最終更新:ID:ua4BptOMXw 2011年06月09日(木) 21:51:18履歴
こんばんは。アヤです。
劇場版ENDや公式にもやもやが続いていますが、それでもアルランが好きです。
妄想万歳〜(痛っ)って感じで発散させていただいてます。
TV最終回後でアルラン付き合い出すまであと一歩って感じです。
よかったら読んでみてください。
「素顔のままで」 BYアヤ
「お兄ちゃん。お待たせ。」
ランカはオズマの車の助手席のドアを開けて乗り込んだ。
「おいっ。オマエ誰だよ。」
「えっ?ア・・アルトくん!」
車の運転席にはオズマではなく、最近会えていなかったアルトがいた。
が、アルトの表情は不審者を見るそれだった。
日の光が遥か彼方に沈み、夕闇のカーテンが降りてくる時刻。
フロンティア内にある某テレビ局の二階ロビーにランカはいた。
音楽番組の収録が終わって今日の仕事は終了。
久しぶりに早く仕事が終わる為オズマとブレラの兄達が迎えに来る。
テレビ局の二階からは駐車場が見下ろせる為ランカはバッグを抱えて立っていた。
テレビ局のスタッフ達が忙しなく動き回っているが誰もランカに声をかけない。
それもそのはず。あの翡翠色の髪のランカ・リーはここにはいないのだから。
少しどきどきして下を見下ろしていると見慣れた髑髏のエンブレムマークの車体が駐車場に入って来る。
「お兄ちゃん、驚くかな。」
微笑を浮かべ、バッグを肩に掛けると一階に続くメインロビーの階段を駆け下りた。
「おいっ。オマエ・・・」
「えっ?なんでアルトくん?」
「ん〜〜?」
アルトには車に乗り込んできた少女が誰だか分からなかった。
しかしこの少女は俺の名前を知っていて「お兄ちゃん」と言いながらこの車に乗り込んできた。
思わずアルトは目の前の少女に顔を寄せていた。
黒髪のロングヘアに眼鏡をかけデニムのスキニーパンツに軽やかなチュニックスタイル。
自分のまわりにいる人間ではナナセに近い雰囲気だ。
だがそんな少女と知り合った覚えは無い。
しかしだ。慣れ親しんだ香りに紅玉の瞳。耳に馴染むこの声。
「ランカ・・・か?」
「アルトくん・・近いよ。」
頬を紅く染めてわたわたと落ち着きが無いその姿。
アルトの頭の中でランカの姿がぴったりと当てはまった。
「えへっ。びっくりした?」
「あっ・・あぁ。」
「ボビーさんが今日のヘアメイクさんだったの。早く仕事上がれるならちょっと変装してお兄ちゃんと羽伸ばしたら?って、このウィッグくれたの。」
両サイドの髪を少し持ち上げるといつもの翡翠色の髪が見えた。
「だったら、ってスタイリストさんがこの洋服も用意してくれたんだよ。」
「へ〜。本当に驚いたな。それなら超時空シンデレラだって簡単にはばれないな。」
「ふふっ。でも、私もビックリしたよ〜。お兄ちゃんだと思っていたのにアルトくんがいるんだもん。」
「隊長もブレラも急な任務が入っちまってな。俺にご指名がきたってわけだ。」
二人ともかなり不服そうな顔はしていたが。
「そっか。でも、アルトくんいつの間に車の免許とったの?」
「ちょっと前にな。これから護衛の任務とかも増えるだろうし、運転免許くらいバルキリー乗りなら簡単だろうって隊長に言われてな。」
実際こうしてランカの護衛(?)の指名がきて免許とって正解だったな。と、アルトは内心ガッツポーズを決めていた。
「なぁランカ。今日はもうオフなんだろ?」
「うん。そうだよ。」
「せっかくその姿なんだし時間も早い。少し遊びに行かないか?」
「それって二人で?・・・デートのお誘い?」
上目使いにうっすらと朱に染まった頬はアルトでなくともヤバイ。
「まぁそうだな。・・嫌か?」
