強制女性化小説ない?スレ保管庫 - 魔薬
「ホントに効くのかよこれ」
 6畳の狭いアパートに置かれたベットに腰を掛け、高橋京介は小さな
薬のビンを指で転がす。琥珀色の液体の入ったそれは一見小洒落た香水
の入れ物のようでもある。
「どうすっかな」
 そう言いながらベットに倒れ込みビンを蛍光灯にかざす。蛍光灯の光
に妖しく揺れるこの液体、これを彼に売りつけた人物は『男を女に、女
を男に変えてしまう魔法の薬』だと言っていた。
「・・・試してみるか」
 京介は不意に起き上がると携帯のある番号をコールした。




「あ、あの京介君。こんな時間に僕に何か用?」
 京介が電話を掛けてから30分後。彼の前にオドオドとした小柄の少
年が一人縮こまっている。
「何ビビってんだよ輝、別に殴ったりしねーって。ほら飲めよ」
 自分の前に置かれるジュースの入ったコップにビクッと身を竦める小
柄の少年、早乙女輝。彼と京介は同じ高校に通う同級生なのだが輝は一
見すれば中学生に見えるほどの童顔と華奢な身体付きをしていて不必要
に可憐な印象を感じさせる。
「あ、ありがとう・・・」
 輝はちらちらと京介を見ながらコップを手に取りちびりと口につける。
その様子を京介はベットに腰掛伺っている。


「・・・あの、何か僕に話が−−ご、ごめんなさい」
「だからビビんなって言ってんだろ。とりあえずジューズ飲んじまえよ」
 京介の様子を伺うようにちらっと輝は自分を睨んでいるような目線を
受け身を竦める。そんな輝を京介は焦れったいと言った風に見ている。
輝は京介に『いじめ』を受けていた。京介は中学の頃表だっては優等生
として振舞っていたが影では世間一般で言う所の『不良』と呼ばれる行
為を数限りなく繰り返していた。そして京介は表の顔は優等生として進
学校へと進み、そこで自分とは別の意味で異色な輝に目を付けた。
「う、うん・・・」
 言われるがままにコクコクとコップを傾ける輝を京介は目を細め薄ら
と笑うように見つめていた。
 輝と同じクラスになった京介は輝にカツアゲからパシリ、ストレス解
消と称して殴りつけるなど同じクラスの生徒や教師にバレないように巧
妙に繰り返していった。元から大人しく気の弱かった輝は京介に抵抗で
きず、親や教師、友人に相談もできずにこれに従うしかなかった。
「あ、あれ?」
 ジュースが空になって10分ほどしてから、輝の頭がぐらりと揺れた。
まぶたがぴくぴくと痙攣し、倒れそうになる身体を力の入らない手で支え
る。
「きょ、京介君。ごめん、なんか・・・変だ」
「なんだよ、眠いのかよ。1時間くらいしたら起こしてやっから寝ちまえ」
「わうっ」
 京介は輝の腕を掴むと強引に立たせ投げつけるようにさっきまで自分が
座っていたベットへ寝かせる。
「だ、だめだよ・・・」
 意思の力を総動員させても抗う事ができない睡魔に押し流されながら輝
は京介がいつも自分を殴る前の嬉しそうな、自分にとっては恐怖でしかな
い笑顔を浮かべているのを見た。そして輝の意識は闇に落ちて行った。





(暑い・・・)
 身体が汗で濡れているのがわかる。真夏の昼間にクーラーも付けずに
昼寝した時のような灼熱感に寝返りを打とうとして・・・失敗した。
「・・・え・・・・・・あ?」
「んだよ、やっと起きたのかよ」
 ぼんやりとする頭で輝が目を開けるとニヤニヤとした笑みを貼り付け
た京介の顔が見えた。
「ご、ごめん。僕寝ちゃって・・・あれ?」
 輝は慌てて起き上がろうとしてがくんと引き戻される。どうやら両手
が頭の上で縛られベットに括りつけられているらしい。
「え?ちょ・・・な、なんで?」
 そして自分が服を着ていない、下着すら付けていない全裸であること
に気がつく。少し自由になる首だけを自分の身体に向けると見慣れぬ双
丘が視界に入る。
「くっくっくっく・・・あっはっはっはっはっはぁ!ホントに女になっ
ちまうなんてなぁ。似合うぜ輝ぁ」
「な、なんで?」
 輝の姿を見下ろしながら嬉しそうに笑う京介と自分の置かれた状況に
混乱しながら何とか身体を起こそうとするが腕がかなりキツク縛られて
いるのか一向に自由にならない。
「きょ、京介君これはいったい・・・」
 笑い続ける京介に救いを求めるように尋ねながら普段より高くなって
しまった自分の声に気づき言いようの無い不安が輝の身体を駆け抜ける。
「いやな、今日街で変な奴から面白い薬買ってよ、量も少なかったしお
前で試してやったんだよ。高かったんだから喜べよバーカ。くっくっく」
「じゃ、さっきのジュース・・・うひぁっ!?」
 京介は喉で笑うと輝の大きく張った胸を乱暴にこねる。
「うおっ、すっげぇ。本物の女の胸じゃねーか。気持ち悪りやつだな」
「い、痛い・・・京介君やめてよ・・・うぁっ」
 ゲラゲラと笑いながら京介が輝の乳首に乱暴に爪を立てると輝は辛そ
うに身体をくねらせる。


「エロい身体しやがって、お前ホントは女だったんじゃねーの?」
「そんなことない・・・あくぅ」
 京介がぐねぐねと両手で二つの膨らみをこねるまわすと痛みからか輝
の身体が押し殺したように跳ねる。
「でけー胸しやがってよぉ、へへへ・・・おらぁっ」
「うあぁっ!い、痛い、やめ・・・ひあっ」
 血走り興奮した目で荒く息をつく京介は輝に馬乗りになると胸の先端
を乱暴に抓り捻る。輝の反応に気を良くした京介は暴れる輝の下半身を
片足で器用に抑えると片手を輝の足の付け根へと移動させると指を輝の
中へ強引にねじ込む。
「あうぅっ・・・かっ・・・は・・・・・・やめっうああぁぁ!!」
 まったく濡れていないそこを京介の指がぐりぐりと抉り輝は感じた事
の無い異物感と苦痛に身体をビクビクと跳ねさせる。痛みから逃れる為
に力が入った輝の片足の膝が股間をまさぐっている京介の腕に強かにぶ
つかる。
「このっ・・・暴れんなおらぁっ!」
「っ!・・・つぅ」
 輝の口の中に鉄の味が広がる。京介が輝の顔を殴り飛ばしていた。歯
が当たったのか唇を切ったらしく輝の口の端から血が一筋流れる。
「お前は大人しくしてりゃいいんだよバカが」
「ううぅ・・・」
 痛みと混乱と恐怖からか輝はボロボロと涙を流し始める。大人しくな
ぅた輝を見て荒く息をつくと京介はズボンを下ろし輝の足の間に身体を
入れると赤黒く勃起したペニスに自分の唾液を塗りたくる。
「手間かけさせやがって。おらいくぞ」
「あ・・・やだ・・・・・・それだけはやめてぇ」
 下半身に熱い肉を感じ、自分の上で凶暴な笑みを貼り付けている同級
生に涙を流しながら懇願する。京介はそんな輝を見るとさらに唇の端を
醜く曲げた。
「うるせえよバーカっ!」
「あぁぅっ!」
 硬く閉じた秘唇を遠慮も気遣いも無い腰の動きでずぶずぶとこじ開け
京介はペニスを埋め込んでいく。硬く、狭い抵抗に京介は呻くと輝の腰
をガッチリ掴むと一息に下半身をぶつけた。
「うあっひああぁぁぁぁぁぁっ!!」
「うおっ・・・すっげぇ」
 輝の身体の中を激痛と高熱が駆け巡っていく。身体はつっぱり、口は
酸素を求めるようにパクパクを動く。


「ああ・・・あうぅ、い、痛い。痛いよぉ・・・」
 二人の結合部から血が流れシーツを赤く濡らしていく。
「人のベット汚しやがって。ふざけんなおらっ!」
「あうっ・・・うぁ」
 京介が慣らすように腰を数度動かし、にわかに腰をガンガンと叩きつ
ける。
「ひぁっ!あっあ・・・うあぁっ!!」
 ずっずっとペニスが往復するたびに輝の身体がビクビクと跳ね大粒の
涙がこぼれる。そのうちに粘っこい水音がかすかに結合部から漏れ出し
輝の悲鳴にも甘いものが混じり始める。
「なんだよお前、感じてんのか?変態野郎が。あ、今は女だったな。悪
りい悪りぃ。ひへへへ」
「あっ、ちがっ・・・んぁ」
 京介の腰の動きが獣じみた早さになりパンッと腰を打ち付ける音に混
じりじゅっじゅっと派手な水音がとかすかな嬌声が京介の狭い部屋に響
く。
「やっぱりお前ドMなんじゃねーか?こんだけされてよがりやがってよ」
「ふぁぅっ・・・んん・・・あんっ」
 輝は高熱で浮れた頭でぼんやりと京介の言葉を聞いている。目は虚ろ
になり、唇を切った血の跡とは別によだれがだらしなく垂れている。
「そろそろいくぞっ!」
 京介は輝の両足を肩にかけるとさらに深く腰を、さらに早く突き出し、
輝を強引に絶頂へと高めていく。
「あっあっあぅっ・・・ふあぁっ!」
「おらぁっ!」
 ペニスを子宮口を抉るほどに叩きつけると熱い精液がびゅるびゅると
音が聞こえてきそうなほど大量に輝の膣内に迸る。
「うああぁぁぁぁぁっ!」
 その火傷しそうな迸りを受け、輝も絶頂を迎えるのだった。







「何泣いてんだよ。早く帰れようぜぇ」
 戒めを解いた後、泣きじゃくる輝を京介は蹴飛ばす。
「う・・・うぅ・・・こんな格好じゃ帰れないよ」
「知るかバカ。戻す薬なんてねーんだよ」
 そう言い捨てると輝の服を投げつける。輝はしゃくり上げながら服を
手に取るとのそのそと服を着ていく。大きく出た胸でシャツがきつい。
 京介に追い出され、輝はふらふらと自分の家へと歩く。瞳からは止め
どなく涙が流れ続けている。
「僕・・・これからどうすればいいんだろう・・・」


                                        END




昨日の続きーノシ



「・・・ちっ」
 京介は舌打ちしながら目線を右へそらす。教室の中、HRの前で騒が
しい生徒達の間に誰も座って居ない席が目に入る。
「ふん」
 面白くなさそうに窓の外へと目線を移す。しばらくして黒板の上のス
ピーカーからチャイムが流れ教師の扉を開ける音と自分の席へ戻ってい
く生徒達のざわめきを聞きながら京介はまた一つ『ふん』と鼻を鳴らし
た。
 結局、この日一日空いている席の生徒は姿をみせなかった。

「くそっ、めんどくせーな」
 京介のアパートから20分ほど離れた住宅街の一角の2階建ての家。
周りの家とさほど違いがなく空いた敷地に申し訳程度に作られた庭があ
る。表札に『早乙女』と書かれたその家を不機嫌そうに京介が見る。
 『ちっ』と舌打ちをするとチャイムを押すと数秒後、インターフォン
からザッと一瞬ノイズが走る。
『はい、どちら様?』
「高橋です。早乙女君いますか?」
『あ、京介君?ちょっとまってね』
 インターフォンから流れる女性の声が途切れると、玄関のドアの向こ
うからドタドタとくぐもった足音が聞こえてくる。ドアノブがガチャガ
チャと音を立てドアの向こうから人のよさそうな中年の女性が顔を出す。
どこかへ出かけるのか顔には化粧の後と、少し慌てている様子が見て取
れる。
「京介君いらっしゃい。ごめんなさい、輝風邪を引いたらしくて部屋か
ら出てこないのよ」
「ええ、そう思ってお見舞いにきました」
 京介は前もって作っておいた優等生の顔に人懐っこい笑顔を浮かべる
と左手に持つコンビニの袋を持ち上げる。
「あら、わざわざありがとう。輝も喜ぶわ」
 輝の母親は息子の友人がわざわざ見舞いに来てくれたと言う状況に純
粋に笑顔になると京介を家に向かえ入れる。
「ごめんなさいね、私急に仕事が入っちゃってこれから出かけなきゃい
けないの。輝は部屋に居るから行ってあげて」
「はい、そうさせていただきます。あ、鍵は僕が閉めておきますよ」
 バタバタと出かける準備をする輝の母親に京介はにっこりと笑射掛け
る。


