NANOSING5-2話

 HELLSINGロンドン本部襲撃事件より一週間後、9月10日。ロンドン王立軍事博物館。
キャスター作「マモン平原会戦のウスター伯ヴィランデル図」前。
現在、インテグラはそこである人物と待ち合わせをしている。
護衛はアーカード、ティアナ、ウォルター、スバル、ヴィータの5人。いささか多い気もするが、相手が相手なので仕方がないとも言えよう。
…昼間なのに何故ティアナが外に出られるのかという疑問もあるだろうが、それは後述とする。

第五話『BALANCE OF POWER』(2)

 ―拝啓、王立国教騎士団長インテグラ・ウィンゲーツ・ヘルシング殿。
初秋の心地よい季節の中、一緒に美術館めぐりでもいかが?
10日午後3時に以下の場所にてお待ちしております。
ヴァチカン特務局第13課イスカリオテ機関長 エンリコ・マクスウェル―

 インテグラは現在、上記の手紙によって、ここ『王立軍事博物館』に来ている。マクスウェルはまだ来ていない。
「お待ちしております」と書いたのに、遅れて来るというのもどうかと思うが…失礼、話がそれた。
「今何時だウォルター」
「は。今3時を回ったところですな」
 …遅刻である。
「…むこうから誘っておいて遅れるとはな。まさかとは思うが、私たちをおびき寄せるための罠だったのかもしれない」
「いえ、いくら連中でも真昼間に公衆の面前で、しかも敵地のド真ん中で事を起こすとは思いません」
 誘った側が遅れるというこの状況、色々と想像ができる…悪い方向に。
ただの遅刻ならばいいが、イスカリオテは同じキリスト教のプロテスタントすら異端とみなしている。倒すには十分な理由だ。
まさかおびき出して倒そうという罠か。そう思っていた頃に、どこかで聞いたような声がした。
「いやあアレだなやっぱ。モノホンはすごいよ。さすがに王立博物館。手入れがいいよな」
「そうですよねえ、はい。ええ」
 反応を示したインテグラ・ウォルター・ヴィータの3人が振り向くと、神父服の男性が二人。一人は髪を後ろに縛り、眼鏡をかけて上着を手に持っている。
「いっぱい飛行機がありましたねえ」
「そうそう。ゼロ戦なんて初めて見たぞゼロ戦!キレイな形だねェ…あ」
 飛行機談義に花を咲かせている二人の男性が近づいてくる。ゼロ戦がなぜ英国の博物館にあるのかはこの際置いておこう。
ふと、二人が前へと振り返ると…険悪な表情のインテグラとウォルター、それとなぜか懐かしそうな表情のヴィータがこちらを向いていた。
「…いかん、遅れたかな」
「その様ですな」
 そう言うと、髪を縛った男…もう正体はお分かりであろう。この男が『エンリコ・マクスウェル』だ…の方がすぐさまフレンドリーな表情を浮かべ、インテグラへと近づく。
「やあーどうもどうも。お待たせしちゃったみたいで「それ以上近づくな」
 マクスウェルにすぐさまインテグラの一喝が入る。それに応じ、とりあえず足を止める。
「ヴァチカンが一体何の用だ。しかも泣く子も黙る皆殺し機関のイスカリオテが!?」
「あぁ、これはいけない。ずいぶんと嫌われたモノですなあ」
 インテグラの一喝にも動じず、マクスウェルはフレンドリーな表情を保ったまま眼鏡を外す。
そして眼鏡を服ポケットにしまい、自己紹介を始めた。
「まずはご挨拶を。イスカリオテの長をやっております、エンリコ・マクスウェルと申します。以後よろしく」
 相変わらずフレンドリーな表情のマクスウェルにも、インテグラは油断しない。
目くじらを立て、マクスウェルを問い詰める
「用件は何だ?自己紹介など無意味だ!」
「まあまあ、そう目くじらを立てずに。今日は別に君らと争いに来た訳じゃないんだ」
「信じられるか!」
 そのままインテグラが一気にまくし立てる。先日のベイドリックの一件が相当頭にきているのだろう。
「お前たちは重大な協定違反を犯し、北アイルランドベイドリックに機関員アンデルセンを派遣し、我々の機関員を攻撃し、2名を殺害した!
この私ですら殺される一歩手前だった!忘れたとは言わせない!!」
「…それがどうした」
 その声と同時に、マクスウェルの雰囲気がガラリと変わった。
先ほどまでのフレンドリーさは微塵もなく、インテグラを侮蔑しきった、それこそ翌日売られる豚でも見るような目でインテグラを睨んでいる。
「! …なんだと?」
「こちらが下手に出ていれば調子に乗りやがる…
プロテスタントのクソ雑巾共が2人死のうが2兆人死のうが知ったことか。法王陛下じきじきのご命令でなければ、薄汚い貴様らなどと話などするか。
グダグダ抜かさずに話を聞け!プロテスタントのメス豚共!」
 マクスウェルが徹底的に罵倒する。インテグラのみならず、プロテスタント全てへの侮辱に等しい罵倒を。
それを聞き、黙っていない吸血鬼が一人…まあ、インテグラをメス豚扱いされた事に対してだろうが。
「メス豚?さすがは泣く子も黙る13課。言うことが違う。
司法の諸族を統治して平和を与え法をしき、まつろう民には寛容を。逆らう者は打ち倒す。
何も変わらんね…2000年前からおまえらローマは何も変わらん」
 …そう、アーカードだ。主がここまで言われて黙っている下僕がいるだろうか?いや、いない。
殺気を出し、怒りを隠さず、マクスウェルへと言い返す。
「吸血鬼アーカード。HELLSINGのゴミ処理屋!殺しのジョーカー!
生で見るのは初めてだ…はじめまして『アーカード君』」
「はじめまして『マクスウェル』。そしてさようならだ。
お前は私の主をメス豚と呼んだ…お前、生きてここから帰れると思うなよ」
 そう言うとマクスウェルへとカスールの銃口を向け、吼えた。
「ぶち殺すぞ人間(ヒューマン)!」

