お掃除ミネアさん

 占い師ミネアは子どもが大好きである。
 それは、「子どもと一緒に遊ぶのが大好き」とか、「子どもの純真な笑顔を見ている
と癒される」とか、そういった類のものではない。
 ミネアは子どもとセックスするのが大好きなのだ。
 まだ性のなんたるかも知らない男の子の筆おろしをしてやるのが、三度のメシより好
物だし、未精通の男の子のはじめての精液を飲めるとあらば、大切な水晶玉を売り
払うことも辞さないほどだ。
 クソがつくほど真面目で、ウブでネンネでネクラでムッツリと思われているミネアだが、
実際のところは、姉のマーニャが知ったら真っ青になるほどの、アブノーマルなセックスマ
ニアだったのである。
 さて、そんなミネアだが、尊い神託に導かれた戦士の一人でもある。
 南西大陸から失意のうちにエンドールに渡って、幾月の時を過ごしたのち、彼女と
マーニャはある人物と運命的な出会いを果たす。
 その人物とは、言うまでもない。この世を救うべき運命を担った、勇者のことだ。

 モンバーバラの姉妹と勇者が出会ってから、一週間ほど過ぎたある宵のこと。姉妹
は宿場町の酒場にて、食事をとっていた。
「はー……。なんか、こう拍子抜けしちゃうよね。勇者サマっつーくらいだからさぁ、あた
しはもっとこう、背が高くて美形でべらぼうに強くて、おまけに大金持ち! みたいなの
を想像してたんだけど。あー、いやまあ顔はね、いいけどね。でもアレじゃあ、あと五年
は期待できないし」
 料理を葡萄酒で流し込みながらグチるマーニャに、ミネアが眉間に皺を寄せた。
「もう、姉さん。そういうこと言うの、やめなさいよ。言ったでしょ、わたしたちはそういう私
欲をあらわにしては……」
「あー、はいはい。『わたしたちは私欲で繋がるような浅い仲間ではない。尊いお告げ
に導かれし者たちなのだからっ』でしょ。あんたのお小言もいい加減聞き飽きたわ」
 目尻を指先で吊り上げさせながら、マーニャはミネアの口真似をして、けらけらと笑う。
ミネアはこの実姉の不遜な態度に対して、不快感を隠そうともせず、盛大に溜息を
ついた。
「んで? 勇ちゃんいまどうしてんのさ」
「剣の素振りをしてくるって。真面目ね。どこかの誰かさんとは、大違い」
「ふうん、またか。"あんな身体"なのによくやるねー。いやまったく、そのどっかの誰かさ
んにも見習ってもらいたいものだわ、おほほ」
 皮肉を受け流したマーニャに対して、ミネアは急に黙り込んでしまった。怒るでも蔑
むでもない表情のまま、どこか遠くを眺めるような視線を巡らせて、頬杖をつくばかり。
「ん? どったのミネア。顔赤いぞ」
「いえ、その……少し疲れたみたい。もう宿に戻るわ」
 異変を察したマーニャに手短に告げると、ミネアはさっさと酒場をあとにする。
 少しなら呑んでてもいいわよ、という言葉と共にマーニャに渡された財布には、酒手
には余りあるほどの金額が納まっており、彼女は目を輝かせて「毎度あり〜」と妹の
背中を見送るのだった。
 それが、ミネアの仕組んだ計画のひとつとも知らずに。