「本当に京介君はしっかりしてるわね。家の輝に見習わせたいくらいだ
わ」
 輝の母親は息子の良い『友人』に微笑むとヒールを履き「それじゃお
願いね」と出かけていった。京介はその後姿にヒラヒラと手を振りドア
に鍵を掛ける。
「能天気なババァだぜ。イライラする」
 ぺっと玄関に唾を吐くと乱暴に靴を脱ぎ2階へ続く階段を睨みつける。
「さて、自分の立場をちったぁ理解させてやらねーとなぁ」
 京介は口の端を醜く歪めると教科書の入った鞄を玄関の脇に投げ捨て
階段の先にある輝の部屋へと向かった。




「・・・・・・ううぅ」
 輝は布団の中に縮こまり嗚咽を漏らしている。輝の両親は共働きだっ
た為昨日家に帰りついた時は輝以外誰も居なかった。呆然としながらも
習慣からか寝巻きに着替えようとした時、自分の足の付け根から垂れて
来た京介の精液に麻痺していた心が元に戻り、輝は崩れ落ちた。それか
ら輝は部屋に閉じ篭り一晩泣き続けた。男の面影を残しつつも完全に女
になってしまった自分の身体を両手で抱きしめ真っ白な頭の中に沸き上
ってくる悲しみに押しつぶされそうになるのを泣きながら耐えた。
 朝になり、起きてこない輝を心配した母親に嘘をつき今の自分を見ら
れないように部屋に入ってくることだけは頑なに拒んだ。心配した母親
はパートを休んでくれたらしい。その事に罪悪感を感じつつも彼は何も
考える事ができなかった。
 しばらくして、輝の母親はどうしても仕事に行かねばならなくなった
らしく、夕飯は作ってあるのでちゃんと食べるようにと告げると出て行
った。その前に誰か来たような気もしたが今の彼は周りの事を深く考え
る余裕がなかった。そんな中で、誰も居ないはずの家を、自分の部屋へ
続く階段を上ってくる足音に気づき輝は言いようのない恐怖にかられた。






 鍵を掛けてあるはずの部屋のドアがカチャカチャと音を立て、開く。
「よーう輝、何鍵なんか閉めてんだ?ええ?」
「きょ、京介・・・君」
 輝の心臓がどうしようもないくらいドクンっと一つ跳ねる。そこには、
いつも自分を殴る前のあの嬉しそうな顔をした京介が立っていた。右手
には何かのカードのようなものがヒラヒラと揺れている。
「ど、どうして・・・」
「お前の部屋のしょぼい鍵なんて簡単に開けられるんだよバーカ。それ
よりもてめぇ、誰に断って休んでんだ、あ?」
「ひっ・・・ご、ごめんなさい」
 京介は左手に持っていたコンビニの袋を輝に投げつけるとベットへと
近づく。
「何様なんだよてめぇ、おらっ!」
「げっ!・・・けふっ・・・」
 京介の視線にビクッと身を竦めた輝の腹部を思い切り蹴りつけると髪
の毛を乱暴に掴み上を向かせる。泣き続けて赤く腫れた双眸から新たに
大粒の涙がこぼれる。
「お前全部ばらしてやろうか?早乙女輝は女でしたって学校中に言いふ
らしてやろうか?あ!?」
「ご、ごめんなさい・・・許してください・・・それだけは止めてくだ
さい・・・うぅっ」
 京介は輝の事を誰かに言うつもりはさらさらない。そこから自分の事
がバレてしまったら彼としてもまずい立場になる。だが、学校を休み、
自分の親にさえ言った様子のない輝にカマをかけたのだ。
「お前は俺の言うことだけきいてりゃいいんだよ。バカが。明日からち
ゃんと、何事もなかったように学校に来い。誰かにバレるようなヘマし
やがったらホントにぶっ殺すからな」
「そ、そんな・・・そんなのどうしたら・・・あうっ!」
 髪を掴んでいる手を捻り上げられ輝の顔が苦痛に歪む。
「そんなの俺が知るわけねーだろうがバーカ。お前が考えるんだよ」
「うぅ・・・うぅぅ」
 掴んでいた髪の毛を離すと京介の口の端が醜く歪む。


「おら、わかったかって聞いてんだよのろま!」
「ひっ・・・は、はい・・・」
 京介がガンッとベットを蹴ると輝の身体が条件反射のように竦む。京
介はそんな輝を満足そうに見ると部屋にあるイスを引き寄せ乱暴に座る。
「さて、俺にここまで迷惑かけたんだ。どうしたらいいかわかるよな?」
「・・・え?あ、あの・・・ひぃっ」
「脱げっつってんだよ!早くしろバカ!」
 京介がさらにベットを蹴りつけると輝は諦めたようにゆっくりと服を
脱いでいく。元々寝巻きだけの姿だったため時間を掛けたところですぐ
に一糸纏わぬ裸体を京介の前にさらけ出す。ベットの上に膝立ちの状態
で胸の先端と股間を左右の手で恥らうように隠している。
「何隠してんだよ!腕どけろ!」
「うっ・・・ぐすっ・・・はい・・・」
 顔を真っ赤にしながら両手を離す輝を京介はニヤニヤと見る。
「あ、あの・・・これからどうすれば・・・」
「ふんっ、つくづくエロいからだしやがって」
「あっ、ちょっとま・・・うぁっ!」
 京介はイスから立ち上がると輝をベットに押し倒す。
「ま、まってっ・・・京介君・・・ひあっ!」
 胸を掴まれ輝は声を上げる。昨日の強引なそれと違いゆるくこねるよ
うな手つきに輝の背筋がぶるっと震える。
「へっ、感じてやがる。ホントに女みたいだな。気持ち悪りぃ奴だ」
「うぁっ・・・んくぅ・・・」
 京介の両手が輝の胸をこね、指の間で乳首をはさむようにこする。す
ると輝は自分の意思と無関係に上がる声をこらえるように片手で口を抑
えベットのシーツをきつく握る。そんな輝を見て京介の顔は邪悪な喜び
に歪み、乳首を口に含み舌先で転がす。
「あくっ・・・ふあぁっ!」
 初めて湧き上がる快感にこらえ切れなくなった嬌声が上がり背中が反
り返る。差し出されるように突き出された胸に京介がむしゃぶりつく。
「お、なんだ濡れてんじゃねーか。この変態が。ははっ」
「あっ・・・ダメ、京介君やめてぇ・・・あうんっ!」
 京介が片手を秘唇へ伸ばすとそこは十分に潤い、京介の指を苦もなく
飲み込んでいく。そこを指の腹で摩り、指に絡むビラビラをつまんで擦
る。すると輝の身体は面白いように跳ね、隠す事すらできなくなった嬌
声が輝の口から上がる。


 輝の身体を責めていた手が離れると輝は荒い息をつき、脱力する。そ
んな輝を京介は満足そうに見下ろすとチャックを下げいきり立ったペニ
スを取り出すと輝の秘唇にあてがう。
「おら、いくぞ。せいぜいよがれや」
「あ・・・・・・京介君だめ・・・ひぅっ」
 にゅるっと京介の亀頭がもぐり込み、その感覚にぞくぞくと強い快感
と、それと同じくらい強い異物感と嫌悪感が輝の背筋を伝い頭の先まで
駆けていく。
「ぐっ・・・本物の女より締め付けが言いなんて笑えるなぁ、ええおい」
「あ・・・あぁ・・・・・・」
 京介が腰を進めると決して小さくないペニスはあっさりと根元までが
埋まり込む。京介は膝を輝の両脇へと入れ込むと、その腰を抱かかえる
ように持ち上げ腰を容赦なく叩きつける。
「あぁぅっ!ひぁっんあぁぁっ!!」
 強制的に送られてくる快感に輝は全身をつっぱらせると頭を左右に振
り一段と大きく声を上げる。結合部からはじゅぷじゅぷと粘っこい水音
が響き溢れ出た蜜がベットに大きな染みを作る。自分の膣内を擦られ、
抉られ、貫かれる度に輝の中にどうしようもない切ない気持ちが湧き上
がってくる。その気持ちに恐怖を感じ、輝は自分の上で揺れている京介
に無意識に抱きつく。
「ぐ・・・うぅっ・・・」
「あっあっふあっああぁっ!」
 京介も考えることすら億劫になるような快感に自分が抱きつかれてい
るという事すら分からずにただ腰を振り続ける。そのうち、京介の腰の
後ろにじんっと痺れるような感覚が生まれ、強い圧力を持った精液が尿
道お迫上がってくる。
「いくぞっ・・・!」
「やっ・・・だめっ、京介君怖い・・・うあぁっ!」
 最後に、京介はこれでもかと腰を叩きつけると輝の奥でそれを爆発さ
せた。
「ひあああぁぁぁぁぁっ!!」
 輝も自分の中で、何かが弾けるのを感じ、意識を飛ばした。







「・・・・・・あ」
 一瞬、自分が何所に居るのかわからなかった。まどろみから醒めると
部屋には自分しか居なかった。ベットの上は行為の後そのままに、自分
も裸のまま転がっている。ベットの周りには京介が使ったのかティッシュ
が数個、クシャクシャに丸められ転がっている。
 時計を見る。時間は夜の7時。両親はまだ帰ってきていないようだ。
「うぅ・・・うううぅぅぅぅ・・・」
 輝はどうしようもなく悲しくなり、また涙を流した。だが、悲しみにつぶさ
れそうな自分とは別に、どうしたら周りに知られずに生活ができるか冷静
に考えだしている自分が居ることに輝は気づかなかった。

                                        END




『遅ぇんだよのろま、早く財布出せ』
『う、うん・・・』
 おずおずと差し出された輝の手に握られている財布を京介が奪い、中
身を抜き取る。
『ふん、今日はこんだけかよ』
 抜き取った中身を学生服のポケットにねじ込むと空になった財布を輝
に投げつける。
『あ・・・あの・・・僕のお昼・・・』
『あ?』
『な、なんでもない・・・です』
 輝の両親は共働きの為弁当を用意する余裕が無く、輝は昼食に学食を
利用している。投げ返された財布にはその分すらも抜き取られていた。
『次はこれの倍もってこいや輝、ひへへ』
『・・・はい』

『おらっ』
『かっ・・・は・・・』
 学校の非常階段。右手をヒラヒラと振る京介の見下ろす先、輝がくの
字に折れ曲がり膝を付く。
『バカな教師共がうざくてストレス溜まるぜ・・・なぁっ!』
 京介の右足の爪先が輝の鳩尾にめり込む。
『げぅっ!・・・ごほっ』
 蹴られた腹を押さえ、輝は苦悶の表情を浮かべる。ここに呼び出され
る時、輝の気持ちは重く沈む。高校に進学してから教師の監視が厳しく、
中学の時のように動けなくなった京介はストレス発散と称して輝を非常
階段に呼び出し殴りつける。バレぬよう、顔などを避けて殴るため輝の
身体は青黒い痣が無数にある。
『あー、喉渇いちまったな。おら輝、ジュース買ってこいよ』
『う・・・うぅ・・・』
『早く動けよバカが!』
 京介は苛立ちに顔を歪め目の前にうずくまる輝の背中を数度蹴りつけ
る。
『ごほっ・・・』
 輝はのろのろと立ち上がると京介に背を向ける。その背中に
『30秒で買ってこいや。遅れたらわかってんよなぁ、ひははっ』
 さも愉快そうに京介の言葉が投げつけられる。涙で曇る目をごしごし
と拭くと輝は吐き気がこみ上げてきそうな痛みを無視して走りだした。
その耳には、嬉しそうに笑う京介の声が響き続けていた。






「・・・・・・」
 真っ暗な部屋。時計の音だけが耳に届く。夢を見ていたらしい。これ
までの、おそらく高校を卒業するまで続くであろう自分の日常だった夢
を。
 身体を起こし時計を手に取る。蛍光塗料の塗られた針が示してしるの
は真夜中の4時25分。学校を休み、京介に強引に抱かれた後、輝は前
日からの疲れに負け深い眠りに落ちていた。
「お風呂・・・入らなきゃ」
 ぼんやりと霞む、考えることを拒否している頭を抱え輝はのろのろと
部屋を出て行った。


