4-302 お泊りデート1日目 夜編

なんだかとっても恥ずかしい思いをした夕食を終え、俺たちは電車でディズニーランドへと向かう。
と言うか最近やけに美香に言い負かされてないか、俺。言い返そうとすると、美香の必殺スマイルで俺は撃沈。うーむ、どうしたもんか。

話を元に戻そう。何故夜にランドに行く必要があるのか聞いたところ、「やっぱりディズニーリゾートといえば夜のパレードですっ!」とは美香の談。
俺にはよくその思考が理解できないが、まぁ気が済むまで一緒にいてやろうと思う。
「わっ!平日なのに人が結構いますね〜!」「本当だな。夜間安いチケットでもあるのか?」
「はい。アフター6パスポートって言うのがありますね。」「ほう、そんなチケットもあるんだな。」
「でも私たちはちょっと長めの滞在ですから、複数日のパスポートがお得なんです♪」「それは宣伝かなんかか?」
「むー!違いますっ!おにーさんとちょっとでも長くデートしたい私の愛ですっ♪」「・・・堂々と宣言するのは恥ずかしくないのか?」
「えへへっ、ちょっとだけ照れますね♪」そういって恥ずかしそうにはにかんだ美香の笑顔が、夜の幻想的な雰囲気とあいまって大変な
破壊力だった。かわいさが肉体的ダメージを与えるならば、俺は間違いなく死んでいた。
「おにーさん?顔が真っ赤ですよ?どうしました?」「・・・い、いや、なんでもない。」「ふぇ?」
い、いかんぞ。今美香に言い寄られたら確実に堕ちる。思わずそこら辺の茂みに頭を突っ込んで『惚れてまうやろー!』と叫びたいくらいだ。
「と、とにかく、とりあえずは見る場所の確保か?行くぞ。」「はーい♪」
美香が俺の腕に巻きついてくる。先ほどの件もあり、妙に美香のことを意識してしまう。
美香の柔らかさと暖かさが伝わってきて、いつもより胸の感触が生々しく感じてしまう。喉が異様に渇いて、頭が熱くなる。
こんなに女を女と意識したことは今まで無かったし、普段は妹扱いしている美香だからこそ、そのギャップに混乱してくる。


美香が予め決めていた場所に到着し、しばらくくだらない話をした後、パレードが始まった。美香は俺の腕に巻きついて
目を輝かせながらパレードを見ている。俺はそんな美香を見ながら、少し思考の海に飛び込む。

最初はただの甘えん坊なんだと思ってた。それにそのうちバイトを辞めるだろうと思っていたら、そう思い続けて既に2年半が過ぎた。
しかも、日を追うごとにこいつからのアタックが激しさを増してる気がする。前は軽くあしらったり、話をそらすってことが出来たのに、
最近は逆に手玉に取られている気がする。しかも最近じゃ『好き』だの『愛してる』だの言い出してる。
おそらく『美香は俺のことが好き』と言う認識は自信を持って良さそうだ。それに昼のことといい、さっきのことといい、
俺は少なからず美香を魅力的な女性と認識しているみたいだ。

今のままの生ぬるい関係のままでいるか、さらに一歩進めてみるか。
パレードが終わる直前まで考えていたが、俺にはその決断が下せなかった。

おー!花火キレーだなー!さっきのパレードも素敵だったけど♪
そういやさっきからおにーさんがおかしい気がする。パレードも花火も、見ているようで見ていない。何か考え事をしてるみたい。
おにーさんは気付いてないかもしれないけど、チラチラと私のことを見ている。も、もしかしてもしかしちゃうの!?きゃーっ♪
「あ、花火終わっちゃいましたねー。」「ああ、そうだな。」
「じゃあおにーさん、そろそろホテルに戻りましょうか?」「ああ、そうだな。」
ん?なんかおにーさん緊張してる?も、もしかして本当に!?