「おお、恐ろしい恐ろしい。あんなに恐ろしいボディガードに銃を突きつけられては話もできんな。
何度も言うが、我々は話をするためにここまで来たのだ。しかしそちらがそうするなら、こちらもこうしよう。
拮抗状態を作るとしよう…AAANNDERSONNG(アンデルセェェェェン)!!」
 美術館の奥まで響く声。その声は紛れもなく、あの化け物を…アンデルセンを呼ぶ声だ。彼が来ていたというのか。
…ふと目を移すと、美術館の奥に人外がいた。ブツブツと何かを言いながら、バヨネットを手に歩いてくる。
「我に求めよ。さらば汝に諸々の国を詞業として与えん。
汝、鉄の杖をもて、彼等を打ち破り、陶工の器物のごとくに打ち砕かんと…」
 最初に気付いたのはマクスウェルだ。アンデルセンの様子がおかしい。特にむき出しの殺気が。
冷静に考えれば、護衛が常時武器を手に持っているという時点でおかしい。普通は懐にでも隠しているものなのに。
「されば汝ら諸々の王よ、さとかれ地の審判人ら教えを受けよ。
恐れをもて主に使え、おののきをもて喜べ。子に接吻せよ。恐らくは彼は怒りを放ち、汝ら途に滅びん。
この憤りは速やかに燃ゆべければ、全て彼りよりなり。頼むものは…」
 ここまで近づいてきても殺気を隠そうとすらしない。これはまさか…
それに気付いたマクスウェルが、アンデルセンを制止しようとする。
「いっ…いかん!よせアンデルセン!」
「一撃で何もかも一切合切決着する。眼前に敵を放置して何がイスカリオテか?何がヴァチカンか?」
「対峙するだけでいいのだ!止まれ!!」
 やはり。アンデルセンはインテグラを殺すつもりだ。
ここでHELLSINGを完全に潰す。もはや今のアンデルセンの思考はそれ一色に染まってしまっている。
「奴めお前たちを見て自制がきいていない。ここはいったん退いてくれ!後でもう一度改めて…!!?」
 マクスウェルが再び固まる。物凄い量の汗を流しながら。
インテグラもその方向へと振り返ると…やはりというか何と言うか、臨戦態勢のアーカードがいた。
嬉しそうな表情で、二挺拳銃を構え、殺気も全開。もはや何をしようとも止まるまい。
「クククッククククク…さあ!殺ろうぜユダの司祭(ジューダスプリースト)!!」
「ハアァハハハハハァ…この前のようにはいかないぞヴァンパイア」
「い…いかん!」
 もはやお互い臨戦態勢。マクスウェルの制止も意味を成さない。
このまま惨劇の幕が開く…と思われたが、次の瞬間それが開かずに終わることになった。

