低軌道FM衛星による通信には「多エレメントのクロス八木、仰角ローテータが必要」なんてことは
絶対にありません!
原則として送信用に1系統、受信用に1系統必要です。144/430MHzの2バンドGPや、ダイヤモンドのA1430S7、RadixのAY-207SAT、ナガラのDO-11、古くはマルドルのFOX727やマスプロのWH59などの共用八木を使用すれば、アンテナが1系統で済み運用は楽ですが、受信・送信能力ともに、個々に1系統要した場合と比較して劣ることは確かです。
可能な限り送受信別系統のアンテナを準備しましょう。なお、受信側のバンドには、
デュープレクサをハイパスフィルタの代用品として挿入すると、送信による受信バンド側への「かぶり」を軽減させることができます。(送信側に挿入する、あるいはデュープレクサを2段重ねにしても効果があります)
同軸ケーブルは、極力、
太く短くで結線します。アンテナを高いタワーに上げている場合は、同軸ケーブルの損失を確認してみてください。
FM衛星だけが目標であるなら、条件がよければモービルホイップやGPでも交信可能です。より安定した交信には八木アンテナが必要ですが、144MHzは3〜5エレの八木、430MHzは5エレ〜10エレ程度で十分です。その際に
「20〜30度の仰角」をつけておきましょう。仰角をつけることにより、天頂(真上)付近に衛星がいる場合を除いて、広い範囲の仰角に対応できます。この仰角のついたアンテナを方位ローテータ、あるいは「手回し」で回しても十分対応できます。ただし、QSBの谷間に陥ると聞こえなくなる場合もあります。仰角を計測するには、100円ショップダイソーで売っている傾斜計(下)が容易に入手できて便利ですよ!
水平偏波に設置できると、垂直偏波を使用しているトラッカー(ダンプやトラックで衛星通信バンドで不法に無線を運用する無法者のこと)の混信を軽減することができます。