男武闘家×女武闘家

 七年前、大勇者オルテガは一人火山の火口へ自ら落ちた。
 魔王バラモスとかたい握手をしたオルテガ、そして落ちる。
 アリアハンの兵士ソケットは見届けた。
 国で王に、仲間、同僚全てにこれを伝えた、バラモスの事は半信半疑に取られた。
 オルテガの娘バリーは17才になった。今火山の火口に居る。
 今は閉ざされている火口の闇の世界への入口。大きな火口には洞窟が幾つもあり、
 その一つにブロックで囲まれた小さな出入口の穴があるだけだ。
 バラモスがここまで小さくした。一昔前は強力なモンスターが野放図に出入りしこの世界の
 人間を殺め喜びに耽っていたが、彼は自身以外殆ど通れなくした。
 アリアハンの人間ならば邪悪なモンスターが居なくなったのは、
 火口の穴が小さく成ったからだとすぐ気付く。
 彼の功労を称え、答える為ソケット2年前からは火口にほぼ在勤。
 これからは人間が守ると言ってバラモスを喜ばせた。
 人間とはソケットとガイ。自らの意志でアリアハンから来た最高の人材。
 小船にただ二人乗りランシール経由で魔の海をた易く渡った。
 「ソケット!ガイ!」バリーの仲間の戦士ブラック、懐かしい故郷での仲間を呼ぶ。
 時に邪悪なモンスターが闇がから出て来ると言う。しかしガイの前に皆散った。
 ガイも「バラモスは名君」と言う。時に話を交わす。二人を労ってくれると言う。
 オルテガは戦い続けてきた自分の仲間とバラモスに上の世界を託した様だった。
 「大勇者に合いたいならまず、バラモスに話を付けるべきだ」ガイ。
 「バラモス無しにはもう人は闇に下りれないからな」ソケット。
 だがバラモスは最近現れない。自分の城に結界を張って篭っていると言う。
 「闇の世界の大魔王と揉めているらしい。バラモスも大変だ」ソケット。
 バラモス城にラーミアで行けるだろうか。だがオルテガに合う為にはそれが道の様だ。
 そしてオルテガはその大魔王と戦う気なのだろう。オーブは今四つ。
 ソケットは手○大会でブラックが2位の時、1位を取った兵士だ。齢、当時26今30
 目が細く首の太い、エラの張った厳めしい顔をしている。
 勇「ノルドに似てる」戦b「言われてみればそっくりだ」

 ガイはアリアハンで有名な格闘家。城詰めで師範をしていた。
 ブラックは仲間の武闘家瑠璃の母国語でもある、エツ語を彼女から教わって得意口語の
一つにした。ダーマ出身の彼女、母国語圏は瑠璃と同じだ。「ガイは俺より強いんだぜ」
 ブラックは彼女の小さく細い両肩に男のデカイ両手を乗せて、パーティーに紹介した。
黒髪を真中で分け、二つに束ね。前髪がボサボサと細い綺麗な眉にかかっている。
 緑色のスリットの大きく入った龍の文字の書かれた稽古着を着ている。
 つり上がった大きな目、小さな桃色の唇。世にも美しい、美しい美少女だ。
 イシスの女王と並ぶ、あるいは凌駕する。「バリーより一つ下さ」16才だとブラックが言う。
 ガイはブラックの両手を冷たくサッと取った。彼女は根に持っていた。
 (フッたからってお前・・・)恋人の居たブラックは彼女の誘いを断った事がある。
 それからの彼女は彼にこんな調子だ。
 瑠璃とバリーを紹介する。オルテガの娘、ブラックを仲間に選んだのは二人知っていた。
 「瑠璃師範?」凛々しい女の声が自分と同職、もう一人の武闘家に聞く。
 こちらローズピンクが鮮やかな武闘着の中年、2mの大男。
 「あなたの御陰で私は」王に雇われた由緒ある彼女と違い、
 格安で陰で兵士、格闘家に武闘を教えていた瑠璃だが、瑠璃の方が評判が良かった。
否、瑠璃は良師。ガイは悪師と謳われた。今が二人初対面だ。
 「あなたの事は酒場で御見受けした事があります。店の裏で働いている様に見えましたが
 あんな場所で。ルイーダのひもだったとか噂も聞きました」
 冷たく言い続ける女。(こいつどーしよー)苦笑いで思う若い戦士、続けて
 「それは噂だ」強く言った。ルイーダと付き合って居たのは認めるが(勝手に)瑠璃はひもでは
無いだろうとブラックは思っていた。
 「真意等どうでも宜しい」女は場を区切る。「そんなあなたが本当に強いのか知りたいだけだ」
 「元気な人だ」瑠璃の低い美声に、ガイの胸は女らしく鳴った。
 「此方へ手合わせ願えませんか」昂揚した鼓動を隠し続け女は請う。
 「いいでしょう」
 かなり歩いて、三人からは遠くに見える奥まった洞窟へ二人の武闘家は消えて行った。

