真ゲッターロボ対ネオゲッターロボA's1話

「フェイトちゃん、あの車だよ」
「うん。あのトラックを目的地まで守り通せば任務完了だね」
「何運んでるんだろうね?」
「……さぁ?」
私の名前はフェイト・テスタロッサ。今は友達の『なのは』と一緒に任務中です。
今回は特別に時空管理局から依頼された任務で、あのトラックを守らないといけません。……まぁ、何運んでるのかは教えて貰えなかったけど……

それは昨日の出来事でした。
「あ、フェイトちゃんも呼ばれたんだ」
彼女は私の友達のなのは。私となのはは何かの用で時空管理局の本部に呼び出されました。
「うん。何か私達に依頼したいことがあるらしいね……」
私もなのはに返事を返す。にしても呼び出されたのはいいけど、誰もこないんですが……

「待たせたな。お前達が闇の書事件を解決に導いた魔導師か。」
数分後、部屋に一人の男の人が入ってきました。長い髪の毛で、ちょっと怖い雰囲気の男の人です。
「はい、高町なのはです!」
「フ、フェイト・T・ハラオウンです!」
「あぁ。名は聞いている。今日お前達をここに呼んだのは一つ頼まれて欲しい事があるからだ。」
おじさんはそう言って私達にモニターを見せてきた。
「これは?」
「お前達にはこのトラックを目的地まで守って貰う」
「……コレ、何を運んでるんですか?」
私は何か嫌な予感がしたから、おじさんに聞いてみた。
「その質問に答えることはできない。ただこれが人類にとって大事な任務という事は事実だ。やるのか?やらないのか?」
い……いきなりそんなこと言われても……。私はなのはの顔を見てみた。
(どうする?フェイトちゃん……)
(人類にとって大事らしいし……)
これは念話。私となのはは念話で話しているので、もちろんこのおじさんには聞こえません。
「……わかりました。やります」
私達はこの依頼を受ける事にした。なんだか怪しいけど人類の為っていうし、時空管理局からの依頼なんだから、大丈夫だよね……?
今思えばこれが私達の運命を変えるきっかけになったのかもしれません……。
「そうか。ではこのトラックは明日出発する。健闘を祈る。」
おじさんは立ち去ろうとする。ちょっと待ってよ…まだ名前も聞いてないよ!
「ちょ……ちょっと待ってください!あなたの名前は……」
おじさんは立ち止まった。
「ジン……神 隼人だ。」

まぁ、そんなこんながありまして、今に至るわけです

「……って、フェイトちゃん!?」
「どうしたの!?なのは……」
一瞬私の思考が停止した。何故なら、私達が守らなきゃいけないトラックが襲われていたから。それも滅ぼしたはずの相手に−
「あれ……インベーダーだよ!」
「うん……!行くよ、なのは!」私となのははそれぞれのデバイスを携えてインベーダーに向かう。このままじゃトラックが壊されちゃう……!
『フォトンランサー』
『ディバインバスター』
「「行けぇ!」」
バルディッシュとレイジングハートが繰り出す攻撃。私達の攻撃は真っ直ぐにインベーダーへと飛んでいく。
「だめだ……効いてないよ!」
私達の攻撃は直撃したはず……でもあいつはまるでダメージを受けてる感じがしない……!このままじゃトラックが……

そうしてどの攻撃もまるで通らないままインベーダーはトラックの荷台に取り付いた。
でもその時でした−
「……!?あれは……!」
「まさか……ゲッターロボ……?」
トラックから現れた長い腕はインベーダーに組み付き、動きをおさえる。
私達の前に現れたゲッターロボはインベーダーと戦いながらトラックを守ろうとしてる。
「あの……ゲッターロボのパイロットさん!」
なのはが援護しながらゲッターロボに話し掛ける。
「私達は時空管理局嘱託魔導師です!このトラックは何を運んでるんですか!?」
「……時空管理局だと?!……俺の名は車弁慶だ!俺にも何かわからんが、どうやらとんでもないモンを運んでるらしい……!」
弁慶さんはインベーダーに攻撃しながらなのはに返事を返す。
なのは、今はとにかくあのインベーダーを倒すんだ!
「うん!トラックの荷物はその後だね!」
私達はトラックを守り通すためにも、このインベーダーを倒さなきゃならない……!
「バルディッシュ、ザンバーフォーム!」
『ザンバーフォーム』
ザンバーフォームなら、ちょっとは有効なダメージを与えられるかも……

