真祖海鳴に行くの巻上

遠野邸に響く声
「え〜〜〜!!志貴がいないの!」
文句を垂れる金髪美女、それにメイドと思しき少女は頭を下げる。
「申し訳ございません、志貴様と秋葉様は学校の修学旅行で昨日オーストラリアに言っております。」

「う〜、妹め!図ったな・・・シエルも修学旅行で居ないし、シオンは一旦里帰りしちゃったし、ブルーはあれ以来どっかいっちゃったし、
 リァノーン、爺やも・・・う〜ん。」
彼女にとって退屈はまさしく苦痛であった、一人きりで三咲にいるのも正直嫌だ、かといって今からオーストラリアに行っても恐らく
秋葉と衝突することは必須だし、志貴にそれこそ「何で来たんだ!」と怒られる(こうなると当分口は聞いてくれないだろう)そこで彼女は思いついた。
「そうだ、折角だから私も旅行に行こう!丁度いい暇つぶしにでもなりそうだし。」
かつてボコりあった仲でもある魔法使いの言葉「自由気ままに旅をする。」そして何の因果か知り合う事となった旅を続けているロードヴァンパイア、
それもたまにはいいだろう彼女はそう思った、そして彼女は志貴のベッドで主の居留守を守っているのかそこに座っている黒猫を呼ぶ。
「レン〜〜〜〜、旅行に行こう〜〜〜。」
拒否するのかと思ったが、黒猫は頷くと彼女によってきた。黒猫は彼女に問う『どこに行くの?』、それに対して彼女はただ明るい顔で
「ん?行き先はどこだって?そんなの全く考えてないよ、ほら自由気ままに旅っていうのも悪くないじゃない。」
と言う、『やれやれ、彼女らしいな。』黒猫はそう思った、だが黒猫はそれを受け入れた。そして彼女は旅行に行く為のトランクを買うと
マンションに戻り用意をして電車に乗った、切符は大人1枚、子供1枚、目的地など何も考えても居ない、ただ暇つぶしのぶらり旅
・・・それが彼女やある少女達を巻き込む大事件になるとは此の時思いもしなかった。


――――真祖海鳴に行くの巻(多分上)

「海鳴〜、海鳴〜」
アナウンスの声がホームに響く。
「ここが海鳴か〜、良い所ね〜。」
全く地図も観光雑誌も何も見ていないのに彼女は言う、だが彼女にとって此の町には何か惹かれるものがあった、
理由は分からないただ何となく惹かれた。
(何だ(や)ろう・・・此の感じ・・・)
そしてある喫茶店の少女、そして家族の帰りを待つ少女も似たような感じを嗅ぎ取った。しかし日は沈み、夜空には星が瞬いている。
彼女達は近くにある高級ホテルに入りスイートルームを一週間分取り(ただ、予約制といったホテルのオーナー達一同に魔眼をかけたりしたのは気にしない)
そのままベッドに潜り込むと明日に備えて寝た。

「う〜〜〜ん、おはよう・・・あれ、レンは?どっか行ったのかな?まぁいいかお金も持たせているし彼女なら十分やっていけるでしょ、んじゃ観光に出発。」
無責任にもほどがある・・・

