「ドラゴンもまたいで通る」「大魔王の便所のフタ」などの異名を持つロクデナシ魔法少女・リナ=インバースの、世界の存亡をかけた魔族との戦いを描いた大人気ライトノベル『スレイヤーズ』…の前日譚を描いていたら、いつの間にか本編より長くなってしまったという逸話を持つ短編集『スレイヤーズすぺしゃる』に登場。本編とは違って「歩く公然猥褻」白蛇のナーガ
*1を始めとしたオバカなキャラが縦横無尽に駆け回るドタバタギャグとなっている。
さて、この12巻収録の別の話で、依頼人(ファミールちゃんという少女)の命を受けてリリアン編みの第一人者(なんじゃそら)のディラックじいさんを悪人の手から救出したリナは、しばらく当てもなく旅をしていたわけだが、偶然またこの二人と知り合って一緒に食事をしていた。
そこに突然現れたのが、このメルディナーサである。メルディナーサはディラックとファミールに対し因縁の有るようなセリフをほのめかすが、普段からナーガという露出バカを見慣れているリナは「あんたなんかと知り合いになるくらいならここで飯食ってた方が
50万倍マシ」と一蹴する。それにキレたメルディナーサは激昂するも、リナの口車にはまってあっさり退場
*2。
ディラックの話によれば、彼女は現代ファッション業界を裏から操る組織『グランシード手芸
同好会』の三大幹部の一人で、革製品を操る能力を持つとのこと。ディラックは元々同好会の重鎮だったが、経営方針に不信感を抱き脱走。シャバでまっとうなリリアン編み職人として市場に出た。その結果、裏切り者であるディラックを消すために同好会が刺客を送りつけてきたのだという。
その晩、ついに自分との戦いに来なかったリナに堪忍袋の緒が切れたメルディナーサは店に怒鳴り込むが、その姿を見た瞬間三人は
大爆笑。「何がおかしい!」とキレるメルディナーサだったが、そこでリナはディラックが漏らしたメルディナーサの秘密を語る。
それは、メルディナーサがこんなナリなのに
既婚者かつ2児の母(!!)で、なおかつ夫からは「メルちゃん❤」と呼ばれていることであった。
こんなナリなのに。
腹抱えて笑い続ける一向に(いろんな意味で)怒髪天を抜いた彼女は鞭を操ってファミールを捕え、彼女を人質にディラックを本部へと連行しようとする。
しかしディラックは「リリアン編みの奥義」なるわけのわからない秘術で糸の竜を錬成。メルディナーサを縛り上げて拘束する。そして、竜は近くにあったアルコールランプに自らの尾を触れさせる。抗議のヒマもなく紅蓮の炎は瞬時に白龍を火達磨にし、全てが終わった後、程よく焦げたメルディナーサは床へと倒れ伏すのだった。