 ソケットとバリーには、今までの三人の会話が全く解らなかった。
 高い発音の独特な口語。ブラックが二人に訳す。
 アリアハンはタリ語圏。タリ語は通じる国が多い。瑠璃はエツ語とタリ語の飛び交っている環境
で赤子の時から育ったらしく、二ヵ国語を操る。(そうでは無いガイのタリ語はぎこちない)
 両親の一人がエツ語圏の故郷の村で、タリ語を話していたのだ。彼はその環境も思い出していた。
 
 女の後に男が続く。女は止まるが男は止まらず洞窟の奥へ奥へ、そして振返った。
 「ルイーダのひもや無かったが」艶な話をいきなり振る男。ダーマ出身のガイに比べ
西の訛りがある。
 「その前数年間、アリアハン、レーベで色々な女のひもでした。噂が出るのは当然です」
 ガイは神妙に聞いている。
 「あの頃は記憶無うなって、何も解らん時でした。言葉と、SEX以外」
 ガイは速い鼓動を抑えられなかった。顔が赤くなったのがバレているのは瑠璃の反応で解る。
 「今は仰山自分の事を思い出して来ています。どう言う人間であって何をすべきだったか。
 あなたの前で恥じない男と自負している」
 (あぁ、これはとんでもない男だ)ガイはこちらを見る瑠璃の圧力に押し潰されそうだ。
 「さぁ、来い」瑠璃の低い声が開戦を決める。
 (強い!だが戦う意志は益々募る!)
 武道独特の挨拶を済ませた両名、お互い空手。女はラフな構えだが、
 男は一分の隙も無い端正な姿態。だが彼女は人でもモンスターでも、隙の無い相手を砕く
のが好きだ。(玉砕!)心で叫んで男に飛び込んだ。

 「まるで喧嘩だ」男の静かな低い声と、長い足の蹴りが飛んで来た。
 女の稽古着は胸の辺りが少し裂ける。
 負けずに体ごと肘を男に飛ばそうとするが、かわされる。男の跳ね回る三つ編みに少し触れた程度だった。
 女、次は跳ね、足を高く上げ轟音と共に踵落とし。と、♂(お!)だが男はかわす。
 女は大きな斜めのスリットに拘わらず、生足で、下着を付けていない。

 女は尚も弧を描いて蹴りを飛ばす。「素晴らしい。せやけど」男の両手で腰を弾かれガイはよろけた。
 彼女をよろけさせるには相当の力が必要だ。瑠璃もかなり力を入れた。
 「基本が甘いんじゃ。それで人教えられる思っとるんかい」ガイは踏ん張って耐える。男の言葉を聞く。
 「才能はわしより上じゃ。天才や。だから人と分かち合える物が少ないんやろう」
 「でもあなたが来なければ、私は師範だった」声は怒りながら、女の顔は活き活きと。
 「厳しいと言われて、分け合えるものが無くても人に物を教えるのは得意だった。でも好きじゃなかった。
  格闘家なら自分より強い者しか目に入らないんじゃないか?」
 言いながらガイは瑠璃の武闘着の袖を取る。殺気がまるで無かったので瑠璃は許した。
 「私の邪魔をしたのは今までであなた一人だ。私より明らかに強い人はあなた一人なんだ!」
 忌々しいのか喜ばしいのか解らない声と表情で女は言う。目を細めて瑠璃は女を見下ろしている。
 「酒場のカウンターの中に居た姿を見た時から、勝てない事は解っていた。
  悔しくて、悔しくて、・・・・・今でも憎いんだあなたが!!」鋭く女は凄んだ。
 「違ゃうやろが・・・」「え?」低い美声はいつでもこの女の胸を揺らす。
 「話が違う言うてんねん」女は目を閉じた。
 すると男は彼女の首に捲かれた緋のスカーフをとって、細い首にキスした。

