No762　小悪魔（インプ）

｢ANGEL:STRIKE｣

　｢ANGEL:STRIKE - Pure limit｣ 祭野薙刀／司書房／2006年
※　その他、著者の短編集「ANGEL:STRIKE」「珠華茶房へいらっしゃい」「蜜姦・性活」にもバラバラに収録されており、このキャラクターが出てくる話は｢ANGEL:STRIKE｣(2000年)にも収録。

　全1巻「2nd　Attack」に登場。

　黒髪爆乳の女性。本性は芋虫と人間が混ざったような怪物。

　大学生・倉吉友也と天使カティエルの恋模様を描いたエロマンガ。天使カティエルは昇級のため2000の善行を積むことになり、主人公・倉吉友也の元に訪れ同居生活を始める・・・。という物語。

　本作は、基本的にはラブコメであるが、物語の序盤に敵女*1として小悪魔（インプ）が登場する。彼女は男性の精を吸収する下等な悪魔であり、人間に化けるほか記憶を消す能力を持っている。

　作中では、男性を物色するため街中を徘徊していたが、主人公が食べ物を買うために買い物に出かけているのを目撃する。実はこのとき主人公は天使であるカティエルと交わったため「精気が上等」になっていた。彼女はそこに目をつけ、主人公を強引に路地裏に連れ込む。

　そして、主人公と激しくセックスし、最終的に主人公はあまりの快楽に失神してしまう。彼女は醜悪な正体を現し、さらに精気を吸収し尽くそうとする。

　しかし、そこに主人公のことを心配したカティエルが現れる。小悪魔は驚愕するが、次の瞬間には頭を吹き飛ばされて死亡した。
　　　　　　　

　いかんせん、本性が醜悪すぎるというのが難点。が、ハニートラップからあっさり殺害されるところが、哀れみを誘うキャラクター。　　　　　

　知也（主人公）とすれ違うページの１コマ目と、その前の4ページ分は、単行本収録時に加筆されたものである。
　この話が雑誌に掲載されたのはコミック MEN'Sドルフィン(2000年04月号)Vol.8 だが、そのときは通りすがりの男性を物色し記憶を消すシーン（女性の正体を示す伏線）がなかった。
　そのため、初見では読者にとっても「偶然すれ違った謎の爆乳美女に誘惑される」という主人公に強く感情移入できる描写だったので、少々勿体ない加筆の仕方である。

　後に作者自らこの女性のイラストをSkeb依頼で執筆しており、その際に（後付けではあるが）新たに設定を起こしている。
　作者によると、この女性は実は死んではおらず、知也の上質な精気を大量に吸っていたおかげで一命を取り止め復活することができたという。
　復活後はショタばかりを物色するショタコンになってしまったようである*2*3。

妖狐（桃色討魔伝――よりみちゅとゆかいな仲間たち）：同じようにセックスシーン後に倒された敵女。