「弁慶さん!なんとかインベーダーの動きを止めれますか!?」
「できないことはないが……何か策があるのか?」
「はい、ゲッターロボが敵の動きを押さえてる間に私がプラズマザンバーで斬り込みます!」
「その間に私がスターライトブレイカーの準備をします!それまで時間を稼いでくれれば……!」
この作戦ならさすがのインベーダーでもただでは済まないはず。でも、もしこれでもダメなら……
「わかった!」
私がそんなことを考えてるうちにゲッターロボは頭のミサイルをインベーダーに発射した。
『ドオオオオン!』
激しい効果音が鳴り響き、インベーダーにミサイルが直撃した。その隙に急接近して、長い手でからみついた。
「フェイトちゃん!」
「うん!バルディッシュザンバー、行きます!プラズマ……ザンバァーーーーッ!!」
『ズゴオォォン!!』
プラズマザンバーがインベーダーに直撃する。普通の敵ならこれで十分なんだけどね……てか、弁慶さん大丈夫かな……
「弁慶さん、スターライトブレイカーが来ます!直前で離脱して下さい!」
「お、おう!」
なのはの最大技、スターライトブレイカー……!いけるよね……なのは?
「……うん。スターライト……ブレイカァァアアアア!!!」

凄まじい勢いでレイジングハートから桜色の光が飛んだ。弁慶さんも急いで離脱する。
もう効果音の表し方に困るくらいの勢いで光はインベーダーに直撃した。
「やったか……!?」
煙が晴れる……。そこには既にインベーダーの姿は無かった。
「……やった……みたいだね」
「うん。……何でこのトラック、インベーダーに襲われたんだろう?」
すると弁慶さんがゲッターロボから降りてきた。結構大きい人だ……。
「あ、私は高町なのはです!」
「私はフェイト・テスタロッサ・ハラオウンです!」
私達は自己紹介をした。そしたら弁慶さんの表情が変わった。
「なッ!テスタロッサだと……?!」
「え……な、何ですか!?」
「…………。いや、何でもない。助けてくれてありがとうよ。」
今、弁慶さんはテスタロッサって言葉に明らかに反応した。何でだろ……?

「それより、このトラックは何を運んでるんですか!?」
「それは俺にもわからねぇんだ……」
「……そうですか。」
何か嫌な予感がする……なんでだろ……。あの荷台は、何かとんでもないモノを運んでる気がする。
刹那、トラックから凄い音が聞こえる。
「あ……荷台が!」
「クソ……さっきの攻撃でインベーダーを完全に倒せなかったんだ!!」
「そんな!?」
こんな敵……どうやって倒せば……
すると……
『ドゴォォォォン!』
インベーダーが爆発する。そして、次の瞬間、私の目の前に現れたのは、赤い巨大ロボットだった。
「な……し、真ゲッター!?何でコイツが動いてんだ!?」
「弁慶さん、どうなってるんですか!?これは……」
「わからん!だが真ゲッターは動かないはずだ!コイツさえ動いてりゃ……武蔵は死なずに済んだってのによ……!」
……何だかいろいろ複雑な事情がありそうだね……。
そんな話をしているうちに弁慶さんの言う真ゲッターはインベーダーに攻撃を繰り返す。インベーダー体が引き裂かれて、殴られて……見てて気持ちのいい物じゃない……。
そして戦闘の途中、真ゲッターとインベーダーの戦いの衝撃でトラックの荷台からカプセルが飛び出した。
私はそれを見て、今度こそ本当にショックで倒れそうになった。なんでコレがここにあるんだろう……?
「アリ……シア……」
カプセルの中身は間違い無くアリシア・テスタロッサ。これが……人類にとって大切なモノ?
なのはも言葉を失っていた。弁慶さんは、アリシアの事知ってるのかな?多分私と同じような顔をしてる。

インベーダーにトドメをさした真ゲッターはトラックに歩みより、アリシアを掴む。
そして真ゲッターのコクピットにいるのは……
「母……さん……?」
母さん……いや、プレシア・テスタロッサはアリシアを掴んで笑ってる。
「な……テスタロッサ博士……生きてたのか……!?」
弁慶さんも驚いてる。もう……何がなんだか……。消えたはずのアリシアと死んだはずの母さんがいる。
私が立ち尽くしているうちに母さんが乗った真ゲッターはアリシアを掴んでどこかへ飛んでいった。
私はもう何も考えられなかった。今の私はただそこに立ってるだけ……。そして今の私達はこの戦いの結末を知るよしも無かったのでした……。

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2007年06月15日(金) 17:30:37 Modified by beast0916




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