 稽古着の女と武闘着の男、その守備力の差がそのまま二人の強さの差だった。
 スリット、緋のスカーフの艶やかさ、しかし武闘着の薔薇色に敗北している。
 洞窟の壁は今ガイの背にあった。双方美しい服を脱がぬままただ腕に触れ合っている。
 瑠璃がガイの口を吸うと、ガイはその激しさを拒んだ。求められている感が息苦しい。
 (私が誘っておいて・・・)
 壁にもたれてガイは弱く座り込む。その時グチャッと音がする。
 「濡れ過ぎ・・・・子供が出来るかも知れない」そう言う彼女はつまりそう言う日だった。
 「わしゃ種無し」
 あなたの子供は欲しくない。憎んでしまいそうだ。---と言う言葉を彼女は飲み込んだ。
 憎みながらもちゃんと育てそうな自分の妄想も全て消えた。
 自分で打ち消す前に、男の一言に消えた妄想をバカバカしいと彼女は思った。
 女から男に口付けた。そして自分の乳房に男の手を導く。男の手は気ままに動く。
 「うんっ・・・」前髪を飛び上げさせ喜ぶ女の体。
 岩壁の削られた様な緩いカーブに滑り込んで、男女の体は横になったと言って良い。
 150cm代半ばの女、2mの男。♀(大きな手・・・「あっ・・・」
 ガイは動く自分の服を見ようとするが、快感に邪魔されあごを上げる。
 「膝をついて」と言う彼女は武闘着の勝手を知っている。
 腰帯を取らなくても・・・・触れる事が出来た。キスしてくわえる姿は可愛い風情だ。
 舌の使い方が良い。滑らかで。(おっ・・・いいねいいね)瑠璃、肩の辺りがゾクッとする。
 「このままイッてご覧」唇を離し、舌だけを裏側の根元から先まで滑らせて女は言う。
 「口に出して」「解った。後で何ぼでも・・・まぁせぇへんやろな」
 男は吐息混じりで話し、女を少し乱暴にポンと押した。
 水気のある所を男は覗く。(あ、しおかいな)「えらい事になっとんなぁ」
 「いや・・・」両手で顔を隠す。この男にはバカにされている様でガイは辛い。

 ガイは(私が抱いてやっている。私が抱かせてやっている)と言う
 感覚が大小様々だがどんな男に対してもあった。習慣であり、時にそれが快感であったが
 今は相手がどんなだろうと、どんなに彼女に卑屈で居ようと、辛い。
 自分より強いと痛感した男だから。言うなれば今[犯されている]
 (私が誘っておいて・・・)彼女はこの場から走り去りたい。この男を(殺したい・・・)
 その男の指が入る。♀(くそぅ・・・・)女は内心うろたえて泣きそうだ。
 ヌルヌルとし過ぎている。可愛い襞が光って男を誘っている。洞窟内にグチャグチャと響く。
 「こない濡れんでもええがな」指を動かしながら低い声でボソッと。
 (きゃ-----!)嫌な感情の全てが彼女の頭に渦巻いている様である。
 (自分で誘っておいて・・・(あっ) ♂(おっ)
 水に似たサラッとした液体が、弱い勢いでピンと少量出てきた。
 少なく太い彼女の毛に水晶の様な美しい雫が。♂(しおだ、しおだ)
 ヌルヌルの体液と、サラッとして太腿の内側までも簡単に濡らす液体とが混ざって、
 膣内は襞はもうつるっつる。グチャグチャ。
 そして女性器全体は燃える様に熱い。「もう終わってええんちゃうの?」
 もう恥ずかしくて、女は男のいきり立った陰茎を平手でピチッと叩いた。
 「あっ吹っ飛ぶがな!」男のわざとらしくあわてた様に、セリフの意味も含め、
 さらにその事態も想像して女は吹き出した。

