最終更新: chorus_mania 2011年03月23日(水) 22:24:02履歴
ピアノ付き同声合唱(初演は男声だが、出版後は女声での演奏がほとんどであった)。一部の曲目を差し替えてアカペラ混声版・男声版に改作、のち混声・男声合唱版を基にピアノ付き女声合唱版に再び改作。アカペラ男声合唱版「白き花鳥図」初演時の演奏会プログラムに作曲者が記した所では、「白き花鳥図」を同声3部合唱ピアノ伴奏付で作曲・出版したあと清水脩から「君はアカペラだけ書くように」との注意を受けたとのこと。アカペラ混声合唱組曲に改作する際、終曲『柳鷺』をはずし『数珠かけ鳩』『老鶏』を加え6曲構成にし曲順も再構成された稀な大幅改訂のケースである。
タイトルは詩集の一項より。
『黎明』には“印度画趣”、『数珠かけ鳩』には“唐画”の副題が添えられている。
タイトルは詩集の一項より。
『黎明』には“印度画趣”、『数珠かけ鳩』には“唐画”の副題が添えられている。
白き鷺、空に闘ひ、
沛然と雨はしるなり。
時は夏、青しののめ、
濛濛と雨はしるなり。
早や空し、かの蓮華色、
二塊の、夢に似る雲。
くつがへせ、地軸はめぐる、
凄まじき銀と緑に。
白き鷺空に飛び連れ、
濛濛と雨はしるなり。
沛然と雨はしるなり。
時は夏、青しののめ、
濛濛と雨はしるなり。
早や空し、かの蓮華色、
二塊の、夢に似る雲。
くつがへせ、地軸はめぐる、
凄まじき銀と緑に。
白き鷺空に飛び連れ、
濛濛と雨はしるなり。
白鷺は、その一羽、
睡蓮の花を食み、
水を食み、
かうかうとありくなり。
白鷺は貴くて、
身のほそり煙るなり、
冠毛の払子曳く白、
へうとして、空にあるなり。
白鷺はまじろがず、
日をあさり、おのれ啼くなり、
幽かなリ、脚のひとつに
蓮の実を超えて立つなり。
睡蓮の花を食み、
水を食み、
かうかうとありくなり。
白鷺は貴くて、
身のほそり煙るなり、
冠毛の払子曳く白、
へうとして、空にあるなり。
白鷺はまじろがず、
日をあさり、おのれ啼くなり、
幽かなリ、脚のひとつに
蓮の実を超えて立つなり。
白牡丹、大き籠に満ち、
照り層む内紫、
豊かなり、芬華の奥、
とどろきぬ、閑けき春に。
蝶は超ゆ、この現より、
うつら舞ふ髭長の影。
昼闌けぬ。花びらの外、
歎かじな、雲の驕溢を。
白牡丹、宇宙なり。
また 薫す、専なる白。
この坐、ふたつなし、ただ。
位のみ。ああ、にほひのみ。
照り層む内紫、
豊かなり、芬華の奥、
とどろきぬ、閑けき春に。
蝶は超ゆ、この現より、
うつら舞ふ髭長の影。
昼闌けぬ。花びらの外、
歎かじな、雲の驕溢を。
白牡丹、宇宙なり。
また 薫す、専なる白。
この坐、ふたつなし、ただ。
位のみ。ああ、にほひのみ。
鮎鷹は多摩の千鳥よ、
梨の果の雫く切口、
ちちら、ちち、
白う飛ぶそな。
鮎の子は澄みてさばしり、
調布の瀬瀬のかみしも、
砧うち、
砧うつそな。
鮎鷹は初夜に眼の冴え、
夜をひと夜、あさりするそな。
ちちら、ちち、
鮎の若鮎。
水の色、香る泡沫
眉引のをさな月夜を
ああ、誰か、
影にうかがふ。
註 多摩川のほとりには梨畑多し
梨の果の雫く切口、
ちちら、ちち、
白う飛ぶそな。
鮎の子は澄みてさばしり、
調布の瀬瀬のかみしも、
砧うち、
砧うつそな。
鮎鷹は初夜に眼の冴え、
夜をひと夜、あさりするそな。
ちちら、ちち、
鮎の若鮎。
水の色、香る泡沫
眉引のをさな月夜を
ああ、誰か、
影にうかがふ。
註 多摩川のほとりには梨畑多し
鷺は棲む、正身の
白き聖。
しづりうつ雪の柳に
やや燻りて。
つくづくと、うち見やる
水、枯葦、
まさしくもみ冬なり。
白ひと色。
鷺は棲む、羽ごろもの、
笠の翁。
いとどしく、薄墨の
空飛ぶもの、
雀かと、眼は放て、
また眺めず。
言問はず、立ち舞はず、
日のくれぐれ。
鷺は燃ゆ、白毫の
明る眉間。
白き聖。
しづりうつ雪の柳に
やや燻りて。
つくづくと、うち見やる
水、枯葦、
まさしくもみ冬なり。
白ひと色。
鷺は棲む、羽ごろもの、
笠の翁。
いとどしく、薄墨の
空飛ぶもの、
雀かと、眼は放て、
また眺めず。
言問はず、立ち舞はず、
日のくれぐれ。
鷺は燃ゆ、白毫の
明る眉間。
関西学院グリークラブ80年史(PDF)
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