「ふう、皆まだ帰ってこうへんか・・・一人は慣れたと思ったやけどやっぱ寂しいなぁ。」
一軒家で少女は呟く、名前は『八神はやて』3ヶ月前におきた『闇の書事件』に深く関わり解決へと導いた子である、
孤児になっていた彼女には新しい家族がいるヴォルケンリッターという騎士達3人と1匹が居た・・・しかし騎士達はある事情で管理局本部に居る。
寂しさを紛らす為でもあるのか彼女はケーキを焼いていた、騎士達が帰ってきた時に振舞えるように・・・。
「お、結構良く焼けたな・・・どれどれ味見と・・・うん中々美味いなぁ。」
はやては自分の作ったシフォンケーキの味に満足していたがやはり一人でケーキを食べると寂しいものであった。思い出すに今は亡き母、
よく自分の為にケーキを焼いてくれた感傷に浸るはやてだが窓から視線を感じた。そして窓からは一匹の黒猫がケーキを見つめていた。
「何や?ケーキ食べたいんか?」
はやては窓を開き黒猫に問う、そうすると黒猫は首をコクンコクンと縦に振った。
「おいで〜。」
はやては微笑むと黒猫は慣れたようにはやての家に入って来た、そしてはやてはケーキを切り、
ザフィーラの餌皿にミルクを注いで黒猫に出した。黒猫はケーキをあっという間に完食しはやてに御代わりを強請った。
「しゃあないなぁ、もう一切れやで。」
そしてもう一切れを食べた黒猫は『この人は信用できる』と判断したのかはやての膝上に乗っかりそして・・・
「ん〜それにしても此の猫はなんて言うんや?『レン・・・』レン?」
黒猫は頷く。
「どっから〜聞こえたんやろ?まぁええわレン〜♪」
はやては黒猫の頭を撫でる。
「レンはどこからきたんやろ・・・ひょっとしてすずかちゃんの家からかな?・・・あれ何か眠くなってきたなぁ・・・
 昨日けっこ・・・う・・・はよ・・・寝・・・ZZZ・・・。」

「ええと、買出しは終わったから帰ろう。」
高町なのはは店の買出しを終わらせ帰ろうとしていた、管理局員(仮)でもあるが翠屋の娘として店の為の仕事もしなければならない、
本来なら付き合ってくれる少女と淫じゅ・・・じゃなくて少年も今は諸事情もあってミッドチルダにいる。
(それにしても・・・)
なのはは昨日のちょっとしたある反応に疑問を浮かべる。
(あれは何だったんだろう、魔法に近いけど魔法と違う力・・・)
そう考えている彼女だが声を掛けられその思考を中断する。
「ねぇ、ちょっとそこの貴女。」
そして声を掛けられた方向を見て一瞬唖然とした、
彼女から見てもすごい美人がいたからだ。

「う〜〜〜ん、何でここにきたんだろ?」
彼女は考えた、確かに三咲と海鳴・・若干は違っていたが、ほとんど似ていた・・・デパートにゲーセン、
悪趣味といえるネオンがあるパチンコ屋、ブティック、レストランそして・・・
「ねぇ見てあれ。」 「すごい美人!」 「モデルさんかな?」 「なぁお前声掛けてみろよ。」 
「いやムリだろ。」 「綺麗〜〜〜」 「ブルァァァァァァ」
自分を見て口々に何かを言う人達、三咲と変わらない光景・・・
「そうだ、地元の人に聞いてどっかいい場所ないか聞いてみよう。」
ひょっとして三咲にはない何かがあるかもしれない、そして彼女はツインテールを小学生と思しき少女に声を掛けた。
「ねぇ、ここの町に始めて来たのだけどどこかいい名所とかないの?」


―――時空管理局本部
「レティ提督。」
「どうしました?」
「ジュエルシードが例の場所で観測されました。」
「わかりました、すぐに現場に居る隊員に連絡を・・・。」
「それから局員を武装20名回してもらいたい、観測された地域に強い魔力反応が観測された恐らく例のあれだと。」
「分かりましたすぐに手配します。」

「というわけでリンディ、クロノ君借りるわよ。」
「行きなりね・・・ジュエルシードならなのはが回収・・・」
「リンディ、今まで言わなかったけどあの世界若干だが魔法が残っている。」
「え?」
「機密情報だがあの世界に存在する魔法やそれ相応の技術はミッドチルダやベルカを上回っている、
 特にお偉方は空想具現化の能力に強い興味を示している、その能力者が現れたそうよ。」



余談
「やっほ〜、暇そうね真祖、久々にこない?」
「誰かと思ったたらいつぞのスキマ妖怪、今回は遠慮しておく。」
「あら、残念ね、レミリアやフランが貴女に会いたがっているそうよ。」
「まだ根に持っているのね・・・。」

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2007年08月12日(日) 12:15:42 Modified by beast0916




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