すごい混雑の電車に乗って、何とか南船橋で降りてホテルに向かう。あうー、汗でべとべとだー。でもちょっとだけ我慢。
「おにーさん、先にお風呂入っちゃってください。」「あ、ああ、わかった。」
おにーさんが先にお風呂に入った。私は手早く服を脱いで、お風呂の準備をする。おおっと、まだ裸でおにーさんとお風呂は
恥ずかしいから、これは身につけないとね♪

お風呂に近づくと、おにーさんはシャワー浴びてる最中みたい。
カウント 3、2、1、ガチャ。「おにーさんっ♪「うわぁっ!」お背中流しに来ました♪」
驚いたおにーさんは手近にあったハンドタオルで下半身を隠した。やーん、おにーさんのアレがちょっと見えちゃった♪
「ちょ、美香!何してんだ!?」「何って、お背中流しにきたんですよ♪」
「それにおま、なんつー格好してんだ!」「えー、タオルだけじゃダメですか?」
「ダメダメダメ!俺らはまだ付き合ってないんだ!そういうことはせめて付き合ってから「まだ付き合ってない、ですか?」っ!?」
「まだ、ってことは、おにーさん、もしかして?」「あ、いや、これは、その、言葉のあやってやつで、ほら!俺なんかじゃお前とつり合わないし!」
おにーさんがものすごい慌ててる。と言うか『つり合わない』って、自分を卑下しすぎですよ、おにーさん。
意外とバイトの女の子たちから人気が高いんですよ?その事実を思い出してちょっとムカッとしちゃったから、さらに慌てさせてみようかな?
「じゃ、これ邪魔だから外しちゃいますね♪」「うわぁぁぁぁぁ!」
私がタオルを外すと、おにーさんはしゃがんで私が視界に入らないように目を隠している。ちょっとかわいい♪
「おにーさん、絶対大丈夫ですから、こっちを見てください♪」「いやいやいやいや、お前今裸だろっ!?」
「ちがいますよ〜。さすがに私でも裸は恥ずかしいですよっ♪」「ほ、本当なんだな!?」「本当ですよ。信じてください♪」
おにーさんがあー、とかうー、とか言いながら悩んでいる。その隙におにーさんの前に回って、
「さぁおにーさん、覚悟して見てくださいね?」「え!?」「それっ!」「うわぁぁぁ・・・あ?」
そう、私の今の姿は水着。ビキニタイプだからスタイルが丸分かりでちょっと恥ずかしい。
「私の水着姿はどうですか?」「・・・うん、いい、と思う。」「えへへっ♪ありがとうございます♪」
照れたように褒めてくるおにーさんの言葉に、私もほんのちょっとだけ照れる。
思わず抱きついて、しかも素肌に私の胸が当たるのがいつも以上にわかって、私まで照れちゃう。

「じゃあ、今度こそ背中洗いますね♪」「・・・わかった、お願いする。」
さすがに吹っ切れたのか、私に背中を向けてくるおにーさん。おにーさんの大きい背中に、ちょっときゅんってなっちゃう。
ダメダメ。今はただ洗うだけなんだから。そう思い直して、私はおにーさんの背中を洗い始めた。


本当に今日は何なんだ。美香は突然風呂に乱入してくるし、俺の背中を洗った後に後ろを向いたかと思えばトップの水着を外して「洗って
ください♪」なんて言ってくるし、「おにーさんとくっ付いて湯船につかりたいです♪」とか言い出して湯船にお湯溜め始めるし。
さすがに色んな意味でのぼせそうになったからとっとと出てきたけど。お願いだから少しゆっくり考えさせる時間をくれ。
美香は今、髪の毛を乾かしながら明日のことを考えてるようだ。と言うかアイツ目が悪いのか。今は眼鏡をしている。

さて、今なら少しゆっくり思考の海に飛び込めそうだ。
ところで俺は何でこんなに美香を拒否してるんだろうか。好きか嫌いかで言えば嫌いではない、だからと言って好きかといわれると、よく
わからない。そもそも恋愛って何をすればいいんだ?俺の個人的意見では、恋愛は結婚前の相性チェックだと思うんだが、よく考えてみれ
ば、俺はコイツのことをほとんど知らない。誕生日も良く知らない。知ってることといえば俺にやたらと懐いてくるくらいか?
あ、あと今わかったことだが意外と目が悪いんだろう。とりあえず、コイツのことをもっと知りたいと思う。