 男は女の腰を取り合体。フラフラと漂う。
 (いいね・・・)と男が思うと、力強い正拳突きが飛んできた
 間一髪かわした男の左頬を掠れた痛みが走る。
 「かわした・・・・もっと没頭して」
 (元気やなホンマに!)男は変な笑顔。今後に緊張。
 取り敢えずガイは無感動になりたかった。しかしニ、三回摩擦され、それに自分の体が
動いてしまうと、自分の音を聞かせられると、
 「嫌だ!止めろ!止めろ!」物凄い剣幕で嫌がった。

 なぜ岩が砕けたのか。男の強靭な背筋と拳の為だった。カウンター、つまり前哨として男の頭に
岩を打付けようとする女がいた。
 ♀「殺してやる!」だが男が丸く滑らかな女の腰に手をやると、深い息を堪えてガイは黙る。
 「どないしてん・・・・」野太い声で優しく言う。女の乱れた髪をゴツイ手で整えてくれて居る。
 「耐久力がないんだ」女は、快感に。
 「自分の体に負けたくない。その姿をあなたにだけは見られたくない」 ♂「ん?」
 女が誘ってこの状況の筈だ。只今合体中。
 「それは負けだ・・・・負けそうだ・・・こんな負け方したらもう闘えないっ!」
 「はっきり言えや」
 「女の武闘家が、男の武闘家に惚れたらもう闘えない!」
 「好き!死ぬ程好き!」言いながら男の武闘着の胸倉を掴み、飛び付く。
 「あなたが好き!!」
 「いやいや、ちょう待て」対する男は素っ頓狂だ。
 「落ち着き」一期一会だ。切迫感から言うだけ言って真っ赤な女は、優しく言う男を見上げる。
 「あんたにはあんたの道さんがあるやろ。その後にも先にもわしが居るとは思えん」
 「・・・私とあなたは全然違うから・・・・」「何処がやろね?」
 「闘う意味」「御明察」
 「言うなれば異種格闘やね。そんな男に負けようと何だろうと、次のステップステップ」
 「自信もって行き。あんたわしの武闘に惚れた訳やない」
 「後学の材料にせぇ。期待しとるわ成長」そこまでガイに入れ込む訳は、
 「は、女と闘うの初めてでして。いや−−−緊張した」
 「アハハハハハ」(笑うと可愛い娘やね)
 「色んな事教えてあげたいね。あなたに」(おう?)
 「あなたにも道があって、道の先にあなたはもう辿り着いた人だと思う。だからずっと強い」
 (ええ女や)漠然と素直に瑠璃は思う。
 「褒め殺しや。何もやらんぞ」「頂戴。あなたが来ないと何も教えられない。もっと抱いて」
 「ボチボチなぁ・・・・」

 火口に来た頃ガイとソケットは、毎日ヤッてしまっていた。例えば、
 「ガイー、ガイちゃーん」言いながら戦士は、とても淡い色の乳首をくわえその乳房を引っ張り、
ヒリヒリする程、彼女が痛がる程男の指で恥丘をこすり捲くり、
 亀頭にその彼女の可愛い唇にキスしてもらい、睾丸にすら舌を、反り返った物を喉の奥に当る程
口内に入れ、時に歯が立ったなら「あ、ごめん」なんて少女の声が。
 入れると少しキツイ。戦士はとても良い。美少女、「怖いくらい気持ち良い・・・・」と彼によく言
った。28才の男と14才の女は、
 「ソケット、ソケット」「ガイー、ガイー」言い合って果てる果てる。1日に10度と言う事もあった。
抱き合っている時にモンスターが現れ、慌てて服を着たり、男は半裸だったりして、
 二人で情けないと思い笑い合った。正直可笑しいのだが。
 男女の関係である事はバラモスに悟られかも知れないようであり、ベットでシーツに絡まり合い、
二人座って腕を、ほぼ全裸の肩に腰に回し合い、
 「私達恥ずかしいかな」「カッコ良過ぎるって事は無いんじゃないの?」煙草を吸いながら戦士。
そして、ただ座りながらもガイの胸はソケットの脇腹に当っているので、
 「な、・・・・」体を若い体に寄せる。「え、また?・・・」等。
 両者目的は快楽のみ。その割りにしばらくして飽きた。原因は彼女が精神的に萎えた。
 彼が遅すぎて(不感症だろう)と思いながら、(私が良くないのかな)と、どうしても思ってしまい
乗らなくなって、パッタリと無くなった。