 ぬるく設定したシャワーが身体を叩く。輝は目の前に掛かっている鏡
を呆っと見つめている。そこに映っている自分は、普段から女の子に間
違われる童顔にさらに女性の色が強く浮かび、人に顔をあまり見せたく
ないと伸ばしていた男にしては少々長い髪の毛がシャワーに濡れその顔
をさらに可憐なものにしていた。
「・・・痛っ」
 京介に殴られ切れた唇を指でなぞる。今まで顔は殴られた事が無かっ
た。京介にしては迂闊な行為だったが幸いに痣になっておらず、唇も中
が切れていたためぱっと見では気づかれないだろう。
 顔をなぞっていた指をそのまま首筋、鎖骨を経由して大きく膨らんだ
胸へと滑らせる。元々同世代の男達より薄かった胸は見る影もなく、女
性のそれへと変貌していた。その胸に残る京介が付けたであろう赤い痕
を見つけ、無意識に撫でる。


「・・・・・・・・・」
 輝の顔には表情と言うものが無かった。ただ呆然と、自分の身体を確
認していく。そしてなだらかにカーブを描くお腹を撫でる。蹴られ、鈍
痛が残るものの痣にはなっていない。そして更に細くなったウエストを
一つ撫でるとその手を足の付け根へと移動させる。その薄い毛で覆われ
た割れ目に指を這わすと膣内に残っていたのか京介の精液が絡みついて
きた。
 精液の付いた指先をじっと見る。その目が何かの感情に揺れるがシャ
ワーに洗い流されると同時に消えてしまった。
「・・・うう・・・うううぅぅぅぅぅ・・・」
 不意に、悲しさが込み上げてきた。何が悲しいのか自分でもわからな
い。シャワーに打たれながら、輝はしばらく肩を震わせ静かに泣いてい
た。



 リビング。真っ暗なその中を輝は両親を起こさぬように静かにあるく。
そして救急箱を見つけるとそこから包帯を抜き取り自分の部屋へと戻る。
その途中、母親が残しておいてくれたのかラップされた料理と空の茶碗
が目に入った。昨日から何も食べていなかった為確かに空腹ではあった
が食べる気にはなれず、心の中で母親に謝ると静かに台所を後にした。






「どうしたらいいかな・・・」
 部屋に明かりを付けその場に座り込む。今日から学校に行かねばなら
ない。顔は何とかごまかせるかもしれないが身体つきや、高くより女性
的になってしまった声等を何とかしなければいけない。
 ぼんやりと考えているとベッドの脇にコンビニの袋が落ちているのに
気が付いた。
「これ京介君が・・・」
 カサカサと音をさせながら袋を引き寄せて中身を見る。そこにはオニ
ギリが数個入っていた。
「あっ・・・」
 それは、輝が学校で好んで食べていたオニギリと同じ種類だった。お
そらく、京介がカモフラージュに買っただけで他意はない、偶然だろう
と自分でもわかる。だが、輝の胸は締め付けられるように苦しくなり、
この数日で何度目かの、だが今までで一番大きな涙がボロボロと零れ
落ちていた。
「うっ・・・く・・・な、泣きすぎだよ。僕・・・うぅ」
 コンビニの袋を抱きしめ肩を振るわせる輝。顔をくしゃくしゃにしな
がらも、何かの意思のようなものが芽生え初めていた。
(もう泣くのは今回だけにしよう。なんとかなる。なんとかなる・・・)
 窓の外は少し、明るくなり始めていた。

                               ―To be Continued―




「おはよー」
「あ、由里子ー。おはよー」
 朝の教室。登校してきた生徒達がにぎやかに挨拶を交わしている。そ
の中を目立たないように、輝は自分の席へ向かう。元々活発な性格では
なく、京介からのいじめを受け内向的になっていた輝は周囲からは『暗
く付き合い辛い奴だ』と思われていた為、輝の事を気にする生徒は居な
い。輝は自分の席に座ると教科書を机にしまい鞄を横にかけ、左の方へ
と目線を向ける。そこにはクラスメイトに囲まれた『優等生』の京介が
笑いながら、ただしどこかつまらなさそうだと輝が感じる顔で話してい
た。
 その視線を感じ取ったのか京介が不意に輝の方を見と口を開く。
「やあ、早乙女君おはよう」
「あ・・・うん、おはよう・・・」
 にっこりと微笑む顔。その裏の顔を輝は敏感に感じ取り、小さく少し
高い声で挨拶を返す。そのまま、教師が入ってきてHRが始まり、京介
は輝から目をそらした。それから昼休みになるまで京介は輝を見ること
も、話しかける事も無かった。

「早乙女君、お昼を一緒に食べよう。屋上に行こうか」
「う、うん」
 昼休み。食堂に向かう生徒に紛れ目立たないように売店へ向かおうと
していた輝を京介が呼び止める。京介達は売店でパンと飲み物を買うと
屋上へと向かう。屋上は通常鍵が閉まっていて立ち入ることはできない。
その鍵は京介が壊してあり、別の鍵を付けてあった。その鍵を開ける事
ができるのは京介だけで、京介は昼食をここでとる事が多かった。


「くっ・・・ははっ。上手く化けたなぁ。ええ?おい」
「うぁっ」
 京介は輝の肩を掴むと壁に押し付ける。そして輝の身体を足先から顔
までを舐めるように見る。
「どうやってあのでけー胸隠したんだ、あ?」
「あ、ちょ、ちょっと・・・」
 学生服とカッターシャツの合わせ目に指をかけると強引に前を開く。
ボタンのいくつかが弾け飛び屋上に転がる。そのままカッターシャツの
下に着ていたシャツを引き上げると包帯に包まれた胸があらわになる。
「なんだよ、サラシのつもりかこれ?くくくっ」
「きょ、京介君・・・」
 輝はリビングから持ち出した包帯でひとまず胸を締め付け目立たない
位までにごまかした。その胸を押し付けている包帯を京介は指先で弄び
さも楽しそうに笑う。そして包帯の結び目に指を掛けると一気に解いた。
「はははっ!押しつぶされて真っ赤じゃねぇか。マジ笑えるぜ」
「んぁっ・・・ダメだよ・・・うぁ」
 逃げ出そうともがく輝を京介は片腕と片足で器用に押さえ付け赤く、
包帯の跡の付いた胸をこね、舌で唾液の線を引く。
「京介君・・・やめてぇ・・・」
「・・・ふん、そうだな」
 京介は輝から身体を離すと不安そうに揺れる瞳を見ると面白い事を悪
戯を思い付いた子供のように顔を歪める。
「しゃぶってくれよ。お前が俺を満足させられたらやめてやるよ」
「え?」
 言葉の意味が飲み込めなかったのか輝はきょとんとした顔になる。そ
の顔を見て京介の顔に苛立ちが浮かぶ。
「しゃぶれって言ってんだよ!のろまが、殺すぞ!」
 苛立ちのままに京介は輝の胸を掴むと思いっきり爪を立てる。
「うぁっ!い、痛い、ごめんなさい・・・」
 『ふんっ』と鼻を鳴らし京介が手を離すと胸に5つの爪の跡がくっき
りと浮かぶ。そしてチャックを開きまだ柔らかいペニスを取り出す。輝
は見慣れた、だか醜悪なフォルムを持つそれに目をやると少しうろたえ
る素振りを見せたが、京介の不機嫌そうな顔を一目見て膝を付きおずお
ずと手を添える。そしてゴクリと唾を飲み込むと意を決したようそれを
口に含む。
「ん・・・んん・・・」
 口に含んだ瞬間、尿の匂いが広がり、独特の塩味が舌先を刺激する。
それを無視し懸命に舌を動かす。少し被った皮に舌を潜り込ませ敏感な
部分を刺激する。そんな輝を京介は興奮した凶暴な笑みを浮かべながら
見ていた。


「んんんっ・・・ん、じゅる」
 その内、京介のペニスは輝の口の中でむくむくと大きくなりその感覚
に輝は小さく呻く。それでも口を離さず自分の記憶から『こうされると
気持ち良い』と思う場所を重点的に舐め上げていく。カリの全体を丹念
に舐め、尿道口を舌先でつつく。裏筋を舌を刷毛のように使い刺激しな
がら頭を前後に動かす。
「ん・・・じゅっ・・・じゅぷ・・・・・・んんん」
「うっ」
 しばらくそうしていると京介の喉が鳴り、ペニスの先から少し粘つい
た塩味のキツイ粘液があふれ出してくる。
「つっ・・・んだよ上手いじゃねぇか。誰かにやった事あるんじゃねぇ
のか?この変態が」
「じゅっ・・・じゅっ・・・んむ!?んんんっ!」
 京介は輝の頭を抑えるとペニスを輝の喉に押し付けるように何度も、
何度も前後に動かす。輝は息苦しさに呻き涙が目の端に浮かぶがそれで
も懸命にしゃぶり続ける。
「くっ・・・おら、出すから全部飲めよ!吐き出したら殺すぞ!」
「んんんっ!」
 京介が叩きつけるように腰を押し付けると輝の喉の奥を精液が打ち付
ける。輝はそれをこくこくの喉を鳴らし必死に飲み込んでいく。
「ん・・・ん・・・ぷぁっ、けほっけほっ」
 輝の口が離れ、銀色の糸が輝の口と京介のペニスの間にかかる。苦し
さから開放され咽ている輝を京介は腕を掴んで強引に立たせる。
「え?京介く・・・うわっ」
 京介は再び輝を壁に押し付けるとその首元に舌を這わせ片方の手で胸
をまさぐる。
「京介君、なんで・・・ひぁっ」
「誰が今ので満足したって言ったか?あ?」
 そう言いながら京介は輝のズボンと、その下のボクサーパンツを手と
足を使い完全に脱がしてしまう。


「そ、そんな・・・ひぁっ!?」
 京介の指が予告なしに輝の膣内に潜り込む。輝は自由になる方の腕で
ごく弱い力で京介の胸を押すが、京介はそれに逆に気を良くしたのかい
っそう激しく輝を責める。
「ひゃっ・・・ふぁっ・・・あん・・・うあぁっ!」
 2本の指が輝の膣内を踊り、親指が充血し、勃起したクリトリスをこ
ねる。その度に輝の身体はビクビクと揺れ、粘度の低い蜜が京介の手を
伝い屋上に染みを作っていく。
「はっ、学校でこんな大きな声でよがりやがって。変態が。今度今の格
好を誰かに見てもらうか?」
「やっ・・・それだけは許して・・・やぁっ」
 カリッと乳首に歯を立てられ輝が切なげに喘ぐ。京介はちろちろと舌
先で自分が付けた歯の痕を舐ると顔を上げ口の端を歪める。そして輝の
両足を抱きかかえるように持ち上げるとその中心にある、溢れ出る蜜に
濡れ、妖しく光り震える割れ目に射精したばかりでも固さを失わないペ
ニスを一息で押し込んだ。
「ふぁっ!・・・あぁ・・・」
「ちっ・・・くそっ」
 京介は360度全てを締め付けてくる感覚に呻くと輝を抱えなおし、
ガンガンと腰をぶつける。輝は自分の胸の中を埋め尽くしていく正体不
明の切なさと体勢の不安定さからか京介の首にすがりつき結合部から送
られてくる快楽に身を震わせる。
「あっあっんぁっひゃっふあぁっ!」
 容赦なく叩きつけられる腰に輝の足がゆらゆらと揺れ、京介の荒い息
と輝の嬌声が二人しか居ない屋上に響く。それが遠くから聞こえてくる
他の生徒達の話声、笑い声と混ざり屋上をひどく非現実的な場所へと変
えていく。そんな中、輝は獣のように腰を振り、荒く息を付いている憎
いはずの相手。自分を殴り、金を奪い全てを奪い、『自分』と言う存在
を滅茶苦茶にした恐怖と憎しみしか浮かばないはずの相手を何故か、と
ても弱い存在に感じ、首に回している腕にギュっと力を込める。その気
持ちも、加速度的に強くなって行く快感に押し流され何も考えられなく
なっていく。
 熱く硬い肉の塊に擦られ、掻き回されたそこから白く濁った液体が泡
立ち、輝の尻の肉を伝いぽたぽたと屋上に水溜りを作っていく。


