全国大学生日本語ディベート大会実行委員会 - 第五回大会ルール
全国大学生日本語ディベート大会ルール
2008年9月20日改正
第1章 大会運営についての規定
第1条 目的
第2条 論題
第3条 試合のフォーマット
第4条 試合の進行
第5条 各ステージの担当
第6条 参加資格
第7条 使用言語
第2章 ディベーターの責任
第8条 コミュニケーションの責任を果たすこと
第9条 マナーに留意すること
第10条 主張に根拠を伴わせること
第11条 証拠資料はその条件を満たすこと
第12条 反則行為と処分
第3章 各ステージに関するルール
第13条 プラン
第14条 質疑
第15条 新しい議論
第16条 遅すぎる反論
第4章 試合の判定
第17条 審判
※赤字は昨年度からの変更点です。
第1章 大会運営についての規定
第1条 目的
本大会は、台湾の高等教育機関で日本語を学ぶ学生の日本語能力、及び論理的思考能力、批判的思考能力、傾聴能力、情報収集・分析・活用能力、口頭発表能力の向上に、ディベートを通して寄与することを目的とする。
第2条 論題
本大会の論題は政策論題とする。論題は当該年度の全ての大会を通じて一つとする。
第3条 試合のフォーマット
本大会は規定のフォーマットで試合をする。(
細則1
)
試合の各ステージは、それぞれ担当チームの持ち時間である。この時間中に発言の中断がなされたり時間が余ったりすることがあっても、次のステージに進むことはできない。
第4条 試合の進行
試合は、司会者の指示によって進行する。ディベーター、聴衆は、司会者の指示に従わなくてはならない。
各ステージの担当者は、定められた時間を越えてスピーチをすることはできない。定められた時間を越えてスピーチがなされた場合には、超過時間中に話された内容をすべて無効とする。なお、スピーチの順序や内容についての予告は、時間内に行うこととする。
第5条 各ステージの担当
本大会では、4名のディベーターが立論・質疑・第1反駁・第2反駁の各ステージをそれぞれ担当するものとし、質疑における応答は立論担当者が担当するものとする。
本大会では、4名のディベーター以外に1名のアドバイザーの参加を認める。アドバイザーは各ステージにおける発言権はない。相手チームの発言を分析し、準備時間の話し合いに参加し、適当な指示、助言を担当する。アドバイザー制度を利用するか否かは各校が判断する。
やむを得ない事情によってディベーターが欠けた場合、アドバイザーが代理を務める事を認める(複数のディベーターが欠けた場合は主催者が対応措置を決定する)。
名簿の提出は試合毎に行う。同一チーム内であれば、各試合における出場者の変更、及び役割の変更を認める。
第6条 参加資格
本大会は、日本語能力の向上を目的の一つとしているので、日本国籍を有する者、日本語を母語とする者、および日本の学校教育機関(海外の日本人学校を含む)に通算三年以上在籍し教育を受けた者は、出場資格を認めない。
第7条 使用言語
本大会は日本語の使用を前提とする。証拠等として採用する資料について、原本の言語は問わないが、固有名詞等、翻訳不可能なもの以外は日本語に訳すか、日本語による説明を加えなければならない。
第2章 ディベーターの責任
第8条 コミュニケーションの責任を果たすこと
各ディベーターは、発言内容を審判・聴衆・相手チームにわかりやすく伝える責任を負う。この責任を果たすため、各ディベーターは、明瞭な発音、適切な速度、十分な声量などを心がけて、スピーチを行わなければならない。コミュニケーションの責任が十分に果たされていない場合には、発言内容がどんなに優れたものであっても、審判が発言内容を適切に理解できないので、判定に考慮されない。
第9条 マナーに留意すること
必要以上に攻撃的な表現、審判及び観客に不快感を与えるような表現、相手チームとのコミュニケーションを拒絶するような表現を使用してはならない。
第10条 主張に根拠を伴わせること
ディベーターは、個々の主張を根拠によって立証する責任を負う。主張を支える根拠を示す方法には、論理的理由づけを述べる方法と証拠資料を示す方法とがある。
論理的理由づけとは、特に証拠資料などを挙げず、誰もが認める考えをつないで主張の裏づけとする根拠をさし、証拠資料とは事実報告や統計資料、専門家の見解などを記してある文書のことである。
第11条 証拠資料はその条件を満たすこと
証拠資料として認められるものは、公刊された出版物で第三者が入手可能なもの、及び、政府の公表した報告書など、及びこれに準ずるもののみとする。
証拠資料を示す際には、著者の肩書き・著者名・文献名・発行年を明示し、引用開始と引用終了を明らかにして、読み上げなくてはならない。インターネット上の資料も同様に、著者の肩書き、著者名などを明示しなくてはならない。こうした条件が満たされていない場合には、証拠資料の信憑性がそれだけ低いものと判断される。
審判あるいは相手チームから、それまでに読み上げた証拠資料の提出を求められたときには、証拠資料を提出しなくてはならない。その際、請求された当該箇所を速やかに提出できるように用意しておく。ただし、相手チームが証拠資料の提出を求めることができるのは、その相手チームの準備時間中のみであり、その準備時間の終了までに返却しなければならない。
数値等をグラフ化または図表化し、紙媒体によるポスター等の形で審判及び相手チームに示しながら説明を行うことを認める。グラフ化、図表化された資料も証拠資料の一部とみなされるので、著者の肩書き・著者名・文献名・発行年を明示しなければならない。なお、ポスター使用はあくまで口頭による説明の補助であり、口頭表現を省略してはならない。また、その使用の有無や多寡で審査が影響されることはない。
第12条 反則行為と処分
反則行為があった場合は、審判及び実行委員会の判断で、該当チームを反則の程度により、厳重注意・減点・敗戦・失格のいずれかの処分を行う。(
細則2
)
相手チームに反則があったと判断した場合、試合終了直後に、司会者の許可を得た上で、審判に申し立てを行う事ができる。
第3章 各ステージに関するルール
第13条 プラン
本大会では、否定側は、現状維持の立場をとるものとし、肯定側と異なる別のプラン(対抗プラン)を出すことはできない。仮に対抗プランが出ても、対抗プランは無効で、否定側は現状維持の立場をとるものとみなす。この場合、混乱を避けるため、審判が必要な説明を行うことがある。
また、否定側は肯定側の提出した統一プランの内容を直接攻撃してはならない。
第14条 質疑
質疑においては、一問一答形式で行う。質疑における主導権は、質問する側にある。
第15条 新しい議論
立論で提出されず、反駁で新たに提出された主張・根拠は、「新しい議論」と呼ばれ、無効となり、判定の対象とならない。ただし、相手の持ち出した主張・根拠に反論する必要から生じた主張・根拠は「新しい議論」とはみなされない。
第16条 遅すぎる反論
相手チームの主張・根拠に対する反論は、相手チームに再反論の機会を十分に与えるため、可能な限り早くなされなければならない。すなわち、肯定側立論に対しては否定側第1反駁あるいは否定側立論で、否定側立論及び否定側第1反駁に対しては肯定側第1反駁で、肯定側第1反駁に対しては否定側第2反駁で、否定側第2反駁に対しては肯定側第2反駁で、それぞれ反論を行う必要がある。この条件を満たさない反論は、「遅すぎる反論」と呼ばれ、無効となり、判定の対象とならない。
第4章 試合の判定
第17条 審判
試合の判定は審判が行う。 審判が行う判定では、次の二つのことをする。
1)勝敗の決定をする。(
細則3
)
2)コミュニケーション点を付ける。(
細則4
)