江戸時代初期を舞台に、里見家に仕える八犬士と、服部半蔵率いる服部組くノ一八人衆との忍術合戦を描いた作品。滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』
*1をモチーフにした作品で、原典の子孫たちである若き八犬士たちが、伊賀忍者に奪われた里見家の家宝である8つの<伏姫の珠>を奪い返すために戦う
*2。
本作は、敵味方双方が8人の忍者からなっており、バトルロイヤル形式で物語が進んでいく。そして、伊賀忍者側は、ザコ忍者と頭領の服部半蔵を除くと、全員がくノ一からなっている。
ちなみに、序盤の物語は以下の通り、
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- くノ一たちが女芸人に化けて、当主をたぶらかし(全員の全裸が見られます)、里見家の家宝を奪い取る。
- 八犬士たち(本作の主人公たちの父親たち)がくノ一たちを追跡するも逃走を許し、全員責任を取って自害。
- 後を継いだ八犬士の一人・犬村角太郎が仲間を集めようとするが、犬田小文吾以外の全員に断られる。
- 犬田小文吾が単身服部屋敷に乗り込み、里見 対 服部の忍者対決を煽る。小文吾はくノ一たちに殺害されるが、これにより服部忍群と、残りの八犬士たちは戦わざるを得なくなる*3。
- 以後、八犬士とくノ一たちの戦いが始まっていく。
左母と吹雪は、2巻の終盤で倒されるくノ一。左母はこん棒、吹雪は小刀を使用している。作中では、序盤の作戦に参加した他、主人公たちが逃げ込んだ西田屋という女郎屋の探索を担当したり、本作のヒロインである村雨姫の捕縛に関与するなどの活躍を見せている。
物語の終盤、八犬士最強の戦士である、犬江親兵衛が服部屋敷に乗り込んでくる。彼は、屋敷の警護のものたちを切り殺すと、服部半蔵に1対1の対決を挑む。だが、この時左母と吹雪は戦いに参加することをもくろんでいた。
戦いは犬江親兵衛が、少しだけ有利に進める。親兵衛は半蔵がバランスを崩した隙をついて、渾身の一撃を加えようとするが、そこで2人が邪魔に入る。
まず、椿が半蔵と親兵衛の間に割って入り、親兵衛の攻撃から半蔵を守ろうと、刀による攻撃をこん棒で受け止める。ところが、親兵衛の攻撃の威力は予想以上だったらしく、左母はこん棒ごと一刀両断されて死亡する。
しかし、その隙をついて、吹雪が背後から親兵衛を攻撃する。吹雪の攻撃は親兵衛の両肩を串刺しにするが、親兵衛は意に介せず吹雪の首をはねる。こうして2人とも死亡した。なお、その直後、親兵衛は半蔵によって斬殺される。