「はぁはぁ・・・くそっ、この・・・」
「ひぁっ、あっひゃぅっ・・・んぁっ」
 お互いの腰がドロドロに溶け混ざり合っている。それほどの熱さを輝
は感じ、京介は歯を食いしばり何かに毒づくとただがむしゃらに腰を振
る。輝はとっくに限界を向かえ、腰を突き入れられる度にビクッビクッ
と派手に身体をわななかせている。
「ぐぅっ・・・このっ!」
 京介は輝の腰をガッチリと掴むとその一番奥で、猛った熱い弾丸を爆
発させた。
「あ・・・は・・・熱っ・・・」
 身体の奥で感じるその熱に、輝は身体をぶるるっと振るわせた。

「ちっ、てめぇのせえで昼飯食い損ねたじゃねーか。このバカが」
「・・・ごめんなさい」
 昼休み終了の5分前。京介は行為が終わると急に不機嫌になり、自分
に抱きついて肩で息をしている輝に気が付くと輝を突き飛ばし、不安そ
うに自分を見つめている半裸の輝に気が付くと不愉快そうに顔を歪め後
ろを向いてしまった。
 輝はそんな京介の様子に顔を伏せるとポケットティッシュで自分の股
間を丹念に拭き取り、包帯のサラシを巻き直す。
「ちっ、くそが・・・」
 京介は大きく舌を鳴らすと乱暴に屋上のドアを開け屋上からいなくな
った。輝は淡々と服を着込むと屋上にできた水溜りも拭き取り、汚れた
ティッシュをポケットにしまうと教室へ戻って行った。
 午後の授業に京介は顔を顔を出さなかった。

                               ―To be Continued―




「・・・うぅ」
 輝の額に汗が浮かび、どこか落ち着かないといった感じで微かに身
体が揺れている。教師が黒板に書き込んでいく数式を書き写している
シャーペンを握る手にクッと力が込もり押し殺すように息を吐く。そ
んな輝の様子を京介は黒板を見るついでといった感じで見ると口の端
を歪め机の中に隠してある手を動かした。
「くぅぅ・・・」
 その途端、輝の顔が苦しそうに、しかし小さく呻き身体を強張らせ
る。
「ふっ・・・くぅん」
 輝の足が震え口から漏れる声に熱がこもる。耐えるようにきつく握
られたシャーペンが押し付けられ机をカリッと削る。時間にして10
秒、そんな輝の様子に満足したのか京介は再び左手を机の中に入れ動
かすと輝の身体の緊張が解ける。
「はっ・・・はっ・・・ん」
 その瞳は熱に浮かされたように潤み、焦点が定まっていない。輝は
小さく肩で息をしながらちらりと左を向く。そこには実に楽しそうに
自分を見ている京介の顔があった。



 屋上で京介が輝を犯してから1週間。京介は『いじめ』行為自体こ
そ止めなかったが輝を無理やり抱くという事をしなかった。そして、
日に日に京介の機嫌は悪くなり輝に辛く当たるようになっていった。
 逆に、輝はますます目立たぬよう大人しくなり、そして従順に京介に
従うようになっていった。京介はそんな輝の態度が気にくわなかった。
 一週間前輝を犯した時に感じた正体不明の感覚。その正体がわからず
彼はイラつき輝に以前にも増して辛く当たるようになったが、それでも
そのイラつきは無くならず逆にイライラが増していく。だが優等生の仮
面を崩すわけにもいかず京介は自分でもどうしたらいいか分からなくな
っていた。そんな時、昔彼がお遊びで購入したある道具。一回使ったき
りで机の奥深くで埃を被っているその道具の存在を思い出した。
 これを使ってあいつで遊んでやればこのイライラも少しは無くなるか
もしれない。そんな思いつきに京介の顔は暗く歪んでいた。





「ふぁ・・・ひん・・・んん」
 昼休み。『清掃中』の札の立てられた男子トイレの一番奥の個室。そ
こから微かに聞こえてくる少女の嬌声。その狭く区切られた中で窮屈そ
うに身を捩じらせ学生服をはだけさせている輝を後ろから抱きすくめる
ように愛撫する京介がいた。
「ふん、なんだよ。一週間おあずけ食らったくらいでこんなによがりや
がって。どうせオナニーしまくってたんだろうが。あ?」
「ひぅ・・・んん・・・は、はい」
「ちっ」
 自分が言った言葉に素直に応える輝に京介は不愉快そうに舌を鳴らす
と輝の愛液でぐしょぐしょに濡れそぼった指をその秘唇から抜きとる。
「こんなに汚しやがって。てめぇで綺麗にしろや、おら」
「はい・・・あむ、ちゅる・・・」
 目の前にかかげられた自分の蜜でテラテラと光る京介の指を輝は丹念
に舐めて綺麗にしていく。そして輝が舐め終わるのを確認すると京介は
ポケットに入ったある物を取り出した。
「輝、今日はお前に良い物をくれてやるよ」
「え?・・・ひゃぅっ!?」
 つぷっと輝の膣内に硬い物が埋め込まれ、その異物感に輝は戸惑う。
そして京介は再び指を抜き取るとポケットに入っているもう一つの物、
四角い小さな箱のような物を取り出すとそれに付いている小さな摘みを
カチッと音を立て倒した。
「ひやっ・・・んぁ・・・あぅんんん!」
 ヴンッと低い振動音が響き輝の身体から力が抜ける。京介はそんな輝
の身体を支えようともせずへたり込み自分の股間を押さえる輝を冷やや
かに見つめると小さな箱の摘みを元に戻す。
「んあ・・・はぁ、はぁ」
「バイブだ。お前今日一日それ入れたまま授業受けろ。いいな」
「そ、そんな・・・」
「口答えしてんじゃねーぞ!」
 京介は輝の背中を蹴りつけるとトイレの個室のドアを開け出て行く。
そして手に持つ箱を輝に見せ付け楽しそうに口の端を吊り上げる。
「あとこれ、そのバイブのリモコンだ。いつスイッチ入れるかわかんね
ーぞ?気抜くなよ。くくくく」
「う・・・くぅ・・・はい」
「・・・くそがっ」
 泣いて謝ってくるかと思っていた輝の、そんな輝の態度に少し湧き上が
っていた暗い喜びが消え去り京介はドカドカとイラつきを隠しもせずトイ
レから出ていった。
「京介君・・・」
 輝はそんな京介の後姿をどこか悲しそうに見ていた。






「はっ・・・はっ」
 ローターを入れられてからすでに2時間。気を抜けば襲ってくる振動
と下半身にある異物感。そして教室で授業中と言う自分の置かれた状況
に輝の身体はまったく言うことを利かずふと手が股間に伸びてしまいそ
うになる。そんな自分の手を両足の太ももで押さえつける。下着はすで
にぐしょぐしょに濡れそぼり、学生服のズボンにまで蜜が染み出してき
ていた。教室の時計を見るとまだ授業が始まってから半分も時間は経っ
ていなかった。
 意識はかすれ、押し殺した肺と身体は酸素を求め喉が勝手に動きそう
になる。
「あぅ・・・くぅぅ」
 もう何度目か、自分の中にある異物が低く振動し暴れまわる。限界ま
で抑えられた快感はすでに苦痛に変わり真っ白なノートの上にぽたぽた
と汗が染みを作っていく。それでも輝は耐えている。しかしそれは、自
分の為ではなく京介を守る為の行為だった。
(今・・・僕の事が・・・皆にバレたら・・・京介君の事もきっと・・・)
 いつからそう思い始めたかは輝自身もよくわかっていなかったが、し
かし輝は自分ではなく京介の為に耐えていた。憎い、という気持ちは無
くなったわけではない。それでも今は京介の為にと思う気持ちが輝の心
を占めていた。
「はっはっ・・・はぁっ・・・くぅん・・・」
 だがすでに輝の身体は限界だった。声を出さぬために押し殺された息
は十分な酸素を肺に送れず酸欠状態の身体に拷問のように駆け巡る快感
の波。
「は・・・・・・ぁ・・・・・・・・・」
 それに2時間以上曝された輝の意識は電源を落とされたように闇に落
ちていった。



(・・・なっ)
 ガタッと音を立て崩れ落ちる輝を見て京介の心は平常を失った。手足
は痺れ時間が止まってしまったような感覚に陥る。
 ここまでするつもりはなかった。輝の事がバレればそこから自分の事
までバレてしまう可能性もある。そんな危険を冒すつもりはなかった。
だが、必死に耐え続ける輝に京介は自分でも気づかずほどイラつき普段
ならば自制できるはずの彼の心は暴走していた。
『お、おい』
 耳の機能が戻ってきたのか周りの生徒達のざわめきが聞こえてきた。
(くそっ!まずい!)
 京介の行動は誰よりも早かった。輝へ駆け寄ると抱き起こしその汗の
浮く頬を叩く。輝の頬をぺしぺしと叩きながら京介は自分の中をえ得体
の知れない不安が暴れ狂っているのを感じた。
「早乙女君、大丈夫かい?」
「・・・ぅ・・・・・・んん・・・あ、きょ・・・高橋君」
 輝は朦朧としながらも京介を確認すると申し訳なさそうに目を伏せる。
かろうじて、だが意識のある輝を確認すると京介はほっと息をつく。だ

(・・・安心?俺が輝の無事を確認して安心しただと?)
 京介の心を別の種類の不安がざわつき始めていた。
 自分の授業中に倒れられた、と顔をしかめ近づいてくる教師に京介は
意思の力を総動員して優等生の顔を作ると先手を打つ。
「貧血かな。先生、早乙女君を保健室へ連れていきますね」
「あ、ああ。だが保険委員が・・・」
「僕も朝から少し体調が悪かったのでついでに薬を貰ってきます」
「わ、わかった」
 輝に肩を貸し足早に出て行く自分の背中にささる何とも言えぬ空気を
無視し京介は保健室まで無言で輝を運んでいった。



「京介君・・・ごめん・・・なさい」
「・・・・・・」
 ベットに横になる輝が保健室に来てから無言の京介に声をかける。保
険医は輝をベットへ寝かし嘘をついて保健室に来た京介に風邪薬を渡す
と職員室に用事があると保健室を出て行ってしまった。
 それから5分程、京介は無言で立ち尽くし空を睨みつけていた。
「・・・かえせ」
「え?」
「バイブ返せって言ってんだ。殺すぞバカが」
 いつもとまったく違う淡々とした口調に輝は驚いた。輝は頭をハッキ
リさせるように頭を振るとベットの中でもぞもぞと手を動かし『んっ・・・』
と小さく呻きローターを取り出すとベットの横にあるティッシュで拭き
取る。京介はそれを確認すると輝の手からローターを奪い取り保健室を
出て行った。輝は京介の出て行った扉をまた、悲しそうな顔で見ていた。



「くそっ!くそっ!くそっ!くそっ!!」
 建設途中で会社が倒産し、不良債権として放置されたビル。そのビル
の一角で京介は毒づく。
「くそっ!くそっ!くそっ!くそっ!くそがぁっ!!!!」
 京介は足元に散らばる粉々に砕かれたローターを何度も踏み砕く。何
度も何度も。何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。
「はぁ・・・はぁ・・・ぐうぅ・・・くそがああぁぁぁあ!!」
 それでも怒りが収まらず京介はコンクリートのむき出しの壁を力任せ
に殴りつける。何度も何度も。何度も何度も何度も何度も何度も何度も。

                               ―To be Continued―




(おいおい、マジかよ)
 小峰達也はゴクリと唾を飲み込んだ。自分が居る個室の隣、そこから
聞こえてくる少女の嬌声。不意打ちともいえる事態に取り出したタバコ
が指から離れ便器の中に落ちた。
 昼休み、タバコを吸うためにトイレに行くと清掃中の札が立っていた。
他の階に移動しようとした彼がふとトイレの中を覗き込むと一番奥の個
室が使用中なこと以外誰かが居る気配は無かった。都合が良いと適当な
個室に音を立てないように入りタバコに火をつけようとしたとき、微か
に聞こえてきた女の声に彼の動きは止まった。
 狭い個室の中で息を殺していると何かを話している声が聞こえてくる。
個室が離れてしまっている上に向こうも声が小さいのか断片的にしか聞
き取る事ができないが、男が何か女に言っているらしいことがわかった。
(学校のトイレでおさかんだな、おい)
 そう思いながらも彼はひどく興奮していた。気が付けばギチギチに硬
くなったペニスを取り出し激しく擦り初めていた。そして、一際大きな
声が聞こえたとき、彼もトイレットペーパーに白濁液をぶちまけていた。
 身体にまとわりつく軽い虚脱感に荒い息を押し殺しているとドアを開
ける音が聞こえ彼の心臓は跳ねた。そして彼が息を殺して潜む個室の外
で荒い足音が瞬く間にトイレから出ていく。
(あ、あぶねぇ・・・)
 デバガメが見つからなかった事に安堵の息を付くと自分の個室のドア
を微かに開き外を見る。そこには彼が予想もしなかった人影が見えた


