

簡単に一つのことだけ書く文章とはどういうものだったか.
それを私は思い出そうとしている.
私は誰か.何が,その問いの答えなのか.
大きな字で書いてみると,何が書けるか.――発病後も書き継がれ,
その死によって幕を閉じることとなった連載「大きな字で書くこと」(『図書』)を中心に,
惜しまれながら急逝した著者が遺した最後のことばたちを収める.
加藤典洋(かとう のりひろ)
1948-2019年.文芸評論家,早稲田大学名誉教授.
著書に,『言語表現法講義』(岩波書店,1996年,第10回新潮学芸賞),
『敗戦後論』(1997年,ちくま学芸文庫,第9回伊藤整文学賞),
『小説の未来』
『テクストから遠く離れて』(2004年,朝日新聞社/講談社,両著で第7回桑原武夫学芸賞)のほか,
『さようなら,ゴジラたち』(2010年),『3.11 死に神に突き飛ばされる』(2011年),
『ふたつの講演 戦後思想の射程について』(2013年),
『村上春樹は,むずかしい』(2015年),
『日の沈む国から』『世界をわからないものに育てること』『言葉の降る日』(2016年),
『増補 日本人の自画像』(2017年),
『どんなことが起こってもこれだけは本当だ,ということ。』(2018年)

内容紹介
藤沢周平の時代小説に出てくる架空の藩「海坂藩」は、氏の故郷である山形・庄内平野がモデルともいわれ、その舞台を訪ねるファンは数多い。本企画は、映画とテレビドラマ作品と、その原作の魅力を解剖し、あわせて、日本および日本人の原風景に迫ろうというものである。

「窮境を自分に乗り超えさせてくれる「親密な手紙」を、確かに書物にこそ見出して来たのだった」。渡辺一夫、サイード、武満徹、オーデン、井上ひさしなどを思い出とともに語る魅力的な読書案内。自身の作品とともに日常の様々なできごとを描き、初めて大江作品に出会う人への誘いにもなっている。『図書』好評連載。
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