 秋は日が短い。先ほどまで明るかった空は、もう星を抱いて眠りにつこうとしている。
 宿の裏手に回ったミネアは、そこに求める人の姿を見止めて、胸を高鳴らせた。
 まだ購入してから三日と経っていないのに、すでにあちこちが刃こぼれした鋼の剣を、
勇者は一心不乱に振っている。
 裏庭の芝生は踏み込む足にひっくり返されて、黒い土が露出している。草をぬらす
露は、勇者が落とした汗のしずくだろう。その様子を見るだけで、彼が空想上で相対
した敵を、どれほどの数斬り伏せてきたのかが、察せられた。
 ミネアは物音を立てずに忍び寄ると、道端で拾った小石を、未だ剣を振り続ける勇
者の背に放った。
 勇者は、振り向きざまにその小石を一刀のもとに両断する――。
 ――ことはなく、頭に石つぶてをモロに浴びて、「いてっ」と間の抜けた声をあげた。
「精が出ますね、勇者さま」
 口元を抑えて笑いながら、ミネアは今度こそ気配を殺さずに彼の前に立った。
「ミネアさん、ひどいよ」
 打たれた頭を撫でながら、このイタズラの仕掛け人を見止めて、勇者は照れくさそう
にはにかむ。
 並んだふたりには、頭一つ半ほどの差があった。ただし、背の高いほうは女性。ミネ
アである。
 そう、勇者は小柄だった。いや、幼い、と言ったほうが正確だろうか。真珠めいた色
白の肌に、絹糸を思わす細い翡翠色の髪。汗の伝う首筋は華奢で、まるでうら若
い乙女のよう。
 歳はミネアとそれほど差がないはずなのに、勇者はひどくあどけない少年だったので
ある。
「汗でびっしょりですね。きちんと拭かないと、風邪をひきますよ」
「そうですね。ありがとう。気をつけます」
 素直にうなずいて、屈託ない笑顔を見せる勇者。
 ミネアは、身体の奥に爛れるような熱が広がるのを感じた。愛くるしい笑顔に見惚
れて、頬が赤くなるのを感じた。
 かわいい……! かわいすぎる!
 姉には聖人君子みたいなセリフを吐いておきながら、自分こそが私欲にまみれた目
で勇者を見ていることに、ミネアは自己嫌悪しないでもなかったが、この美貌の少年
を前にして、情動を抑えることなど、できようはずもなかった。
 にやけそうになる顔を必死でこらえつつ、彼女は勇者に近づいていく。

「汗……よろしければ、わたしが拭いますよ」
「えっ。でもそんなの、悪いですよ」
「いいんです、そんなこと。わたし、働いていないと落ち着かない性分なんです。だから
わたしのためと思って、お世話させて下さいな」
 我ながら、こんな言葉がよくスラスラでてくるものだと驚きつつ、ミネアは勇者の肩に
手をそえた。少年の薄い肩はしっとりと汗で湿っており、なんとも言えないなめらかな
感触を、指先に伝えてくる。
「すごい、濡れてる……」
 ミネアはしなやかな指を、そのまま肩口から首筋、頬へと滑らせていった。少しすえ
た汗の臭いが、ミネアの鼻腔に広がる。手のひらを濡らす少年の体液に視線を落とし
た彼女は、思わず喉を鳴らしてしまった。
「ミネア、さん?」
 いくら機微に疎い子どもとはいえ、さしもの勇者もミネアの異変に感づいたのだろう。
訝しがるような視線を、彼女に向け始めた。
「失礼、実はわたしタオルを持っていなくて。どうしようかと考えていたところなのです。
それで、いま思いあたったのですが……勇者さま、今宵はジプシー伝統の身の清め
方を試みるのは、いかがでしょう」
「ジプシーの?」
「はい。わたくしどもの伝統。水の恵み薄い、旅の民族ゆかりの流儀を披露したいと
思うのですが」
「へえ、それは興味ぶかいな。どういうのですか?」
 子どもらしい好奇心で瞳を輝かせる少年勇者。そんな彼に対して、ミネアはドス黒
い笑みをもって返すのだった。