 一人を置いて、一人がアッサラームへ行く事が良くあるが、ソケットは元々SEXが余り好きでは
なかった。性格はムッツリスケベと言うが、
 ガイの美しい喘いだ顔、眉をしかめた切ない顔でイッて、やっと味を占めていた感だ。踊り子でも
売春婦でも中々イけなかった。美人しか目に入らなく成っていた。
 ガイを超える女は居ない。イシスの女王に思いを馳せた程だった。(火山の火口、ギアガの大穴の
番人。十分会える資格のある彼だが、本人思いも寄らない。)
 キメラの翼でアリアハンへ給与を貰いに行った時、同僚に
 「ガイと夫婦になったのか」と聞かれた彼は急いで首を振り、火口でガイに伝えると、
 「ちょうど良いかもね」と彼女はそんな気の様だった。夫婦と言う言葉に燃えて二人久々に。
ソケットはイケるイケる。
 男は自らの精液でベタベタ。イシスのゴムの避妊具は二人には必需品だ。
 夫婦に成る気は男は全くない。事ある事で、
「無理して綺麗すぎる奥さん貰うからあぁ成るんだ」
 と言われたく無いので男は結婚は絶対嫌だった。

 ガイはアッサラームでお忍びで来ていたポルトガ王に出会った。ガイ、王は嫌だった。操られる
人種に思えて。しかしポルトガ王は人を支配し、世界の王とも成ろう迫力が有って惹かれた。
 家来三、四人に話を付けて二人切りに成ったが、
 夜に目立たない黒いマントで顔以外は全て隠して居るのに、オーラと言う物はこの世に存在する。
堂々と雄々しい男振りと、逞しい肉体の奔放な王は、
 黒い、袖の無い稽古着の絶世の美女とあいまって、どちらがどちらを従えるでも無く、
ただ並んで気ままに歩いている風なのにことごとく目立った。
 夜のアッサラームでこれ程目立つなら、世界でこの二人が目立たない場所は無い様である。
 なので早速下賎な宿で抱き合う。
 28才でセクシーなのに、今まで何をしてきたのか、王は女に器用ではない。
 子供の様な時がある。ガイは可愛いなと思いつつ、どんな男よりずっと良かった。女を抱く、才能だ。
雌の喜ぶ体と、命だ。
 王は黒い髪と蒼い目をしているのだが、その時に彼女のずっと上で、その深い青い瞳をグッと
閉じ、彼女に汗と印しを落とした。
 男は何も着ていない。女も髪を二つに結んでいるだけで何も。勿論大事な所にも何も着ていない。
 ガイは全裸で男に抱かれるのは初めてだ。
 スカートが邪魔そうに付いていたり、胸当てが押し上げられたり、引き下げられたりして、
かえって胸を強調させたりしたが、いつも何か、微々たる物でも装っていた。
 この男には何も隠さない。今更ながら髪も解いた。
 その長い髪をもてあそんで、28の王は15才の美しい女を腕に抱く。
 王は町で女を拾うなど、初めてしてしまった。勝手が解らない。
 「どうして私を」この男の体を全ていただいた後に聞く、貪欲な女。
 「綺麗なのに楽しそうな人だったから」美人は面白くないらしい王であった。経験から来る
先入観もあるが、こうして人間を、何かを気に入れば抱く訳である。それは先入観に必ず勝つ。
 ガイは王に極めて偏屈だろと言われ、(当ってる)と思った。その彼女もこの王の世界観は何処か
遠く飛んでいる様に思えた。
 「城へ来るか?」
 金銀財宝、美食に囲まれた彼女に取ってつまらない世界も、この男となら楽しめそうだった。
目眩めく権力の世界も興味がある。
 しかし彼女の才能は格闘にあった。才があるなら、その道が良い。断った。