(あぁ?)
 はだける男物の学生服の間から除く女性のライン。混乱しているとそ
の人影も乱れた学生服を整えトイレから出ていった。
(なんだ?どういうことだ?)
 彼は5分ほどその場で考え込むと口の端を吊り上げる。自分の思いつ
きに満足するとすばやくトイレから出ていった。




 あの男の格好をした女を見つけるのは難しい事ではなかった。ちらり
と見えた上履きの色から学年を割り出すと残った昼休みを使いその学年
の棟を歩き回った。2往復もした頃、彼は目当ての人物を見つけ同じク
ラスの男を何人か捕まえさりげなく情報を聞き出した。どうやらあの女
は完全に男として周りに認知されているらしい。それは、自分が女であ
る事を隠していることに間違いない。彼はその結果に満足すると学校を
抜け携帯を取り出した。
「よお、おもしれー話があるんだけどのらねーか。あ?美味しい思いさ
せてやるって言ってんだよ、サボっちまえや。あぁ?だから詳しい話は
落合ってから教えてやるって。じゃ、何人か集めろよ」
 電話が終わると彼はそのまま学校に戻らず駅前へと歩いていった。







 チャイムの音が聞こえる。時計を見ると6時を少し過ぎていた。
「京介君・・・」
 保健室のベッドを抜け出すと自分の鞄がベッドの側に置かれているの
を見つけた。どうやら同じクラスの生徒か教師が持ってきてくれたらし
い。
「お、もう大丈夫か?」
 鞄を手に取ると同時に保健室のドアが開き保険医が戻ってきた。
「はい、ご迷惑おかけしました」
「お前の担任には言っておくから今日はもう帰っていいぞ」
「はい」
 輝は頭をペコリと下げると保健室を後にした。
(どうしたら・・・いいのかな)
 薄っすらと暗くなり街頭がチカチカと点灯し始めた帰り道を重い足取
りでゆっくりと進む。京介の自分に接する態度が変化してきているのは
わかっていた。それが京介が苦しんでいるんだとも無意識に理解してい
た。どうすればその苦しみから京介が解放されるのか、輝はそれだけを
考えるようになっていた。自分が京介にされている行為は前より辛くな
くなっていた。態度こそ変わらないが殴る回数が減っている事も気にな
っていた。
(どうすれば・・・)
 自分はまだ耐えられる。だがこのままだと京介がどうなってしまうの
だろう。それだけが心配だった。憎いと思っていた相手を何故そんな風
に思ってしまうのか。それは輝自身にもわからなかった。


(え?)
 そんな事を漠然と考えながら歩いているとふと違和感を感じ輝は立ち
止まった。
(誰か・・・居る?)
 遠い間隔で街頭が設置された薄暗い道。見回しても自分しか居ないは
ずなのだが何かの気配がする。遠くで聞こえる自動車の音すら不気味に
感じられ輝は駆け出した。それを−
「よお、逃げんなって」
 声をかけられ道を塞がれた。前から3人、後ろに2人。全部で5人の
男が輝をニヤニヤと見ていた。その中の一人、自分と同じ学生服を着て
いるが見覚えのない生徒が値踏みするように輝を見ると一歩前に出てき
た。
「2組の早乙女輝、だよな?ちょっと俺らとつきあってくれよ。断った
って別にいいけどよぉ、お前の秘密ばらすぜ?」
「な、なんで・・・」
 輝の瞳が驚愕に揺れる。そんな輝を追い詰めるように5人は距離を縮
めていく。
「どうすんだよ、あ?」
「わ、わかり・・・ました・・・」
 消え入りそうにそう呟く輝に5人は下卑た笑いを浮かべるとその腕を
乱暴に掴むと彼らの『溜まり場』へ連れて行くのだった。

                                ―To be Continued―




 街の外れにある廃ビルの3階。昔は事務所として使っていたらしいそ
の場所は今は彼らの溜まり場として機能していた。その紙屑やジャンク
フードの袋、剥れた壁の塗料などが散らばる床に輝が投げ出される。
「うぁっ・・・痛ぅっ」
 バランスを取れず放置された作業用らしき机に強かに背中を打ちつけ
輝が苦痛に呻く。
「おい、こいつ本当に女なのか?男だったらマジ萎えるぜ」
 輝の知らない制服の一人が自分の着ている物と同じ制服を着る男に不
審そうに尋ねる。輝はその言葉にビクッと身を竦めると自身の身体を抱
きしめる。
「マジだって。なぁおい」
「なんで、こんな・・・ひっ」
 倒れ、怯えた目を向ける輝に達也は凶暴な笑みを浮かべると学生服の
襟首を掴み強引に引く。ブチブチと学生服とカッターシャツのボタンが
千切れインナーシャツが露になる。
「ったく、めんどくせーな」
 達也が学生服の内側から折りたたみ式のナイフを取り出し輝に突きつ
ける。その様子を遠巻きに見ている残りの4人が楽しそうに笑い口を開
く。
「おいおい、もっとやさしくしてやれって。ひひひ」
「うるっせーよ!」
「・・・あっ!」
 ビッとインナーシャツがナイフに切り裂かれ・・・そのサラシに巻か
れた胸に達也を除く4人が『おぉ』と声を上げる。


「な?いったろ?」
「まだわかんねーって。おら、暴れんな」
「い、いやだっ!離して!」
 少年の一人が輝を羽交い絞めにするともう一人がサラシを強引にむし
り取る。そしてサラシの下から出てきたものに彼らは歓声を上げた。
「うほっマジだぜ!」
「すっげ、結構でかいぜおい」
 目立たぬようにと押さえつけられていた胸が外気とねっとりとしたお
ぞましい視線にさらされ輝は恐怖にもがくが両腕をガッチリと押さえつ
けられ輝の力では抜け出せなかった。
「暴れてもいいけどよぉ、ぜーんぶバラすぜ?ひひひっ」
「あ・・・」
「おらハセ、さっさと縛っちまえよ」
 達也は自分の一言で大人しくなった輝にニンマリと口を吊り上げると
輝を捕まえている少年にガムテープを投げて渡した。

「さてと、じゃ俺からだろ。もちろん」
 上半身を裸にされ両手を後ろに回されガムテープでグルグル巻きにさ
れた輝が顔を伏せ大人しくなったのを確認すると達也は輝のズボンに手
をかけた。
「これでチンコ付いてたら爆笑もんだな」
「気持ち悪りぃ事いってんじゃねーぞバーカ」
 4人の少年達は抵抗しなくなったが協力的でもない輝のズボンを脱が
すのに手間取っている達也を見ながら軽口を言いあい笑う。輝は聞こえ
てくる言葉と下半身から沸きあがってくる嫌悪感を歯を食いしばり無言
で耐えていた。
「ケツ上げろ!糞が・・・へへっ」
「うお、エロいなおい」
 強引にズボンとパンツを剥ぎ取られた輝の身体が暗い部屋のわずかな
明かりに浮かび上がり少年達は無意識にゴクリと唾を飲み込んだ。達也
は目の前にある、雑誌とビデオでしか見たことがなかった少女の裸体を
興奮しきった目で見ると自分のズボンに手を掛けもどかしそうにペニス
を取り出しまったく濡れていないそこへ押し当てた。


「糞っ・・・このっ!」
「ひぐ・・・うあぁ!!」
 ミチミチと音を立て達也のペニスが輝の膣をこじ開けながら埋め込ま
れていく。その痛みと気持ちの悪さに輝は呻き、小さく悲鳴を上げる。
「おいおい、俺達も混ぜろって」
 4人の中の一人がそういうと観戦していた彼らも輝に近づいていく。
一人が輝の顔にペニスを向けると口へ強引にねじ込んだ。
「んぐっ!・・・ん、んん」
「歯立てやがったら殺すぞ?おらおら!」
 口の中にむっとする匂いが充満し輝は苦しげに呻く。それを無視し頭
を掴むと強引に腰を前後させ輝の口を犯していく。
「んん?んっ・・・んぐぅ!」
 達也が無理やりに腰を動かし輝を責め立てる。潤滑剤がまったく足り
ていないそこへの容赦のない動きが激痛を生み出し輝の身体を振るわせ
る。
「す、すげぇな・・・」
「あぁ・・・」
 残された3人の少年達は2人に強引に犯され揺さぶられる姿を見なが
ら誰となく自身のペニスを擦り始めていた。
「はっはっ・・・糞っ、出すぞ!」
「俺もだっ」
「んん!んーーーー!!」
 達也の身体がブルっと振るえ輝の膣内に精液が注ぎこまれる。その嫌
悪感に追い討ちをかけるように口の中にも生臭い精液が吐き出されてい
た。
「んぶっげほっげほっ・・・」
 口に押し込まれていたペニスが抜き取られ輝の口から精液が零れ出る。
「あー、もったいねぇ吐き出しやがったこいつ」
「あ・・・んぁっ」
 苦しさに咽ていると輝の膣内からも達也のペニスが抜き取られる。輝
の秘唇は無理やりな達也の動きで赤く腫れヒクヒクと震えていた。


「つ、次は俺達だぞ」
「ひっ・・・んあぁ!」
 自慰行為に満足できなかった残りの少年達が輝に覆いかぶさり躊躇う
ことなく熱く勃起したペニスをねじ込んでいく。達也が吐き出した精液
が潤滑液代わりになりスムーズになった動きに輝の声が高くなる。
「おい、誰か後ろの穴も使えって」
 その言葉に輝の身体がビクっと跳ねる。輝の身体が貫かれたまま持ち
上げられ、その菊座にペニスが押し付けられた。
「あぐぅ・・・やっ・・・ぁ・・・やぁ・・・」
「ぐあっ、きっちぃ・・・この」
 グリグリと、まさに穿つように異物が激痛を輝に与えながら進入して
くる。その激痛に輝は目を見開き口は酸素を求め魚のように力なく動く。
「おい、写真撮っとけ。ひひっ、こりゃ他のやつも呼んでやらねーとな」
 もう誰が言っているのか輝にはわからなかった。そして、その目から
いつか流すまいと誓った涙が一筋こぼれ落ちた。

                                ―To be Continued―




「ひっ・・・ぁっ」
 ボロボロのブラインドウの隙間から差し込む微かな日の光が乱雑に散
らばる床を照らす。その薄暗い空間に少女の、輝のかすれた声と複数の
息遣いが響く。あれから達也たちは仲間を呼び輝を犯し続けた。輝の身
体にはおびただしい精液がこびり付き何人もの男に何度も犯された膣内
は何箇所か傷つき輝に苦痛を与えてくる。だが、それすらも今の輝には
どうでもいい事だった。輝の口から機械的に漏れる苦痛の声、戒めを解
かれ無理やり握らされているペニスをしごいている自分の手、すでに収
まりきらず太ももまでおもべったりと汚している何人分もの体液。それ
ら全てを輝はすでに感じていなかった。涙は乾き、その瞳は暗く濁り虚
空を虚ろに見つめ続けていた。




「・・・くそっ」
 ホームルームが終わり授業が始まるわずかな時間。京介が空白の席を
睨み小さく毒づきながら教師の言葉を思い出していた。
『早乙女が昨日から自宅に帰っていないらしい。誰か心当たりのあるものは
いないか?』
(なにがあった・・・)
 京介の胸中に言いようのない不安が渦巻く。その不安を無理やり押し殺す
と京介は授業の準備を始めた。京介のその日の午前中の分のノートは白紙
だった。


『電源が入っていないか、電波が届かないところに・・・』
「くそっ!」
 乱暴に携帯の通話ボタンを切ると京介は屋上のフェンスを包帯の巻か
れた右手で叩く。
「あのバカが、何をやってやがる」
 これまで、輝が京介からの電話に出なかったことはなかった。行方が
分からず連絡も取れない。そのことに京介は怒り、それ以上の不安に激
しく苛立っていた。
「くそがぁっ!」
 その苛立ちをフェンスにぶつけるように蹴りつけるとガシャンッとフ
ェンスがたわむ音がむなしく響く。京介は左手に握り締めたままの携帯
の液晶に表示された時間を見る。昼休み終了まで後10分。
「ちっ」
 最後に大きく舌を鳴らすと京介は駆け出していた。



