ライトノベル
天城ケイ(原作)・ニノモトニノ(イラスト)/KADOKAWA/2016年
マンガ
加藤よし江(漫画)・天城ケイ(原作)・ニノモトニノ(キャラクター原案)/集英社/2021年
マンガ
登場話が収録されたコミックスが2021年8月時点で発売されていないため、後日加筆予定。
外見
肌は緑色で眼球は澱んだ黄色。側頭部に生えた食虫花から毒の刺激臭が漂ってくる。豊満なプロポーションを包むのは植物の葉で覆われたドレス……美人と呼べるのかもしれないが、受ける印象は不気味の一つ(原文ママ)。
概要
原作は富士見ファンタジア文庫の新人賞にて大賞を受賞し、2019年にはアニメ化もされたファンタジー小説。
彼女は主人公と敵対する組織に所属する人造ランカンスロープ(元人間の化け物)の一人であり、二人の仲間たちと共にヒロインの通う学園に襲撃をかけてくる。
アルラウネであるラケルディは、自身の分裂体を多数放つことで学園を窮地に陥れるものの、突如現れた主人公側の援軍によって押し返され、逆に追い詰められてしまう。
瀕死の彼女は這いずるように学園から逃走しようとしたものの、その本体を学園の生徒に発見され、脳天を一刀両断されてしまう。彼女は呆然と記事冒頭のセリフを漏らしたのち、その身体を黒土に変えて消滅(絶命)するのだった。
見どころなど
彼女の最大の特徴はなんといっても、「あらゆる媒体でイラスト化を拒絶され続けた、悲劇の敵女である」という点だろう。
まず2016年に発売されたライトノベルには、彼女の容姿は挿絵として描かれていない(1回目の絶望)。が、一般読者からすればモブ敵女である彼女のビジュアルなどどうでもいいことだろうし、これ自体はさして珍しい現象でもない(例えば聖剣学院の魔剣使いのシャルナークなども、ライトノベル版ではイラストがない)。問題はテレビアニメである。
ラケルディが登場するのは3巻、そして一般的に1クールのライトノベル原作のアニメは、書籍の3〜4巻ほどを消化するというパターンが多いので、当然のように彼女の出番も拝めるものと期待されていた。
だが、なぜかテレビアニメ版は『1〜2巻の内容を消化した後に5巻に飛ぶ』という時系列シャッフルを行ってしまう。当然のようにラケルディの出番もすっ飛ばされてしまった(2回目の絶望)。
そして更によく分からないことに、アニメは5巻を消化した後、何故か3巻の内容に戻ってくるのである。しかし、1→2→5→3と原作とは異なる流れで本編を進めた影響により、詳細は省略するものの「VSラケルディ戦がこの時系列で発生するのはおかしい」という展開上の矛盾が発生してしまい、やはりラケルディの存在だけが敢えなくカットされてしまう(3回目の絶望)。
ちなみに彼女の仲間である人造ランカンスロープ(すぐ死ぬ噛ませ犬のおっさんキャラ)などはちゃんとアニメにも登場している。
こうして、もはやわれわれ敵女愛好家への嫌がらせとしか思えない改変により(実際はそんなわけないのだが)、上げて下げて上げてまた下げるという感じで、ラケルディの美しい肢体や肉声をアニメーションで拝む機会は永遠に失われてしまうのであった。
……なお、そんな彼女の妖艶な美貌が、遂に今月発売の漫画版にて描かれた。気になった方は、ぜひ2021年9月号のウルトラジャンプをチェックしてみてほしい。そして個人的に、コミカライズ担当の方に心からの感謝を捧げたい。
| やられシーンなどの画像(あれば)|
コミックス発売後に追加します。