武満徹「夢の引用」1984年3月
■夢と死―――――恐怖映画
岩波の雑誌『世界』に連載された映画エッセイをまとめたもの。岩波で世界で武満と来たら、ある種の予断を持って身構えてしまうだろう。実際、彼はちょいちょい観念的なことも述べるのだが、これが意外にまっとうというか、わかりやすい言葉で書かれた映画批評になっている。そこらの映画ライターではとてもかなわない。しかし、武満のキャリアを考えればそんな事をいう方が失礼で、音楽しかやっていないとはいえ、彼もまた映画作家なのであった。キューブリックの『シャイニング』は、(私が観たものは東京で上映された短縮版であったが)ジョン・オルコットの撮影が卓抜な効果をあげて、物語の筋立て(キューブリックとダイアン・ジョンスンの共同脚本)も悪くなかった。これはキングについて述べ、デ・パルマの『キャリー』について触れた流れの中で出てきた文章である。言及はこれだけだが、それなりに評価していると読めるだろう。なお、何年の何月号に書かれたものかは不明。1982年頃だろうか。
2006年02月03日(金) 04:58:51 Modified by badsboss
添付ファイル一覧(全1件)
ef3d7ffb680a0a77.jpg (9.12KB)
Uploaded by badsboss 2006年02月02日(木) 11:35:40
Uploaded by badsboss 2006年02月02日(木) 11:35:40