「で、出るっ!」
「ひぁ・・・ぁぁ」
 輝の身体がビクンッと痙攣しだらしなく開いた口から唾液が垂れる。
もう何度目か、子宮口付近まで突き入れられ吐き出された精液が膣内を
逆流し結合部からゴプッと吹き出る。
「おい、そろそろ休憩させてやれって。うわっ、くっせ!」
「へへっ、そうだな。後の奴らにもとっといてやらねーとな」
「ぅぁ・・・ぁ・・・」
 輝を犯していた少年がペニスを引き抜くと何本もの粘つく糸が間に架かり
床に線を引く。むっとするほどの濃い栗の匂いに顔をしかめるもう一人の少
年が輝にボロボロの、雑巾のようなタオルを投げつける。


「おら、向こうにシャワー室があるから洗って。お前くせーんだよ」
 ぐったりと動かない輝の腕を少年はタオル越しに掴むと乱暴に立たせ
部屋の奥にある外れかけたドア方へと突き飛ばす。足に力の入らない輝
はそのままヨロヨロと壁にもたれかかるように崩れ落ちる。
「言っとくけど逃げようなんて考えんなよ。写真ばら撒かれたくなかっ
たらなぁ、ひはははははは」
「腹減ったな。おい、飯買ってくるけどちゃんと見張ってろよ」
 今部屋に居るのは輝を含め3人。その内の一人が部屋を出ていく。輝
はしばらく呆然と座り込んでいたがノロノロと立ち上がると少年が『シ
ャワー室』と呼んだ部屋へと入っていった。
 そこは狭く、所々砕けた汚れたタイルで作られた部屋だった。簡易的
に作ったにしても乱暴すぎるそのシャワー室でも輝はただ呆然と立ち続
けていた。時間にして5分、輝は緩慢な動きで腕を動かすとシャワーの
蛇口を捻った。お湯など出るはずもなく、冷たすぎる水が輝の身体に叩
きつけられる。普通ならば飛び上がるほどの冷たさに輝の瞳に微かに光
が戻る。
「痛っ・・・い・・・」
 傷付いた膣内は下腹部に鈍い痛みを生み、全身にかけられた精液は大
半が乾きすさまじい不快感を輝に与えている。輝はそれを自分の手の平を
使い丹念に洗い落としていく。秘唇と菊座からは止めどなく精液が零れ落ち
シャワーの水に混じり排水溝へ吸い込まれていく。
「ぅ・・・く・・・うぅ・・・うあぁぁぁぁぁ」
 いつしか、輝は顔をくしゃくしゃに歪めその場に崩れ落ちていた。止まらな
い涙に構わず泣き続ける。
「ひぅ・・・うく・・・京介君・・・助けて・・・助けてよ・・・」
 何も感じなかった心が急速に元に戻り、輝は押しつぶされそうになる自分
を抱きしめ京介の名を搾り出すように口にした。
 しばらくして、輝は疲れ果てた身体を起こし冷え切った身体をボロボロのタ
オルで拭き取るとシャワー室の扉を開けた。
「おせーんだよバカ女が。これでも食って大人しくしてろ」
 シャワー室から出てきた輝の足元にコンビニの袋が投げつけられる。
その中には小さなパンが一つだけ入っていた。輝は袋を拾うと部屋の隅にう
ずくまるように座り込み携帯で連絡を取り始めた二人の少年を呆っと見続け
る。
 いつしか輝は深い眠りに落ちていった。







「何やってんだ俺は・・・」
 駅前から少し外れた繁華街。京介は苛立ちのままに学校を抜け出しガ
ムシャラに走り回った。だが、当てもなく走り回ったところで輝を見つける
事ができるはずもなく気が付けばゲームセンターに入っていた。京
介はゲームをプレイするでもなくただぶらぶらと店内を歩き回る。スー
ツ姿のまま麻雀をプレイするサラリーマンらしき男。格闘ゲームに熱中
する青年。通路に座り込み馬鹿笑いをする男子学生と女子高生。タバコ
に煙る店内。そんな中を歩いているとトイレに入っていく自分と同じ学校
の制服を着た少年を京介は見つけた。京介は辺りを見回すとその後をつ
いてトイレの中に入っていった。
(いない?)
 狭いスペースに設けられたトイレに先に入ったはずの少年の姿はなか
った。
(なんだ、ウンコかよ)
 よく見ると個室の鍵の部分が赤くなっていた。京介がついでに用を足
そうとすると個室から携帯で話しているらしい声が聞こえてきた。
『なんでもやり放題の女捕まえてよ。今あの場所で皆で楽しんでんだ。
お前も入れてやるからこいって。嘘じゃねぇって!後悔してもしらねー
ぞ。ひははは・・・』
 その瞬間、京介は個室のドアを蹴り破っていた。個室に入っていた少
年、小峰達也は突然の事態に携帯を取り落とすとうろたえながら京介を
睨みつける。
「な、なんだてめぇ!」
「今の話、俺にも詳しく聞かせろや」
 京介の顔には凶暴な笑みが張り付いていた。

                                ―To be Continued―




 小峰達也は混乱していた。突然現れた奴が自分を殴りゾっとする笑顔
で淡々と感情のハッキリ分からない声で自分に話しかけてくる。その状
況が達也は訳が分からず動けなかった。
「なぁ、その楽しそうな場所俺にも教えてくれよ」
 ゾッとするような笑顔を、ちっとも笑ってると思えない笑顔を貼り付
け殴ってくる。怖い。顔に拳がめり込んでくる。拳と奥歯に頬の肉が挟
まれ裂ける。痛い。腹を殴られる。内臓がうねり昼に食べた物が逆流し
てくる。痛い。脇腹を蹴られる。あばら骨が軋む嫌な音が身体の中から
聞こえてくる。痛い。痛い。痛い痛い痛い痛い痛い・・・!
「や、やめへくれ!いう!いうからもうやめへくれぇ!!」
 気が付けば達也は泣き叫んでいた。目の前の相手がただ怖く、このま
ま自分は殺されると本気で思った。
「さっさと言えよ。殺すぞ」
「ぶぎゃっ!」
 達也の鼻に京介の容赦のない拳が叩き込まれ鮮血が吹き出す。京介の
右手の傷が開き達也の流した血と混ざりその手に巻かれた包帯を真っ赤
に染め上げる。
「ほら、どうした。言えよおい」
「まちふぁずれのは、はいビルのさ・・・さんかいに・・・げほっ、もうゆるしへくれぇ」
「ふんっ」
「ぎぎゃっ・・・が・・・」
 京介はそれだけ聞くと達也の頭を便器に叩き付けた。ガチンッと鈍い
音が鳴り便器が少し砕けた。その脇に達也が自分の血で濡れた床にずる
ずると倒れ込み気を失った。
「クソ野郎が」
 ペッと唾を気絶した達也に吐き掛けると京介はそのまま目もくれずに
ゲームセンターを後にした。





「おら、立てよ」
「ぁ・・・」
 夢すら見ない暗い闇から強制的に覚醒させられ輝は小さく声を漏らす。
眠っている間に増えたのか自分の腕を掴んでいる少年を含め4人分の目
が自分の身体を欲情した視線を絡みつかせている。これから繰り返され
る苦痛と絶望に輝の心は再び闇で包まれていく。
「足開けよおら。へへっ、いいもん持ってきてやったぜ」
「・・・・・・っ」
 無理やり開かれ晒された輝の秘唇に冷たいネバネバとした液体が掛け
られその感覚にビクッと身体が跳ねる。
「お、ローションなんておもしれーもん持ってんじゃん。俺にも貸せって」
 一人がローションを自分の勃起したペニスに塗りたると輝の後ろに回り
込む。
「二本挿しだぜ。きひひ」
「お、いいね。お前らは口と手使えよ」
「俺らパス。散々犯ったから休憩だ」
「へっ、そうか−よっ!」
「くぁ・・・ん・・・・・・ぁ」
 前後からずぶずぶと進入してくる硬い肉の感触。その慣れる事のでき
ぬ不快感と苦痛に、それでも輝は小さな声しか漏さない。
「うほっ、すっげぇ締め付け」
「おまっ、あんま動くな・・・出ちまうだろが」
 下卑た笑い声を上げながら自分を突き上げる少年達を輝は光を失った
瞳で見ていた。
「んだよ、タバコ切れちまった。ちょっと買ってくる」
「ん、おお」
 そんな輝達と見ていた少年の一人が空のタバコを投げ捨てると部屋か
ら出ていった。
「なんか反応が少なくて気味悪りぃな。壊れちまったか?」
 そんなことを呟きながら階段を下りていくと見たことのない少年が一
人こちらに向かって階段を上がってきた。
「なんだ?お前も呼ばれたのか?今ちょうどお楽しみちゅ−」
 彼はそこまでしか喋る事ができなかった。目の前まで迫っていた少年
の手の平が彼の頭をワシ掴むと思い切り壁へ叩きつけていた。


 京介の中でドス黒い感情が渦を巻き暴れ回っていた。途中で会った間
抜けな馬鹿は怒りのままに壁に叩きつけ気絶させた。トイレに居た奴も
あの間抜けな馬鹿も死んでたって知った事じゃない。京介は無言のまま
階段の上り続ける。以前より感じていた怒りと胸の中をうねるザワツキ、
今感じている自分でも制御できない凶暴な怒り。その全ての理由が分か
らなかった。だが、今はそれについて考えている余裕はない。ただ、た
だひたすらに全てを破壊してしまいたい衝動に京介は囚われていた。
 3階。何かの事務所だったらしい部屋のドアのノブに手を掛ける。そ
の手にギチギチと力がこもりドアノブを締め付ける。そして京介はドア
ノブを回しゆっくりと、開いた。

「ぁ・・・んん・・・」
 最初に目に飛び込んできた光景。それは京介の辛うじて保っていた理
性を吹き飛ばすのに十分だった。鼻をつく精液の匂いと床に飛び散って
いるおびただしい量の白濁液。何人に犯されたのか見るも無残にボロボ
ロになり虚ろな瞳で今もなお二人の少年に犯されている輝。
 その光景に京介は絶叫を上げそうになったが、喉は凍りつきその顔は
すさまじいまでの壮絶な怒りに歪んでいく。その怒りのままに、京介は
自分に近づいて来ていた一人の少年に殴りかかっていった。
「ぐがっ!てめっ、なにしやがる!!」
「な、なんだ!?」
 突然の闖入者に殴り飛ばされた少年は自分を殴った京介に怒りの声を
上げ襲い掛かる。輝を犯していた少年達も突然の事態に一瞬硬直するが
慌てて輝を放り出し殴られた少年に加勢するために駆ける。
「うあああぁぁぁああぁぁああ!!」
「くそっ!なんだこのイカれた野郎は!?ぎゃっ!」
「てめぇ!」
 叫びながら目の前の少年を渾身の力で何度となく殴りつける。傷付い
た右手が悲鳴を上げ激痛を京介に伝えてくるがそれを無視し右手を突き
出す。が、横から加勢に来た一人に体当たりされ縺れ合いながら床を転
がった。


「きょ・・・・・・すけ・・・くん?」
 突然現れ少年達に殴りかかった京介を見て輝は不思議そうに呟く。
(なんで・・・だって・・・ありえないよ。京介君がなんで・・・)
「クソがクソがクソがクソがクソがあああぁぁぁぁぁ!!!」
「がっ・・・」
 体当たりしてきた少年の頭に自らの頭をぶつける。二人の額が割れ血
が飛び散る。それすらも構わずに京介は立ち上がると自分に向かってく
る二人に向かい殴りかかっていった。
(なんで・・・・・・)
 その光景を、輝はただ呆然と見ていた。





「はっ・・・はっ・・・ぺっ、クソが」
 荒い息をつき口に溜まる血を吐き出す。血で汚れた床に3人の少年が
倒れ、苦しそうに呻いている。それを無視しボロボロになった京介が輝
に近づいていく。
「輝、お前こんなやつら相手になにやってやがった・・・」
 切れた口の中を庇うように京介は口を開き輝の前にドスッと座り込む。
「いってぇ・・・くそが。おい、輝!」
「・・・・・・きょう・・・すけくん・・・」
 自分の前に居る京介を見て輝の瞳に徐々に光が戻ってくる。
「きょうすけくん・・・京介君京介君京介君っ!」
 そして大粒の涙をぼろぼろとこぼすと輝は京介の名を叫びながら抱き
付いていた。
「ぐあっ!いってぇこのバカ!」
「うああぁぁぁぁぁぁ!」
 打撲だらけの身体に走る激痛に京介は悲鳴を上げ、輝は京介の胸で泣
き続けた。そんな輝を京介は苦笑しながら、どこか安心した表情で見て
いた。


