女ザコ・敵女・悪女情報wiki - 姫暴魔ジャーミン (高速戦隊ターボレンジャー)
貴様らを倒すまでは……死なん!!

キャラクター名

No.830 姫暴魔ジャーミン

登場作品基本情報

「高速戦隊ターボレンジャー」

特撮

 東映/1989-90

登場シーン詳細情報

第1〜29話(特に活躍する回は8・13・19・27話、死亡回は29話)

外見

 切れ長の目を際立たせる赤いアイライン。青白い蛇のような皮膚に映える黒のハイレグビキニとロングブーツ。ソバージュに爬虫類の頭部を思わせる髪飾り。宝石がちりばめられた黄金の首飾りとベルト。露出度は低いものの抜群のスタイルを強調するセクシーな衣装となっている。
 武器は鞭であり、「姫」というよりは女王という呼び名の方が似つかわしい。サディスティックな美女で残忍な性格*1であるが、美貌を利用した作戦は一度もない。お年頃の高校生であるターボレンジャーの男性陣が全く反応しないのが不思議である。

演者

岸加奈子

概要

 『高速戦隊ターボレンジャー』はスーパー戦隊シリーズの第13作目である。二万年の時を超えて封印を解かれた暴魔百族と、選ばれし5人の高校生ターボレンジャーとの戦いを描く。

 姫暴魔ジャーミンは暴魔百族の三大幹部の一人にして紅一点。愛情を憎み人の情を利用する作戦が得意。執拗に愛を否定する発言と行為から他幹部に過去に何かあっただろうと指摘されているが、最後まで何も明かされなかったのが惜しまれる*2
 鞭や火焔光線を得意技とし、戦闘能力は並の暴魔を大きく上回る。しかし退場回の29話では冒頭で暴魔大帝ラゴーンから相当のダメージを受け、進退窮まっての力押し一手であったためか、実力を発揮できず目立った戦果をあげることなく斃されている。
 なお、彼女はスーパー戦隊史上初のレッド以外のメンバーに倒された幹部であり、なおかつ唯一鈍器で撲殺された幹部でもあることも特筆に値しよう。

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戦況

 幹部・暗闇暴魔ジンバが敗れると、暴魔城にジャーミンの絶叫が響き渡る。暴魔大帝ラゴーンに触手で締めあげられ、激痛に両足をばたつかせ悲鳴をあげつつ許しを請う彼女にさらに3発もの光線弾が直撃。「失敗したら生きて帰ってくることは許さぬ」と宣告され、退路を断たれた形でターボレンジャーとの決戦に赴くこととなった。

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 ジャーミンはまずターボトラックを一人で修理していたターボブラック・大地を襲う。大地の危機に仲間4人が駆け付けると「今こそこの肉体の秘密を見せてやる」とトランス状態のように髪を振り乱し、身を激しく震わせながら必死の形相で絶叫。自らの体内に封印していた暴魔獣・クロコボーマを光線とともに吐き出した。クロコボーマは崩れ落ちそうになる彼女を背後から胸を包むで形で支えた。
 クロコボーマはあらゆる攻撃を身代わりに受け、ジャーミンと同様鞭と火焔光線を使いこなす強敵であった。

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 ターボレンジャー4人が苦戦を強いられるなか、突然大地が乗るターボトラックがターボラガーを完成させるために時間稼ぎのために急発車*3。しかしジャーミンの猛攻から逃れることはできず、とどめの一発がまさに放たれようとしたとき、ターボラガーを完成させた太宰博士が間一髪で反撃のトラックカノンを発射。砲撃の直撃を受けたガーゾックは墜落、ジャーミンの悲鳴とともに爆散した。
 満身創痍ながら辛うじて生きていたジャーミンはクロコボーマに支えられながらも5人の前に立ちはだかった。
 「貴様らを倒すまでは、貴様らを倒すまでは……死なん!!」

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 ジャーミンとクロコボーマはブラックを執拗に狙い、挟み撃ちにするが勝負は始めから明らかだった。
 まずクロコボーマがターボソードに串刺しにされ、続いてジャーミンの顔面にターボレーザーが命中。既にクロコボーマの身代わりは不可能になっていた。逆上した彼女の捨て身の突撃に、ブラックはクロコボーマを貫いたターボソードを抜きはらい、すかさず腹部を一閃。勢いのあまり体を一回転させて地に叩きつけられるジャーミン。鞭を絡ませ、血を流しながらも何とか立ち上がったが、ブラックはこの好機を逃さなかった。必殺のハンマーブレイクが十字を描いて虫の息の彼女に炸裂。全身を激しく痙攣させながら絶叫とともにジャーミンは爆炎に消えた。

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 勝利のポーズを決める5人。それでもジャーミンは呻きながら炎の中から三度立ち上がった。「姫暴魔」の面影を留めない無残な姿。恐るべき執念に驚愕する5人をよそに、最後の力を振り絞ってクロコボーマを復活巨大化させ、彼女はついに力尽きた。
 仰け反らせた肢体。天にかざされた両手。低く尾を引く断末魔の響き。抜け殻となった体はバンザイの姿勢でゆっくりと前のめりに崩れていった。女性としての最後の本能がそうさせたのか、傷だらけの顔を庇うように倒れ、反動で大きくはね上がった右脚がコトンと地に着いたその瞬間、とうに限界を超えていた肉体も爆散してしまった。
 暴魔帝王ラゴーンは自らが招いた姫暴魔ジャーミンの悲惨な最期について一言も触れることはなかった。

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見どころなど  

 第29話は全体がジャーミンのリョナ回だといっても過言ではなく、触手攻め→電撃→喘ぎ→(手ブラ)→墜落→斬撃→打撃→爆死と、よく一人でこれだけと感心するほど彼女のダメージシーンが続く。満身創痍となってもなお力尽きるまで何度でも執拗に立ち向かい続ける悲壮な姿はまさに蛇の執念と生命力だと言えよう。

 物語全体を通じてみるとジャーミンを動かしていたものは愛情への憎悪であると考えられるが、その実内心では救いを求めていたと受け止められる描写もある*4。彼女の非道な行為は許されることではないが、その心の闇が一切語られることなく、ただ一方的に悪の女幹部として断罪され、無念の最期を遂げる姿には同情の余地があるだろう。

関連項目