5-886 無題

こんばんわ。暫しお借りします。小ネタ >>775前日談 エロ無し
それでは、失礼いたします。

1.高瀬 孝二の前説

梅雨うららかな日曜日。
俺たちは遊園地に来ていた。
ん?ちょっと待て、今なんていった。
梅雨……うららか……だと?

ま、雨は降ってないし、曇り空のお陰で涼しくて良い。
メンバーは、俺、香坂、北里、森、以上。
俗に言うWデートって奴らしい。
なんだ、その恥ずかしい名前は!
まあ、Wデートなんて言ってるのは香坂一人な訳だが。
今回の目的は、北里と森をくっつける事。
どーみても両思いで、ほっときゃくっつくとしか思えんのだが。

香坂に言わせると、
「ユキとぽややんを接近させなきゃ」
「放っとくと赤くなって何もしないんだもん、あの2人」
「接近しすぎてキスくらいなら、私が許すわよ北里。ちなみにベロ入れも可!」
「でも、えっちはダメ!ユキの膜は私のもの!」
大アホだろ、コイツ。

そんなこんなで、遊園地に来た俺たち4人は、
とんでもない高さから急降下するジェットコースターや、
御伽の国のようなパレード、
最新技術を駆使したアミューズメント施設…

なんかで楽しい一日を過ごしては居ません。
そんな豪華なもんは1個もねーです。
地方のしょっぱい遊園地ですとも。
お金、無いですとも。

何時間も行列して5分間乗り物なんてのより、遥かにマシだがなー。
って事で、すげー子供だましなコーヒーカップや、
しょっぼいジェットコースターなんかに乗って過ごした訳だ。

香坂がメリーゴーラウンドの2人乗りをしようと言い出したり、
香坂がお化け屋敷で無駄にくっついて来たり、
香坂がミラーハウスでわざとぶつかり、
 「痛たた、胸打っちゃった。さすって」とか言ってきたり、
香坂が売店のポテトを胸に入れて(自分で入れた、俺は見た!)
 「やだ、高瀬〜ちょっとコレ取って」とか言い出したり、
香坂のニヤニヤ笑いがむかついたり、
香坂がとにかくむかついたり、
香坂が香坂で大変だったがなー。
香坂曰く、
「私たちのラブラブな所を見て、二人をその気にさせよう大作戦よ!」
あほくさ。

まあ、唯一お化け屋敷のペア行動は正解だったか。
すんげー子供だましな代物だったにも関わらず、森、絶叫してたもんな。
んで、出てきた後、二人とも真っ赤。
何があったかは推して知るべし。
俺もしらねー。

2.森 由希の昼食


敷地の芝生にシートを広げ昼食にする。
昼飯は、なんと森が作って来たらしい。
しかも重箱と来たもんだ、森すげー。
香坂も手伝ったなんてほざいてたが、
どーせ彩り用のパセリを乗せたとかそんなもんだろう。
「あー、咲ちゃんってとってもお料理上手なんだよ?」
意外だな。
「高瀬君、毎日お弁当作って貰ってるのに…」
いーえ、知りません。
「高瀬君の恩知らずー」
「そんな人に食べさせるお弁当はありませんよーだ」
別にいーよ、俺より北里に食わせてやれよ。
「べ、べべべべ別にそんな事!ほ、ほほほほら、皆で食べよ!」
おー、真っ赤になっちゃって、まぁ。
北里、おろおろすんな。
気の利いた言葉でもかけてやれよ。
香坂、目がやばいぞ?
同性でもレイプは成立するからな?
「ちょ、ちょっと私、お花を摘みに…」
森、逃げんな。
あー、俺もしょんべんいってくるわ。

ふぃー、さっぱりさっぱり。
「ね、高瀬君」
なんだ?俺の後ろを歩くんじゃねぇ。
「咲ちゃんは私のすっごく大事な人なんだ」
ふーん、やっぱそーなのか。
香坂はお前さんの膜を所望してるがなー。
「高瀬君なら咲ちゃんを大事にしてくれる、幸せにしてくれる」
「だから安心だなぁ、って思うよ」
なんで、俺が香坂を幸せにせにゃならんのよ。
香坂なんざ、知ったこっちゃねー。
「咲ちゃん、あんなに楽しそうに笑ってるもん」
あーそうね。
あんのニヤニヤ笑い、憎ったらしいったらありゃしねぇ。
「高瀬君のお陰だね、咲ちゃんがあんなに幸せそうなの」
あれで幸せなら、相当に趣味が悪い奴だな。
「ニヤニヤに見えるけど、あれは咲ちゃんが幸せな証拠なんだよ?」
「高瀬君だって知ってる癖に」
いーえ、知りません。
「……高瀬君ってツンデレなんだね」
ちょっと待て。
なんでそんな言葉を知っている、森よ。