「インテグラ卿がメス豚?そんな訳ないじゃないですか」
 いきなりスバルが口を開く。「いきなり何を言う?」というような顔で全員がスバルに注目した。
…もっとも、アーカードとアンデルセンは見てはいないが、臨戦態勢のまま動きが止まっている。
「インテグラ卿はこの年になって男っ気無し!浮いた話無し!というか雰囲気のせいで言い寄ってくる男すら無いんです!
さらに言い寄ってきた男がいたとしても言葉でバッサリ切り捨てる、そういう人なんです!
その立ち振る舞いから『鋼の女帝』とまで言われているこの人が、メス豚なわけないじゃないですか!」
 一気にまくし立てるスバル。しかし「鋼の女帝」とは、他に言い様がなかったのか…ちなみに、全くのフィクションである。
マクスウェルと、一緒にいた神父が同時に吹き出した。アーカードとアンデルセンは先ほどの体勢のまま固まっている。
そして話のネタにされたインテグラは…赤面している。先ほどのマクスウェル相手の話の時以上に、だ。
「…ティアナ」「Ja.」
 インテグラがティアナの名を呼ぶ。ティアナもその意味を察し、返事をするだけにとどめた。
未だにペラペラと喋り続けるスバルへと近づき、そして…
「アンタはいきなり何言い出してんのよ!」
 制裁のバックドロップを食らわせた。吸血鬼の怪力を使ったバックドロップだ。相当痛い。
それを食らっても平然としているスバルに対し、さらに馬乗りになって頬を引っ張る。一応手加減はしているのだろう。
スバルが弁明するが、聞く気なし。制裁を続行。傍から見ていても痛そうだ。
「ふぁふぉはほはへふふぉっふぉひはふぉーふはほひ(訳:場をなごませるちょっとしたジョークなのに)…」
「うっさい!周り見なさい、少しもなごんでないわよ!」
 そう言われても、スバルは今周りを見られる状態ではないので、代わりに周りの状態を解説しよう。
インテグラは修羅のような怒りのオーラを纏い、アーカードとアンデルセンは未だに固まったまま。
マクスウェルは…未だに笑いをこらえている。よりにもよってヴィータも一緒に笑っているのが、さらにインテグラの怒りを誘う。
「お客様、館内ではお静かに…」
「あ、すいません」
「ティア怒られた〜…痛い痛い痛い!」
 あまりにうるさかったのか、係員に注意されるティアナ。
スバルがそれを茶化すが、それがさらにティアナの怒りを買うことになった。制裁続行。暴力コント再開。
「アンタが原因でしょうが!」

「…アーカード」
「…なんだ」
「興がそがれた」
「闘争の空気ではないな…帰って寝る」
 この暴力コント、惨劇を避けることには成功したので、結果的にはやって正解だったようだ。
これでアンデルセンが帰ってくれれば儲けものだったが、その前にアーカードが帰ろうとする。
「護衛は?」
「アンデルセン抜きならば4人で十分すぎる。昼間に起きたので眠い」
 そう言ってアーカードは帰っていった。遅れてアンデルセンも帰ろうとする。
「先にローマに帰ります」
「そうか」
「良い博物館だ。次は孤児院の子供たちを連れて来ましょう」
 そう言ってアンデルセンは帰っていった。去り際に「次は殺す…必ズ殺ス…」と言ったように聞こえたのは…気のせいだと思いたい。
「ふぅ…ここでは話がしづらい。隣のカフェテリアで話さないか?」
「ああ」
「何度も言うようだが、私は話をしにここまで来たのだ」
「………………よかろう。お互い大変な部下を持って苦労するな。ええ?『オス豚』?」
「さっきのおかえしか。まあいい、我慢しましょう」
 先ほどのメス豚発言を根に持ったのか、お返しとばかりにオス豚発言。幸いマクスウェルも我慢してくれたようだ…
「…では、行こうか。HELLSINGの『鋼の女帝』」
 …訂正、最後の仕返しとばかりに、先ほどのスバルのジョークを利用したリベンジを行って、外へと向かう。
…インテグラが再び修羅のようなオーラを纏うが、拳に訴えるような手は使わない。代わりに上に立つ者なりの罰を与えた。
「ティアナ、スバルが起きたら伝えておけ。『次の給与明細、覚悟しておけ』とな」
 処刑完了し、休んでいるティアナにそう言って、インテグラは外のカフェテリアへと向かった。遅れてウォルターとヴィータも向かう。
ちなみにスバルは現在K.O.され、伸びている。起きたら給料の事で再びダメージを受けることだろう…

