No.862　少女に取りついたイル　

｢MARCH STORY｣　

　作：金亨敏・画：梁慶一／2008〜2013年／小学館

　第1話に登場。

　ロングスカート姿の少女。殺人を行った直後なので血まみれで、頭には角が生えている。

　イルと呼ばれる悪魔のような存在を狩るマーチを主人公とした伝奇アクションマンガ。イルは、精緻に細工された小物に宿る付喪神のような存在であるが、それを身に着けた人間を操って殺戮行為を行わせ、最終的には体を奪うという特徴を持つ*1。主人公のマーチは、そのイルを退治するシステ・ビハードと呼ばれる存在である。ちなみに、一見男性に見えるが実は女性であり、その体内は”イルを捕食するイル”を宿している。

　本記事で紹介するのは、第1話の冒頭に登場する少女に取りついたイル。彼女は物語が始まった直後に家族らしき人たちを殺害し、血まみれになっている姿で登場する。その後、主人公が登場し場面が切り替わると、彼女は主人公マーチがあやつる黒いイバラのようなものに両手を拘束されている*2。

　その後、少女は主人公マーチも自分と同じイルであることに驚く。するとマーチは、彼女の角がすでに赤く染まっている（＝人を殺している）ため、取りつかれた少女はすでに絶命していることを看破する。

　少女は必死に命乞いをするが、聞き入れられるはずもなくマーチによってトドメを刺されて死亡した*3。

　いわゆる物語の冒頭で退治されるザコキャラクター。登場時には不気味でエロティックな雰囲気を漂わせていたにもかかわらず、あっさりと拘束されトドメを刺されるところが哀れである。

ジャンジャギ（MARCH STORY）
異民族の傭兵の少女（アカメが斬る！）：出落ち気味に吊るされている状況から命乞いというシチュエーションが似ている。