マクロスFのキャラクター、早乙女アルトとランカ・リーのカップルに萌えた人たちのための二次創作投稿所です。

×
ものすごくお久しぶりです。
誰か見てますかいな?




「雨」   BYアヤ





今日は溜息しか出ない。
何度見直しても、水溜りには幾つもの波紋ができている。
しとしと、しとしと。
空は分厚い灰色の雲に覆われて、涙を流し続けている。
しとしと、しとしと。
「雨、止まないね。アルト君。」
「ああ。」





まだ宇宙を旅していた頃は、オートメーション化された環境プログラムによって乾燥具合で雨が降り、一定の時間で雨が止んでいた。
それが、惑星に降り立って自然を制御なんか出来るはずもなく。
すぐに気象予報士という職業が復活。
アルト君は、日本みたいだな、と言う。
春夏秋冬。
はっきりとした季節が存在して、季節ごとに色んな表情を見せる自然。
良いんだけどね。
梅雨だけは慣れない。
私のクセッ毛は、いつも以上に膨らむし。
湿気が酷くて、何もかもが湿っている気がする。
せっかくのお休みに、アルト君と出掛けたかったのに。
この雨じゃ楽しめないからって、アルト君のアパートで暇つぶし。
良いんだけどね。
アルト君と一緒なら、雨でも幸せ。
何にもせずに、二人でゴロゴロ。
畳って湿気があってもサラッとしていて、気持ち良い。
だ・け・ど・・・。
アルト君は私を放って夢の世界に飛び立ってしまった。
だらしなく口元を緩めて、きりっとしたアルト君はいない。
そんなアルト君も大好きなんだよ?
でも、きっと夢の中でも私のことは放って、空なんか飛んじゃったりして。
「風・・・秒速・・テイク・・オ・・・フ」
本当に飛び立ってるし。
むぅ〜って頬も髪も膨らんでいるのが自分でも分かる。
何となく憎たらしくなって、ぎゅうっとアルト君の頬を抓ってみた。
「痛ぇって!・・・ランカ、何で抓るんだよ。」
「彼女放って、一人で飛んでっちゃうからだもん。」
何で知ってるんだよ・・・、って頬をさすりながらアルト君は拗ねてたけど。
「悪かったよ。ほらっ。」
って片腕伸ばしてスペース空けてくれたから、素直にそこに収まった。
「雨、止まないね。」
「ああ。」
「お腹空いてきたね。」
「ああ。」
「夜ご飯どうする?」
「ああ。」
ああ。って何〜?
また、飛び立とうとしてるし。
よし!ランカアタック!
「・・・別れようか?アルト君。」
「ああ。・・・・・・って。はぁ?」
「ね?アルト君。」
「ね?じゃねえし!何言ってるんだよ、ランカ。」
焦るアルト君が面白くて、ニヤニヤしちゃう。
「生返事しかしなかった、アルト君が悪いんだもん。」
「悪かったよ。・・・だけど、嘘でも言うなよな。」
心臓に悪い、とかゴニョゴニョ。
「は〜い。」
気分良くなって、アルト君にぎゅうっと抱き着いた。
その時、ふわっと風を感じて。
軒先に小さなお客さんがやってきた。
綺麗な青い小鳥。
雨宿りに来た小鳥が首を傾げて。
普通は「ピチチッ」って鳴くんだけど。
聞こえてきたのは「ニャ〜ン」。
「「何だ、そりゃ!」」
二人して大笑いしてしまった。
この惑星には、まだまだ知らない動物も多くて。
うん、面白い。
「仕方ねぇ。雨は止まないが、そろそろ買い物行くか。」
「うん。商店街?」
「冷蔵庫の中、すっからかんなんだよ。何食べたい?」
「買い物しながら決める!行こう!」
玄関でごそごそと靴を履いて、傘を取り出した。
赤い大き目な傘一本開いて、傘を持つアルト君に寄り添った。
アルト君は「歩きずれぇ。」って言いながら、私に合わせてゆっくり歩く。
足元は濡れるけど、雨も悪くないかも。

このページへのコメント

アヤさんの作品この3年間めちゃくちゃ楽しみにしてました!!!
なんかもうありがとうございます!!(^o^)

0
Posted by 侭茶利 2016年07月02日(土) 23:28:06 返信

コメントありがとうございます。
かなり久しぶりですがマクロスデルタ見てたら書きたくなって(笑)
コメントいだだけるとやっぱり嬉しいですね。

0
Posted by あや 2016年06月20日(月) 22:42:17 返信

久しぶりの新作!
ありがとうございました( ^ω^ )

0
Posted by とんべー 2016年06月19日(日) 23:19:21 返信

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます