2-389 「I Just Called To Say I Love You」2

朝の光を感じる。

「ん・・・」

目覚めが悪い。
昨日は緊張してしまって、結局ほとんど寝れなかった。
それも全て、昨夜のあの台詞のせい。

『私の夢を見てくれたら嬉しいな』

やっぱり思い出すだけで顔が赤くなる、今日はどんな顔をして会えばいいんだろ・・・

そうは思っていても、学校には行かなきゃいけないわけで。
「ちゃんと会って、話そっと・・・」
誤解・・・(いや、誤解とかじゃなくて事実なんだけど・・・)を、隼人くんと話して解かなきゃ。

でも、そんな時に限ってどうにも間が悪い。
話そうと思って彼のクラスに行っても、友達と話してたりしてるわけで。
やっと1人になったのを見つけたのは、放課後もとうに過ぎた下駄箱だった。
「隼人くんっ!」
「あ、高木さん」
「その、一緒にかえろ?」

2人でしばらく歩くけど、どうにも緊張して会話ができない。
意を決して口を開いたのは、おおよそ15分くらい経ったあとだっただろうか。
「隼人くん」
「何?」
「昨日は・・ごめん。あんなこと言って。
 あの、あれ冗談だから!ちょっと困らせようと思ってさ、思わず言ってみただけなの!
 だからもう忘れて!ほら恥ずかしいから、ね?お願い!」

ドキドキしながら返事を待つ、、、返ってこない。
もしかして嫌われちゃったのかな、どうしよう・・・

「高木さん」
「は、はいっ!」
「オレは嬉しかったよ」

え?
正直、ちょっと予想外だった。
嬉しい・・・?あんなこと言われたのに?

「ほらオレさ、この年まで恋愛とかしたことなくて。
 だから不安だったんだよ、いきなり高木さんみたいな彼女ができて。ちゃんと話できてるかな、とか、引かれたりしてないかな、とかさ。
 でも昨日ああいうこと言われてさ、驚いたけどホントに嬉しかったんだよ。なんか一人前の彼氏として認められたっていうか、そんな気がして」
「隼人くん・・・」
「だからさ、忘れろなんて言うなって。ま、ああ言われてもずっと覚えてるつもりだけどな、オレは」
「うん、ありがと・・・」
って。そんな恥ずかしいこと、真顔で言わないでよぉ。
思わず、胸がキュンとしてしまった。
「はは、怒るなって・・・でもマジでビックリしたんだぞ?本当に夢に見るかと思った・・・ってか見たし実際」

良かった。嫌われてなかったんだ。それどころか、嬉しいって言ってくれるなんて・・・ん?

「ねえ、今私の夢実際に見たって言ったよね?」
いかにもしまった、という顔をする隼人くん。
「い、言った?そんなこと」
「嘘。確かに言ったよ。
 ・・・ねえ、どんな夢だったの?知りたいな〜私」
「いやいやいや、言えない言えない言えない!絶対無理!」
「・・・エッチな夢だったり?」
「ないないない、それはないです、誓ってないです!」
「じゃあどんな夢なの?ねね、お〜し〜え〜て〜よ〜!」
「む〜り〜で〜す〜!!!!」

その日の夜。
結局夢の内容は聞き出せなかった・・・でも、いつか絶対聞き出してやろうっと。
それにしても。
あんなに慌てふためく隼人くんなんて、初めて見た。

ちょっと、というかかなり可愛いと思ったのはここだけの秘密。
あんなに取り乱すなんて、いったいどんな夢だったんだろう?
本人は否定したけど、やっぱり、その、・・・な夢だったのかな。
でも、隼人くんなら、いいかも。むしろ歓迎、なんてね。

はっ!
思わずトリップしてしまった。顔が二ヤけてるのが分かる。

はぁ。なんかちょっと疲れたな。もう寝よっと。
隼人くん、昨日は私の夢をホントに見てくれてありがと。今日はあんなこと言われて、嬉しかったです。恥ずかしかったけど。
今夜は・・・私も。あなたの夢が、見れたらいいな。
おやすみ、隼人くん。
2008年10月04日(土) 21:17:48 Modified by bureizuraz




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