「あ、あの、ミネアさん、なにをっ?」
 部屋に戻るなり、ミネアは腰帯を外し、野暮ったい長衣を肩から落とした。
 素っ頓狂な声を上げて顔をそむける勇者を気にせず、ミネアは後手にドアの鍵をか
けると、かろうじて胸元にかかっていただけの布地を、指先でつまんだ。
「ですから、先ほど申しましたでしょう。ジプシーの……いえ、わたしなりの方法で、勇
者さまのお身体を、キレイにしてさしあげますわ」
 上半身裸のままの勇者は、しずしずと迫ってくるミネアに気圧されて、あわてて後す
さる。が、所詮安宿だ。数歩退いたところで、すぐに壁に阻まれてしまう。
「うふふっ、どうして逃げるのですか?」
「だって、いまのミネアさん……なんだか怖いよ……」
 壁に背をもたれかけさせた勇者の間近で、ミネアは胸元を押さえていた手をゆっくり
と下ろしていった。かろうじて胸を隠していた布が次第に落ちてゆき、美味そうに育っ
た双果がまろびでる。
 いままで布地に抑えられていた重々しい乳房は、解放を喜ぶように、たぷんっと悩ま
しげに少年の鼻先で揺れた。
「まずね、裸になるんです。そしてね、二人でぎゅって抱きしめあって……ぺろ、ぺろぉ
って、舐めるの……。勇者さまの汗を一粒残らず、わたしがお口で、キレイにしてあげ
るんですよ」
 それがジプシーの流儀。そう言って笑うミネアの顔は、淫欲で汚れきっていた。
 むろん、そんなのはウソであることはわかっていたが、勇者はあまりに急な出来事に、
反論することも、逃げることもできずにいる。
「ミネア、さっ……!」
「ん、捕まえちゃった」
 ミネアを拒もうとした両手首をとっさに掴みあげて、彼女は勇者の両手を頭上に押
さえつける。大の字の格好だ。いかに勇者とはいえ、実戦経験豊富なミネアに対して、
腕力も俊敏さもかなわない。
「勇者さま、勇者さま……♪」
「あっ、やぁっ……!」
 ぺちょり。ねちょり。
 いやらしい水音がミネアの口元からこぼれる。勇者のほっぺたに流れていた汗を、ぺ
ろりと舌で舐めあげたのだ。そのまま彼女は、必死でもがく勇者を押さえつけたまま、
薄桃色したかわいい舌を、顔中に這いずりまわしていく。
「ほら、勇者さまのお顔、キレイにして差しあげましたわ。……でも、代わりによだれで
ベトベトになっちゃいましたね。そこまで考えておりませんでしたわ。うふふ」
「ミネアさん、やめてよぉ……。こんなこと、やだよぅ……」
 息を荒げて、目尻に涙を浮かべて、勇者は懇願した。普段清楚でおしとやかなこ
の年上のお姉さんの豹変ぶりに、心底恐怖している様子だ。
 だがそんな仕草こそが、ミネアにとってはたまらないのだろう。ますます瞳を淫蕩に濁
らせると、彼女はうっすらと開いた勇者のくちびるに、おのれのくちびるを重ねた。

「あ、ふっ……」
「んちゅ、んぅ……」
 ふっくらと柔らかなくちびる同士が触れあったかと思うと、勇者のくちびるはミネアの口
のなかに捕らえられていた。
 生温かいぬめった舌でミネアは勇者の口のなかを犯していく。口中の粘膜を舌で舐
めあげ、ねぶり倒し、隅々まで自分の唾液を塗りこめていく。
「ふあっ、ん、ちゅ……っ」
 乱暴なキス。抵抗しようとする勇者の舌を、ミネアは舌で屈服させ、支配する。口
のなかに収まりきらないほど唾液を流し込み、勇者の口内を自分で満たしていく。
 それはレイプだった。ミネアは、いままで誰も触れなかった勇者の体内を、かきまわし、
犯しているのだ。
「……ぁ、う……」
 しかし、気づけば勇者もまた、この淫らな口戯にすっかり没頭している様子だった。
抵抗していた力は抜け、ミネアの情熱的なキスに酔いしれ、自ら舌を絡ませていた。
 密着した二人の身体は汗でしとどに濡れ、肌に垂れ落ちたよだれが灯りに照り返
されて、ぬらぬらと淫猥な光を放っている。
「……ぷぁ……ふふふ、どうでした……? モンバーバラの夜のお味は……」
 ようやく顔を離したミネアの言葉に、息も絶え絶えな勇者は、なにも答えられなかった。