 王は戸惑う。ギブ-アンド-テイクが望みだ。
 「今夜、私も得るものがありましたから・・・・」
 良いながらのガイにキスされると、王は赤くなっていった。
 「そうか?そうか?」逞しい腕を赤い頭部に巻き付けて照れる。
 「格闘家だったのか。強い女性は良い」他の女を匂わせたので、「好きな方は?」
少女の様に聞きたがる。これも賜物と。王は嫌がったが、
 「旅人で、草木の様な山河の様な人が居たよ。抱きたいと思った。
  こんな大きな存在に思えるのに、
  抱かれたいでは無くて、抱きたいと思う、不思議な人だった。真っ黒でね。今でも好きだ」
 一度遠くから見た事がある、今旅をしていると言う勇者バリーじゃないかとガイは思った。
 
 別れはその夜のうちだ。
 「美味しかった」
 と女は耳打ちして風の様に消えた。上品と思っていた女の明らめた別れ。
 王には心に残る女となった。

 あれ程荒い格闘を繰り広げた男女だが、ゆっくりと抱き合っている。滑らかな悦楽。
 ♀「こんな子供と・・・」歳は差17。「つまらん事言うて叱られたいんか?」
 ♀「さっきも言うだけ言って・・・、・・・怖いです」戦闘中だ。迫力の叱咤だった。
 (嬉しそうに・・・・)(嬉しいの・・・)彼女はダーマの師匠にしか叱られた事がない。
その師匠100才にもまんまと惚れたものだ。もう故人だ。
 男は女の服を、胸当てをゆっくり上げる。
 淡い桃色の乳首が見えた。白く隆起した乳房のカーブも瑞々しい。先程触れて瑠璃は
解っていたが、大きさが二つ違った。両方丸く形が良いが、
 一つ優雅で大きく、もう一つは小さくて可愛い。仰向けの女の腰の動きに合わせて二種、
ゆらゆらうごめいている。
 男は小さい方の乳房、乳首にキスした。女はじっとそれを見て、
 「まだ、成長しようとしてる」16才の女、「でも成長しきってもこの差が埋ると思えない」
 バランスの悪いまま完成。自分の武闘もこの態の様な気がして、つまり彼女は弱気になる。
 ♂「差が可愛い。アンバランスが良い」「一生愛せる?」上手く逸らかされた。
 (おじさぁん・・・・)♀「ねぇ・・・」男大きい方の乳房にも優しく触れている。
 「あっ、あっ、」快楽に突かれる度声が出る。
 
 「ん----−−−んーーーー・・・あ・・・・」・・・?」
 別にこれと言った盛上がりもなく女は大きな息を吐く。
 「?本当にいったわ私」「こう言うのも良えやろ?」
 初めての事ばかりで、幸せな女の体。与えられてばかり。

 打って変って今度は激しい。逞しい女に出会って瑠璃も遠慮がない。
 女の体にいくつも汗を落して攻める。
 「何、教え、て・・・」くれるのか男が聞く。「っ、・・・、・・」
 男が誘っても、能動は女、隠さない両胸を激しく揺らし、白いあごを上げて無理の様だ。
 「もっ、とっ、・・・もっと・・・」そして女も誘う。
 (もっとかい!)男は自然、負けそうだ。
 開いた女らしい足を閉めさせ、だが膝を深く曲げさせ、丸まった女の体を真上から攻めた。
 「ああぁぁっ!、」「あっ、!んッ、!」
 美しい顔は。歪む。激しい男の攻め。浅く、時に深い。縦横無尽。
 圧迫感、閉塞感があり、何より閉じた足は触れ合いが深い。
 無色透明無臭のサラサラの液体は男の武闘着を少し濡らす。(つるっつるやねん)
 花弁は濡れに濡れ、その奥の奥も熱く濡れ浸り、(す、すべる・・・)
 「あぁぁーーっ!もう、殺してーーー!」(ホンマかのーん!?)ハハハと男。「どや!ええか!?」
 「ぁぁ、・・・・愛人、」その言葉に男はうな垂れ、地に腕を付ける程燃えた。
 ガイはぐったりとした両手の支えを、男の腕に求めた。そしてすがる。
 「愛人・・・結婚して」「いいよ」
 女は男がもっと驚くと思っていた。
 「これが良くなかったら言わなかった」とガイは瑠璃の腰に触れた。教えてあげたかったのは、
夫、雄としての合否。
 「成程」止まった男は深い息と柔らかい微笑。
 「・・凄く良かった--・・・」小声なので聞き取り難い。
 「お前で21人目だ」(に、20人・・・)夫婦二人が憧れだったガイは少しショック。
 「子供はよそで作るから」「逞しい妻・・・」
 ♂「ブラックなんか良えね---。」「あぁ、あなたが話しつけてくれません?」「よし」
 
