6-854 パン屋

「ミキー、今日も焼きたてのパンを持って来たぜ」
「また来たのー、ユウ!」

そんなやり取りをする俺はこの町のパン屋の息子。
今日も幼なじみの女の子の家に俺の焼いたパンを持って遊びに来た。

「やっぱ俺のパンにはミキの作ったマーマレードが一番合うからな」
「あんたのパンに合うんじゃなくて、あたしのマーマレードがおいしいの!」
「わかってるって、だから、そのおいしいマーマレードを貰いたくてね」

ミキの作るマーマレードは本当にうまい。
今日もミキのマーマレードを食べたくて、自分で焼いたパンを持ってミキの家に来て、
いつも通りテーブルに置いてあるビンに手を伸ばす。

「まったく、しょうがないわねー、じゃあわたしにもパンを寄越しなさい」
「ハイハイ、ちゃんとミキの分も用意してるよ。はい、どうぞ」

そう言って俺はパンの入った紙袋をミキの前に差し出す。

「…そうじゃなくて!」
「ん?」

ミキがモジモジしながらこっちをチラチラ見る。

「…食べさせて」
「は?」

今なんと?

「だから食べさせてって言ってるのッ!いつもあげてるんだからそれくらいしなさいッ!!!」


「…」
「…」
「…プッ」

意味を理解して思わず吹き出してしまった。

「なっ、何笑ってんのよ!」
「なんでもないよ、分かりました。
はいお姫さま、あーん」

そう言ってちぎったパンにマーマレードを塗って差し出す。

「…あん」

かわいらしく口を開けてパンを口に入れるミキ。

「お味はどうですか?」

「ん、おいし」

そう言って笑顔を浮かべるミキ。

「か、勘違いしないでよね!わたしの作ったマーマレード使ってるんだからおいしくて当然じゃない」

顔を赤くしてそう言っているがミキがうちのパン以外食べないことは知っている。

「ホント素直じゃないんだら

「なんか言った?」
「別に、じゃあまた来るよ」
「もう来るなー!」

いつもこう言ってるけど、来れば俺用のビンが用意してある。
素直じゃないけど優しくて、少し甘えん坊な奴だ。
来週もパンを焼いてミキの家に行こう。

おわり

パロじゃないのに名前パクッちゃったけど大丈夫かな?
マーマレードと言えば、なぁ
2009年10月28日(水) 21:26:10 Modified by amae_girl




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