事務所 | |
紗南 | 『手作りLIVEプロジェクト』……? プロデューサーさん、それってどんな企画なの? |
紗南に企画内容を説明した…… | |
紗南 | ふむふむ、つまりアイドルが自分たちの手で LIVEの準備をするって企画なんだね。 |
衣装にメイク、選曲や振り付けまで自分たちでやるんだね。 大変そう……プロデューサーさんはいつもこれやってるの? | |
そうだよ | |
紗南 | へー!さすがプロデューサーさんだねっ! あれ?そう考えると、この企画って プロデューサーのシミュレーションゲームみたいじゃない? |
紗南にぴったりの企画だね | |
紗南 | お〜〜〜っ!それすっごく面白そうじゃん! やるやる!あたしこの企画参加するよ! |
じゃあ仲間を探さないと | |
紗南 | 仲間?一緒にLIVEを作り上げていくメンバーのことだね! それならいい場所を知ってるよ! |
仲間探しと言えば……酒場!! | |
カフェテラス | |
紗南 | というわけで、酒場に到着っ!! |
カフェでは? | |
紗南 | まぁ、細かい事はいいじゃん? さーて、仲間になってくれそうなアイドルはいるかな〜? |
……むむっ! | |
珠美 | うう、にがいです……。 背伸びしてブラックコーヒーに挑戦してみましたが、 珠美には少々早かったようです……ミルクとお砂糖を〜! |
早耶 | うふっ♪ネコちゃんのラテアート、すっごく可愛い♪ い〜っぱい写真撮っちゃおうっと。 ぱしゃぱしゃ……あはっ☆ かーわいいっ♪ |
亜子 | あれ、家計簿が4円合わへん。 おっかしーな……レシート全部残してるはずなのに。 |
紗南 | ピィンときた!! |
亜子 早耶 珠美 | は? え? へ? |
亜子 | えーと、つまりアタシらも、 その『手作りLIVEプロジェクト』に参加しないかって話だよね? |
その通り | |
珠美 | そういう事なら是非、珠美もお仲間に加えてくださいっ! |
早耶 | 早耶も早耶もぉ♪ みんなとLIVEしたぁい☆ |
亜子 | アタシもいいよ!面白そうやし♪ |
紗南 | よーし、これで仲間が揃ったぞ! |
早耶 | でもー、どうして早耶たちを選んでくれたのぉ? |
紗南 | いい面構えをしてたから! それにパーティのバランスも良さそうだしね。 |
珠美 | パ、パーティー? お誕生日パーティーでも開くのですか? |
紗南 | パーティは仲間のことだよ。ゲームだとそう呼ぶの。 たまちゃんがサムライで、早耶さんが踊り子、 亜子ちゃんが商人って感じかな! |
珠美 | おお!珠美がサムライとは……光栄ですっ! |
早耶 | 早耶は踊り子なんだぁ。ぴったりかも〜♪ 可愛く踊っちゃうよ☆たららら〜ん♪ |
亜子 | 商人かー。ま、妥当だね。 紗南ちゃんは何の職業なん? |
紗南 | もちろんあたしは勇者だよ! そしてこのユニットのプロデューサーでもある。 勇者サナ、もしくは紗南Pと呼んでくれたまえっ! |
亜子 | ゆ、勇者でプロデューサーって……。 設定欲張りすぎやろ。なぁ、みんな? |
珠美 | 二足のわらじとは……やりますね、紗南ちゃん。 珠美、尊敬しますっ。 |
早耶 | 紗南P可愛い〜♪ 早耶たちのことぉ、い〜っぱいプロデュースしてねぇ☆ |
紗南 | 任せといてよ! SANA QUESTの始まりだーっ! |
早耶 珠美 | お〜っ! おーっ! |
亜子 | ……大丈夫やろか、このパーティ……。 |
事務所 | |
紗南 | まずはLIVEの衣装から決めよう! みんなはどんなのがいいと思う? |
珠美 | 衣装ですか……むむむ、悩みますねっ。 |
早耶 | はいはいは〜いっ。 えっとー、早耶はぁ、超豪華で可愛いのが良いでぇす♪ |
超豪華は難しいかな | |
亜子 | まぁ、予算も限られてるだろうしね。 ……ぶっちゃけおいくら万円なん? |
亜子に予算額を教えた…… | |
亜子 | ウッソやろ? |
紗南 | どうしたの、亜子ちゃん! ボス戦前に装備を買い過ぎて回復アイテムを 一個も買えなくなった、みたいな顔してるよっ!? |
亜子 | ゲ、ゲームの事はよく分からんけど大体合ってると思う……。 こりゃ考えて使わないとすぐにスカンピンやね。 |
早耶 | でもぉ、せっかくのLIVEなんだから可愛い衣装が着たいよぉ。 |
