前年に関学グリーは
中勘助の詩からを委嘱し、二年続けての委嘱作となる。伊藤整の自由口語詩をテクストとして、各曲が初春から冬にかけての季節経過を追うように配列されている。
東京公演に作詩者・伊藤整が聴きに来たことがあり、「
このような自由詩でも歌曲になるのですね」との礼状が関学グリーに届いたという。
なおその礼状は現在、作詩者の所縁の地である小樽の小樽文学館に関学グリーから寄贈され、保管されている。
http://otaru-journal.com/2012/05/0523-2.php
『梅ちゃん』の原詩にない「ぎゃん」という音は、同じ詩集に収録されている「深夜の絵」からの引用である。
『月夜を歩く』は「ティチアノー筆『白衣の女』の裏に」という副題を持つ。ティチアノーは16世紀に活躍したイタリアの画家
ティツィアーノ・ヴェチェッリオのことであり、「白衣の女」とは、おそらく、彼の代表作として知られる「
フローラ」を指している。
加藤磐郎によって混声合唱に編曲されている。初演データは以下の通り。
初演団体:法政大学アカデミー合唱団
初演指揮者:福永陽一郎
初演年月日:19??年?月??日
法政大学アカデミー合唱団第19回定期演奏会
このうち、「月夜を歩く」は、東京工業大学混声合唱団コール・クライネスが全日本合唱コンクールで自由曲としてとりあげたことがあり、録音も残されている。(
第45回全日本合唱コンクール全国大会 Vol.4 大学)
参考動画