6-814 風邪引きさん

 ボクは風邪引きさんの為に、特製栄養ドリンクを作った。
 だけど一口味見したら、これは苦い。
 これじゃ飲んでもらえないや。
 そうだ! チョコレートを入れてみよう。甘くなるかもしれない。
 ぽとり、まぜまぜ、ぐるぐる…ぺろ。
 …ん、んんん……もう少し。
 ぽとり、まぜまぜ、ぐるぐる…ぺろ。
 ぽとり、まぜまぜ、ぐるぐる…ぺろ。
 はぁ、これで…ちょうど良い味かな?
 ――あれ? 目が、回る。誰か、助け…うああっ!

 ばたん!
 ドアが勢いよく開け放たれ、少女が入って来た。
 手に怪しげな色の液体が入った、コップを持って。
「こほ、こほ――ん、どうした?」
 ベッドから起き上がる病人の男。
「…薬、作ったから…飲ませて、あげるよっ!」
 戦慄するほどの迫力で、少女は言い放った。
「わ、ちょっと! え? 上に乗っかって一体、何しようって――」
 半起きの男をベッドに押し倒すと、少女は液体を口に含む。
 そしてキス。

「ちゅ、う…」
 流し込まれる液体は甘く、そして妙に苦い。
 男は硬直していた体から、段々と力が抜けていくのを感じた。
 そして、変に意識が浮き始める。
「――は、熱い」
 異変を口にすると、少女は分かったと言わんばかりに、手を男の寝巻に。
 やや熱っぽく呼吸しながらも、襟元からボタンを、順に外していく。
「…?」
 理性は止めようとしても、意識が付いていかない。
 葛藤の間に、男の胸ははだけた。だが少女はその手を止めない。

 タオルケットを放り投げると、下を容赦なくずり下げる。
「――!?」
 今まで何ともなかった男の器が、いつの間にか猛々しく立ち上がっている。
「わ、あ…!」
 言葉にならず、空しい嘆息と化す男の声。
 少女はぼんやりと、それでいて悩ましい表情を浮かべている。
「すぐ、治して…あげるよ」
 手が、器を包み込む。
「――っ!」
 指の感触に、思わず体に力が入る。

「ちゅ…ぴちゃ…」
 生々しい音が部屋に響き渡り、男の感度は益々高まる。
 また少女も、密かに内から湧き出る快感を抑えられずにいた。
 舌で男の器を刺激しつつ、手はそっと自らの胸に触れる。
 更にはもう一方の手で、スパッツの上から秘部へ――当たった瞬間、思わず声が漏れた。
「んあっ…!」
 それでも欲望は収まらない。より近い感触を求め、手は服そしてスポーツブラの隙間を通り、直に小振りな房へと辿り着く。
 下を擦っている内に、じわりと広がり始める染み。指が、止まらない。
 少女の恍惚とした表情に、理性と本能の狭間にいた男も遂に手が動く。
 その愛撫に、先端からは既に先んじ始めるもの。

 男は少女の体を掴むと、荒々しく抱き寄せて、体位を逆転させた。
「ぜぇ…ぜぇ…」
 息を上げながらも、男は上からスパッツに手をかけ、下着ごと剥ぎ取る。
 まだ幼くも果実のようなそれに、恥らう少女の顔はボーイッシュな普段とは対照的だ。
 男は自らの器を躊躇なく挿し入れる。
「んっ…くっ…!」
 痛みで顔を背ける少女に、男はそっと唇を寄せる。
 ディープキス。甘く、そして激しい口内の愛情表現は、風邪のきつさや性の痛みさえも紛らわす。
 唇を離しても、二人の体は蕩けるように熱く繋がったままだ。
 上着ははだけ、スポーツブラはずれ、露になった胸と先端が、その大きさに比例して小さく振動する。

 男の腰の動きから、少女の中で動く器と器。
「あぅ、うあっ…ああんっ…!」
 気持ち良さやら痛みやら、諸々の刺激で少女は切ない喘ぎ声を上げる。
「…ぜぇ…だめ、だ…もう、限界……!」
 男の腕を掴んでいた少女の手に、ギュッと力が篭る。
 どくん――と鼓動がしたかと思うと、男がイった。
「あぁ、あああっ――!!」
 どくどくと、風邪で弱っているのが嘘のように、溢れ出す精液。
「んんううっ――!」
 少女は内に飛び込んでくる熱いものを、もはや朦朧とした意識の中でしっかりと、感じていた。
 
 ボクが作った栄養ドリンクは、いつの間にか媚薬になっていたみたい。
 でも、結果オーライ。あれから割と回復してきているしね。
 心配しなくたって、伝染らないよ。こっちは元々健康には自信があるんだから、風邪なんて引かない。
 でも、怒られた。
 自分の病気はそっちのけで、「子ども出来ちゃったらどうするの?」だってさ。
 ボクは別に構わないけど? って言ったら――メモしてたレシピまで取り上げられちゃった。
 でも構わない。今度はそんなのなしで、やれば良いだけだからね。
 嫌だって言っても、既成事実は作っちゃった。言い逃れは出来ない。
 フフ…それに君が満更でもないこと、ちゃんと知っているから。ボクもそうだけど。
 だから風邪、早く治してね? 風邪引きさん。


 やっぱりエロより萌え書きが好きです
2009年10月28日(水) 21:17:01 Modified by amae_girl




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