『タイタニア』は、「タイタニア」と呼ばれる宇宙を支配する一族
*1の興亡を描いた田中芳樹の長編スペースオペラ小説。2005年には「TYTANIA」のタイトルでアニメ化もされている(ストーリーの大幅改変によりテオドーラは未登場)。
テオドーラはタイタニア一門に属する伯爵家の令嬢(但し庶子)。
当主が急死したことにより勃発した跡目相続争いで有利な取り計らいを望んでジュスラン・タイタニア公爵
*2に接近しようとした。だが、よい返事をもらえなかったため彼の政敵であるイドリス・タイタニア公爵に接近
*3、愛人となることで念願の伯爵夫人の称号を手に入れる。
この成功で彼女の野心はタガが外れたかのように肥大化、更なる上を目指して様々な謀略を企てる一方、一族の長である藩王アジュマーン
*4とも関係を持ち一族内での影響力を急速に拡大させていった。
いつしか彼女はジュスランや愛人であったイドリスすらも始末し、次期藩王の地位を得ることを企てるようにまでなったが、折りしも勃発してしまったタイタニア一族内の内紛が彼女に破滅をもたらすことになった
*5。
内乱終盤、全ての陰謀の黒幕であった藩王アジュマーンを倒すべく藩王府に潜入してきたジュスランを自らの手で抹殺することを企んだテオドーラであったが、ジュスランを慕って後を追ってきた彼の侍女
*6と遭遇、彼女と交戦している間に後ろ盾である藩王アジュマーンがジュスランの手で倒されてしまう。
アジュマーンの死に連動し、藩王府内に仕掛けられた自爆装置が作動したことに気がついたテオドーラはいち早く逃げようとする。だがその途上、侍女に助けられながら脱出を図るジュスランの姿
*7を目撃してしまい、自分の野心を台無しにされた怒りを爆発させた彼女は、背後からジュスランを射殺しようとするが失敗。侍女から放たれた反撃の銃撃を辛うじてよけたものの、その瞬間、自爆装置が作動、タイタニア史上初の女藩王になるという彼女の壮大な野心は、頭上に落下してきた紅蓮の炎の塊と化したシャンデリアにより、肉体もろとも炎の中に消えることとなったのである。