Monte Of Ages - [噂の真相25年戦記」岡留安則著
2010年5月30日。

定価:735円(税込)
ISBN 4-08-720275-5
「岡留スキャンダルの打止め」というコピー。
そして、何度も出てくる「黒字なのに休刊する」という潔さの繰り返し。
名編集者として、弱小出版社ながらも、反権力的姿勢と
執筆者の人脈で売れていた雑誌なのだろう。
地方に住むものには、文芸春秋に並ぶ発行部数という意識
は全くなかったが。
 かっての雑誌「話の特集」の矢崎泰久とともに、時代の文化人
の記事は、生々しく、天皇、右翼、性、芸能と表舞台と、
異なる視点で切り込み、内部告発、好奇のものだった。
 噂の雑誌を休刊し、沖縄へ移住したが、これからは論客として
沖縄の普天間基地問題等、日本本土では体験出来ないことを
また、独自の視点で描いていくであろう。
 雑誌発行と名誉毀損の裁判処理を両輪として過ごすエネルギー
を思えば、半分無駄な労力は、浪費しないほうが良いだろうし
この新書のように、1ヶ月同時に何冊かゲリラ出版ということも
素晴らしいと思う。今は、雑誌より、書店に平積みの新書にパワー
を感じている。

『『噂の眞相』25年戦記』
満身創痍!
{オカドメ・スキャンダリズムのこれがウチドメ! 
噂は、「火のないところに煙は立たぬ」という譬えにならうなら、
何かしらの真実を含んでいることがある。
この場合、噂は社会への警鐘であり、私たちの生活の健全な潤滑油ともなる。
『噂の眞相』という雑誌は、一九七九年に呱呱の声を上げ、
以来、スキャンダリズムという潤いを世に提供してきた。
〇四年三月、その雑誌が休刊した。
公人の噂を書くことすら封じ込めようとする
「個人情報保護法」の発効を目前に控え、
編集長、岡留安則は筆を擱いた。
本書は、この名物編集長による
体験的、実際的ジャーナリズム論であり、時代変遷の風雲録でもある。}


岡留 安則 (おかどめ やすのり)
一九四七年、鹿児島県生まれ。法政大学卒業後、『マスコミ評論』を創刊。その後、七九年『噂の眞相』を編集発行人として立ち上げ、二五年間、一貫してスキャンダリズム雑誌として、独自の地歩を築く。数々のスクープを世間に問うが、〇四年三月をもって黒字休刊となる。主な著書に『「噂の眞相」編集長日誌』『武器としてのスキャンダル』等。