「嫌じゃない!行きたい。」
二人はほぼ同時に心の中で「よしっ!(でかるちゃ〜〜!)」と喜び叫んでいた。
頬が知らず知らずの内に緩んでいく。
そうして助手席のランカに優しく微笑みながらアルトは車を発進させ、テレビ局の駐車場を抜けていった。
テレビ局の駐車場を抜けてそんなに時間のかからない場所に車は停まった。
ここはゼントラーディー達の為に新しく建てたショッピングモール。
「その姿なら周りを気にしなくても大丈夫だしな。」
「新しくなってから始めて来たよ〜。すっごく楽しみ。」
ゼントラーディーのみならず、人間たちでも楽しめるこのショッピングモールはほとんどの会社の終業時刻後の為かかなり賑わっている。
「まぁ人ごみだから一応な。」
アルトはランカの手を握って歩いていく。
自然に握られた手の感触にランカは照れよりも安心を感じた。
いつもは入らないオープンカフェで軽いディナーを堪能し、ゲームコーナーでは遠慮するアルトを無理やり引き込んでホロクラをとった。
ちょっと大胆に腕を組みウィンドウショッピング。
何気ない会話が楽しかった。
でも、夢の終わりは案外早かった。
ショーウィンドウを覗いてランカは、はっとした。
ガラスに映りこんだのは私なのに私じゃない。
アルトくんの隣にいるのは紛れも無くランカだ。
けれどガラスに映った姿はいつもの自分ではなくて知らない女の子。
あんなに楽しかったのに何だか気分が沈んでしまった。
急に隣を歩いているランカの元気が無くなった。
「ランカ?疲れたか?」
「ううん。大丈夫だよ。」
ふるふると頭を振って否定するけれど、ランカの表情はいつもと違う。
「そろそろ帰るか?」
「あ・・・あのね。」
「んっ。何だ?」
「グリフィスパークに寄って行って良い?」
宇宙を旅していた頃のグリフィスパークとはもう違うけれど、アルトとランカはよく緑豊かなこの丘に来ていた。
グリフィスパークに着いてすぐにランカはウィッグに手をかけた。
「おいっランカ?」
「大丈夫。こんな時間に誰もいないよ。」
ウィッグをはずすと、ランカはふっとため息を吐いた。
少し伸びた翡翠色の髪がふわふわと風になびいて白いうなじがちらりと覗く。
少女だったランカが少しずつ大人の女性に変化していく。
そんな様を目にするたびにアルトはどきりと胸を弾ませるようになった。
「寒くないか?」
「平気だよ。」
ランカが落ち着いたようだったからアルトは話しをきりだした。
「さっきはどうしたんだ?急に静かになって。」
「ん〜。ちょっと・・・ね。」
「ランカ〜?」
アルトの顔が寄ってきて逃げられない様に手を掴まれた。
ランカはちょっとだけ俯いて話し始める。
「・・・ガラスに映った姿が私なのに私じゃなくて悲しくなっちゃっただけ。」
「は〜っ。何だ。そんな事か。」
「そんな事って。」
思わず俯いていた顔を上げてアルトを見ると、優しい瞳とかち合った。
「大丈夫だ。俺がランカだって分かってる。どんな格好をしていても。」
そうしてアルトはランカの頭に手をやるとわしゃわしゃと翡翠色の髪をかき混ぜた。
「まぁ、生のこの感触が一番だけどな。」
「や〜ん。もうっアルトくん!」
頬を赤らめてわたわたとするランカ。
それを見るのがアルトの最近のお気に入りになりつつある。
「じゃあ、次はここでのんびりするか。」
「次・・・。二人で?」
「ああ。嫌ならいいぞ。」
若干むくれたようなアルトを見てランカは焦る。
「嫌じゃないってば〜。いじわるだよ〜。」
「知ってる。」
アルトが笑い出せば、ランカもくすくすと笑い出す。
「そろそろ帰るか。」
また自然と繋がれた手にランカはやっぱり照れよりも安心を感じて二人は帰路についた。
