マスカレード1話

ACT.1「遭遇」

「ねぇねぇなのは!昨日のニュース見た!?」
下校中のなのはに話し掛ける彼女の名はアリサ。なのはの親友である。
「うん……。また怪物出たらしいね」
「しかも海鳴市に出たらしいね。物騒だよね……」
彼女はすずか。彼女もまたなのはの親友だ。

「でもニュースでは昨日の怪物はもう死んだみたいだね」
彼女はフェイト。もはや説明は不要だろうから省くが。
「そうそう!ホントカッコイイよね〜!え〜と、なんだっけ?」
「未確認生命体第4号?」
「そうそう。それそれ!」
言葉に詰まったアリサに合いの手を入れたのはすずかだ。
「あはは……まぁ、確かにカッコイイかもね。同じ怪物なのに人を守るために戦うなんて。何かのヒーローみたい」
なのはが笑いながら未確認生命体第4号の率直な感想を述べる。

ニュースの情報では、最近頻繁に現れるようになった怪物はまるでゲームを楽しむかのように猟奇的に殺人を犯している。
そしてその怪物と戦い、人間を守ろうとするのが未確認生命体第4号だという。


そして数分歩いた所で、人々の悲鳴が聞こえる。
「まさか!?」
「例の怪物!?」
すずかとアリサはまさか本当に出るとは思っていなかった。
「アリサ達は先に逃げて!」
「私達、行かなきゃ!」
なのはとフェイトは悲鳴の聞こえる方向へと走り出す。
「ちょ、ちょっとなのは!フェイト!」
だが止めようとしたときには時すでに遅し。なのは達は既に走り出していた。





「アイツだね。」
「うん……間違いないよ。」
バリアジャケットを装着したなのは達は、悲鳴の中心へと急ぐ。
そこにいるのは全身灰色の牛のような怪物。

「いくよ!」
『アクセルシューター』
なのはの魔法は怪物目掛けて飛んでゆく。
「……何だ?」
怪物がアクセルシューターに命中しこちらに気付く。だが、怪物の反応速度は遅かった。
すでにフェイトにレンジに入られている。
「はあぁぁ!!」
振り下ろされるバルディッシュ。バルディッシュは怪物に命中する。
「人間の子供だと?」
「……効いてない!」
「しゃべった!?」
フェイトとなのはは別の意味で驚いた。怪物にバルディッシュの攻撃は効かず、さらに日本語を喋ったのだ。

「お前らのような子供が、進化した人類である俺達に勝てるかよ」
そう言って怪物はフェイトを跳ね飛ばす。
「進化した…人類?」
「それでも…人を襲うなら容赦はしない!」
フェイトも立ち上がる。
「面白い。オルフェノクの力、見せてやる。」
オルフェノクと名乗った怪物はフェイト達を睨み付ける。






「ねぇ、はやてちゃん……」
「どうしたん?天音ちゃん」
「この人……誰?」
「あぁ、この人はうちの家族で、シグナムいうねん」
はやてはなのは達とは別行動で、友達の栗原天音と一緒に下校していた。
最近海鳴では未確認生命体とやらが出現するため、危険がないようにシグナムもはやてを迎えに行くようにしていたのだ。
「そうなんだ。私、栗原天音っていいます。よろしく!」
「主からよく話は聞かされている。こちらこそよろしく頼む。」
シグナムと天音は軽く挨拶する。天音的には主という言葉にひっかかったがまぁあだ名なのだろうと勝手に解釈した

そしてそのまましばらく歩いていると、一通りの少ない所に差し掛かった。はやて家へ帰宅するには、ここも通らねばならないのだ。
「なんかこういう場所って怪物出そうだよね〜」
「ちょ、やめてや天音ちゃん」
天音の冗談に、はやては苦笑い気味に返す。本当に出られたら一たまりもない。
しかし、そんなはやての願いも無駄になるのだった。


突如として上空から針のような物が高速で飛んでくる。はやて達の目の前で針は地面に突き刺さる。
「……ッ!?」
シグナムとはやては飛んできた方向を見る。すると、そこにはハチのような姿をした怪物が浮いていた。
「現れたか、化物め!」
シグナムはレヴァンティンを起動させ……ようとするが天音が見ている。
「あかん……ここはなんとか逃げるんや!」
「う、うん!」
はやてが言い、天音とシグナムもその意見に賛成し、走り出す。
とにかく今は逃げて、天音ちゃんとわかれてからあのハチを迎撃する。それがはやてとシグナムの計画だった。

そしてハチの怪物は呟く。
「ゲゲル……ザヂニ。」

「くくく……!無駄だ!」

なのはもフェイトもオルフェノクに攻撃を仕掛けるがまるで効かない。
「く……どうすれば!」
「あんな奴、放っておく訳にはいかないよ!」
なのはとフェイトはどうしても負ける訳にはいかない。だが苦戦を強いられているのも事実だ。オックスオルフェノクは原作ではかなりヘボかった気がするが、そこは突っ込んではいけない。
そして、フェイトとなのはも再び立ち上がる。どうしても負けるわけにはいかない。守りたいものがあるから。
すると…………