紗南 | お金をそんなに使わずにレア衣装を手に入れる方法かぁ。 こいつは高難度クエストだね。うーむ……。 |
美嘉 | お疲れーっ★ あれ?みんな集まって何してるの? |
紗南 | ……美嘉ちゃん倒したらドロップしないかな。 |
美嘉 | な、何の話? |
美嘉 | なるほどねー。安くて可愛い服を探してるんだ。 そういうコトなら、アタシに任せてよ★ |
紗南 | ここが美嘉ちゃんの言ってた服屋さんだな! |
珠美 | さすが美嘉殿のオススメです! 素敵な洋服がいっぱいありますよっ! |
亜子 | おっ、しかも結構お安い。 助かるな〜。カリスマギャル様様やね。 |
早耶 | あつ、このお洋服可愛い〜♪早耶これがいいなぁ〜。 ね、これにしよぉ? ねっ? ねっ? |
亜子 | うわ、たっか! わざわざそんな高いの選ばんでくださいよ〜。 却下です、却下。 |
早耶 | え〜? 亜子ちゃんのけちんぼ〜。 |
紗南 | うーん、どの装備がいいんだろ。 ……あれ? たまちゃんはどこ行った? |
珠美 | むぅ、かっこいいジャケットですねっ。 は、羽織ってみようかな。 しかし、これを珠美が……むむむ〜。 |
紗南 | 武器や防具は装備しないと意味がないっ! |
珠美 | わひゃっ!? さ、紗南ちゃん!? |
紗南 | おっ。そのジャケット、カッコイイね! たまちゃん、アイテム発見力高いな〜。 |
亜子 | ほんとや。値段も手頃だしええ感じ。 |
早耶 | 珠美ちゃん、やるぅ〜☆ |
珠美 | で、でも、こういう服はあまり着た事がないから少し不安で……。 こんなカッコイイの珠美に似合いますかね? |
紗南 | ふむー……ねぇ、みんな。 今回のLIVEは新しい自分に挑戦してみない? |
ゲームでもそうだけど、新しいステージに挑戦するのって ワクワクするじゃん? そういうLIVEにしてみたいな! | |
亜子 | 新しい自分か……! めっちゃプロデューサーっぽいよ、紗南ちゃん! |
早耶 | 早耶はぁ、いつもは可愛い早耶だから〜。 今回はカッコイイ早耶とかいいかもっ♪ |
紗南 | いいね、いいね! たまちゃんも挑戦してみようよ、新しい自分に! |
珠美 | そうですね……珠美ももう16歳ですから。 これを機にオトナなアイドルに挑戦ですっ! |
紗南 | その意気だよ、たまちゃん! |
珠美 | まずは牛乳とにぼしをたくさん食べますよ! おっきなオトナになるために! |
亜子 | き、気の長い話やね。…… |
事務所 | |
早耶 | 早耶のドキドキメイク教室始まるよぉ☆ はぁい、拍手♪ パチパチ〜☆ |
珠美 | ぱ、ぱちぱちぱちっ。 |
紗南 | うー、メイクかぁ……キャラメイクなら楽しいけど……。 |
早耶 | ふたりともテンション低いよぉ? 早耶がウィンクしてあげるから元気出してっ。えい☆ |
亜子 | ウ、ウィンクめっちゃ上手ですね、早耶さん……。 |
早耶 | うふっ♪ ありがとぉ、亜子ちゃん☆ |
紗南 | なんであたしたちまでメイク覚えなきゃいけないの〜? いつもみたいにメイクさんにお願いするのじゃだめー? |
亜子 | そんなお金はどこにもないでー。 できる事は自分たちでやらんとな。 でしょ? 紗南Pー? |
紗南 | うぐ、その名を出されると弱い……。 でもあたし、ゲームばっかでメイクした事ないよ? |
珠美 | 珠美もです〜! その、すっぴんでステージに立つというのは……? |
早耶 | そんな事言ったらダーメ。 紗南ちゃんも珠美ちゃんも女の子なんだから。 可愛くするのは大事だよぉ? |
簡単なメイクならすぐに覚えられるからぁ。 ねっ?早耶と一緒に頑張ろぉ♪ | |
紗南 | うん、わかった。ゲームでもスキル習得は大事だしね。 |
珠美 | はい……珠美も覚悟を決めましょう。いざ、メイクに挑戦っ! |
早耶 | うーん、人に何かを教えるのって難しいねぇ。 |
亜子 | そうですねぇ……あ、帰ってきたみたい。 紗南ちゃん、たまちゃん、メイク綺麗に落ちた? |
珠美 | は、はい……早耶さんに貸して頂いた 洗顔フォームで顔を洗ってきましたので。 |
紗南 | たまちゃんのメイク、ゲームのラスボスみたいだったよね。 ふふっ、思い出し笑いしちゃう。 |
