マクロスFのキャラクター、早乙女アルトとランカ・リーのカップルに萌えた人たちのための二次創作投稿所です。

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こんばんは。久しぶりに投稿してみました。
ランチをしに入った飲食店で、ランカちゃんの「そうだよ。」が!
何度聞いても、言いです。
最近またアルラン妄想がもやもやしていたので書いてみました。






そうだよ。  BYアヤ





携帯って人類が生み出した、文明の利器だよね。
ボタン一つで、メールを送信。
どきどき、わくわくしながら返信を待つ。
届いたメールに、笑って泣いて。
時間を選ばず、ホントお手軽。
でも、それだけじゃ物足りない時もあるよね。
時には、相手の声を聞きたいよ。
数億光年も離れてるわけじゃないし、離れてるって言ってもたぶん数キロ圏内。
だけど、隣りに居なきゃわかんないじゃない?
ねえ、元気?何をしているの?
たった一言で良いから、何か聞かせて?
マクロスフロンティアのサンフランシスコエリアにあるアパートの部屋。
お気に入りのピンクのシーツが掛かったベッドの上で、ランカは携帯片手に唸っていた。
数十分前からオオサンショウウオ君を、握ったり離したり。
ぎゅむっと悲鳴を上げて浮かび上がるのは、ナナちゃんでもお兄ちゃんでもなく。
「アルトくん」の文字。
「はぁ〜。どうしよ。」
ベッドの上で、こてんと転がった。
メールだったら勢いで、えいっと送信。
アルトくんらしいぶっきらぼうな返信に、一喜一憂して。
ここのところ急に忙しくなったものだから、学校に行けてない。
アルトくんに、会えてない。
以前だったら、メールに満足して、嬉しくなって。
それで良かったのに。
ランカ・リーを一躍トップスターに押上げた映画「鳥の人」。
その現場で、私は初恋に気付いてしまった。
映画のワンシーンの事だけど、ファーストキスの味も知ってしまった。
今も、彼の唇の柔らかさが残っていて、思わず自分の唇を撫でて赤面してしまう。
だけど、そこに感情が込められているわけでもなく、嬉しいのに切ない。
その後は、急激に忙しくなってしまった為に、恋どころではなくて。
私は彼女でも何でもない、ただの女友達。
また、シェリルさんといるの・・・かな?
今、電話したら迷惑かな?もう寝ちゃった?
でも、声が聞きたい。
アルトくんは、いつも何だかんだ言いつつ、いじわるだけど優しい。
私の世界を広げてくれて、私に力をくれるんだ。
でも、好きって気付いたら何となく勇気が出なくて。
オオサンショウウオくんが、ぎゅむぎゅむと不満を洩らすだけ。
「もう、寝なきゃね。」
そう呟いた瞬間、携帯がけたたましく着信を告げた。
浮かび上がったのは、「アルトくん」。
がばりと勢いよく起き上がると、震える手で通話ボタンを押したんだ。