「他の奴が来ないうちにここから逃げるぞ」
「う、うん」
 しばらくして京介はしゃくり上げる輝を引き剥がすと億劫そうに立ち
上がり輝の服を探す。上着はボタンが千切れてしまっていたがズボンと
一緒に部屋の隅に丸めて捨てられていた。服を投げ渡された輝はそれを
のろのろと着込んでいく。
「急げのろまっ!」
「ご、ごめん。身体に力がはいらなくて・・・」
 輝は申し訳なさそうに顔を伏せるとサラシがなくなった胸を押さえな
がら残ったボタンを留めていく。それを横目で見ながら京介はデスクの
上にデジカメが置かれているのを見つけた。操作して中身を見るとその
中には輝を犯す何人もの少年達の画像が記録されていた。京介は不快そ
うに顔を歪めるとそのデジカメを床に叩きつけ蹴飛ばした。蹴飛ばされ
壁にぶつかったデジカメはバラバラに砕け散った。その中からメモリー
スティックを探し出すと京介はそれも踏み潰し砕いた。
「どうした。さっさと立て」
「えっと・・・その・・・立てなく・・・なっちゃって・・・」
 長時間責め続けられた輝は心こそ京介のおかげで持ち直したが身体は
とっくに限界を超えていた。
「くそが、手間かけさせやがってバカが・・・」
「え?・・・わっ!」
 京介はガリガリと頭をかくと輝を抱き上げ背中におぶる。その意外す
ぎる京介の行動に輝は戸惑う。
「え・・・きょうすけ・・・くん?」
「がぁ、重てぇなクソが。いてぇ・・・」
 不機嫌そうにそう呟くと京介は廃ビルを後にした。







 夕暮れの住宅街。京介は人通りの多い道を避け真っ直ぐに輝の家へと
向かっていた。額から血が流れボロボロになった学生服に同じくボロボ
ロの少女をおぶった京介の姿にすれ違う人間達がジロジロと無遠慮な視
線を向ける。それを無視し京介は無言で足を進めた。そんな京介に輝が
おずおずと声を掛ける。
「京介君・・・なんで、その・・・助けてくれたの?」
「ふんっ、お前は俺の玩具だ。他の奴が好き勝手するのが我慢ならなか
っただけだ。つまんねーこと聞くな」
「・・・・・・うん」
 輝はその背中に顔を隠し嬉しそうに微笑む。その様子を感じ取ったの
か輝は『ふんっ』と鼻を鳴らした。

「輝っ!」
 京介達が輝の家に着くなり輝の父親と母親が飛び出してくる。そして二人
のその姿をみると絶句する。
「お前・・・その姿はいったい」
「輝・・・よね?京介君もなんでそんなひどい怪我を・・・」
「父さん、母さん、これは・・・その・・・」
 二人の姿にうろたえ狼狽する両親を前に輝は必死に言い訳を考える。
その中、京介が静かに口を開いた。
「おじさん、おばさん、お話があります」







 あれから3日、輝は病院に入れられ検査を受けていた。暴行された身
体は傷だらけだったが幸いにも感染症や妊娠の危険はないとの事だった。
女性になってしまった原因も調べられたが詳しいことはわからず医者達
も首を傾げていた。3日間、輝は休まるときがなかった。繰り返される
検査の合間に何度となく訪れる警察への事情聴取、露骨なまでの心配と
自身の立場への保身のために訪れる校長や担任の教師、そして同じクラ
スに居ながら輝が女になってしまった事に気付かなかった興味心むき出
しのクラスメイト達。安息の時の就寝の闇の中輝は深くため息をつく。
 京介は輝の両親に全てを話した。それから警察が呼ばれ京介は重要参
考人として警察に連れていかれた。ゲームセンターのトイレで気絶して
いた小峰達也もレイプ事件の首謀者として保護されたらしい。他校の生
徒まで加わったレイプ事件はニュースに大きく取り上げられ、輝の学校
はしばらくの間休校となった。
 輝は病室の薄暗い天井を眺めながら京介の事を考える。何故京介は全
てを話してしまったのか。京介は輝に繰り返していたいじめのことまで
全てを輝の両親に話してしまった。輝の両親は怒り、京介をののしった。
そして輝の身体が現代の医学では完全に元に戻せないとしるとひどく落
胆し、そして今の輝を受け入れた。
 全ては終わった。だが輝の心は晴れず、もやもやとした不安と京介へ
の思いが取り留めなく浮かんでは消えていった。

 レイプ事件の休校が終わり輝が学校に戻ると、京介は退学になり学校
だけでなく街からも居なくなっていた。

                                ―To be Continued―




 桜が舞い散り校門からは卒業生から第二ボタンを貰うために勇気をふ
りしぼる女子生徒の声、卒業とともに友人とバラバラになってしまう悲し
みと同じくらいの未来への希望に溢れた声、バカ笑いをする生徒達の声
が聞こえてくる。そんな風景と賑やかな生徒達の声を聞きながら輝は独
り指で卒業証書の入った筒を指で転がしながら呆っと見ていた。
 事件の後、輝は見違えて明くなり自然とクラスに溶け込んでいった。
最初こそ物珍しさからちょっかいをかけてくる生徒が多かったがそういっ
た生徒達はそのうちに興味を無くし少なくなっていった。女子生徒達は何
も知らない輝にあきれたのか面白がっているのか様々なことを輝に教え、
今では少しではあるが輝は髪を伸ばし女の子らしいお洒落やお化粧をす
るようになっていた。両親や輝の友達は輝が事件を克服し明るくなったこ
とに大いに喜んだ。だが−
「・・・京介君」
 ほうっと小さくため息をつく。輝は事件の後京介が退学になり居なくなっ
た事を知ると教師達に京介の行方を尋ねた。しかし、教師達がそれを輝
に教える事はなかった。輝は諦めず、自分ができる限りの手を尽くし京介
の行方を捜したが結果として手掛かりの一つも知ることはできなかった。
その内に修学旅行などの学校行事や受験勉強に時間をとられ気が付け
ば卒業式の日を迎えていた。
「ちょっとアキラなにやってんのー。早く行こうよー」
「あ、うん。ちょっと待って」
 輝しか居ない教室のドアが開き女生徒が顔を出し輝を呼ぶ。輝はそれ
に笑顔で答えると最後に一回窓の外の景色を見ると教室から駆け出して
いった。




(あれ誰だろう)
 打ち上げと称した友達同士でのバカ騒ぎから解放された輝は自分の家の
前に壮年の男性が立っているのに気が付いた。その男性は呼び鈴を押すこ
とを躊躇っているような素振りをみせその手を上げたり下げたりしていた。輝
は少しだけ考えると思い切ってその男性に声をかけた。
「あの、どちら様ですか?」
「あ、いや。君が早乙女、輝君かい?」
「はい、そうですけど父か母に御用ですか?あいにく今留守で・・・」
「いや、君に用があるんだ。私は京介君の知り合いで木村宗次と言います」

 木村宗次と名乗った男を家に招きいれた輝は混乱する頭で紅茶を宗次に差
し出すとソファに座る。
「あの・・・それでお話って何ですか?」
「ああ、まず僕は京介の今働いてる仕事先の上司・・・になるのかな」
 そう告げると宗次は人の良さそうな笑顔を浮かべる。だが、輝の心は乱れ宗
次の言葉を上手く飲み込めないでいた。
「実は君が京介の事をずっと探していることをちょっとした人の伝で聞いてね。
お節介ながらこうして訪ねさせてもらったというわけなんだ」
「・・・え?」
「仕事柄顔が広くてね。あ、誰に聞いたかはプライバシー保護と言う事で宜し
く頼むよ」
 宗次はニカッと笑うが身を乗り出し迫ってくる輝に少したじろぐ。
「そ、それで京介君は今何所に!?」
「ちょ、ちょっと落ち着いて、正直僕は少し迷ったよ。あの『事件』の事は勿論
僕も知ってる。すまないが京介が君にした事も調べさせてもらった。そんな
君たちを会わせてもいいものかと思ったよ」
「でも・・・それでも僕は京介君に・・・・・・会いたい」
 自分の胸を震える手でギュッと押さえ搾り出すようにそう言った輝を宗次は
真剣な眼差しで見つめる。
「真剣なんだね。ま、中途半端な気持ちじゃあのバカタレの事を何年も探すな
んてマネできないだろうね」
 宗次は顔を崩すと嬉しそうにそう言った。京介の事を『バカタレ』と呼んだとこ
ろを見るに宗次も京介と色々あるようだ。
「さて、それじゃ君にこれをあげよう。今京介が住んでいるアパートの
住所が書いてある。ちなみに京介の出勤時間は朝の9時で8時30分くらいに
家を出てるみたいだよ」
 宗次は輝に封筒を渡し一つウインクをすると立ち上がる。そして玄関を出た
ところで何かを思い出したのか『あ、そうそう』と輝に笑顔を向けた。
「僕のことは京介には内緒にしてくれると嬉しいかな」






 封筒に入っていた地図を片手に輝の胸はドキドキと音が聞こえてきそ
うなほど高鳴っていた。輝は宗次から封筒を受け取った次の日早速京介
の元へ向かった。京介の住んでいるらしい場所は始発の電車を使っても
宗次から聞いた京介が家を出る時間ギリギリにならなければたどり着け
なかった。
「うぅ・・・落ち着け僕」
 輝は緊張のし過ぎで息苦しくなってきていた。地に足が着いていない感
覚と考えることを放棄しかけている頭を抱え深呼吸をする。
「よ、よし・・・」
 輝が覚悟を決め先ほどから睨みつけていたアパートの階段に足をかけ
た。だが2歩も足を進めないうちに輝の身体が固まる。ドアを開けこちらに
歩いてくる足音。
「あ・・・」
「ん?」
 視線が交錯し二人の声が重なる。髪が伸び記憶より少し痩せたように
感じるが服の上からでも分かる鍛えられ引き締まった身体、そして少年
から青年へと成長した顔つき。
「きょう・・・すけくん・・・」
「輝・・・か?」
 たった数年でかなり成長していたがそれは紛れもなく京介だった。
「京介君・・・やっとあえ−わっ」
 様々な思いが溢れ泣き出しそうな輝に京介が駆け寄るとその手に握ら
れた地図を電光石火で奪い取る。
「輝、お前これ誰から渡された」
「えっと・・・その・・・」
 いきなりのことに涙が引っ込んでしまった輝に宗次の言葉がよみがえ
る。困った顔をしてうろたえる輝を無視して京介は携帯でどこかへ電話
をかける。
「このクソ所長!なに勝手なことしてやがる!ご丁寧に筆跡まで変えや
がって・・・あぁ?なにが『バレてしまったか』だ!笑ってんじゃねえぞ!
・・・おい!ふざけ・・・クソがっ」
 切られてしまったのか憎憎しげに携帯を睨むと京介は輝に目を向けた。
「ちっ・・・とりあえず上がれ」
「う、うん・・・」


「何しにきやがった」
 ドカリと腰を下ろすと京介は不機嫌そうに輝を睨む。輝は京介の前に
おずおずと座ると真っ直ぐに京介の顔を見つめ口を開く。
「迷惑になっちゃうのはわかったけど・・・どうしても京介君に会いた
くて・・・」
「復讐にでもきやがったか?ご苦労なこった」
「そ、そんな!違うよ・・・」
「ちっ」
 大きく舌を鳴らす京介に輝の身体がビクっと竦む。
「なら何しにきやがった」
 その言葉に輝は一瞬顔を伏せると強い覚悟を秘めた顔で京介を見る。
そして自分の気持ちをハッキリと口にした。
「僕は京介君のことが好き。ひどい事色々されたかもしれないけど僕は
女の子として京介君のことが好きです。ただ・・・それだけが言いたか
った」
 その迷いのない告白に京介の顔が辛そうに歪む。それでも京介は突き
放すように輝を睨み口を開く。
「はっ!元男が何言ってやがる。気持ち悪りいんだよ!」
「うん・・・ごめん・・・・・・ごめんね」
 顔を伏せ、小さな声を震わせる。ポツポツとスカートに涙の痕ができる。
「ちっ」
「・・・え?んっ」
 不意に、京介の口が輝の口をふさいでいた。
「ん・・・んん・・・」
 京介の舌が強引にねじ込まれ輝の舌に絡まる。輝はそれを抵抗するこ
となく受け入れ自身も舌を絡め、二人の交じり合った唾液を飲み込んで
いく。1分ほどして京介の顔が離れる。
「クソが、なんで俺なんだよバカ野郎が」
「京介君じゃなきゃ・・・ダメなんだよ」
 京介の胸に顔を押し付け輝は静かに涙を流す。そんな輝を京介は無言
で抱きしめ回した腕にグッと力を込めた。


