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No.737　プースカフェ　

｢ドリー・マー｣

　バコハジメ／小学館／2015年

　2〜4巻。1巻の表紙の左上にも描かれている。

　擬態している状態は金髪で巨乳の黒いドレスを着た女性*1。頭に羊の角のようなものがついている。
　本来の姿は原形をとどめない真っ黒なロボットで、上の画像はまだ右腕だけは擬態途中の状態である。

表紙絵。

本来の姿。

　本作は主人公のマサラ・マサトとヒロインのドリー*2が、地球上の人々を眠らせて死の世界に変えた『羊』と戦う話。

　プースカフェは本作のラスボスで『羊』の代表。本来『羊』は宇宙人が地球人を自分たちの星に移動する為に、人々を眠らせ長期になる旅の精神を安定させるためのロボットとして作られた無害な存在だったが、代表のプースカフェが狂っていたので世界は彼女にただ眠らされていた。

　故障しているために精神に異常をきたしており、人間を悪と断じて人類は眠って夢を見続けていた方が幸せだと主張し、邪魔する者は平気で殺害していた。
　またマサトに好意を抱いていたが性格が歪んでいるゆえか、自身の言いなりにしようと亡くなった彼の母親の姿をしたり、心を折ろうと煽りによる精神攻撃を仕掛けたり、また抵抗する彼にしびれを切らして殺害しようとした。

煽り。笑顔が素敵。

　
　しかしマサトの攻撃で左腕を吹き飛ばされたりなどと徐々に損傷していき、ドリーの父親*3に銃撃されて大ダメージを負う。
　さらにこの時に『羊』のコントロールが弱まったことをマサトに利用され、『羊』達の活動を停止されて地球上の人々が元の場所に戻ってしまう。

　それでも諦めずに彼女は群馬県の街に潜み、周囲の人々を利用して元の力を取り戻そうとしたが失敗。最後はマサトをおびき出して、彼だけでも自身の言いなりにしようとして永遠に幸せな夢を見させようとするが、マサトの決死の特攻で胸を鉄骨に貫かれるという致命傷を受ける。
　
　ボロボロになった彼女はマサトに「どうして夢じゃダメなの？」と尋ねるが、彼の「命を懸けて僕を守ってくれた人の優しさを忘れたくないから」という答えを聞くと、笑顔で彼に愛を呟き消滅した。

　非常に損傷シーンが多い。また数コマを除けばほぼ人間体な上、最後も人間体のまま爆発→消滅するのも素晴らしい。
　ただ最後の最後に改心することだけは注意されたい。


　因みに原作者によれば、最初は彼女を出す予定はなかったらしい。