ガシャン ガシャン ガシャン ガシャン……

どこかから足音が聞こえてきた。
「今度は何?」
「また敵……!?」
なのはとフェイト、そしてオルフェノクは周囲を見回す。だが誰も見当たらない。
「なんだ……?」
オルフェノクも足音の元を探している。すると、近くの物影から人の声が聞こえてくる。

「はぁぁぁ…………」
「いいよなぁ……お前はよ……」
そして現れた人影。片腕の裾が無いコートを着た二人組だ。
「何……あの人達?」となのはも驚いている。

「やるぞ……相棒」
「兄貴と一緒なら、どこまでも……」
そして左右から二匹のバッタが飛んでくる。

「「変身……」」
『ヘンシン』

二人は飛んできたバッタを掴み、ベルトへ装填する。二人の姿はみるみる変わっていき、一人は緑の鎧。一人は黒の鎧を纏った戦士へと姿を変えた。
「な……!?」
「嘘……!?」
フェイトとなのはは目を見開いて驚いている。目の前で人間が変身した。時空管理局の技術をもってすればそんなことも可能かもしれないが、
まさかあんなホームレスみたいな二人組がそんなシステムを使っているとは信じがたい。

「……ほぅ。ファイズとかいうのはお前達か……?」
「……。今お前、俺を笑ったな?」
「……兄貴、殺っちゃおうよ。こんな奴……」
オルフェノクも驚いた様子で、バッタの姿をした戦士−キックホッパー&パンチホッパー−に問い掛けるが、
ダブルホッパーズは答える気などさらさらないようだ。そしてダブルホッパーはそのままオルフェノクへと駆け寄る。
「ちょ、ちょっと……!」
「あなた達は……」

もはやダブルホッパーはなのは達など眼中に無く、真っ直ぐにオルフェノクへと走っていく……

「あのハチ、どこまでも追いかけてくんで!」
「クッ……ゲームでもしているつもりか……!?」
「……はぁ……はぁ……」
シグナムとはやては喋りながら走っているが、正直天音はヘトヘトだ。今にも倒れそうになっている。


それでも走り続け、ようやく人のいる広い場所へ出ることができた。
「……ここまでくれば……!」
「……主!様子がおかしい……!」
安心するはやてだが、シグナムはまだ戦闘モードだ。シグナムの言う通り、何かがおかしい。
そしてその疑問はすぐに解けることになる。

シュウゥゥ……

気持ち悪い効果音と供に、その場にいる人々が一斉に緑の蛹のような怪物に変身したのだ。
「しまった……罠か!」
シグナムが罠だと気付いたときにはすでに遅く、緑の怪物の群れと空から迫るハチが襲いかかってくる。
だが調度いいことに、あまりの恐怖に天音は気を失っていた。天音には悪いがチャンスだ。
はやてとシグナムは一瞬で騎士甲冑を身につけ、怪物を一掃しようとする。
シグナムは地上、はやては空のハチが相手だ。


「はぁ!」
シグナムはどんどん怪物−ワーム(サリス)−を切り伏せていくが、倒しても倒しても数が減らない。
そしてはやては空で戦闘中……どうしたものかと悩むシグナム。だがふと天音を見るとワームは天音に襲い掛かろうと群がっていることに気付く。
「しまったッ!!」
自分の回りにばかり気をとられて気絶した天音を忘れていたのだ。騎士として最大の不覚だ。
とにかく、シグナムは急いで天音を助けようとする……が、その時だった。
一瞬風が吹いたかと思うと、天音の周囲のワーム共が何かに斬られたような動きを見せ、爆発する。

緑の炎があがり、煙が立ち込める。そして、煙が晴れ再びワームが天音を襲おうとするが、その動きはとまる。
何故なら、天音のそばに全身漆黒の鎧を身につけ、目とベルトは赤いハート型で、弓矢のような武器を持った戦士が佇んでいたからだ。
「何だ……奴は?」
シグナムも見覚えの無い姿に疑問詞を呟く。
すると、

「この子に……近付くなぁぁぁあああッッ!!!!」

漆黒の戦士−仮面ライダーカリス−は物凄い剣幕で叫ぶ。
それこそシグナムは勿論のこと、戦闘中のはやてとハチ怪人まで振り向く程の声でだ。

次回予告

それは仮面をつけた戦士達との出会い−

それは一つの世界に集まった戦士達の物語−

私達が出会った戦士、仮面ライダーは人類を脅かす怪物と戦う戦士。

次回、魔法少女リリカルなのは マスカレード。 『悪意』
(CV:田○ゆかり)






スーパーヒーロータイム


「おいおいおいおい、一話は俺様の出番ナシかよ!」

「しかたないよモモタロス。でもホラ、見慣れないライダーが出てきたよ!」

「へっ、おもしれぇ!どんな奴が現れようと俺がブッ倒してやんぜ!」

「……だが、最強はこの俺だ。」

「……なぁ良太郎、誰だコイツ?」

「さ……さぁ?」

「俺か?……おばあちゃんが言っていた。天の道を往き総てを司どる男。俺の名前は……」

「「はいはいはいはい!わかったから!わかったから!!」」

「じ、次回も魔法少女リリカルなのはマスカレード、よろしくね……!」


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2007年07月11日(水) 19:25:40 Modified by beast0916




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