劇場版ENDや公式にもやもやが続いていますが、それでもアルランが好きです。
妄想万歳〜(痛っ)って感じで発散させていただいてます。
TV最終回後でアルラン付き合い出すまであと一歩って感じです。
よかったら読んでみてください。
「素顔のままで」 BYアヤ
「お兄ちゃん。お待たせ。」
ランカはオズマの車の助手席のドアを開けて乗り込んだ。
「おいっ。オマエ誰だよ。」
「えっ?ア・・アルトくん!」
車の運転席にはオズマではなく、最近会えていなかったアルトがいた。
が、アルトの表情は不審者を見るそれだった。
日の光が遥か彼方に沈み、夕闇のカーテンが降りてくる時刻。
フロンティア内にある某テレビ局の二階ロビーにランカはいた。
音楽番組の収録が終わって今日の仕事は終了。
久しぶりに早く仕事が終わる為オズマとブレラの兄達が迎えに来る。
テレビ局の二階からは駐車場が見下ろせる為ランカはバッグを抱えて立っていた。
テレビ局のスタッフ達が忙しなく動き回っているが誰もランカに声をかけない。
それもそのはず。あの翡翠色の髪のランカ・リーはここにはいないのだから。
少しどきどきして下を見下ろしていると見慣れた髑髏のエンブレムマークの車体が駐車場に入って来る。
「お兄ちゃん、驚くかな。」
微笑を浮かべ、バッグを肩に掛けると一階に続くメインロビーの階段を駆け下りた。
「おいっ。オマエ・・・」
「えっ?なんでアルトくん?」
「ん〜〜?」
アルトには車に乗り込んできた少女が誰だか分からなかった。
しかしこの少女は俺の名前を知っていて「お兄ちゃん」と言いながらこの車に乗り込んできた。
思わずアルトは目の前の少女に顔を寄せていた。
黒髪のロングヘアに眼鏡をかけデニムのスキニーパンツに軽やかなチュニックスタイル。
自分のまわりにいる人間ではナナセに近い雰囲気だ。
だがそんな少女と知り合った覚えは無い。
しかしだ。慣れ親しんだ香りに紅玉の瞳。耳に馴染むこの声。
「ランカ・・・か?」
「アルトくん・・近いよ。」
頬を紅く染めてわたわたと落ち着きが無いその姿。
アルトの頭の中でランカの姿がぴったりと当てはまった。
「えへっ。びっくりした?」
「あっ・・あぁ。」
「ボビーさんが今日のヘアメイクさんだったの。早く仕事上がれるならちょっと変装してお兄ちゃんと羽伸ばしたら?って、このウィッグくれたの。」
両サイドの髪を少し持ち上げるといつもの翡翠色の髪が見えた。
「だったら、ってスタイリストさんがこの洋服も用意してくれたんだよ。」
「へ〜。本当に驚いたな。それなら超時空シンデレラだって簡単にはばれないな。」
「ふふっ。でも、私もビックリしたよ〜。お兄ちゃんだと思っていたのにアルトくんがいるんだもん。」
「隊長もブレラも急な任務が入っちまってな。俺にご指名がきたってわけだ。」
二人ともかなり不服そうな顔はしていたが。
「そっか。でも、アルトくんいつの間に車の免許とったの?」
「ちょっと前にな。これから護衛の任務とかも増えるだろうし、運転免許くらいバルキリー乗りなら簡単だろうって隊長に言われてな。」
実際こうしてランカの護衛(?)の指名がきて免許とって正解だったな。と、アルトは内心ガッツポーズを決めていた。
「なぁランカ。今日はもうオフなんだろ?」
「うん。そうだよ。」
「せっかくその姿なんだし時間も早い。少し遊びに行かないか?」
「それって二人で?・・・デートのお誘い?」
上目使いにうっすらと朱に染まった頬はアルトでなくともヤバイ。
「まぁそうだな。・・嫌か?」
「嫌じゃない!行きたい。」
二人はほぼ同時に心の中で「よしっ!(でかるちゃ〜〜!)」と喜び叫んでいた。