「輝、抱くぞ」
「・・・うん」
 京介は輝の耳元で囁くと輝を抱き上げベッドへと運ぶ。
「あ・・・んっ」
 輝をベッドに寝かせると京介はその首筋にに顔を埋め舌先で刺激する。
そして輝の服に手を掛け脱がしていく。輝はそれを手伝うように身体を動
かす。下着だけになった時京介の動きが止まった。
「お前・・・もうちょっと色気のある下着つけろよ」
「だ、だって!・・・は、恥ずかしい・・・し」
 輝は肩まで真っ赤にするともじもじと身体を揺する。そんな輝見て京介
はニヤッと笑うと一気にブラジャーをめくり上げた。
「わっ、きょ、京介く・・・ひゃぅっ」
 京介は外気にさらされた胸の突起を口に含むと余った手でもう片方を
こねる。舌先で転がし歯で硬くなってきた乳首を甘く噛み、持ち上げるよ
うに胸をこね爪の先で乳首を引っかく。その刺激に輝の身体は敏感に反
応し口からは自然と声が漏れる。胸から手を離し下着の上から割れ目を
なぞるとじわっと蜜が染み出してきた。京介はその染みを広げるように指
を動かす。そのじれったい程の動きに輝は腰を動かし甘い声を上げる。
「あ・・・ふぁ・・・んく、んあぁ!」
 不意に指の先が下着越しにクリトリスを押し輝の身体弓なりに反る。
下着はすでにお漏らしをしたようにぐっしょりと濡れ指を動かす度にぬち
ぬちと音が鳴る。京介は胸からヘソへと舌で唾液の線を引くと下着を脱
がし足を広げる。
「あ・・・きょ、京介君そこは・・・」
「黙ってろ」
「や・・・京介君ダメ・・・やぁ」
 蜜にてかりヒクヒクと震える秘唇を京介は広げ舌全体を使い舐め上げ
音を立てながら愛液嚥下していく。
「んあぁっ!ひぁ・・・ひゃうぅっ!」
 輝の腰が跳ね耳に届く卑猥な音に顔を真っ赤に染めシーツを握り絞め
る。京介はそのまま舌を尖らすと輝の秘唇に差し込み指でその上部にあ
る突起を刺激する。


「輝、俺のもしてくれ」
「あ・・・うん」
 京介はベルトを外し勃起したペニスを取り出すと身体を入れ替え、シ
ックスナインの体勢になる。
「あむ・・・ん、んむ」
 輝は京介のペニスを口に含むと丹念に舐め上げ刺激していく。下半身
から上ってくる痺れるような快感にピクッと反応しながらもカリ全体とカリ
首を舌で舐め、顔を動かし上顎で擦る。口の中でさらに硬く、大きくなっ
ていく京介のペニスに苦しげに呻き、それでもさらに激しく熱に浮れたよ
うに舐め続ける。だが、京介の指が差し込まれ膣内の一部分を擦られ
たとき輝の背中に電撃が走り堪らず口を離し悲鳴を上げた。
「んっ、ぷぁ、京介君そこダメ・・・感じすぎて・・・あっ、ひぁっ!」
 京介は輝の膣の中のざらついた部分を執拗に擦り、さらに指でクリトリ
スを剥くと唇で咥える。その強烈過ぎる刺激に輝の身体はガクガクと揺
れ身体の奥から大量の愛液が溢れ出す。
「あ、ふぁっ、やっダメっ、京介くっ・・・んあ、あッ――」
 輝の身体が大きくビクンッと反り返り全身が硬直し、脱力した。
「はぁ、はぁ・・・」
 グッタリと脱力しベッドの上に全身を投げ出す輝から身体を離すと京介
は輝の足の間に身体を入れ込む。
「あ・・・」
「お前一人だけイってんじゃねーぞ」
 男を迎え入れる準備を整え震えるそこに京介は輝の唾液に妖しく光る
ペニスを当て一息で押し込んだ。
「ひあっくああぁぁ!」
 一度果てたばかりの敏感になった身体の一番奥、子宮口突き上げられ
京介のペニスがきつく締め付けられる。
「ぐっ、相変わらず・・・いい具合だな」
「ぁっ・・・京介君」
 輝が京介に抱きつく。
「んん・・・京介君のが中に入ってる」
 京介の胸の下で輝の柔らかな乳房がつぶれている。そのまま抱き合っ
ていると、柔らかさの中に押し込まれている、硬くなった乳首の感触が上
着越しに伝わってくる。京介はまだ輝の膣内にペニスを挿入しただけで動
いてはいない。だが輝の膣内は別の生き物がいるかのように、京介のペ
ニスに絡みつき、何箇所も同時に締め付け弛めてきた。その位置は連続
して変化する。微妙な動きと肉壁のひだの感触に京介は喉を鳴らすとゆっ
くりと腰を引いた。輝の中に入っていた京介のペニスがズルズルと抜け出
ていく。


「あ、やっ、抜かないで・・・」
 輝の中が京介を引き留めるようにキュッと締まる。もう少しで全部抜け
てしまう直前に京介は思いきり腰を突き入れた。輝の愛液を泡立たせて
京介のペニスは再び根元まで押し込まれた。
「はっ、あ、あ、あ、あぁっ!」
 輝は背を反り返らせて喘ぐ。
「行くぞ」
 それだけ輝の耳元で言うと京介は腰の律動を開始した。
「あっ!・・・あっ、あっあうっ・・・あっ!」
 輝は京介の腰の動きのリズムで喘ぎ、首が快感に耐えるよとするかの
ように左右に振れる。京介は輝の喘ぎを漏らしながら揺れる口を自分の口
で押さえ舌を押し込み、輝の舌に絡めていく。それに輝も積極的に絡め返
してきた。
「んくっ、んん、んっ、ん、うぅん、ん、ん、んっ・・・」
 お互いの口の中で舌がもつれ合う。しかし、下半身に刺激が加えられる
たびに輝の舌の動きが止まる。
「んふっ!う、うん・・・ふぅ・・・」
 京介は片手を伸ばしペニスが出入りしている割れ目の少し上に持ってい
った。柔らかい壁と、その間の固くなった小さなクリトリスに指が当たり、そ
れぞれを指で挟み込むと腰の律動と同調させてひねるように愛撫を加えて
ゆく。
「んんっ!・・・んっ、うん、んっ・・・んっ!」
 輝は塞がれた口で、声にならない、より大きな喘ぎを漏らした。
「んん!!・・・んんーんっ!」
 輝は横を向けて京介の口から逃れた。
「はぁっあはっ!・・・あっふあぁぁ!だ、ダメぇ・・・あぅっ!か、
感じすぎて・・・あっ!・・・壊れ・・・る・・・あぁっ!」
 だが、京介は指の動きも弛めず、腰の動きも速めてひねりを加え輝を更に
責め立てる。
「は・・・あっ!あぁっ・・・あ、あぅっ・・・ひあぁっ!」
 なんとか京介の動きについて来ようとしていた輝の腰の動きが痙攣したよ
うに震えた。それに続いて輝の意思とは無関係とも思えるほど腰が不規則
に動き京介が呻く。
「ぐっ、いくぞ・・・!」
「あっ!・・・はぁ・・・ぁ・・・」
 輝は絶頂の声も出せないほど急激に昇り詰めた。京介も輝の痙攣するよ
うな肉壁の動きに輝をきつく抱きしめると輝の膣内の一番奥に射精した。


「ふっ・・・はぁ」
「はぁ・・・ぁ・・・ぁぁ・・・」
 輝の身体はグッタリとなってベッドに落ちた。しかし、京介をくわえ込ん
だ肉壁はいまだに腸がぜん動運動をするようにペニスから体液を絞り
出そうと動き続けていた。その動きによる刺激に萎えかけた京介のペニ
スは活性を取り戻していた。そして輝の膣内で再び膨張を始めた。
「ふぇ?」
 京介は意地悪そうに笑うと輝の耳に口を寄せて軽く噛んだ。
「ひゃんっ!」
 京介を包む肉壁がキュンッと締まる。
「あ・・・ふぁ」
 輝の身体は今や全身が性感帯のようになっていた。京介のペニスは輝
の膣内で、すっかり元の大きさと硬さを取り戻している。京介は意地悪い
顔のまま腰を蠢かせた。
「ひゃぅっ・・・京介君ダメぇ・・・」
 声とは裏腹に、輝は敏感に反応し京介をヒクヒクと締め付けようとしていた。
京介は『ククッ』と喉を鳴らすと輝の耳元で囁いた。
「輝、もう一回やるぞ」
 輝は顔を真っ赤に染めると小さく頷いた。






「おはようございます」
「お、輝君おはよう。今日も可愛いねぇ」
「あの・・・その・・・あ、ありがとうございます・・・」
「ちっ、色ボケ所長が。朝から盛ってんじゃねーぞ」
 木村探偵事務所。その小さな事務所の所員はわずか3人。その事務所
の窓際に置かれ書類が積まれた机に柔和な笑みを浮かべた男、所長の
木村宗次が座っている。その前に置かれた二つの机の一つに機嫌の悪
そうな表情の京介が座っていた。
「コーヒーです」
「うん、ありがとう」
 宗次は輝の運んできた湯気の上がるコーヒーを受け取ると美味そうに
香りを嗅ぐ。
「京介君も」
「輝、お前今日大学はいいのかよ」
「うん、今日は午前中講義お休みだから」
 輝は京介と再会した次の日に輝は宗次から電話を受けていた。その電
話で京介が今探偵の手伝いをしている事を聞き、輝は宗次にアルバイト
させてもらえないかとお願いしていた。当然京介は猛烈に反対したが宗次
は二つ返事で輝を雇った。それから輝は大学の合間に京介たちの手伝い
のため事務所に顔を出していた。
 その時の電話で京介が輝の側から離れ荒れていたときに宗次に拾われ
探偵の手伝いを始めるようになったらしい事を聞いた。詳しいことは京介に
聞くといい、と宗次は言ったが京介は話そうとしなかった。輝もそれ以上は
聞こうとしなかった。
(きっと、京介君は僕のために居なくなったんだと思う・・・自惚れ過ぎかな?)
 そんなことを考えながら輝は微笑む。
「ちっ、輝お前いつまでここに来るつもりだよ。うざってぇ」
「ご、ごめん」
「京介、女性には常に優しくするようにと教えただろう。だからお前はバカ
なのだ。なあ輝君、このままうちに就職してくれたって僕は構わんよ」
「ふざけろ狸が。くそっ。こんなバカ所長にしてやられたかと思うと腹が立つ」
 どうやら宗次は京介と輝のことを調べたり京介と輝が再会した日に京介を
強引に休ませたりどこで調べたのか輝の携帯に連絡して京介の仕事のこと
や事務所の場所を教えたり、はてはアルバイトの事をそれとなく進めてみた
りと裏で色々動いていたらしい。京介はこんな所長を尊敬してはいるがそれ
以上に油断ならない相手だと認識し食ってかかるような態度をとっていた。
宗次もそんな京介のことを可愛がっているらしい。
 二人がいがみ合い・・・片方はニコニコしているが、そんな中輝がおずおず
と口を開いた。
「あの、僕はそのつもり・・・です」
 その言葉に二人は振り返った。
「なに!?輝お前ふざけんなよ!」
「おお、そうかそうか。この事務所も賑やかになる」
 京介が輝に詰め寄ろうとしたとき事務所のドアが鳴った。
「あ、はい。今出ます」
「輝てめえ!逃げんな!!」
「こら京介、お客様だ」
 がなり合う二人を背に輝は深呼吸をすると事務所のドアを開いた。
「はい、木村探偵事務所です」

                                         ―END―