リリカルスクリーム21-2話

その頃国守山の基地では…大型モニターに映し出されたホーンガイストが巨大化している光景に感嘆の声があがっていた。
「こりゃ本当に勝っちまうんじゃねーんですかい?」
「へへっこりゃあさっきの賭けは俺達の勝ちかな。」
そんな声があちこちから聞こえてくる。しかし、そんな喧騒とは無縁のネメシスマーク兇
ブリッジでは…スーパースタースクリームが頬杖を突きながらこの次元世界にワープする前に
管理局の回線をハッキングして集めたデータを閲覧していた。しかし、
モニターに映し出されるのはどれもとるに足らないようなデータばかりだ。
「…む?」
スーパースタースクリームは不意にとある研究施設のデータの中にプロテクトされている物が
あることに気が付いた。そのプロテクトはかなり厳重な物だったが、解除出来ない事も無い。
2分ほど経過して解除されたテキストデータにスーパースタースクリームは素早く目を走らせる。
そこには…
「戦闘機人?…人間と機械を融合させようと言うのか?」
戦闘機人という人間と機械を融合させた兵器に関する過去のデータや構想などがびっしりと
記録されていた。既に理論は出来上がっており、後は実用化のみ。これにはもしかすると十年近い時を要するかも
知れないがこれさえ終われば後は器が出来上がるのを待つだけだ、とも記されていた。
テキストデータの終わりには「ジェイル・スカリエッティ」というサインと年齢は
だいたい十代半ばから後半ぐらいだろうか、異様な雰囲気を纏った少年の写真が添付されていた。
「うーむ…。」
スーパースタースクリームは感慨深げにしばし思案していたが…
「おいナビ子!」
「“ちゃん”は?気安く呼び捨てにされるのは嫌だっちゃ〜。」
ネメシスマーク兇離泪諭璽献瓮鵐函Ε轡好謄燹▲淵啝劼舛磴鵑拗ねた声で言った。
「チッ…ナビ子“ちゃん”。サイクロナスを呼べ。」
しかたなく言う通りにするスーパースタースクリーム。全くコイツを作った奴はなんでこんな無駄な
感情をコンピューターに植えつけたのだろうか。もう何回目になるかも解らない疑問が彼の頭をよぎる。
「わかったっちゃ。」
「サイクロナス。ただ今参りました。それで至急の用とは?」
「ガイスターズは作戦に失敗して間もなく戻ってくるだろう。お前には新しい襲撃作戦を立ててもらう。」
「ハッ!それで目標は、“ヒャクリ”ですか?“キサラヅ”ですか?それとも一気に“イチガヤ”あたりを攻め落としますか?」
デストロンの古参航空参謀・サイクロナスはまってましたと言いたげな自信有りげな顔で言った。
ゆくゆくはこいつにも目をかけてやらねば。叩きあげの軍人特有の頼りがいのある表情に
スーパースタースクリームはほくそ笑むと、言った。
「軍事基地など襲撃して何になる。あんなところには弾薬くらいしかありはしないのだ。
標的は異世界の…我らが目覚めた世界のとある研究施設だ。」

そんな彼らを他所に、さぁ、戦いだ!
「デカくなれば強いだなんて考えがガキなんだよ!」
アルフが結界破壊能力を持つ攻撃、、バリアブレイクでホーンガイストにつっかける。
さらにザフィーラも続いた。彼の持つ技の中ではもっとも強力な技、相手を魔力の鎖で
縛り上げる「鋼のくびき」だ。しかし…

「はははっまるで効かん!お返しだあ!」

「馬鹿な!闇の書すら捕縛した…。」
バリアブレイクは命中したものの当たった部分に火花が散っただけ。
ホーンガイストのボディには傷ひとつ付いていない。鋼のくびきによって作り出された
数本の巨大な鎖はあろうことか力任せに引きちぎられてしまった。そしてホーンガイストの
反撃が開始される。頭部の脇に装着されたビーム砲が火…いや、光の柱を吹いた。
巨大化しているので口径も威力も倍増したそのビーム砲の威力は凄まじい物だろう。
もっとも当たりさえすればの話だが。
「どこ見て撃ってるんだよ!」
二本の光の柱は小さいため機動力で圧倒的に勝る魔道師の面々にはかすりもせず、
図らずも逃げ出していった他のガイスターズのメンバーへと向かっていった。
「な、なんだあ!」
「光が…ぶぁぁぁぁって…。」
並んで飛行していたサンダーガイストとプテラガイストはもろにビームを喰らい、
遅れて飛行していたアーマーガイストは直撃こそもらわなかったもののバーニアをやられてしまった。
「なんで…こうなるんだよ。ケホッ…」
「真っ黒コゲ……。」
「やれやれまたこんなオチか…。これじゃガイスターに居た頃とかわらないぜ。」
墜落したアーマーガイストはよろよろと立ち上がると黒こげになった2体の同僚を担ぐと
徒歩で国守山のアジトへと撤退していった。その頃海鳴市の某所、
サウンドブラスターがこの次元へと転移させてきた宇宙船では…。暗い部屋で三体のトランスフォーマーが
モニターから送られてくる巨大ホーンガイストの映像を見つめていた。
彼らは通常のトランスフォーマーがせいぜい三段変形が限界な事に対し六段変形を可能とする
特殊な種族…「シックス族」の戦士達である。
「形勢は不利のようだぞ。援護に行かなくてもいいのかシックスショット?」
「案ずるなシックスナイト。サウンドブラスター殿から出撃要請は出てはおらぬ。」
「ああ、見たところ我らが出向く必要は無いでごさろう。」
三人の中でもっとも血の気が濃くかつて「マスターフォース戦争」と呼ばれた戦争に
参加していた三人の中では唯一侍口調では無いシックス族の流れ者
「シックスナイト」がもどかしげに言った。だが三人のリーダー格、かつて
「ヘッドマスター戦争」に参加していた戦士「シックスショット」とサイバトロン五代目総司令官
ビクトリーセイバーと共に戦っていた事もあるのシックス族の傭兵「グレートショット」は落ち着いた表情で答えた。
その時。
「ここから出すっシャ〜!このエセ忍者軍団!ああ〜んシルバーボルト〜!手を伸ばしたらあなたに届きそうだっシャ〜。」
「ブラックウィドーさん!絶対一緒にここから脱出しましょうデス!」
「…お前等ちょっと黙ってろ!」
「そうだ!こちとら気が立ってるってのに閉じ込められてからこっち喘ぎ声ばかり聞かせやがって!喧嘩売ってるのか!」
「へえ、やるんですか?あなたのそのキモいブースター全部取っ払って素っ裸にしたあと埋めますよ!」
「おいおいよせよ兄貴!」
「ソニックボンバー!お前もそのへんにしとけ!」
彼らが話している部屋の近くにある独房スペースから叫び声が聞こえてきた。
「捕虜の…サイバトロンどもがまた騒ぎ始めたか。」
シックスショットがほくそえみながら呟いた。

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2007年08月12日(日) 11:47:54 Modified by beast0916




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