 隣のカフェテリアにて。マクスウェルが椅子にドカッと座っている。
それに向かい合う形でインテグラ。そのそばにはウォルターとヴィータがいる。
本日の天気は曇り。フードをかぶれば吸血鬼でも活動できる程度の明るさだ。
「君らの状況は知っている。組織化されたグール達の襲撃を受け、壊滅寸前に陥ったこと。
そしてある言葉を頼りに、必死の調査をしているということも。そしてそれが全く実を結んでいないということも」
「さすがだな、その通りだ」
「『ミレニアム』…だろう?」
 何故マクスウェルがこの状況を知っているかはこの際置いておこう。
この話題を出してくるとなると、次に言うことは大体予想が付く。たとえば『ミレニアムを知っている』とか。
「これはいわゆる特秘事項という奴だが、我々は『ミレニアム』という名の一つの情報を持っている」
 …予想通りである。ヴァチカンはミレニアムの正体を知っているようだ。
となると、ここに呼びつけた用件も分かった。その情報を教えるためだ。
「教えてほしい?本当に?教えてほしいか?本当に?本当に?」
「何が言いたい」
 マクスウェルのイライラするような言い方に対し、インテグラが喧嘩腰で返した。
それに対し、マクスウェルも先ほどまでのイラつく言い方で返す。
「我々が貴様らプロテスタント共にこうして力を貸してやろうなんてのは、本来ありえないことだ。
これも以前のベイドリックでの協定違反の借りを返したいと思っているからだ。そこらへんを理解してほしいね」
「わかった…了解しよう」
「だが、それだけでは教えてやれんね」
「なに?」
 ウォルターがマクスウェルに聞き返す。協定違反の借りを返す以外にもまだ何か要るのだろうか。
「人に物を尋ねるときには大事な言葉が必要だろう。『お願いします(プリーズ)』が」
「貴様聞いておれば付け上がりおって「ウォルター!」
 激昂するウォルターを、インテグラが一喝して止めた。
「一言だけでヴァチカンが特秘事項をもらそうというのだ。悪い取引ではない。
それに今は四の五の言ってられる状態ではない。掴める物なら藁でも葦でも掴もう」
「お嬢様…」
 ニヤリと笑うマクスウェルを尻目にウォルターを制するインテグラ。
そしてマクスウェルの方へと向き直り、その「大事な言葉」を告げた。
「『お願いします(プリーズ)』。どんな小さなことでもかまわない。教えてもらえないか。
ローマカトリックヴァチカン法皇庁特務第13課イスカリオテ機関長、マクスウェル局長殿」
「OK!OK!了解した!英国国教騎士団『HELLSING』局長、サー・インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング殿」

「今を遡る事50年前、第二次世界大戦のことだ。敗戦したナチスドイツから大量のナチの軍人達が国外に逃亡した。
ババリア戦友会(カメラーデンババリアーナ)、スパイダー、ヘルパーズゲイツ、ブラザー・クロイツ、NAHID、オデッサ…
等といったナチ戦争犯罪人を救済する組織や国外ドイツ人がその逃亡の手助けをした。
主な逃亡先は親ドイツ国家群の多い南米」
「それが一体何の関係がある?ちょっとした戦争マニアなら知っていそうな話だ」
 その「戦争マニアが知っていそうな話」に何の意味があるのか、インテグラがそう尋ねる。
すると、マクスウェルの顔つきが一気に神妙なものになり、情報の核心を告げた。
「彼らは全てドイツ敗戦の直前か直後から行動を開始している。それはそうだ。戦争途中で逃亡などしたら脱走だ、それは。
我々が知っている『ミレニアム』とは計画名、そして部隊名だ。ナチスの極秘物資人員移送計画と、その実行者達だ」
 ミレニアム。それはナチスの輸送計画。ミレニアム、それは輸送計画の実行者。
マクスウェルはそのことを話すと、持ってきた資料をテーブルの上に広げ、話を続けた。
「彼ら『ミレニアム』は戦争初期段階から堂々と行動を始め、
ドイツ占領地を駆けずり回って書類を改ざんしながら膨大な物資と有望な人材を集めて回り、
南米に移送したのだ。没収したユダヤ人資産・美術品・貴金属・外貨・有価証券・etc,etc…
小さなものは金歯から、大きなものは潜水艦まで」
 これはさすがに想定外。まさかここまで詳しく知っているとは。
ふと、インテグラの顔に疑問の色が浮かぶ。ミレニアムの事は理解した。だが、何故イスカリオテが知っているのだろうか。
それを察したマクスウェルが、その理由を話した。
「何で知ってるか、って顔だね。手助けしたからさ。ヴァチカンが強力にね」

