白き異界の魔王3話

内火艇:八神はやて
揺れる内火艇。
警報音が鳴り響き、照明も赤に切り替わる。
「ヴァイス君!」
「左エンジン被弾!右も・・・よくないですね。戦闘機動は無理ですよ」
「スバル、どっから攻撃されたかわかる?」
「だいたいなら・・・このあたりのビル群から魔力反応があります」
「そか、ヴァイス君、不時着や。なのはちゃんは、シールドで内火艇を守って。フェイトちゃんは広域結界や」
地上やビルには現地の人間がいる。
広域結界無しでは着陸などできない。
「了解」
「うん」
「わかったよ」
煙を噴く内火艇がビルの中に沈んでいく。


空:フェイト・T・ハラオウン
結界を作ろうとしたフェイトがそれを見つけたのは偶然だった。
空に浮かんだ小さな点。
目を懲らせばそれは空中に浮かぶ少女がだった。
「はやて、魔道師がいる!」
「なんやて!グレアムさん?」
「ううん、違う。女の子」


内火艇:八神はやて
魔道師の少女、それは大きなファクターとなった。
「女の子?なんでこんな所に・・・・。それに偶然やなさそうやな」
この場にいると言うことは襲撃者と関係があるかも知れない。
ロストロギアとの関係も考えられる。
もし、そうでなくても襲撃者のいる場所で放って置いて良いという法はない。
例え無許可で管理外世界に来た犯罪者だとしてもだ。
どういう可能性でも、その少女は保護しなければならない。
「変更や。スターズは内火艇を守りつつ襲撃者を迎撃。ライトニングは魔道師の少女を保護!」
「まって、それだとエリオとキャロが危ないよ」
襲撃者の標的になった場合、エリオとキャロのシールドでは防ぎきることはできない。
「うちに考えがある。任しといて」
はやては自信に満ちた瞳をフェイトに向けた

空:高町なのは
攻撃のだいたいの方向がわかればシールドで受けることはできた。
一発。二発。三発。
防げている。
だが、重い。
腕に響いてくる。
吹き飛ばされそうになる。
「なのは、行くよ」
フェイトが少女の保護に向かう。
攻撃に晒されないようにシールドを少し広げる。
シールドの強度は落ちるが仕方ない。
四発目が来た。
シールドを貫き、なのはの腹部に命中、いや激突する。
バリアジャケットでも防げない衝撃が体全体に響いていく。
「あぐぅっ」
思わず左手で腹を押さえた。
同時にシールドも消える。
熱いなにかが手に触れた。
「え・・・・?これって」
固い金属の固まりが手の中にあった。


ビル屋上:緋室灯
船から出てきたのは白い服を着た女性。
手には杖を持っている。
あれが侵入者・・・エミュレイター。
エミュレイターはこの世界を滅ぼそうとする敵。
できることなら、なにもさせないうちにこの場でしとめたい。
だから、さらに撃った。
一発、二発、三発。
白い服の少女の魔法陣で防がれた。
もう1人、黒い服の少女が出てきた。
白い少女の魔法陣が広がる。
そこにさらに4発目。
白い少女が体を傾け、魔法陣が消滅する。
今が機会だ。
白い少女の防御は固い。
なら、魔法陣で守られていない黒い少女を狙うべきだ。
ガンナーズブルームの照準が黒い少女の頭を捕らえた。

内火艇:八神はやて
「今や!」
ライトニングが全員内火艇を出た瞬間に、広域結界を張る。
今のはやてでは広域結界の大きさは空の少女のいる場所までは届かない。
これで少女と戦場を分断できる。
さらに広域結界には設定を追加しておいた。
広域結界内部に残す人間は魔力を持った人物だけ。ただし、ライトニングのメンバーは除外する。
結界が急速に拡大していく。
設定に従いライトニングは結界内から除外される。
はやての目にはライトニングのメンバーが消えたように見えた。


ビル屋上:緋室灯
照準から突如黒い少女が消滅した。
なにが起こったかはわからなかった。
向かいのビルを見ると、ついさっきまでいた大勢の人間が消えていた。
「月厘・・・」
月厘はエミュレイターが作る結界を意味している。
「赤い月が・・・ない」
その特徴の一つに赤い月が天にかかるというものがある。
この結界には赤い月がなかった。
だが赤い月があろうがなかろうが灯の任務は変わらない。
再び白い少女を照準におさめる。
目を放した隙に魔法陣が展開され直されていた。
あれがあっては、ガンナーズブルームの攻撃は及ばないだろう。
だから、月衣に手を伸ばす。
月衣はウィザードなら誰もが持っている結界のことである。
その結界は常識的な攻撃を著しく弱める。
そしてもう一つ、ウィザードの武装を収める倉庫の役割も果たす。
取り出すのは魔力水晶弾。
魔力を込めた杭ように大きな水晶の弾丸。
チャンバーに納め、魔法陣の中心で身構える少女にむかい、放った。


空:高町なのは
濃い魔力光が見えた。
同時に、その魔力光にふさわしい魔力の固まりが飛んでくる。
シールドを強化。
激突。
魔力の固まりがシールドを破壊し、4発目と同じ場所に激突する。
バリアジャケットを破き、破壊の力がなのはの体を貫く。
「あああっ!」
反動でのけぞる。
口の中にこみ上げてきたものを吐き出した。
意識か霞んでいく。
なのはの体は魔力に見放され、重力の鎖にとらわれた。

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2007年07月08日(日) 11:31:44 Modified by beast0916




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