「アルトとランカちゃんって、結構バカップルだよなぁ」
昼休み、いつものメンバー(ミシェル、ルカ、アルト、ナナセ、ランカ)で集まって昼食をとっていると、
突然ミシェルが言った。
「ぶはっ!!!」
アルトはその時口に含んでいた紙パックのジュースを盛大に噴出した。
「アルト先輩…」
「ルカくん、大丈夫ですか?えっと、ハンカチハンカチ…」
「あっ!ナナセさん!ありがとうございます…っ!」
災難なことに噴出したジュースは丁度直前までアルトと話していたルカの顔に掛かったが、
当のルカ本人は憧れのナナセに顔を拭いてもらって幸せそうである。
「ア、アルトくん大丈夫?」
ミシェルの発言に一瞬固まったランカも我に返ったらしい。
スカートのポケットを探りハンカチをアルトに差し出した。
「あ、ランカありがとう…ってそれよりなんだミハエル!バカップルって!!」
「あれ?アルトとランカちゃんって付き合ってるって聞いたけど、違うの?」
顔を真っ赤にしたアルトに怒鳴られたが、ミシェルはどこ吹く風である。
「な!…つ…付き合って…!なんかっ」
照れのためにとっさに否定の言葉がでたアルトの背後をミシェルが指で示す。
アルトが振り向くと、ふわふわの髪の毛を萎ませ明らかに意気消沈したランカと
刺すような視線をこちらに向けて非難するナナセの顔が目に入った。
「うっ…」
「へぇ〜付き合ってないんだ?アルトとランカちゃん」
ミシェルがニヤニヤしながら言った。明らかにアルトの反応で遊んでいる。
「ごめんねランカちゃん、嫌な思いさせちゃって。
お詫びに放課後デートしない?前にも二人で食べたソフトクリーム、またおごるからさ」
”デート”と”前にも二人で”の部分をわざと強調し、ミシェルはランカの手を取った。
「え…と。あの、ミシェルくん…その、私」
「おい、ミハエル!!ランカから離れろっ!」
ランカとミシェルの間に割って入り、アルトはランカを危険なものから庇うようにミシェルの前に立ち塞がった。
「おいおい、アルト。邪魔しないでくれよ。折角ランカちゃんを口説いてるのに」
「口説くなっ!」
「なんで?別にランカちゃんと付き合ってるわけじゃないんだろう?だったらいいじゃないか。
俺がランカちゃんを口説いたって。まるでアルトには関係がない」
「関係っ…ある!」
「へぇ〜?どうして?付き合ってもない、恋人同士でもないアルトがランカちゃんと何の関係があるんだ?」
アルトは頭から湯気がでそうなくらい顔を真っ赤にして俯き、黙り込んだ。
「ミシェル先輩、ちょっとやりすぎですよ」
「これぐらい良い薬だって、素直になれないツンデレのアルト姫には。
自分に正直にならないと他の野郎に横からさらわれちゃうぜ?
そうなってから後で後悔したって遅いんだ」
「で、もう一回聞くぜ?アルトとランカちゃんは付き合ってるんだろ?」
「う…付き合って…」
「付き合って?」
「付き合って…………る」
「はい、よくできました」
絞りだすような声でなんとか肯定したアルトの言葉に、ミシェルは出来の悪い生徒を褒めるような口調で言った。
「よかったですね、ランカさん!」
「うん。ありがとうアルトくん。ちゃんと言ってくれて嬉しかった」
「…ランカ。ごめんな、俺ひどいこと言って」
「いいの。私もちょっと照れくさくってなかなかみんなに言えなかったから。
だからおあいこ。ね?」
「ランカ…」
「アルトくん…」
「はいはーいバカップルのお二人さーん。二人だけの世界はそこまでー」
見つめあい二人の世界に入っていたアルトとランカをミシェルの声が呼び戻した。
「わ、わ!ごめんなさい、ミシェルくん!」
「てかなんだよミハエル!バカップルって!」
あたふたとしているランカ、赤い顔で言葉尻に噛み付くアルト。
(…照れ隠しの矛先がこっちに向いたか)
「え。アルトとランカちゃんのことだけど」
「なんで俺たちがバカップルなんだよ!」
「あれー?自覚ないの?」
「んなもんあるかっ!大体バカップルってのはなぁ…
〜夕焼けに染まった浜辺の波打ち際で追いかけっこをする二人〜
「うふふ、アルトく〜ん!私を捕まえて☆銀河の果てまで!」
「あはは、待てよ〜ランカ☆俺の超時空シンデレラ☆」
「うふふふふ☆」
「あはははは☆」
とか、
「じゃあ、そろそろ俺帰るわ」
「うん。寂しいけど、また今度ね」
「悪いけど俺のバルキリー、見送ってくれないか。…じゃあ」
「はぁ…。アルトくん…なんだか素っ気なかったな…」
去っていくバルキリーを寂しげに見つめているランカ。
「…あ…!赤いランプが点滅してる…?」
(ブレーキランプを5回点滅…アイシテルのサインだ、ランカ!)