珠美 | さ、紗南ちゃんも時代劇の悪役みたいだったじゃないですかっ。 |
紗南 | だねー。もはやバグだよ、あれは。 やっぱメイクは難しいなぁ。簡単にはクリアできないや。 |
亜子 | 最初はそんなもんやって。 ……あそこまでスサマジイのはレアかもやけど。 うーん、何が原因なんだろ。 |
早耶 | えっとぉ、もしかしてー。 紗南ちゃんと珠美ちゃん、メイクするのが ちょっぴり恥ずかしかったりするぅ? |
紗南 | ぎくっ! |
珠美 | そ、それはその〜……。 |
紗南 | しょ、正直言うとさ…… 誰かにやってもらうのはいいんだけど 自分でメイクするのって照れくさいんだよ……。 |
珠美 | 実は珠美も……。 かっ、可愛くなれるのは嬉しいのですが、 同時に恥ずかしくもあり……うぅ。 |
亜子 | あー……なんとなく分かるかも、その感じ。 アタシもメイク始めた時はそんなんやったなぁ。 |
早耶 | ふふっ……紗南ちゃん、珠美ちゃん。 女の子が可愛くなりたいって思うのは、 ちっとも恥ずかしい事じゃないよぉ♪ |
早耶もねぇ、ずっと昔から可愛くなりたいって思っててぇ。 ちっちゃい頃から可愛く喋ったりぃ、 アクセを手作りしたりぃ、メイクの勉強してたのー。 | |
必死すぎーってイジワル言われちゃう事もあったよぉ? でもね、早耶は可愛い早耶が好き♪ みんなが早耶を好きになってくれるアイドルがだぁい好き☆ | |
だから遠慮なんかしないで、い〜っぱい可愛くなっちゃお? 早耶たちー、アイドルなんだからぁ♪ | |
珠美 | さ、早耶さ〜ん……! |
紗南 | そっか……恥ずかしい事じゃないんだよね。 |
珠美 | 紗南ちゃん! とびきりオトナなメイクでちびっこの汚名を返上しましょう! |
紗南 | うん!メイクスキルをゲットだ! ヒア・カムズ・ア・ニューチャレンジャー! |
亜子 | ええこと言いますね。 ちょっぴりジーンときましたよ、早耶さん。 |
早耶 | えへっ♪ 早耶、みんなの中で一番お姉さんだもぉん☆ |
事務所 | |
亜子 | 経費を無駄遣いしすぎやーっ! |
早耶 珠美 | しゅ〜ん……。 |
しゅーん……。 | |
亜子 | まずは早耶さん!化粧品買いすぎ! |
早耶 | え〜? LIVEでどんなメイクするかの研究だもぉん。 必要経費だよぉ。 |
亜子 | だからってあの量は多すぎでしょ! なんですか、マスカラが10本て。 早耶さん知ってます? 人間の目って2個しかないんですよ? |
早耶 | だってぇ、色々試してみたかったんだもぉん♪ |
亜子 | プチプラなのが不幸中の幸いですね……。 化粧品は立派な経費ですけど、もうちょい考えてください。 |
早耶 | はぁい。ごめんねぇ〜。 |
亜子 | 次、たまちゃん! なんで牛乳とにぼし、大人買いしてんねん!? |
珠美 | あ、あれはですね。 LIVEに向けて少しでも大きくなろうと……。 |
亜子 | 涙ぐましい努力やな……。 今回はおやつ代に入れておくけど、もうやったらアカンよ? |
珠美 | うう、すみませぬ〜……。 |
紗南 | まったくしょうがになぁ、ふたりとも。 ところで商人の亜子ちゃんに相談があるんだけど〜。 |
亜子 | どしたん、勇者サナ。改まって。 |
紗南 | 実は最近、プロデューサーの勉強するために、 スマホのアイドルゲームやってるんだよね。 これがLIVEの演出の参考になるんだ〜。 |
亜子 | ほーん、偉いやん。それで? |
紗南 | 経費で課金してもいいかな! |
亜子 | アカンに決まってるやろっ! |
廊下 | |
紗南 | よーし、レッスンクリアー! ててててってってー。サナはレベルが上がった! |
ん? 事務所の方から声がするぞ。この声は……。 | |
さくら | ねぇねぇ、アコちゃん! 紗南ちゃんたちとのユニットはどう?楽しいっ? |
泉 | 確か『手作りLIVEプロジェクト』だっけ。 |
亜子 | まー大変やで。あのユニット。 |
紗南 | ……! |
亜子 | みんな自由すぎて困るわ。 紗南ちゃんなんて経費でアイドルゲームに課金させろー、 とか言い出すし。 |
泉 | それはさすがにダメかもね……。 |
亜子 | でもな、LIVE演出の勉強なんやって。 ちょっとくらい、いいかなーとも思ったんだけど。 |
