金を打のべたる句 - 古池や蛙飛こむ水のおと

草の戸も住替る代ぞひなの家　　芭蕉

｢おくのほそ道｣の旅に出る前、芭蕉が住んでいた深川の草庵を詠む。
深川の草庵を出てから詠んだ、否、出る時に詠んだ等と騒ぐ人たち。
芭蕉を金蔓にしようとする人たち、全く色いろな人が居るようです。

次の句は、いずれも｢取り合わせ｣とも｢一物仕立て｣とも読めますね。
すなわち、｢一物仕立て｣として読んで、一口目をお楽しみください。
そして又、｢取り合わせ｣として読んで、深い味をお楽しみください。

＊　古池や蛙飛こむ水のおと
＊　夏草や兵どもが夢の跡
＊　閑さや岩にしみ入蝉の声
＊　石山の石より白し秋の風　　
＊　病鳫の夜さむに落て旅ね哉　
＊　枯朶にからすのとまりけり秋の暮

＊　草の戸も住替る代ぞひなの家

(お好きに読んでくださいませね。)
①草庵も爺が出た後の代には若い女が住むのだなあ。（一物仕立て）
②俳句も生れ変わり、芭蕉庵も爺から娘に替るなあ。（一物仕立て）
③町は雛祭りで賑わる。草庵に女の子が住んでいる。（取り合わせ）
④草庵に雛飾りしてある。草庵も若やいだ雰囲気だ。（取り合わせ）

◎　蕉風俳句の御点前、お味は如何で御座いますでしょうか!?

俳句は一人歩き致します、他人の解釈など少しも気にしなくていい。
芭蕉俳句は芭蕉研究者や芭蕉ファンに楽しい時を提供するでしょう。
ただし、通りがかりの人が読んで何のことやら判らない句はダメね。