南岸低気圧が北上した影響で県内は11日、村山・最上地域で雪が降り積もった。前日に桜の開花が確認された山形市は、4月としては6年ぶりの積雪となり、朝は中心部も季節が逆戻りしたような風景となった。出勤後に雪かきをする人や、急きょタイヤ交換をキャンセルする人の姿もあり、スリップなどが原因とみられる交通事故も相次いだ。
同市のタイヤ&ホイールショップコンノによると、例年は4月第2週から同月末にかけて夏タイヤへの交換作業がピークを迎える。今年は少雪の影響もあり、3月下旬までは早めにタイヤを交換する人が多く見られたが、4月に入り降雪が続いたため、作業依頼が減少傾向に転じた。季節外れの降雪予報が出た10、11日は数件ずつ依頼を受けていたが、いずれもキャンセルになったという。
先週末には「県外へ遠出するので不安だ」などと、2人の客が既に交換した夏タイヤを冬タイヤに戻したという。天気は今週末にかけて回復する見込みで、同社の近野安利社長は「今週末から一気にお客さんが来た場合、待ち時間が長くなってしまう可能性もある」と話す。タイヤ交換の作業は大型連休まで続く見込みだという。
一方、県警交通企画課によると11日、雪道でのスリップが原因とみられる交通事故が県内で6件確認された。事故の影響で一時通行止めとなった幹線道路もあった。
山形地方気象台によると11日は南岸低気圧が北上、暖かく湿った空気が上空の寒気と接したことで、雪が降った。山形市で4月に1センチ以上の積雪を観測したのは2013年4月21日(6センチ)以来6年ぶりで、このときは花見シーズンだったこともあり、野外イベントが軒並み中止となった。これまで同市の4月の最大積雪深は1914(大正3)年4月9日の28センチ。84(昭和59)年4月1日にも27センチを記録している。
今後は高気圧に覆われるため晴れる日が多く、気温も平年並みとなりそうだ。