「アルトくんのばか。…もっと好きになっちゃったじゃない…」
とか!
「今から、うちに寄っていかない?」
「え、でももうこんな時間だし」
ランカはアルトの服の裾をそっと掴み、頬を赤く染め上目使いでこう言った。
「今晩、お兄ちゃんいないから…」
みたいなやつだろ!」
「早乙女君…なんですかそのクラシックな少女漫画のシチュエーションは」
「ていうかバルキリーにブレーキランプなんてありませんよ、アルト先輩」
「おいおい、最後のはバカップルというか…それなんてエロゲ?」
「とにかく!俺とランカは断じてバカップルなどという恥ずかしい人種ではない」
アルトは両手で机を叩き大きな声で宣言した。
「そ、そうだよ。私とアルトくんはまだそんなことしてないし!」
「おや〜、ランカちゃん。”まだ”ってことはいずれはするつもりなのかな?」
「え。あ、違っ!そうじゃなくてっ」
顔を真っ赤にし、髪の毛を逆立ててぶんぶん首を振りながら言い訳しているランカをミシェルがニヤニヤしながら見ていると、突然アルトがランカの手を掴み歩き出した。
「ア、アルトくん?!」
「行くぞ、ランカ!こいつらの戯言に付き合ってられっか!」
「ま、待ってよっ食べた後まだ片付けてない…!」
「あ、ランカさん。私がやっておきますから気にしないでくださいー!」
「あーりーがーとーナナちゃ〜ん!今度お礼するからね〜!」
どんどん遠ざかっていく二人(特にランカ)に、ナナセは笑顔で手を振った。
昼休みも残り少ない。弁当箱を袋に入れたりゴミをゴミ箱に捨てたり、皆で後片付けをしながらふとルカが言った。
「ところでミシェル先輩、どうして急にバカップルなんて言い出したんです?」
「いや、さ。最近やけにアルトとランカちゃんの名前をお互いの口から聞くな〜と思って。
気になって数えてたんだよ」
「暇ですね」
ルカがバッサリ切り捨てる。
「そしたら朝から二人とも言うわ言うわ。ランカちゃんは前からよくアルトの名前呼んでたけど
アルトも結構すごいね」
「そういえば私ランカさんと教室移動すること多いんですけど、早乙女君視力いいじゃないですか。
廊下の端にいる私達を見つけてよく声掛けてくるんですよね」
「あ、僕アルト先輩の ”ランカー!” って声何度か聞いたことあります」
「そうそう、ルカ君。いつもそんな感じで声掛けてくるの。それでランカさんも早乙女君に ”アルトくーん!” って手を振るんです
よ」
「アルト先輩の声もランカさんの声も結構耳に残るんですよね」
「ランカちゃんは歌手だから発声もしっかりしてるし、アルトも昔色々あって鍛えられてるしなぁ」
「でもそれだけじゃないですよね。やっぱり普段から呼んでる回数多いですよ、先輩達」
「ランカさん少しそそっかしいとこあるからよく転びそうになるんですよね。で、その度に早乙女君が
心配そうに ”ランカ” って言いながら駆け寄ってきます」
「ランカさんも何かある度にアルト先輩の名前呼びますしね」
「………」
「………」
ルカとナナセは片付けの手を止めてしばらく考え込んだ。
「な。あいつら、やっぱりバカップルだろ?」
「「そうですね」」
ミシェルの言葉を二人は即座に肯定した。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
萌えスレで、アルトとランカは学校でお互いの名前連呼してるという素敵なレスを見てから書きたくなりましたw
絶対周りからバカップルって思われてるよね!つか周囲公認のバカップルだよね!萌え!
