マクロスFのキャラクター、早乙女アルトとランカ・リーのカップルに萌えた人たちのための二次創作投稿所です。

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小話「二人の時間」 BYアヤ




カーテンの隙間から漏れてくる光。
その光が眩しくて、目が覚めた。
朝と言うには、明るすぎる気がする。
きっとお昼近いんだろうな、と思ってはっとした。
「やばっ!寝過ごした〜。」
今日がオフであろうとも、主婦であり母親である。
我が家の二人のちびっ子達が、お腹を空かせている。
そう思って、がばりと起き上がったのに。
背後から腰に腕が回って、ベッドに逆戻り。
「ちょっと、アルトくん!」
寝ぼけてるのかと思って、彼の方に身体を向けたら、アルトくんの胸に顔を押し付けられた。
「何焦ってるんだ?あいつ等は居ないぞ。」
「へっ?」
居ない?えぇっと?
「兄貴のトコに泊まりに行っただろ。」
呆れた様なアルトくんの声に、やっと思い出して、彼の腕枕に落ち着いた。





「ユウ。ミユキ。二人とも、いい子にしてるのよ!」
オフの前日。
子供達それぞれに、お泊りセットのリュックを背負わせた。
「は〜い、ママ。」
「オズマの家なんだから大丈夫だって、母さん。」
「コラッ!呼び捨てにしないの!」
「構わないぞ、ランカ。仲良しだもんな〜。」
そう言って、ユウの頭をワシャワシャと撫で回しているのは、オズマお兄ちゃん。
子供達のお泊りリクエストに、二つ返事で引き受けてくれた。
「お兄ちゃん、ありがとうね。」
「まかせとけって、子供の世話は慣れてるんだ。」
そう言って笑うオズマお兄ちゃんは、頼れる二児のお父さん。
やっと妹離れしたって、皆言うけど。
今でも私に甘いと思う。
「じゃあ、行くか。」
「「いってきま〜す。」」
お兄ちゃんの車に乗り込んで手を振ってくる子供たちに、手を振り替えして見送った。
「いってらっしゃ〜い。」




「静かなわけだよね。」
いつもなら二人の足音が、とたとたと響いて元気な声がするはず。
それが無いだけで、こんなに静かだったんだ。
「ふぁ〜。それにしても良く寝たな〜。」
アルトくんが空いてる腕で、伸びをした。
「もうっ!アルトくんのせいでしょ。」
昨日は、久しぶりに二人だけの食事をして。
二人でお風呂に入って。
キャシーお義姉さんから、夜に電話を貰って。
「オズマにくっついて、ウチの子供達とよく寝ているわ。」
その話に、ほっとして。
二人だけで同棲中みたいだね〜なんて言っていたら、思いの他盛り上がってしまって。
眠りに就いたのは、丑三つ時を過ぎてた気がする。
いい大人が、なんて思ったけど。
こうして、素肌でお互いの体温を感じてる朝は、久しぶりかも。
素直に嬉しく思うんだ。
「もう昼だよな。何か食いに行くか?」
「うん。」
もう少し、アルトくんに擦り寄っていたい気もするけど。
お腹も空いたし、せっかくのオフだもん。
軽くお化粧して、ラフな格好で出掛けた。
手を繋いで。
いい匂いのベーカリーでサンドを買って、公園の芝生の上で食べた。
しばらく寝転がって、芝生の感触を楽しんで。
散歩しながら、夕ご飯の買い物をした。
いつもはユウとミユキに掛かりっきりか、アルトくんを占領されちゃう。
だから、たまには二人っきりも嬉しく思う。
思うんだけど、ちょっと寂しかったりもするんだ。
「ただいま〜。」
静かな部屋に帰ってきて、夕ご飯の支度を始める。
今日は、子供達が好きなオムライス。
「ランカは、ゆっくりしていても良いぞ。」
そうアルトくんは言ってくれるけど。
子供達が居ないリビングで、子供達の玩具とかを見てると、何だか寂しくなって。
「ううん。私も作るよ。」
二人で並んで料理するけど、そわそわしてしまう。
そろそろ子供達が、帰ってくる時間だから。
「ランカ。あいつら居なくて寂しくなったんだろ〜。」
隣でニヤニヤしながらこっちを見るから、ちょっぴりむかっと。
でも、図星だから。
「私、子離れ出来るかな〜。」
「っぷ・・・あははは。まだ何年も先の話だろ。」
そうなんだけど。
ああ、私もお兄ちゃんに似てきてる?
アルトくんがワシャワシャを頭を撫で回すから、彼の腰にぎゅっとしがみ付いた。
「ほら。チビ達が帰って来たみたいだぞ。」
玄関が開く音が聞こえて、とたとたと足音が近づいて。
「「ただいま〜。」」
「「おかえり〜。」」
アルトくんの腰から腕を外して、今度は子供達をぎゅっと抱き締めた。
「すんごい楽しかった!」
「あのね、ママ〜パパ〜!!」
アルトくんとの二人の時間も大切だけど、子供達の居る家族団欒も凄く大切なの。
まだ子離れはしません!

END

このページへのコメント

今日も作品読ませて頂きました。
子供達居なくて久々の二人だけの家だけどランカ的には寂しさ分かります。
結婚して子供できたら、ランカはしっかりしたお母さんになりそうですね。
アルトとランカはやっぱり和みますし、癒やされてます。

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Posted by 凛 2012年08月06日(月) 21:41:51 返信

いつもコメントありがとうございます(^O^)
なかなか投稿出来ない状況ですがまだ書きたいお話しもあるのでたまに見てみて下さいませ(^。^;)

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Posted by アヤ 2012年06月23日(土) 23:02:07 返信

こんにちは
お久しぶりです!紫陽花です

久々に訪れましたら、小説が更新して、嬉しいです
すっかりランカちゃんは母親になっていますね(笑)起きようとするランカちゃんをベッドに逆戻りさせるなんて、アルトとしては、またまだ抱きしめたいのでしょう(笑)
楽しく読ませて頂きましたありがとうございますm(_ _)m

ではまた(^-^)/~~

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Posted by 紫陽花 2012年06月18日(月) 15:13:14 返信

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