『鳳神ヤツルギ』は千葉県木更津市の平和を守るご当地ヒーロー番組である。主人公・大和タケルは八剱神社に座す八幡様の力を借りて伝説のヒーロー・鳳神ヤツルギに変身し、今日も悪の軍団と戦うのだ。
第四期の敵組織は恐怪帝国という連中である。彼らは記紀神話の時代に悪逆非道の限りを尽くしたため、正義の神々によって木更津沖の海に封印されていた。だが人間たちが工業開発や埋め立てをしたために封印が綻び、復活してしまった。彼らは人間が持つ悪の心を利用して恐怪獣という怪人を生み出し、地上を支配しようと企んでいるのだ。
本稿で扱う敵女フィアーラビットは、そうして生み出された恐怪獣のうちの一体である。
人間の悪心『怠惰』から生み出された
*1彼女は、人間たちの怠け心を増幅する『タイキング光線』を放つことが出来る。その効果は覿面で、正義のヒーロー・ヤツルギやその仲間ガイオンですらも怠け心に支配されてまともに動けなくなってしまう。フィアーラビットは大量のハチ戦闘員を呼び出し、弱体化したヤツルギとガイオンをリンチし始める。
ところがそこに、ヤツルギの妹・天神キサラが到着する。キサラは専用武器の天翔扇をかざして強風を発生させ、ハチ戦闘員たちを一撃で粉砕。フィアーラビットはタイキング光線を放つが、キサラには全く効果がない。
「馬鹿な、こいつには休みたいという心がないのか!?」と恐怖する彼女に対して、キサラは「こっちには休んでる暇なんてないの。家事に休みはないのよ」と答えになってない答えを返す。
その後、フィアーラビットとキサラの一騎討ちが始まる。格闘能力は全くの互角でしばらく拮抗が続くが、彼女はそれまでタイキング光線を放つのに使っていたニンジン型ステッキを爆弾として投げつける。これがキサラに直撃し、フィアーラビットはそれ以降段々と優勢になる。彼女はこれ幸いと更に複数のニンジン爆弾を投げつける。ところが4個目を投げた時点で、キサラはこれをキャッチして投げ返すことに成功。胸にニンジン爆弾をくらった彼女は「あ、熱いぃぃ……!」と悶え苦しむ。するとそこからはBGMが変わって
*2フィアーラビットは一転苦境に立たされる。彼女は攻撃を受けるたびに「ひうっ、うぁっ、ふぁぁ……」と怯えた声を上げて防戦一方に陥る。
するとキサラはさらに、新しい専用武器・天翔剣
*3を取り出して、必殺技『天翔剣・愛の字斬り』を放つ。これを受けてしまったフィアーラビットは「皇帝陛下ぁぁーーー!!」との叫びを残して爆発したのであった。