まる
昼休み、いつものメンバー(ミシェル、ルカ、アルト、ナナセ、ランカ)で集まって昼食をとっていると、
突然ミシェルが言った。
「ぶはっ!!!」
アルトはその時口に含んでいた紙パックのジュースを盛大に噴出した。
「アルト先輩…」
「ルカくん、大丈夫ですか?えっと、ハンカチハンカチ…」
「あっ!ナナセさん!ありがとうございます…っ!」
災難なことに噴出したジュースは丁度直前までアルトと話していたルカの顔に掛かったが、
当のルカ本人は憧れのナナセに顔を拭いてもらって幸せそうである。
「ア、アルトくん大丈夫?」
ミシェルの発言に一瞬固まったランカも我に返ったらしい。
スカートのポケットを探りハンカチをアルトに差し出した。
「あ、ランカありがとう…ってそれよりなんだミハエル!バカップルって!!」
「あれ?アルトとランカちゃんって付き合ってるって聞いたけど、違うの?」
顔を真っ赤にしたアルトに怒鳴られたが、ミシェルはどこ吹く風である。
「な!…つ…付き合って…!なんかっ」
照れのためにとっさに否定の言葉がでたアルトの背後をミシェルが指で示す。
アルトが振り向くと、ふわふわの髪の毛を萎ませ明らかに意気消沈したランカと
刺すような視線をこちらに向けて非難するナナセの顔が目に入った。
「うっ…」
「へぇ〜付き合ってないんだ?アルトとランカちゃん」
ミシェルがニヤニヤしながら言った。明らかにアルトの反応で遊んでいる。
「ごめんねランカちゃん、嫌な思いさせちゃって。
お詫びに放課後デートしない?前にも二人で食べたソフトクリーム、またおごるからさ」
”デート”と”前にも二人で”の部分をわざと強調し、ミシェルはランカの手を取った。
「え…と。あの、ミシェルくん…その、私」
「おい、ミハエル!!ランカから離れろっ!」
ランカとミシェルの間に割って入り、アルトはランカを危険なものから庇うようにミシェルの前に立ち塞がった。
「おいおい、アルト。邪魔しないでくれよ。折角ランカちゃんを口説いてるのに」
「口説くなっ!」
「なんで?別にランカちゃんと付き合ってるわけじゃないんだろう?だったらいいじゃないか。
俺がランカちゃんを口説いたって。まるでアルトには関係がない」
「関係っ…ある!」
「へぇ〜?どうして?付き合ってもない、恋人同士でもないアルトがランカちゃんと何の関係があるんだ?」
アルトは頭から湯気がでそうなくらい顔を真っ赤にして俯き、黙り込んだ。
「ミシェル先輩、ちょっとやりすぎですよ」
「これぐらい良い薬だって、素直になれないツンデレのアルト姫には。
自分に正直にならないと他の野郎に横からさらわれちゃうぜ?
そうなってから後で後悔したって遅いんだ」
「で、もう一回聞くぜ?アルトとランカちゃんは付き合ってるんだろ?」
「う…付き合って…」
「付き合って?」
「付き合って…………る」
「はい、よくできました」
絞りだすような声でなんとか肯定したアルトの言葉に、ミシェルは出来の悪い生徒を褒めるような口調で言った。
「よかったですね、ランカさん!」
「うん。ありがとうアルトくん。ちゃんと言ってくれて嬉しかった」
「…ランカ。ごめんな、俺ひどいこと言って」
「いいの。私もちょっと照れくさくってなかなかみんなに言えなかったから。
だからおあいこ。ね?」
「ランカ…」
「アルトくん…」
「はいはーいバカップルのお二人さーん。二人だけの世界はそこまでー」
見つめあい二人の世界に入っていたアルトとランカをミシェルの声が呼び戻した。
「わ、わ!ごめんなさい、ミシェルくん!」
「てかなんだよミハエル!バカップルって!」
あたふたとしているランカ、赤い顔で言葉尻に噛み付くアルト。
(…照れ隠しの矛先がこっちに向いたか)
「え。アルトとランカちゃんのことだけど」
「なんで俺たちがバカップルなんだよ!」
「あれー?自覚ないの?」
「んなもんあるかっ!大体バカップルってのはなぁ…
〜夕焼けに染まった浜辺の波打ち際で追いかけっこをする二人〜
「うふふ、アルトく〜ん!私を捕まえて☆銀河の果てまで!」
「あはは、待てよ〜ランカ☆俺の超時空シンデレラ☆」
「うふふふふ☆」
「あはははは☆」
とか、
「じゃあ、そろそろ俺帰るわ」
「うん。寂しいけど、また今度ね」
「悪いけど俺のバルキリー、見送ってくれないか。…じゃあ」
「はぁ…。アルトくん…なんだか素っ気なかったな…」
去っていくバルキリーを寂しげに見つめているランカ。
「…あ…!赤いランプが点滅してる…?」
(ブレーキランプを5回点滅…アイシテルのサインだ、ランカ!)
