現世と霊界を結ぶ「歪みの祠」から現れ人々に危害を加える邪霊と、邪霊を封じる一族「婆娑羅」。しかし婆娑羅には人間側に立つ「紅(あか)の婆娑羅」と、邪霊の側に立つ「蒼の婆娑羅」がいた。邪霊、そしてそれを操る蒼の婆娑羅は人間界への攻撃を強めてゆく。彼らと戦う異能の高校生、如月一矢・坂上小梅らの物語。
(2巻)一矢・小梅の通う高校に、二人の教育実習生・犬丸麟太郎と美月涼子が赴任する。
(3巻)しかし美月は、実は蒼の婆娑羅・霊牙だった。彼女は小梅の親友・杏子を餌に小梅をおびき出す。小梅の危機を察した一矢と麟太郎は深夜の高校に駆けつけ、立ちふさがる霊牙と刃を交える。優位に戦う霊牙だが、小梅の機転によって一矢に浮遊霊が憑依(ダブルソウル)、霊牙は力を増した一矢に重傷を負わされる。しかし霊牙は隙を見て逃走、杏子を人質に停戦を強い、小梅の身柄を要求する。蒼の婆娑羅らの目的は、霊の力を豊かに持つ小梅を、歪みの祠にすることだったのだ。
そんな膠着した状況に、強力な蒼の婆娑羅・祠導師が出現。彼は小梅の秘められた能力を見抜き、小梅の代わりに杏子を歪みの祠にしようとする。突然の方針変更にとまどう霊牙に、杏子を救わんと一矢が突撃、霊牙の腕を切断。しかし杏子救出はならず、杏子は五体を分断され祠導師の杖に組み込まれてしまう。杏子を得た祠導師は、重傷に呻く霊牙と共に虚空へ消えるのだった。
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腕を切断される。 |
(7巻)蒼の婆娑羅の目的は、平安時代に滅んだ「黒御前」を復活させ人間の世界を破滅に導くことであった。彼らは東京都庁を巨大な歪みの祠とし、黒御前の復活を企てる。一矢・小梅らはそれを阻止しようと、そして祠導師に奪われたままの杏子を救出しようと突入するが、小梅は霊牙らの罠に捕らえられ、一矢らは蒼の婆娑羅の足止めを受け、分断される。
小梅は危機に陥るが、間一髪のところで一矢が乱入。小梅は一矢をダブルソウル化、霊牙は一矢に立ち向かうが、強化された一矢の敵ではなく、脳天から腰へと一刀のもとに両断され、即死した。