 勇者は完全にミネアに屈服してしまった。彼女にされるがまま、勇者は衣服を全て
脱がされて、ベッドの上に寝かされてしまう。
「勇者さま、とってもきれい。かわいい……♪」
 一糸まとわぬ勇者の身体を見下ろして、ミネアは陶然と溜息をつく。
 ほどよく筋肉と脂肪ののった身体のラインはまろやかで、まるで積もった新雪の稜線
のようだ。かわいらしく色づくちくび。柔らかそうなおなか。そして、毛も生えていない下
腹部には、細い身体によく似合う小さなおちんちんが、ぴくぴくと震えている。
「ちゅっ……ちゅっ、ねえ勇者さま……んっ、女の子とこういうこと、したことあるんですか……?」
「こ、こういうこと、って……?」
 勇者の身体の上に覆いかぶさったミネアは、身体中に浮いた汗の粒をくちびるでつ
いばみながら、勇者に質問をしていく。
「エッチなこと」
「そんなのっ……」
 ただでさえ赤くなっていた顔を、さらに紅潮させて、勇者はそっぽを向く。ミネアはま
すます笑みを深めて、勇者の肌に吸いついた。はじめから答えなど期待していない。
ミネアはただ、自分の言葉で恥ずかしがる勇者の顔が、見たいだけなのである。
「興味なかったのですか? 女の子のカラダを触ったり、こうやって触ってもらったり……」
「あっ……」
 ミネアは勇者の腋の下をぺろりと舐めあげた。熱のこもったそこに浮いた汗は甘じょっ
ぱく、若々しいオスの匂いにあてられた彼女は、うっとりと目を細める。
「はぁ、あふぅ、はあっ」
 次第に息を荒げていく勇者。未成熟な身体は、慣れない感触を次第に快楽とし
て受け入れ始めていた。
「キモチいいですか? わたしの舌でぺろぺろされるの、好き?」
「……ふぁあ……はぃ、好き……です……」
 そう、良かったわ。そう言ってミネアは、脇腹を舐めていた舌を滑らせて、さくら色のち
くびを舌先でつっついた。とたん、勇者の身体がびくりと盛大に震える。
「あは、勇者さまは、ちくびが弱いんですね。女の子みたい」
「やっ、そこダメぇっ」
 ミネアはくちびるをすぼめて、優しくちくびを食むと、もう片方の突起を爪の先で軽く
ひっかいた。触れるか触れないかの微妙な柔らかさで、小刻みにカリカリしてやると、
勇者は未知の快感に襲われて、狂ったように身体を痙攣させてしまう。
「じっくり開発してあげますね。ちくびだけで、イッちゃえるくらい」
「ひゃあぅっ!!」
 唾液をたっぷりまぶして、ヌラヌラになった勇者の胸を、ミネアは執拗に責めたてる。
指先で転がし、揉みほぐし、何度も甘噛みをしては、吸いたてる。
 その動作一つ一つのたび、小さな勇者はベッドの上で身体をよじり、快感に悶絶
するのだった。

「ふふ、勇者さま、キモチよかったでしょう。でも、コッチがとっても切なそうですね」
 一方的に責められて、幼い性感を無理やり開花させられた勇者は、ベッドの上でぐ
ったりとしている。だが、その下腹部……まだ一度も触れてもらっていないおちんちん
は、物欲しそうに鎌首をもたげて、ビクビクと震えていた。
「勇者さまかわいい。きっちり、皮の帽子で亀さんを守っているんですね」
 勃起している状態なのに、勇者の子どもおちんちんは、先っぽを覆ってまだ余りある
ほど、皮をかぶっていた。ミネアは愛しげに、そのオスとしては貧相にすぎる性器に指を
添える。
「ねえ勇者さま。オナニーはしたことありますか? おちんちんから、白くてネバネバした
おしっこ、お漏らししたこと、ある?」
「……わ、わからない……たぶん、ないよ……」
 ミネアの言葉に、勇者は眉をひそめる。演技やウソを言っているようにはみえない。
 この発育不良の勇者さまは、本当に性に関する知識や経験が皆無なのだろう。ミ
ネアは、神様のお導きに感謝しつつ、舌なめずりをした。
「そうなんだ。じゃあ……このわたしが、勇者さまに性教育をしてさしあげますわ。一
晩使って、おちんちんの使い方、たっぷり教えてあげる……♪」