紗南ちゃんなりに頑張ってるんだから、応援はしたいんだ。 でも、お金余裕ないしなぁ。 課金、課金かぁ。うーん、一回くらいならええんかな……。 | |
あ、そうそう。衣装探しの時も大変やってん! たまちゃんと早耶さんがなー? | |
さくら | ふふっ♪ なんだかアコちゃん、すごく楽しそうっ! |
泉 | そうだね。さっきからつけてる帳簿もあの企画のなんでしょ? |
亜子 | あー……あはは。まぁね。 ほら、帳簿つけておけばもうちょい節約できるかもしれんやん? |
それにお金があれば、できる事が増えて、 みんなとのLIVEがもっとよくなるかもやし。 アタシなりにユニットに貢献できたらってさ。 | |
泉 | ふふっ、さすが亜子だね。 ……今回のユニット、大事にしてるんだね。 ちょっとジェラシー? |
亜子 | いずみっ。べ、別に入れ込んでるわけじゃないよ? お仕事やから頑張ろーってだけやし。 |
さくら | アコちゃあん!ニューウェーブの事も忘れないでぇ! |
亜子 | わ、分かってるて! 分かってるから抱き着かんでよ、さくら! |
紗南 | 亜子ちゃーん!! |
亜子 | さ、紗南ちゃん?どうしたん、そんな血相変えて……。 |
紗南 | 亜子ちゃんがそこまでユニットの事を考えてくれてたなんて! それなのにあたしったら課金なんて……。 ごめんよ、亜子ちゃん〜〜〜! |
亜子 | だーっ!なんで紗南ちゃんまで抱き着いてっ!? たっ、助けてよ、いずみ〜! |
泉 | 亜子、人気者だね。 |
さくら 紗南 | アコちゃ〜〜〜ん!! |
亜子ちゃ〜〜〜ん!! | |
亜子 | はーーなーーしーーーてーーー!! |
事務所 | |
紗南たちは手作りLIVEの準備に励んでいる…… | |
順調みたいだね | |
紗南 | へへっ、まぁね! あたしたちが力を合わせたら、これくらいイージーモードだよ! |
亜子 | こほん。えー、LIVEの準備も大詰めですが、 ここでみんなにお知らせしたい事があります。 |
早耶 | どうしたのぉ、亜子ちゃん。また経費のお話〜? |
紗南 | たまちゃん、またにぼし買ったの? |
珠美 | 失敬な! そんな事してませんっ。 ぎゅ、牛乳は家で飲んでますけど……。 |
亜子 | 確かにお金の話ではありますが、前回とは違います。 今回はむしろ……その逆です! |
みんなが節約してくれたおかげで、自由に使えるお金ができましたー! | |
紗南 | おおー!すごいすごい!さすが亜子ちゃんっ! |
亜子 | へへっ。大きな額ではないけどね。 でも、LIVEのためにもう一工夫くらいはできると思うで! |
珠美 | もう一工夫ですか。うーむ、悩みますね。 でも、嬉しい悩みです!なにをしましょうかっ! |
早耶 | 早耶は紗南ちゃんの意見が聞きたいなぁ。 だってぇ、紗南ちゃんは紗南Pだし☆ |
紗南P、 アイディアはある? | |
紗南 | うーん…………あっ! 装備をエンチャントするのはどうかな! |
珠美 | えんちゃんと? |
紗南 | 衣装をアレンジしようって事! RPGの装備みたいに宝石を埋め込んだり、紐通したりしてさ。 そしたらもっとカッコよくなるんじゃないか! |
亜子 | 衣装のアレンジか……それええな! 材料のビーズとかボタンはそう高くないしっ。 |
早耶 | はいは〜い☆ そういう事ならぁ、アクセサリーも作りたいでぇす♪ 早耶、アクセサリー作るの得意だもぉん☆ |
珠美 | アクセサリー!素敵ですねっ! 珠美、なんでも手伝いますよ!いざ、えんちゃんと! |
紗南 | よーしっ!面白くなってきた!^~みんなで力を合わせて、最強装備をつくるぞー! |
亜子 早耶 珠美 | オー! |
お〜! | |
おー! | |
数時間後 | |
紗南 | で……できたーーーっ! |
やったぞ、プロデューサーさん!ついに最強装備の完成だ! ほら、ハイタッチ! | |
タッチ! | |
紗南 | これで準備万端だ! ラスボス……LIVE本番まで一気にいくぞ! 見ててよね、プロデューサーさん! |
紗南 | ミッションコンプリート! あたしたちって最強パーティだね! よーしっ。このままゲームクリアだーっ! |
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