リッカたん流意識回復術?

「こまったなあ…」

 ウォルロ村の宿屋。今朝、近くの滝つぼで若い男性が倒れているのを見つけた。
 その男性は、なにやら鳩の模様に似た派手な格好をした人だった。人工呼吸で一命は取り留めたものの、意識は戻らなかった。
 その後リッカが営む宿屋に移した。仕事が終わって、男性の寝ている部屋に入っても男性はまだ眠ったままだった。
 ベッドの近くにあったイスに腰をかける。しかし、いつまで意識が戻らない焦りから、どうすれば意識が戻るかを考えていた。ふと、あることを思いついていた。小さい頃、薄暗い部屋の中で
 宿屋王と呼ばれていた父が母と抱きしめあっていたのを見たことを思いだしていた。それしか思い浮かばなかった。そこに何かヒントがあるはず。
 リッカはすぐに行動を開始した。男性のズボンとブーツを取りさらった。そこであらわになった性器に顔を近づける。昔、母はよく父の性器を口に加え、這わせることで目を覚まさせた姿を見ていた。やってみるしかない。
 性器を見た羞恥心を堪えて、リッカは性器を口に加えた。
 ぐちゅ、ちゅる…と性器に唇と舌を這わせる。すると、口内の性器に変化があった。
「あ、大きくなった。」
 さらに性器を這わせる。
「固い…。しかも、熱い…」
 またまた更に性器を這わせた。
(何かが、出てくるわ…。)
 今度は這うスピードを早くすると、彼女の口内に何かがはじけとんだ。
 びゅびゅびゅ、どくどくどく…
 リッカは性器を離した後、ごほっごほっと咳き込みながら口の中の白い液体を吐き出した。
「ゴホッゴホッ…、うう〜、まずい〜…」
 口の周りについた精液をハンカチで拭く。そして…
「う…、うん…」
 男性が意識を取り戻した。
「あ、気が付いたのね。」
「き、キミは…?」
「私リッカ。この村の宿屋を経営してるわ。」
 ふと、男性は自分の下半身を見つめる。そこには露になった自分の性器が目にうつった。
「あれ? なんで僕下だけ裸なんだ?」
 リッカはかあーっと赤めた後、ズボンを男性に差し出した。
「ご、ごめんなさい! あなたがなかなか目を覚まさないから、つい…」
「そ、そう。ありがとう…」
 ズボンを受け取る男性。あわててリッカは走り出し、扉の前に立った。
「とにかく、今日はゆっくり休んでってね。」
「うん…。」
「そ、そういえば、あなたの名前は?」
「僕? 僕はナイン」
「ナイン…ね。それじゃ、ナイン、おやすみなさい。」
 あわてて扉をしめた。そしてふうとため息をつける。
「ナインさんか…。そういえばうちの守護天使様の名前もナインだったわね…」
 と、不思議に考えつつもリッカはその場を歩き出した。

<了>
2011年03月31日(木) 00:50:37 Modified by palta




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