実はStep0で紹介されている軌道計算ソフトウェアのCalsat32とKSATはPICNICというインターフェースを使ってアンテナに衛星を自動追尾させることが出来ます。(PICNICインターフェースの詳細は
こちら)これらの軌道計算ソフトウェアは機種や機能は限られますがPCのシリアルポートを介してリグの周波数制御(ドップラー制御)も同時に行うことが出来ます。
当局の場合:方位ローターRC5A-3仰角ローターERC5Aを制御しています。
ケースに入れた状態です。PCとの接続はLANケーブルで行います。設定はIEなどのWebブラウザなどで直接行えます。
さらにリグコンと呼ばれるリグ周波数制御ソフトウェアを使用すれば、さらに操作性は向上するでしょう。JE4IVN局によるCSATmate(詳細は
こちら) とJH1UVJ局によるExcelマクロ(詳細は
こちら)がリグコンとして有名です。
いずれもCalsat32やKSATと同時に使用します。
衛星自動制御画面:実際にVO-52(6/2の21時台パス)をCALSAT32のアンテナ制御機能で自動追尾し、CSATmateでIC910の周波数(ドップラ)制御を行っている画面です。CSATmateの良いところはリグのダイアルを直接回すとソフトウェアの周波数もそれに追随することです(ただしIC-910の場合です。IC-821とは相性が悪く引き戻し現象が起こります)。HAMLOGのRemarksに衛星情報などを送ることが出来ます。
ここまでグレードアップするのであれば・・・アンテナ直下型の受信プリアンプは是非使用しましょう。特に細くて長い同軸ケーブルを使用している場合には絶大な効果があります。アイコムのAG25やAG35は電源線や制御線が不要(同軸ケーブルに重畳)なので構成が非常にシンプルになります。
衛星通信でもっとも面倒なドップラー制御とアンテナ制御が自動化出来れば・・・ユーザーは軌道計算ソフトウェアの自動追尾をスタートさせるだけで良く、交信に集中することが出来ます。また手動での操作では面倒だった「呼びまわり」がかなり楽になります。
これまで一瞬にして過ぎてしまった衛星のパスが随分と長く感じられ、1パスにより多くの局と交信出来ることでしょう。