「ランカか?アルトだ。」
「ア・・・アルトくんっ!」
少し裏返った様なランカの声に、少し笑った。
今日、ランカに電話したのは、ホントに気まぐれだった。
SMSの宿舎に戻れば、扉にハンカチが挿んである。
ミシェルの奴が、また女を連れ込んでいるらしい。
ほんとよくヤル、と思いながら扉を一蹴りしてSMSからアパートに戻った。
まだ引き払っていなかった畳敷きの安アパートで、埃を払い、食事を作り、近くの銭湯で一日の汚れを落とせば最早やる事は無くなってしまった。
早目に敷いた布団に寝転がって、気まぐれに携帯を弄り始めた。
俺の周りも賑やかくなったものだと、メールの件数を見ながら思う。
家を飛び出して、美星の航宙科に転科してミシェルとルカとつるむ様になって。
ランカやシェリルと出会って、SMSに入って随分と世界が広がったんじゃないだろうか。
携帯のアドレスが仕事関係だけだったものから、友人たちのものがプラスされ。
メールも文字だけの飾りっ気のないものだったのが、絵文字が光って点滅して。
それは、特にランカからのものだ。
何の用かと思えば、「何してるの?今日はね〜。」
そんな、他愛もないメールがほとんど。
変な奴だと思いながら、少し楽しみになっている自分がいる。
バジュラとの戦いも激しくなっていく中で、ふっと笑わせてくれるもんだ。
確か、大きな仕事が入ったってランカが言っていたな。
最近は美星にも来れないくらいで、話も聞いてやってないな。
そう思ったら、CALLボタンを押していた。
ホントにただの気まぐれ・・・・。
「ど・・・どうしたの?」
「どうしたって・・・まあ、気まぐれだ。忙しそうだしヘマでもしてないかって、なあ?」
「いじわるだよ〜!ヘマなんてしてないもん、・・・おっきいのは。」
「ぷっ・・・アハハハ。」
やらかしているんじゃないか。
「もう、もうっ!!」
「笑って、悪かったって。ランカの歌なら大丈夫だって。いつも通りお前の気持ち込めれば、皆にちゃんとお前の歌届くさ。」
「うん。ちょっと緊張してたの。」
「ん。まあ、がんばれ。」
「うんっ!」
元気に頷くランカの声を聞いて、電話して良かったと思う。
「ねえ、アルトくん。まだ話していて、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だけど。」
「アルトくんの話し聞かせて?」
俺の・・・話し?
俺の話しなんて面白くも何ともないだろ。
仕事と学校の話しくらいだ。
家の話しなんて、したくもないし、な。
「話し、ってもなぁ・・・。」
「何でも良いんだ。昨日見た夢の話しでも、何か見つけた話でも。」
「変な奴だな。俺の話しなんて・・・そうだなぁ。」
電話の向こうでは、わくわくしながらランカが待ってるんだろうか。
想像してみたら、耳と尻尾をつけたランカが出てきて笑えた。
きっと、千切れんばかりに尻尾を振ってるんだろう。
そう思って、思い出した。
「そういやあ、お前にそっくりな奴に会ったぞ。」
「私に、そっくり?どんな子?」
「アパートの隣りの部屋にいた奴が飼ってた犬だ。」
「いっ、犬〜?」
確かまだ、ランカに出会う前。
家を飛び出して、一人暮らしを始めた頃。
朝、学校に出ようと玄関を開けたら、緑色の毛玉が居た。
犬と何かの宇宙生物とのミックスだろうか?
始めて見る毛玉に、吃驚した記憶がある。
「ワンッ!!」
と鳴いたから、犬なんだろう。
大きな瞳をくりくりさせながら、俺を見上げてくる。
尻尾もふりふりと振って、何かを訴える様な。
今思うとランカにそっくりで、思い出すとホントに笑えてくる。
どうしたもんかと思った所に、隣りの住人がやって来て抱き上げた。
どうやら、隣りの住人が飼っているらしい。
だが、確かペット不可の物件だったはず。
一言いうべきかと思った所に、運悪く大家がやってきて発覚してしまったのだった。
「それで?どうなったの?」
「泣く泣く手放すのかと思ったんだが・・・。」
「・・・?」
「泣く泣く実家に帰った。犬も飼い主も。」
「ペットの為に、実家に〜?ふふっ・・・あははは。痛っ!?」
「ランカ?」
ゴチンッと見事な音がして、ランカの声が途切れた。
「おいっ!」
「う〜〜。・・・笑い過ぎて、頭壁にぶつけちゃった・・・。」
思わず脱力した。
「ば〜か。」
「うぅ〜。ひどいよ〜。もっと大丈夫なのか?とか〜。」
「はいはい。痛いの痛いの、飛んでけ。」
「へ?・・・・・。」
「・・・・・・・。」
俺、・・・今何言った?
頭が理解するのと同時に、顔にこれでもかと熱が集まって。
正直、穴があったら入りたい。
「ぷっ・・・・あはははははは・・っはあはぁ。」
「ランカ〜!?」
「だって、アルトくんが〜・・・苦しぃ。」
「あ〜、もう切るぞ。」
「あっ、待って待って!ごめんってば。」
「・・・。」
「アルトくん。」
「何だよ。」
「ありがとね。気紛れでも、気にして電話くれて嬉しかった。」
「おう。」
「アルトくんの話し聞けて、嬉しかったの。」
「・・・。」
「また、電話しても良い?・・・迷惑じゃなければ。」
「今更だろ?好きにしろよ。」
「うん。そろそろ切るね。」
「「おやすみ。」」
切れた携帯を、しばし見つめた。
ああ俺、年頃らしい生活もしてるじゃないか。
女とか煩わしいって思ってたけれど、ランカと話すのは意外と良いらしい。
家にいた時の様に、大人社会の中で気を張り続けていなくて良いのだと思うと、今の生活も悪くない。
俺の一番初めの女友達。
ランカ・リー。
守ってやるさ。
SMSで、その為の力も手にした。
守ってやらなきゃ、な。
電話も良いもんだと、少し思った日だ。
また電話して、笑って怒って。
そんな日常を守る為に、頑張ろう。
「おやすみ。」
誰もいない部屋で、もう一度おやすみと呟いて布団に潜った。



END

このページへのコメント

コメントありがとうございます(^O^)引退というか、忙しいのとネタが思い浮かばずマクF卒業かな〜と思ってたんですが。またアルラン熱が復活してきましたよ(笑)なかなか投稿出来ない状況ですが、また読んでいただけると嬉しいです。リクエスト話しはちょっと書けそうな感じなんで気長に待って下さいませ(^。^;)

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Posted by アヤ 2012年10月30日(火) 22:00:14 返信

アヤさん初めましてm(__)m
先月くらいから読まさせていただいております。
単刀直入に
全て最高です
ただ日にちが結構空いたのでアヤさんまさかの引退と思いました(笑)

これからもとても楽しい作品待ってます。

アト、生意気ですがリクエストいいですか?
新未来の長期出張中で妻がランカとばれたあとの話を書いていただけませんか?
書ける余裕がありましたらヨロシクオネガイシマスm(__)m

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Posted by YF-29 2012年10月29日(月) 23:22:55 返信

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