 遠くの白人男その白金の髪を揺らし、くさめ。余りに何度も。
 勇「風邪?」寒気あり、ソワソワすると男。

 子種の無いものを、深い息と共に貰うとガイはにわかに口を開く。−−−−−
 五つで両親を無くし、六つの頃犯された。
 死ぬかと思った。旅の男・・・三人に一度期に。血が凄い。裂けた。日常生活の近場は顔が
割れる、限界まで歩きかなり遠くの医者にかかった。ガイは我ながら感心した。
 武闘の師匠に連絡が行く。六つのガイは(要らん事を・・・)と思うが仕方が無い。老師匠は
驚くべき早さで来てくれた。病床のガイは「何でもない」とだけ師匠に言う。
 当時、悲しくは無い。良く解らない。無理矢理スカートと、下着を下ろされた時は変な気持ち
になったが。今激しくある感情は、体が痛い何だか悔しい、と言うだけだ
 90代半ばの師匠の胸に抱かれた時、涙が出るとは自分でも思わなかった。ガイは怪訝に思い
ながら老人の服をひたすら少女の涙腺によって濡らした。
 処女は好きな男にあげたいものだ、とガイが思ったのは考える様になったのはその事件の
数年後だ。
 −−−−−云々を瑠璃に、淀み無く話し続けた。
 師匠にすら語らなかった事を瑠璃にガイは話した。「犯された」と初めて口にした。
 (美人とは)「大変だ」男は無邪気だ。
 「色々あって今の私があるわけだし」女は逞しい。♂「わし、こない不細工であんたの
気持ちどん位解るやろか」「不細工とは思わない。胡麻みたいな離れた目が良い」
 「白目と一緒に胡麻塩とあざなされた事が・・・・」女は笑った。

 ♀「まだ教えたい事が」「あなたには仕事があるでしょ?カンダタから聞きました」
 「あなたをここでずっと待っていますから。迎えに来て下さい」
 人と言う動物の女と男は斯くも男は行き、女は待つ様だった。
 ところでガイは、11才から自分なりの男の見方が欲しくなって、好ましい男には、虚しさを
覚えつつ殆ど手を付けた。ある種の納得を得た後、
 師匠に恋している事に気付くが、彼女12才の時この世は老師匠の命を終わりにした。
思いがけない別れ。「あの時犯された」と「昔の事」と師匠に話さなかったのではない。話せなかった。
 慌てて瑠璃に全てを告白したのはそんな過去の所為だろうか。

 三人パーティーとギアガの番人の別れは訪れる。
 デカイ男に挟まれ勇者バリーは凹に成っている。ぬける様な白い肌の男と、砂塵の様な鈍い
肌の男に、黒い何か可愛い人は連れ去られている様にソケットは思えた。
 その人は立ち去る三人の仲唯一全身を振り向かせ、
 「御役目御苦労様です」素晴らしい笑顔とアリアハンの最敬礼を彼に見せてくれた。慌てて
彼女に答え、取り慣れた姿勢を返すが彼女に見劣りするかとソケットは思う。
 引き止めたく思ったのも彼の生涯の秘密だ。
 やっと向かいの洞窟から出てきたガイもバリーに最敬礼を。バリーは・・・・
 (イシスの女王よりずっと綺麗だっ)と何となく男性的な気持ちに成った。