「男の子はね、おちんちんがキモチよくなると、射精しちゃうんです。精液っていう白い
おしっこが、どびゅどびゅ溢れるんですよ……」
「なんだか、怖いよ……」
「あら、怖がらなくて結構ですわ。射精する瞬間は、とってもキモチいいんですよ。男の
人は、みんな射精が大好きで、一度射精の味を覚えてしまったら、そればっかり考え
るようになっちゃうくらいなんですから」
 勇者さまも、今日からそうなりますわ。ミネアはそう言って笑うと、小さくも立派に反り
返った勇者のペニスに、顔を寄せた。
「それでは、勇者さまの恥ずかしい皮のなか、拝見しますね」
「はぅうっ……!」
 よく手入れされたミネアのしなやかな指が、勇者の肉棒のなかばをつまみ、ゆっくり
下へと降ろされていく。
 みち、みちちっ。鈍く粘っこい音が、皮あまりの先っぽから漏れてきた。次第にめくれ
ていく濃いピンク色をした皮の内側から、生黄色い汚れが顔を出し始める。
「あは、勇者さまったら。ばっちいのをこんなに溜めこんじゃって、悪いコね」
「や、やだ……恥ずかしいよぉ……!」
 皮がめくれるにつれて、ムッと鼻をつく悪臭が広がり始める。熟成しすぎたチーズのよ
うな臭いに、ミネアはうっとりとした表情を浮かべる。
「うふふ、お掃除してあげる。勇者さまのおちんちん、お口でキレイにしてあげる……」
「こ、こんな……こんなのって、はあぅっ!」
 すぼめた舌先が、勇者のカリを舐めあげた。長いこと皮に包まれて育ったおちんちん
は、みっともないほど先細っており、亀頭より幹のほうが太いほどであった。
 そのみじめな先端にたまったカスを、ミネアは一心不乱で舐めまわす。
 勇者は、美しい女性が自らの恥部に顔を寄せて、この世で一番汚らわしいものを
美味そうに舐めている姿に、悲鳴とも嬌声ともつかない声をあげてしまう。
「ほらぁ、見て勇者さま……おちんぽのカス、ミネアが食べちゃっているの……」
 口の端からみっともなくよだれを垂らしながら、ミネアは口を広げて、舌を伸ばして、
汚物まみれになったおのれの顔を、勇者に見せつける。
 勇者が息を呑んだのを満足そうに確認すると、ミネアはその汚れを口に収めて、ぐち
ゅぐちゅと汚らしい音を立てながら、咀嚼しはじめる。
「……んくっ、んふぅ……勇者さまのおちんぽチーズ、おいし……♪」

 名残惜しそうに飲み下したミネア。無論、それで終わりではない。彼女は顔に落ち
てきた髪を鬱陶しげに払うと、挑むような視線を上目遣いで向けて、いきりたつ勇者
のおちんちんを、ゆっくり口のなかに含んでいった。
「ちゅっ、ぢゅっ、……んぷっ、んちゅっ……」
「はひ、ぁひ……ぃ!」
 勇者のおちんちんを締めあげながら、ミネアの形よいくちびるが、何度も上下する。
 まだ自分でもまともに触ったことのない、快楽のかの字も知らない性器をなぶられて、
勇者は声にならない悲鳴をあげた。
 ミネアは唾液をたっぷり含んだ口粘膜で、固くはりつめたおちんちんを包み込む。敏
感すぎる剥けたての先っぽに、ねっとりと舌を絡みつかせながら、くちびるで包んだ歯で、
カリ首をきゅっと甘噛みする。
「やっ、んぁあっ!」
 勇者は悪い病気にでも罹ったかのように、痙攣しっぱなしだ。悩ましげに腰をくねら
せて、快楽地獄で悶絶している。
「キモチいい? ムズムズしちゃう? なんか、出ちゃう? ……ぁむ、んちゅっ……」
「あっ、あっ、ふあっ……!」
 頭を激しく上下に揺さぶり、おちんちんを呑みこんでは吐き出していくミネア。満遍
なく舌を這わせて粘膜奉仕をすれば、未経験の子どもが耐えられようはずもない。
「お漏らしして、いいんですよ……全部、ごっくんしてあげる……」
 その言葉をきっかけとして、勇者はとうとう絶頂を迎えた。
 折れるほど背を反らし、身体をこわばらせて、生まれてはじめての射精快楽に打ち
震えている。
 何十回もおちんちんが脈動し、溜めに溜めた初々しい精液を、ミネアは美味そうに
嚥下していくのだった。