「アルトくんのばか。…もっと好きになっちゃったじゃない…」
とか!
「今から、うちに寄っていかない?」
「え、でももうこんな時間だし」
ランカはアルトの服の裾をそっと掴み、頬を赤く染め上目使いでこう言った。
「今晩、お兄ちゃんいないから…」
みたいなやつだろ!」
「早乙女君…なんですかそのクラシックな少女漫画のシチュエーションは」
「ていうかバルキリーにブレーキランプなんてありませんよ、アルト先輩」
「おいおい、最後のはバカップルというか…それなんてエロゲ?」
「とにかく!俺とランカは断じてバカップルなどという恥ずかしい人種ではない」
アルトは両手で机を叩き大きな声で宣言した。
「そ、そうだよ。私とアルトくんはまだそんなことしてないし!」
「おや〜、ランカちゃん。”まだ”ってことはいずれはするつもりなのかな?」
「え。あ、違っ!そうじゃなくてっ」
顔を真っ赤にし、髪の毛を逆立ててぶんぶん首を振りながら言い訳しているランカをミシェルがニヤニヤしながら見ていると、突然アルトがランカの手を掴み歩き出した。
「ア、アルトくん?!」
「行くぞ、ランカ!こいつらの戯言に付き合ってられっか!」
「ま、待ってよっ食べた後まだ片付けてない…!」
「あ、ランカさん。私がやっておきますから気にしないでくださいー!」
「あーりーがーとーナナちゃ〜ん!今度お礼するからね〜!」
どんどん遠ざかっていく二人(特にランカ)に、ナナセは笑顔で手を振った。
昼休みも残り少ない。弁当箱を袋に入れたりゴミをゴミ箱に捨てたり、皆で後片付けをしながらふとルカが言った。
「ところでミシェル先輩、どうして急にバカップルなんて言い出したんです?」
「いや、さ。最近やけにアルトとランカちゃんの名前をお互いの口から聞くな〜と思って。
気になって数えてたんだよ」
「暇ですね」
ルカがバッサリ切り捨てる。
「そしたら朝から二人とも言うわ言うわ。ランカちゃんは前からよくアルトの名前呼んでたけど
アルトも結構すごいね」
「そういえば私ランカさんと教室移動すること多いんですけど、早乙女君視力いいじゃないですか。
廊下の端にいる私達を見つけてよく声掛けてくるんですよね」
「あ、僕アルト先輩の ”ランカー!” って声何度か聞いたことあります」
「そうそう、ルカ君。いつもそんな感じで声掛けてくるの。それでランカさんも早乙女君に ”アルトくーん!” って手を振るんです
よ」
「アルト先輩の声もランカさんの声も結構耳に残るんですよね」
「ランカちゃんは歌手だから発声もしっかりしてるし、アルトも昔色々あって鍛えられてるしなぁ」
「でもそれだけじゃないですよね。やっぱり普段から呼んでる回数多いですよ、先輩達」
「ランカさん少しそそっかしいとこあるからよく転びそうになるんですよね。で、その度に早乙女君が
心配そうに ”ランカ” って言いながら駆け寄ってきます」
「ランカさんも何かある度にアルト先輩の名前呼びますしね」
「………」
「………」
ルカとナナセは片付けの手を止めてしばらく考え込んだ。
「な。あいつら、やっぱりバカップルだろ?」
「「そうですね」」
ミシェルの言葉を二人は即座に肯定した。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
萌えスレで、アルトとランカは学校でお互いの名前連呼してるという素敵なレスを見てから書きたくなりましたw
絶対周りからバカップルって思われてるよね!つか周囲公認のバカップルだよね!萌え!
まる
このページへのコメント
久々に読ませて頂きました。
私もアルトとランカの声優さんの声で再生されました。この二人可愛いですよね。
アルトの声なんか某ロボアニメの金髪パイロットの如く「抱きしめたいな。ランカー」って叫ぶ光景が浮かびました。
アルトとランカバカップルなかなか良いです。
二人とも発音良さそうでアルトは美人で、ランカは可愛くて羨ましいカップル
感想ありがとうございます!
アルランは無自覚でバカップルなところが良い!を信条に書きましたw
皆の会話はアニメを思い出しながらなるべく自然に、らしくなるように頑張って書いたので
声優さんの声が再生されたとのお言葉とっても嬉しいですv
読んでてニヤニヤしてしまったw
なんだこの無自覚バカップルはw可愛すぎますww
それに全て声優さんの声で再生されましたwもっとやってくださいw