 バリーの魔法力で動かす舟のその甲板。二人の男。
 「結婚する事にしました。あんな若い奥さんどうしよう」顔を両手で抑えてヘラヘラする中年。
「つきまして、子供の世話をあなたに御頼みしたいのです」
 言葉を投げかけられているのは、白目の少ない瞳をぱちくりさせているブラックと言う戦士だ。
 「これで更に深い友情をですね・・・・」「まった」
 「いや、俺も混血でね。お前の様なの生れても支障ございません」
 彼の白金髪と、淡い色の目元に触れながら黒髪黒い目の男は言う。瑠璃は混血らしい所は見
当たらない。全くのモンゴロイドに見える。
 (お師と俺が!?)語学の師匠であるガイをブラックは師と言う言葉で二人切りの時等呼んだ。
 (子供の為だけに行うのは、それはとても・・・・)「今から緊張せんで良いって。俺の旅が終わって
この火口に来た時・・・・ま、その後も何度かお願いします」(うわっ!)
  自分とガイの絡み合う姿は容易に想像出来る。
 「良いんだろうか!?教師と生徒なんだ・・・」「五つ年下の女に何言うか」「お師匠さんだよ。
歳なんて関係ねぇ」(でも誘われたんだけど・・・)
 あの時恋人が居なければ(筆下ろしはお師匠さんだったよ・・・)そう言う親しみが彼にあるので、
ガイとそうした事(事務的とは言え)はリアルだ。
 美し過ぎるガイには良く目を奪われたものだ。あの視線だけは自分でどうする事も出来なかった。
二年振りに合ったガイも変らず美しかった。(お師・・・)
 (ソワソワ・・・)「緊張すな」

 「俺よりカンダタ方が良いんじゃないか?生れる子は先生にすれば孫になる訳だし」「それが・・」
色々あって子供は想像出来ないと。
 ガイが瑠璃には語らなかった真相は。カンダタがガイを誘う、ガイは嫌がる、しつこいので殴り
飛ばす、そしてカンダタは半日目を覚まさなかった。
 アッサラームでの出来事だ。所要があって出て来ていたガイを火口で先日出会ったカンダタは
ノコノコ、ズングリして色黒の力の強そうな子分ベータを連れてつけて来ていた。
 12時間も一人の男を共に介抱して、ベータとガイは情が移る。「頭が目を覚ましたら?」
 (どうもしない!)ひたすら思い続けた。(もう私は好きな人としか・・・・)
 ベータは身の引き方が潔かった。ガイはこの男を気に入ってしまうが、カンダタが目を覚ます。
 「強い!気に入った!親父によろしく!」忍びの服を託すに値するとガイを判断する。カンダタも去り
際は鮮やか。風の様に子分と去った。その瞬間だけはカンダタを女の目で見るしか無かった。
 そしてガイが火口に帰ると、ドラゴン二匹相手にソケットが死んでいた。ガイはその二匹を倒し、
キメラの翼でアリアハンの教会へ、神父に不躾ながらと、ソケットを置き無人の火口へすぐ取って
返した。 「大怪我で死ぬってメチャメチャ気持ち良い」 
 と帰って来たソケットは語ってくれたが、ガイはソケットのあんな死骸をもう見たく無かった。
 
 ブラックはガイが瑠璃、カンダタ、ソケットと皆何かあったろうと感じている。 
 (俺のお師匠さんが色々な男と・・・・)ブラック女の師は彼女しか居ない。17才と12才で出会った。
その頃彼女は男を知っていた訳であるが。
 「はっきりしろ。ブラックには振られてるって、あいつ乗り気じゃなかった」
 「・・・俺の子供虐めないでな・・・」俯いているが若い男はやる気満々。
 「解った」瑠璃の方が見て眩しい位のヤル気だ。
 MPで舟の進路を入力し終えたバリーが来る。今はお前の方がガイより少し強いなと瑠璃に
言われたブラックが何やら一見嬉しい様なだが寂しそうな顔をしている。
 「そんなに強いなら仲間にすれば良かったのに」バリーが言うと。
 「お前とはちょっとなぁ・・・」男二人異口同音。

 ガイはブラックがバリーに執心なのを気付いていた。と瑠璃が母国語で言う。
 「俺とも上手くいかんのに」ブラック。
 「あの勇者と私どっちが良い?てぇ聞きよんのよ」
 「旅は無理だな」「無理じゃ」バリーの解らぬ言葉で男二人話す。
  瑠璃がどう答えたか等愚問か。(バリーの事はもう良いんだな)と先程洞窟でバリーと
キスしかしなかった戦士は思った。
 
 瑠璃はローズピンクの武闘着の上に青黒いマントを纏う。肩当てが鎧の様だった。
前にも増して強そうな男だ。バリーの視線は自然その男へ。
 クールなその男だが「視線が」熱いと戦士に明らかに喜んで見せる。何だか温かみのある
喜び方だ。
2008年04月25日(金) 00:16:20 Modified by dqnovels




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