頬が知らず知らずの内に緩んでいく。
そうして助手席のランカに優しく微笑みながらアルトは車を発進させ、テレビ局の駐車場を抜けていった。
テレビ局の駐車場を抜けてそんなに時間のかからない場所に車は停まった。
ここはゼントラーディー達の為に新しく建てたショッピングモール。
「その姿なら周りを気にしなくても大丈夫だしな。」
「新しくなってから始めて来たよ〜。すっごく楽しみ。」
ゼントラーディーのみならず、人間たちでも楽しめるこのショッピングモールはほとんどの会社の終業時刻後の為かかなり賑わっている。
「まぁ人ごみだから一応な。」
アルトはランカの手を握って歩いていく。
自然に握られた手の感触にランカは照れよりも安心を感じた。
いつもは入らないオープンカフェで軽いディナーを堪能し、ゲームコーナーでは遠慮するアルトを無理やり引き込んでホロクラをとった。
ちょっと大胆に腕を組みウィンドウショッピング。
何気ない会話が楽しかった。
でも、夢の終わりは案外早かった。
ショーウィンドウを覗いてランカは、はっとした。
ガラスに映りこんだのは私なのに私じゃない。
アルトくんの隣にいるのは紛れも無くランカだ。
けれどガラスに映った姿はいつもの自分ではなくて知らない女の子。
あんなに楽しかったのに何だか気分が沈んでしまった。
急に隣を歩いているランカの元気が無くなった。
「ランカ?疲れたか?」
「ううん。大丈夫だよ。」
ふるふると頭を振って否定するけれど、ランカの表情はいつもと違う。
「そろそろ帰るか?」
「あ・・・あのね。」
「んっ。何だ?」
「グリフィスパークに寄って行って良い?」
宇宙を旅していた頃のグリフィスパークとはもう違うけれど、アルトとランカはよく緑豊かなこの丘に来ていた。
グリフィスパークに着いてすぐにランカはウィッグに手をかけた。
「おいっランカ?」
「大丈夫。こんな時間に誰もいないよ。」
ウィッグをはずすと、ランカはふっとため息を吐いた。
少し伸びた翡翠色の髪がふわふわと風になびいて白いうなじがちらりと覗く。
少女だったランカが少しずつ大人の女性に変化していく。
そんな様を目にするたびにアルトはどきりと胸を弾ませるようになった。
「寒くないか?」
「平気だよ。」
ランカが落ち着いたようだったからアルトは話しをきりだした。
「さっきはどうしたんだ?急に静かになって。」
「ん〜。ちょっと・・・ね。」
「ランカ〜?」
アルトの顔が寄ってきて逃げられない様に手を掴まれた。
ランカはちょっとだけ俯いて話し始める。
「・・・ガラスに映った姿が私なのに私じゃなくて悲しくなっちゃっただけ。」
「は〜っ。何だ。そんな事か。」
「そんな事って。」
思わず俯いていた顔を上げてアルトを見ると、優しい瞳とかち合った。
「大丈夫だ。俺がランカだって分かってる。どんな格好をしていても。」
そうしてアルトはランカの頭に手をやるとわしゃわしゃと翡翠色の髪をかき混ぜた。
「まぁ、生のこの感触が一番だけどな。」
「や〜ん。もうっアルトくん!」
頬を赤らめてわたわたとするランカ。
それを見るのがアルトの最近のお気に入りになりつつある。
「じゃあ、次はここでのんびりするか。」
「次・・・。二人で?」
「ああ。嫌ならいいぞ。」
若干むくれたようなアルトを見てランカは焦る。
「嫌じゃないってば〜。いじわるだよ〜。」
「知ってる。」
アルトが笑い出せば、ランカもくすくすと笑い出す。
「そろそろ帰るか。」
また自然と繋がれた手にランカはやっぱり照れよりも安心を感じて二人は帰路についた。
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