 乱れたシーツの上は二人の汗と唾液と体液で、ぐちゃぐちゃだ。
 勇者は胸を上下させながら、荒い息をついて倒れている。
 ミネアはそんな勇者を楽しげに見下ろすと、かろうじて腰に引っかかっていた長衣を
脱ぎさった。
「見て、勇者さま。これがオトナの女の身体ですよ」
 ミネアの明るい褐色の肌は、汗と精液でぬめり、ひどくいやらしい輝きをまとっている。
首筋や手足の関節はきゅっと締まっているというのに、胸や腰はふくよかな柔肉で覆
われていて、悩ましげな曲線を描いている。
 熟れに熟れた、オスの性欲をかきたたせずにはいられない、淫らな肢体。勇者はミ
ネアの裸身を目にして、射精したばかりの股間にまた力がこもるのを感じていた。
「いまからわたしたち、セックスするんですよ」
「せ、せっくす……」
「そう、セックス。本来は子作りのための神聖な生殖行為。でも、いまからわたしたち
がするのは、快楽をむさぼるだけの、いやらしい、不潔な、肉の遊び……」
 ミネアはゆっくりと勇者の上に寝そべっていく。形よい乳房を薄い胸板に押しつけて、
そのとろけるような感触を、小さな少年に味わわせてやる。
「してみたい? おちんちんをおまんこにヌプヌプ抜き入れして……さっきの白いネバネ
バを、女の子のなかに、たっぷり注ぎ込んでみたい?」
「し、してみたいです……! セックスしたい……! もっとねばねば、出したい!」
 肉欲に濁った視線で懇願する勇者を見て、ミネアは笑った。勇者とはいえ、しょせ
んは今まで食べてきた少年となにも変わらないことに、失望して。あるいは、特別な
存在をいとも容易く陥落させたことに、歓喜して。
「それじゃあ挿れるところ、きちんと見ていてくださいね。勇者さまの童貞、わたしが貰っ
ちゃうところ、目に焼きつけてくださいね」
「は、はい……!」