3.香坂 咲の戯れ


そんなこんなでもう夕方になった訳だ。
最後に観覧車に乗ろうって話になった訳だ。
当然、北里と森がペアになる訳だ。
残りは俺と香坂な訳だ。
パーフェk……いや、俺が苦労するだけじゃねーか。
「高瀬、誰に言ってんの?」
香坂よ、そこは地の文だ。
読まないでくれ。

観覧車に乗り込んで、とりあえず席に着く。
目の前に香坂のアップがある……ニヤニヤすんな。
「あ、真ん中座るんだ。こーちゃんってば気が利くね」
座席は2つあるんだから、真ん中に座るだろうよ。
って、こーちゃんんん!?なんだその呼び方!!!
「それじゃ、お邪魔しま〜す」
おま、人の上に座ろうとすんなよ!
「え、こーちゃんの膝は、座布団って知らなかった?」
知らんわ!!
つーか、向き向き!それ正面だから!
「もー、こーちゃんってば照れちゃって。……可愛い」
ちょ、だ、それ正面――アーッ!!
「えっへへ〜。こーちゃんの顔が目の前。ね、ちゅーしよ?」
どう見ても対面座位です。
本当にありがとうございました。
こうして発情した二人は、、ゆっくりと周る観覧車の中、はじける若さのままに、互いの体を貪るのであった。





って、待て待て待て!
今の俺じゃないぞ、地の文は俺の担当だったよな?!
「ちっ、気づいたか」
あぶねー、青姦プレイでオチ付けられるとこだったぞ?
つーか、発言は「」付きでお願いします。マジで。
「しょーがないなぁ。じゃ、お願い聞いてあげるから、ごほうびね」
ごほうびってなんだよ、って顔近づけるな!
「ごほうびは、ごほうびだよ?一杯貰うからね」
こら、ちょ、ま……んっ……んちゅ……ん、んんん……ぷはぁ。
「もっとぉ〜 んっ……ちゅ……ぴちゅ、ぁ……」


もう僕、お嫁に行けない…。
「んっふふ〜、ご馳走さま。ほらほら、そんな顔しない」
くっそー、ニヤニヤしやがって。
「あー、もう終わりだ。ほら、降りよ」
「もっとちゅーしたかったなぁ」
人の意思を無視して襲い掛かるのは、レイプって言うんですよ?
犯罪ですよ?
「もう、そんな事ばっかり。ふふ、照れてるこーちゃんって可愛いよね」
あー、もうニヤニヤ、ニヤニヤしやがって。
むっかつくわー。
そんな奴にはこーだ!
「え、高瀬――!?」
ふはははは、これぞ必殺「後ろからぎゅっ」だ。
うおー、糞恥ずかしい!やってらんねー!!
が、どうだ?ラブラブっぽいだろ?
「う、うん。……高瀬、無理しなくて良いよ?人前じゃ恥ずかしいんでしょ?」
お前の作戦に協力してやろうかと思ってな。
感謝しろよー?
「……うん。ね、あの2人手ぐらいは繋いだかな?」
どーだろうねー。
お、降りてくるぞ。
うははは、固まってる固まってる。
って、香坂。おま……お前まで赤くなるな!
死ぬほど恥ずかしいじゃねーか!


4.北里 悠一の帰路


「なんか……凄いね。高瀬と香坂さんって」
あー、何がよ?
「仲良いなぁ、って」
どーだろうねー。
「今日は、ありがと。僕らの為にしてたんでしょ?」
ま、バレバレだわな。
ただ一つ!殆どが香坂の暴走だった事は付け加えておく!
「あはは、香坂さんらしいや」
そーだろう、そーだろう。
アイツはとっても迷惑な奴なんだ。
「ね、どっちが告白したの?やっぱ香坂さん?」
そんなん聞いて、どーするよ?
お前はお前だろ?自分の問題は自分で考えろよ。
「そうだけど、やっぱり気になるよ」


……
あー、実は俺なんだが。
「え、それホント!?」
これ以上は何も言わん!
見ざる、聞かざる、言わざるだ!
「そっか、やっぱり男から言ってあげないと駄目だよね」
んだなー。
森の気持ちは分かってんだろ?
「ん……確信はないけどね。でも、うん、僕も頑張るよ」
おー、頑張れよ。
適当に応援しってから、成功したらまたどっか行くかー。
「あはは、ありがと」
「でも、なんで高瀬は告白しようと思ったの?」
見ざる、聞かざる、言わざるだ!
「言いたくないなら、無理には聞かないけど」
ああ、そうしてくれ。
こっぱずかしい。
「あはは、そだね」
「じゃ、ホント今日はありがと。また明日」
おう、学校でなー。




……
言えねー。
香坂のニヤけ顔に惚れたなんて
香坂がニヤける時ってのは、すんげー幸せオーラ出してるなんて
可愛すぎて、なんでもしてやりたくなるからムカつくなんて

――口が裂けても言えるか!




以上、お目汚し失礼しました。
2009年06月19日(金) 22:06:43 Modified by amae_girl




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