」
俺は空になった洗濯かごを置いて泣き声のする方へと急ぎ足で向かう。
「おーよしよし」
ベビーベッドで泣いていた赤ん坊を抱き上げてあやす。
「お腹がすいたんだな」
俺は胸の部分のボタンを外し、続いてブラジャーのフロントホックも外す。
赤ん坊を胸に近づけると、赤ん坊は乳首を口に含み乳を吸い始めた。
俺はそんな赤ん坊を眺めながら小さく呟いた。

「まさか俺がこんな事をやるはめになるとはなあ」

窓の外では洗ったばかりの洗濯物が風に揺れていた。

俺と妻の薫理は避妊のために薫理が作った薬を服用した。
薬を飲むことで俺は精子を作る能力を抑えられた。……が、俺の身体は女体化し、ついには女性としての生理を迎えてしまった。
逆に薫理は薬の影響で排卵が起きなくなった代わりに男性化し、クリトリスが肥大化してペニスになってしまった。
男と化した薫理は男性の欲情が暴走し、欲望の赴くままに俺を抱きしめ、貫き、犯した。
そしてそれから4ヵ月後……俺の妊娠が判明した。

結局……薫理が作った薬は避妊薬としては失敗作だった。薬を飲んだ男は女を妊娠させないが、代わりに自分が妊娠してしまうのだから。

ただ、薬は別の用途としての活用が有効であることが判明した。
現在は性同一性障害者用の薬として製造されているという。
ただし、薬は一般の薬局薬店では売られていない。専門の医師が慎重に診断した上で処方と投与は病院内に限定されているらしい。
まあ当然だろう。なんせ薬を飲んで効果が現れたら最後、元の性には二度と戻れないのだから。
それでも需要は結構あるらしく、製薬会社の売上に貢献しているという。
また、薫理が飲んだ薬の中から男性に対する性欲増進の効果がある成分が発見され、分離されて精力剤として販売されている。
精力剤の方は購入するのにさほどハードルが高くないために大量に販売され、こちらも莫大な利益を生み出しているという。

「ただいま」
「お帰り、薫理」
夕方から夜に変わる頃に薫理が帰ってきた。通勤時間から考えると定時退社したことになる。
「今日も早かったね」
「ああ、仕事の方は順調だし、家には可愛い妻がいるからね」
にこやかな薫理の言葉とは逆に俺の方は一気に不機嫌になった。

「だからっ、俺は夫で、妻はお前の方だろうがっ!!」

薫理は自分が作った薬が製薬会社の利益に貢献したということで研究所では名ばかりの所長に次ぐ地位にまで出世した。
髪を短く切り、ビジネススーツを颯爽と着こなしてすっかり男が板についた感じだ。
一方俺の方はというと、ウエストは細いものの全身ふっくらと丸みを帯び、胸は大きく張り出し、化粧はしていないものの肌は色白でどう見ても女にしか見えない。

まあ、子供を産んでしまったので近所の人たちに「お母さん」と呼ばれるのは仕方ない。だけど、あくまで俺は夫であり、妻は薫理の方であるっ!!

「はいはい、わかったわかった」
薫理は俺の抗議を笑って受け流した。
そして薫理は俺の腰に手を回し、唇を重ね乳房を優しく撫でる。
「……ああんっ!! ちょっと、子供がようやく寝たのにまた起きちゃうじゃないか」
「大丈夫、あの子は図太いから一度寝たらなかなか起きないよ。どっちに似たんだろうね?」
「絶対お前だっ!! いや、それよりも今日は……危険日だから……」
「ちょうどいい、今度は女の子が欲しいな」

「また産ませる気かっ!? あ、ちょっと……やんっ、そこは……はあんっ……やっ……あっ、あっ…………あああぁぁぁ―――――んっ!!」


(終わり)