 しどけなく四股立ちしたミネアは、いきりたつ子どもおちんちんに手をそえると、その上
にゆっくりと腰を下ろしていった。
 潤んだ肉ビラと、精液と先走りと唾液でヌメる先っぽが、にちゃ、といやらしいキスをし
た。そのままミネアは、熱くたぎるオスの性器を、呑みこんでいく。
「ほらぁ、入っちゃいましたよ……どうなっているか、見えますか、勇者さま?」
「ひっ、ぃひい……っ」
 勇者はなにも答えられない。生まれて初めて味わう牝肉の心地よさに、よだれを吐
き出すしかできずにいる。腰とおしりが密着すると、ミネアもまた、年下の子どもを犯し
ているという状況に、得も言えぬ快感の吐息を漏らした。
「あふぅ……わたし、犯しちゃってる……いけないってわかってるのに、また子どもをレイ
プしちゃってるぅ……あはぁ……ちっちゃいおちんぽ、好き、好きなの……っ」
 ゆっくりと腰をあげたミネアは、ぱちゅんっ、と淫蜜を跳ねさせながら腰を落とした。勇
者が悲鳴みたいなあえぎ声をあげて、悶える。
 かまわずミネアは、肉欲にまかせて何度も腰をくねり、うねらせ、幼いおちんちんを熟
れた膣肉で味わっていく。
「ほらっ、ほらあっ、ちんぽどうなってるのっ? キミのちんぽ、どうなってるのっ!?」
「ふぁ、はううっ、はい、ってます! ミネアさんのなかに、あひっ、入って、あううっ!」
「そうだよ、おまんこヌプヌプしてるんだよっ、言って、いまなにしてるのか、言って!」
「セックスしてます、ああ、あっ、ミネアさんのおまんこで、セックス、して、あうぅう……!」
 ミネアは勇者を気遣うつもりもなく、ただ肉欲をむさぼることに没頭していた。肉厚
なぬれぬれヒダ肉でおちんちんをなぶり、淫肉と男性器をこすりつけることしか、彼女
の頭のなかにはない。
「そ、そうだよっ、セックスしてるの、ああっ、子どもとセックス、して、る……! ダメ、い
っ、ちゃう、イッちゃうよぅ……!」
 荒々しく腰を叩きつけ、蜜であたりを汚しつくしたミネアは、感極まったように叫び、
気をやった。あまりに容赦ないその責めに、精通したての勇者もつられて絶頂してし
まう。
 肉欲の残りカスを決して逃さぬよう、二人はきつくきつく、絡みあうナメクジのように
手足と身体を密着させる。泡だった二人の結合部からは、濁った精液がダラダラと溢
れて、シーツに汚い水溜りを作っていった。
 そのあと、二人の肉欲の宴は、夜が明けるまで続いた。

 ――チクショウ、なーにが『私欲を捨てろ』だよ、あのビッチ!
 小鳥がさえずる爽やかな朝。
 井戸水で顔を洗っていたマーニャは、心中で悪態をついた。あのビッチ、とは言うま
でもなく、彼女の妹のミネアのことである。
 昨日、夜遅くまで呑んでいた彼女は、夜更けに宿へ戻った際に、妹と勇者の痴態
を見てしまったのだった。
 清楚な妹が、幼い少年にうしろから責めたてられて、はしたなくあえいでいる姿。
 はじめは、妹がレイプされているのかと憤ったのだが、それがすぐに間違いであり、むし
ろ妹が幼い少年を焚きつけて肉欲を貪っていることを、彼女は察したのだった。
 ――野暮ったい処女だと思っていた妹が、あんなド変態だとはねえ。おねーさん、
悲しい。
 などと思う反面、マーニャの秘芯はひそかに疼いているのだった。
 昨晩見た、あの荒々しい、ケダモノのような勇者の姿を思い浮かべて。
 あんな風に、女の子みたいな身体をした子どもに、自分が組み伏せられて、言いよ
うに犯されたとしたら……。
 ――うわっ、最悪!
 自分の心に芽生えた、妖しい疼きを必死で振り払い、マーニャは冷たい井戸水を
顔に叩きつける。

「あら姉さん、おはよう。ずいぶん早いわね」
「えっ!? いや、ハハハ……まあね、朝帰り、朝帰り」
「また? やめてよね、その調子じゃ、ひょっとして渡したお金、全部使い果たしたんじ
ゃないでしょうね」
「心配するなって。ちゃんと路銀は残してあるからさァ……あは、あはは」
 突然現れたミネアに、うろたえるマーニャ。昨晩の乱れっぷりがウソのように、いつもど
おりの小うるさく、お堅い妹の姿が、そこにはあった。
 ――人は見かけによらないね。あたしもまだまだ勉強不足か。
 顔を洗う妹の姿を横目で見ながら、マーニャは苦笑する。
 そう、人は見かけによらない。自分の本性もまた、自分ではなかなか気づかないも
のだ。
 この宿場からブランカまで、あと二日の道のりがある。
 昨晩見た、あの勇者の姿を思い返しながら、マーニャは「ああいうのも悪くないかも
ね」と、舌なめずりをするのだった。

 -おしまい-
2013年08月12日(月) 02:19:10 Modified by moulinglacia




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