主人公しゃがらの戦いを描いた作品。主人公は羅刹と人間の混血であるが、幼い頃に母親を殺され、体を八つ裂きにされ魔物と体を入れ替えられてしまっている。そして、自分自身の体を取り戻すため、ヒロインで人間に化けた羅刹を見破る能力がある久世ちさとと共に羅刹と壮絶な戦いを繰り広げていく。1990年代前半に連載された作品であるが、残念ながら作者の体調不良のため、連載中止となってしまっている。
本作品では、主人公たちが住む町にはすでに多くの羅刹(要は人食い鬼)が人間に化けて潜んでいることが分かっているが、本記事で紹介するのはそのような羅刹の1人である。彼女は、物語の序盤で
夜叉姫によって食い殺された、ヒロインちさとの友人祥子に成り代わっていた。そして、しばしば道行く男を誘惑し暗がりに誘い込んでは捕食していた。
作中では、しゃがらと買い物に出かけていたちさとの声をかける。そして、ちさとが祥子の死を知っており、羅刹を見抜く能力を持つにもかかわらず、平然と友人としてふるまい去っていく
*1。その様子をいて、ちさとは「どうしてぬけぬけとあんな芝居が出来るのか」と悲しみを露にする。
その後、彼女はしゃがらに声をかける
*2。そして、スカートをめくり下着を露出させると、彼を誘惑し食い殺そうとする。しかし、直後に男の正体がしゃがらだったことに気がつき怯えた表情を見せる。
しゃがらは、彼女の胸倉をつかむと、「このことをちさとが知ったら悲しむので、おとなしく「祥子」になりきっていろ」、と彼女を脅す。偽祥子は恐怖のあまり失禁し、腰を抜かす。そして、しゃがらは去っていきこのエピソードは終了する。