リリカルスクリーム14話

その頃月村邸…
「今度は大丈夫なはず…。」
忍は汗を拭って言った。いつのまにか
周りには妹のすずかと彼女が絶大な信頼を置いているノエルとファリンのメイド姉妹が
集まってきていた。
「これで直るのでしょうか?お嬢様…。」
「そう願うよ。でも随分気にかけるんだね。」
心配そうに言ったノエルに忍が悪戯っぽく言った。
「いえ…その…最初に見た時から何故か放っておけないような気持ちになって…その…。」
ノエルはもじもじしながら呟いた
「ぶ…ん…。」
「あ、ほら。気がついたみたいだよ。」
「ぶーん。僕ちゃん体ががんがんびんびん痛いのね〜でも体は動くぶーん。」
「蜂」は呻きながらよろよろと六本の足を使って体を支えた。
「ねえねえ、私達が解る?君の名前は?」
「…へんし〜ん。僕ちゃんの名前は、スラスト…いや今はワスピーターかな。ぶ〜ん。」
その「蜂」おもむろには今までとっていた蜂の姿から各部に蜂の意匠を残したロボットモードへと変形し、
「へ…変形した!?」
初めて目にしたトランスフォームに目を丸くする四人に「蜂」…ワスピーターは
控えめに名乗った。
「ワスピーター…でいいの?それであなたは誰に作られてどこからきたの?某国の秘密兵器?
それとも宇宙からの来訪者とか?」
「僕ちゃんは…セーバートロンていう星から来たぶーん。それで…ここはどこで君達は誰だぶーん?」
「私は月村忍。こっちが妹のすずかで…こっちがノエルとファリン。」
「さっき助けてくれたのはあなたかぶーん。命の恩人だぶーん。」
「当然の事をしたまでです…。」
ノエルがやさしく微笑んだ。
「それでそれでまだまだ聞きたい事がいろいろあってね…。」
そして小一時間が経過し忍とすずかの質問攻めがやっと収まったころ…。
「ふむふむなるほどね…。」
忍はいつのまにかメモをとりはじめていた。とそこへ…ピーンポーン…
「忍ー。居るかー?」
呼び鈴が鳴り、忍達にとっては聞きなれた声が響いた。
「あっ恭也〜♪」
忍のお互いの家族が公認している恋人にしてなのはの兄でもある高町恭也だ。
「こんにちはすずかちゃん。ノエルとファリンも…どうしたんだい一体?…ん?…忍。またロボット作ったのか?」
「あっそうそう!このロボットね。凄いんだよ!」
「へ、変形するんですよ!」
「は、はあ…。」
興奮気味の忍とすずかが恭也に熱いトークをしかけようとしたその時つけっぱなしに
されていた居間のテレビからニュース番組が流れてきた。
「えー次のニュースですが海鳴市の大勝製薬の薬品貯蔵工場に巨大なロボットが現れたと
言うことなんですが…。これは本当なんでしょうかねぇ…?」
中年のアナウンサーが苦笑いして原稿を読み上げた。
「どうなんでしょう…。さて次のニュースですが行方不明になっていた秘密結社
鷹の爪団の総統こと岡本容疑者他三名と熊一匹がアラスカの雪山で発見されたと…。」
女子アナウンサーは構わず次の原稿を読み上げている。
「…なんだこのニュースは…。おい忍!どこ行くんだ!」
恭也が呆れ顔で呟いたその時忍とすずかが玄関へ向かって走り出した。
「ここから近かったしひょっとしたらワスピーターと何か関係あるかも知れないもん!」
「ワスピーターってこのロボットのことか?一体なにがどうなって…」
「説明はあとあと!」
「おい待て忍!」
恭也は忍達を追って月村邸を後にした。その頃…

その頃…
「うわーっ!逃げろ!」
工場の係員が蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
「さあいけ!ガイスターロボ!妨害勢力を蹴散らしてエネルギー源を
基地までお持ち帰りするんだ!」
プテラガイストが声を張り上げた。ガイスターズはドリンク剤が詰まったタンクを
ガイスターロボ化し直接基地まで運ぼうとしていたのだ。
「ダメもとで付いてきて見たけどこのまま行けばこの作戦成功するんじゃないか?
なあ、ガイルダート?俺達も少しは褒められるかなあ?」
「油断は出来んさ。あの訳の解らん人間どもがまた出てきたりすれば…。」
ディメトロドンに変形するトランスフォーマー・スリングがトリケラトプスに変形する
トランスフォーマー・ガイルダートに少し嬉しそうに言った。しかしガイルダートは
どことなく不機嫌そうだ。さらに…
「この俺様をこんな雑用にこき使いやがって!本来俺はリーダーになるべき器なんだ!」
脇で雑用に従事しているスタースクリームに至っては構う事無く不満を漏らしている。
「土壇場でおこぼれに預かろうとして付いてきたくせにいまさらガタガタ文句抜かすな。」
アンモナイトに変形するトランスフォーマー・デッドエンドがやる気の無いスタースクリームを叱咤した。
「まあ…お前達にとってみればつまらない光景には違いないだろうな…。スタースクリーム、それにガイルダート。」
始祖鳥に変形するトランスフォーマー・アルカディスが薄ら笑いを浮かべながら言った。
「俺は別に…。」
「無理をするな。本音ではあの人間達に現れて欲しいんだろ?」
ガイルダートが憮然として言い返したがアルカディスは完全に腹の内を読んでいるらしい。
その頃デストロン基地では…。
「奴ら何かのエネルギーを奪取しようとしてるみて〜だぜ〜。でもさ〜またあの変な技使う
人間がきたらさ〜またやられちまうんじゃねーかぁ?」
「あいつらの作戦などこの基地に居る全員がはなから当てになどしてはいないわ。
それよりもこの録画映像から奴らのデータを入手できればしめたものだ。」
モニターの前でデストロンの航空参謀・サイクロナスの同型の複製トランスフォーマー四機からなる彼の親衛隊・サイクロンの内の
一人が彼の隊長でありオリジナルでもあるサイクロナスにやる気の無さそうな口調で言った。
このサイクロンは元々サイクロナスの親衛隊だったスカージとスゥイープスが昇進してサイクロナスと
同等のポジションについたために用意された物で親衛隊と同時にサイクロナスの影武者としての役割も
担っており、今サイクロナスと会話した一人は実際に影武者を務めていた事がある。
ヘッドマスターと呼ばれる種族がサイバトロンとデストロンの争いに参戦し「最狂の破壊大帝」
と呼ばれた二代目破壊大帝ガルバトロンが死亡して三代目破壊大帝メカザラックが
即位したころの彼がそれだ。
「あのアホ海賊どものの作戦だがな。失敗か成功がどっちに賭ける?」
レオザックが隣に居た仲間のブレストフォースに言った。
「ロンモチ失敗に賭ける。」
「俺は成功かな…。」
そんな声があちこちから聞こえてきた。
「不真面目な…」
「俺は失敗に賭ける!」
「じゃあ俺は…」
「貴様らまで参加してどうするこのたわけ共!」
目くじらをたてる自分を尻目に賭けに参加しようとするサイクロン達をサイクロナスが殴り飛ばした。その頃…

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2007年06月25日(月) 17:45:51 Modified by beast0916




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