「美香、ちょっと聞きたいんだが。」「なんですか?おにーさんから質問なんて珍しいですね?」
「なんでお前は俺になついてくれるんだ?」何気なしに質問した内容に、瞬間、美香の目が泳いだ気がした。気のせいか?
「・・・えーっとですね、雰囲気が好きなんです。あ、雰囲気だけじゃなくて、おにーさん自身も、好きですよ?」
「うん。」「だから、一緒にいられたらいいなーって・・・えへへ、改めて言うと、恥ずかしいですねっ♪」
「そっか・・・そうか・・・」「・・・?おにーさん・・・?」美香が不安そうな目で見つめてくる。
「ごめんな、美香」「ふぇ!?」気付いたら俺の手は美香の頭を撫でていた。乾かしたばかりで暖かく、さらさらの髪が気持ちいい。
「俺さ、なんで美香に気に入られているのか分からなくて、でも誰かを好きになるってことが分からなくって、
 だから、俺を好きでいてくれる美香の気持ちが聞きたかったんだ。美香の気持ちを聞いて、なんとなく分かった気がする。
 だから、ごめん。そして、ありがとう。」
そう、美香の気持ちを聞いて、人を好きになるって理屈なんかじゃないんだって分かった。
美香の言葉を聞いて俺の胸に灯った暖かい炎は、多分、明日さらに燃え上がることになると思う。でも、今はまだ早いと思う。
というか、この言葉を伝えてしまって、関係が壊れることに怯えてるんだ。今は、とりあえず眠りについて、いろいろと整理したい。


おにーさんに初めて私のことを聞かれた気がする。ちょっとドキッとしちゃったけど、答えてよかったと思う。
おにーさんの目に少し輝きが戻ったみたい、何か吹っ切れたような顔をしている。それが私とおにーさんのことであるといいんだけどな。
「さ、明日は朝一でディズニーシーに行くんだろ?とっとと寝ようぜ。」「はいっ!」

さ、あとは一緒に寝るだけです♪
「そういえば聞きそびれていたことがあるんだが。」「ん?なんですか?」
「ベッドが一つしかないんだが、どうするつもりだ?」「おにーさん、このベッドはダブルベッドです。」
もう分かってますよね、おにーさん。私があきらめるわけ無いじゃないですか♪
「ふむ、一人で寝たらさぞ気持ちいいんだろうな。」「でも一人じゃ広すぎて寂しいと思います。」
こんな広いベッドならやっぱり二人で寝るのが基本ですよね。
「じゃあ俺はそこのソファで寝るから、お前は「いやですっ♪」何?」
おにーさんが一人で寝るとか言い出したので、思わず割り込んじゃいました。私はいけない子だなぁ。
「おにーさんが横で寝てくれなきゃ、いやですっ♪」「・・・一緒じゃなきゃ、ダメなのか?」ここに来てまだヘタレますか、この人は。
「ダメです♪」「・・・わかった、ただし俺は外側向いて寝るからな。それで勘弁してくれ。」あら、意外と折れるのが早かった。
「ふむ・・・しょうがないですねぇ。わかりました。」「ほっ・・・」あからさまに安心しているおにーさん。でも、私はそんな薄情な
女じゃありませんよ?

「じゃあおにーさん、おやすみなさい♪」「・・・待て、美香。」「なんですか?」「なぜお前は俺に抱きついている?」
「私が抱きつきたいからです♪それにおにーさんは抱きつきまでは否定しませんでしたよ?」「たしかにそうだが・・・」
「あ、ちなみに今から『抱きついちゃダメ』って言うのはなしですからね?」「うぐっ・・・」
私の口からつらつらと出てくる甘えるための口実。たじたじになるおにーさん。うふふ♪
「・・・仕方ないが、変なことはするなよ。」「変なことって何ですか?教えてください、おにーさん♪」
「・・・俺が変態さん認定されるから言わないでおく。」「えー、残念ですー。」
おにーさんは何を期待していたんでしょうかね?ちょっと気になります。
「とりあえずもう寝るぞ。おやすみ、美香」「はい♪おやすみなさい、おにーさんっ♪」



おやすみの挨拶を交わして20分ぐらいしたあと、私は目を覚ました。というか、寝てなかったんだけどね♪
おにーさんは既に夢の中みたい。ほっぺたを突付いても、ちょっと身じろぎするだけで起きる様子は無い。しめしめ♪
この隙におにーさんの前に回り込んで、再び抱きつく。おにーさんの胸元に頭を埋めると、おにーさんの匂いでいっぱいになる。
お腹の奥が切なくなって、慰めたくなっちゃう。でも嫌われたら嫌だから、そんなことはしない。離れないようしっかり抱きしめて、
おにーさんの匂いに抱きしめられながら眠る。その心地よさは予想以上で、気付いたらもう翌日の朝になっちゃってたくらい。
その代わりちょっと困ったことがあって、起きたらアソコがびしょびしょに!恥ずかしくって起きてすぐに履き替えたから、
おにーさんにはバレてないと思うんだけど・・・はぅー、今日の夜まで我慢できるかなぁ?
2009年01月16日(金) 22:54:46 Modified by amae_girl




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