「それと…ヴィータ。かつての誼で特別大サービスだ。もう一つだけ教えてやる」
 話が終わったものと思い、博物館へと戻ろうとするインテグラ達だったが、マクスウェルのその言葉に立ち止まる。
「かつての誼」とはどういう意味か、考えればすぐにでも分かるが一応聞く。
「ヴィータ、知り合いか?」
 インテグラがそう言うと、マクスウェルが驚いたように顔を上げ、そして事情を話す。
「まだ話していなかったのか…彼女はかつて…とはいっても、十何年も前だが、イスカリオテに所属していた」
 初耳だ。十何年となると、相当前…アーカード復活よりも前である。
だが、彼女はそんな年には見えない。せいぜい7歳かそこらといったところか。
…すると、ウォルターがその理由に気付く。ロストロギアのことを知るのなら、考えてみればすぐに分かる理由に。
「…なるほど、ロストロギア絡みということですな」
「ああ。あたしはロストロギアの守護騎士プログラムだったんだ。それで昔、イスカリオテの人間があたし達の主だったんだよ。
まあ、そのロストロギアはもう無いけどな」
 ヴィータ達ヴォルケンリッターは、かつて存在していたロストロギア『闇の書』の一部である。
闇の書は、かつてある事件で暴走し、当時の時空管理局提督『クライド・ハラオウン』を死に至らしめた。
そしてその事件の後、彼女らの最後の主『八神はやて』の元に行き着いたのだが…話によると、その前にもう一人主がいたらしい。
それがイスカリオテの人間だった、という訳だ。かつて由美江が言っていた「イスカリオテにいた魔導師」とは、彼女らヴォルケンリッターの事だったのである。
「…さて、それはともかく…『ジェイル・スカリエッティ』。そいつを調べてみることだ。」
「ジェイル・スカリエッティ…あいつらの親玉をか…」
 ジェイル・スカリエッティ。彼はガジェットを使い、レリックを集めさせていた張本人だ。
名の知れた次元犯罪者であり、最近は彼の配下の『戦闘機人』と呼ばれるサイボーグ達の存在も明らかになった。
そのスカリエッティが、何故ミレニアムに関わりがあるのだろうか。その根拠はすぐに明かされた。
「ああ。ここ最近の吸血鬼はジュエルシードの複製を持っていただろう?複製を作るにはオリジナルが要る。
そしてそのオリジナルは現在奪取され、彼が持っていると聞いた。調べる価値はあるはずだ」
 もはや何故イスカリオテがそのことを知っているかなど、さしたる問題ではなくなった。
もしミレニアムとスカリエッティが組んでいるとなれば、それ単体を相手にするより遥かに厄介なことになる。
できれば外れていてほしいと願ったが…その願いは聞き届けられなかったようだ。

 その晩、南米某所のとある部屋。太った男が紅茶を飲んでいる。その傍には痩せ細った眼鏡の男がいる。
「彼らはついにたどり着いたようですな。『ミレニアム』に」
「たどり着いた?彼らはまだ何もわかっていないに等しい」
 どうやら、彼らがそのミレニアムの人間という事らしい…いや、人間であるかどうかも疑わしいが。
どうやって知ったのか、それはまたいずれ書くとしよう。
「作戦を急がせましょうか?」
「いや、それはまだいい。それよりも、お茶をもう一杯ほしいな」
「…楽しそうだな、少佐」
 何者かがその部屋に入ってくる。白衣を着た紫髪金目の男だ。
そして、『少佐』と呼ばれた太った男が答える。
「スカリエッティ君か。ああ、楽しい。とても楽しい。闘争だよ。考えてもみたまえ、君。
きっと血みどろの闘争になるに違いない。素敵だろう?闘争、闘争だよ」

TO BE CONTINUED

おまけ
ルーク「ルークと」
ヤン「ヤンの」
ル&ヤ「人情紙風船 ビューテホーピーポーのコーナー」

ヤン「こんにちは!わたしはヤンです!お元気ですか?みなさんに出会えてとってもうれしいです!これからもよろしく!
   ところで私は燃やされました」
ルーク「喰われました。ワンちゃんに」
ヤン「わたしはーなあんでーこのようなー♪つらーいつとめをーせにゃならぬー♪」
ルーク「ワンちゃんにくわれました」
ヤン「昼にしおれてー夜になくー♪用がすんだらまわれみぎー♪」
ルーク「ワンちゃんに…」
?????「燃やされたり食べられたりならまだいいじゃない…」
ル&ヤ「?」
シャーリー「…私なんて、生きてるのにスルーされたのに…どうなったか描写されてるだけまだマシよ…(※外出していた10人のうちの一人です)」
ル&ヤ「すいませんでした。殺さないでください」
シャーリー「わかりました。殺しません」

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2007年08月12日(日) 22:29:39 Modified by beast0916




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